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{{Chembox | 画像1 = Acetonitrile-2D-flat.svg | 画像サイズ1 = 120px | ImageFileL1 = Acetonitrile-2D-skeletal.svg | ImageSizeL1 = 120px | ImageFileR1 = Acetonitrile-3D-vdW.png | ImageSizeR2 = 140px | IUPACName = エタンニトリル | OtherNames = メチルシアニド、シアノメタン | Section1 = {{Chembox Identifiers | Abbreviations = | CASNo = 75-05-8 | EINECS = | PubChem = | SMILES = CC#N | InChI = 1/C2H3N/c1-2-3/h1H3 | RTECS = AL7700000 | MeSHName = | ChEBI = | KEGG = | ATCCode_prefix = | ATCCode_suffix = | ATC_Supplemental =}} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = C<sub>2</sub>H<sub>3</sub>N | RationalFormula =CH<sub>3</sub>CN | MolarMass = 41.05 g/mol | Appearance = 無色の液体 | Density = 0.786 g/mL 液体 | MeltingPtC = −45 | Melting_notes = | BoilingPtC = 82 | Boiling_notes = | Solubility = 可溶 | SolubleOther = 有機溶媒 | Solvent = | pKa = 25 | pKb = }} | Section7 = {{Chembox Hazards | EUClass = 可燃性, 有害 | EUIndex = | MainHazards = | NFPA-H = 2 | NFPA-F = 3 | NFPA-R = 0 | NFPA-O = 0 | RPhrases = {{R11}}, {{R20/21/22}}, {{R36}} | SPhrases = {{(S1/2)}}, {{S16}}, {{S36/37}} | RSPhrases = | FlashPt = 2 °C | IgnitionPt = 524 °C | Autoignition = | ExploLimits = | PEL = }} | Section8 = {{Chembox Related | OtherAnions = | OtherCations = | OtherFunctn = [[プロピオニトリル]], [[ブチロニトリル]] | Function = [[ニトリル]] | OtherCpds = [[酢酸]], [[アセトアミド]], [[エチルアミン]]}} }} '''アセトニトリル'''({{lang-en-short|acetonitrile}})は[[有機溶媒]]の一種で、最も単純な[[ニトリル]]である。[[IUPAC命名法|IUPAC系統名]]として'''エタンニトリル''' (ethanenitrile)、'''シアン化メチル''' (methyl cyanide) '''シアノメタン''' (cyanomethane) と表記できる。[[消防法]]に定める第4類[[危険物]] 第1石油類に該当する<ref>[https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/A0793 法規情報] (東京化成工業株式会社)</ref>。 == 性質 == 引火点 2 ℃(密閉式)<ref>{{cite web|title=Acetonitrile|url=https://gestis-database.dguv.de/data?name=013660|publisher=GESTIS Substance Database |accessdate=2022/9/6}}</ref> の可燃性の無色の液体である。[[エーテル (化学)|エーテル]]の様な独特の臭気を持ち、大きな[[誘電率]] 37.5 (20 {{℃}}) を持つ。[[非プロトン性極性溶媒]]で、水と任意の割合で混合する。多くの有機溶媒とも混合するが、[[石油エーテル]]([[ペンタン]]・[[ヘキサン]])などの[[パラフィン]]系溶媒とは分離する。 == 製法 == 工業的には[[ソハイオ法]]により、[[プロピレン]]と[[アンモニア]]と[[酸素]]から[[アクリロニトリル]]を製造する際の[[副産物]]として得られる。アクリロニトリルを 100 L 製造するとき、2〜4 L のアセトニトリルが共に得られる<ref name=":0" />。 実験室的には[[アセトアミド]]{{chem|CH|3|CONH|2}}を[[五酸化二リン]]{{chem|P|2|O|5}}で脱水したり、[[硫酸ジメチル]]と[[シアン化カリウム]]を反応させたり、ハロゲン化メチルに[[シアン化ナトリウム]]を反応させれば(下式)アセトニトリルが得られるが、通常は市販品を入手する。 : <chem>3CH3CONH2 + P2O5 -> 3CH3CN + 2H3PO4</chem> : <chem>(CH3)2SO4 + 2KCN -> 2CH3CN + K2SO4</chem> : <chem> CH3Cl + NaCN -> CH3CN + NaCl </chem> == 反応性 == [[加水分解]]するとアセトアミドを経由して[[酢酸]]と[[アンモニア]]に分解される。 : <chem>CH3CN + H2O -> CH3CONH2</chem> : <chem>CH3CONH2 + H2O -> CH3COO- + NH4+ <=> CH3COOH + NH3 </chem> [[還元]]されると[[エチルアミン]] ({{chem|CH|3|CH|2|NH|2}}) を生じる。 : <chem>CH3CN + 2H2 -> CH3CH2NH2</chem> [[遷移金属]]に対し[[配位子]]としてはたらき、[[錯体]]をつくる。またその配位性により、[[ヨウ化銅]](I) など、難溶性の金属塩を溶かす場合がある。塩化パラジウム(II)に配位した場合を以下に示す。 : <chem> PdCl2 + 2 CH3CN -> PdCl2(CH3CN)2 </chem> == 用途 == 無機塩の非水溶媒あるいは化学工業製品の原料や分析化学用の溶媒として用いられる。また、近紫外領域の吸収が小さいため[[紫外・可視・近赤外分光法|紫外吸光分析]]の溶媒としても使用される。その他、極性溶媒であり水と任意の割合で混合するので、実験室では[[逆相クロマトグラフィー]]や[[高速液体クロマトグラフィー]] (HPLC) の移動相としても汎用される。 == 毒性 == [[毒性]]は[[無機シアン]]化合物に比べると桁違いに低いものの、日本では[[毒物及び劇物取締法]]の[[劇物]]に指定されている。しかし含有率が40%以下の製剤は2010年に劇物指定解除となっている。また[[特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律|PRTR法]]による規制化合物でもある。吸入あるいは皮膚より速やかに吸収され、[[皮膚]]または目がアセトニトリルにさらされると炎症を引き起こすことがある。また、生体内で一部のアセトニトリルが[[シトクロムP450]]という酵素により代謝されると無機シアンを生じる。したがって誤飲するような量を摂取すると無機シアンと同様な急性毒性が発現する。なお、半数致死量 LD<sub>50</sub>=2450mg/kg (ラット・経口)である。これは成人男性(70kg)なら約170gに相当する。<!--Enより--> == 生産の状況 == 前述の通り、アセトニトリルは工業的にアクリロニトリル製造の際の副産物として生産されているため、世界的不況の深刻化により自動車産業が停滞、アクリロニトリルの需要が減少した2008年後半には世界的な品薄状態に陥り、価格が高騰した。そのため、高純度かつ均一な化合物を必要とする研究開発において、[[高速液体クロマトグラフィー|HPLC]] による分離精製に支障をきたす等の問題が発生した<ref name=":0">"A Solvent Dries Up" ''Chem. Eng. News'' '''2008''', Nov 24, page 27.</ref>。これに対応する手段として[[アジレント・テクノロジー]]では分離を阻害しないカラム内径、長さを小さくする方法やメタノールを移動相として使用する方法も紹介している。 == その他 == 1995年3月20日の[[地下鉄サリン事件]]の際、[[中野坂上駅]]で不審な液体を分析した[[東京消防庁]]西新宿[[化学機動中隊]]のガス分析装置には、当時、サリンのデータがインプットされていなかったこともあり「アセトニトリル検出」の報告がされた。築地、本郷三丁目、中野坂上の3駅で検出されており、捜査一課や専門家は、アセトニトリルにサリンを溶かし込んだ可能性があると見ている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/special/timeline/asahicom-chronicle/sarin.html |title=【記事再録】地下鉄に猛毒サリン 900人被害6人死亡(朝日新聞デジタル20周年特集) |date=2015-08-10 |accessdate=2018-11-12 |work=朝日新聞}}</ref>。 ==出典== {{Reflist}} == 外部リンク == * {{PDFlink|[https://www.env.go.jp/chemi/report/h16-01/pdf/chap01/02_2_2.pdf アセトニトリル]}} 環境省 * [https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0006.html アセトニトリル MSDS (改定日2006年4月9日)] 厚労相 職場のあんぜんサイト * [https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/cmpInfDsp?cid=C004-667-88A&bcPtn=1&shMd=0&txNumSh=<NumTp=1<NumMh=0&txNmSh=44Ki44K744OI44OL44OI44Oq44Or<NmTp=<NmMh=1&txNmSh1=<NmTp1=&txNmSh2=<NmTp2=&txNmSh3=<NmTp3=&txMlSh=<MlMh=0<ScDp=0<PgCtSt=100&rbDp=0&txScSML=<ScTp=&txUpScFl=null&hdUpScPh=&hdUpHash=&rbScMh=&txScNyMh=&txMlWtSt=&txMlWtEd=&err= 化学物質の初期リスク評価書Ver. 1.0No. 64アクリロニトリル化学物質の同定情報 独立行政法人 製品評価技術基盤機構] {{Normdaten}} {{Chem-stub}} {{DEFAULTSORT:あせとにとりる}} [[Category:ニトリル]] [[Category:溶媒]] [[Category:第1石油類]] [[Category:劇物]]
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