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アルゴンフッ素水素化物
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{{Infobox 無機化合物 | name = アルゴンフッ素水素化物 | 画像 = [[Image:Argon-fluorohydride-3D-vdW.png|150px|HArF の分子モデル]] | IUPAC名=? | 別名 = Argon fluoride hydride | 組成式 = HArF | 式量 = 59.954 | 形状 =不明 | 結晶構造 = | CAS登録番号 = [163731-16-6] | 密度 =不明 | 相 = | 水への溶解度=不明 | 温度= | 融点 =(分解) −256 | 沸点 = | 出典 = }} '''アルゴンフッ素水素化物'''(アルゴンフッそすいそかぶつ、argon fluorohydride)とは知られている唯一の[[アルゴン]](Ar)化合物(2006年現在)である。[[マトリックス分離法|低温マトリックス]]中で生成される。 2000年8月24日、[[フィンランド]]の科学者 Markku Räsänen により[[ネイチャー]]誌上で合成法とその赤外スペクトルが報告された<ref>Leonid Khriachtchev, Mika Pettersson, Nino Runeberg, Jan Lundell and Markku Räsänen,"A stable argon compound" ''Nature,'' '''406''', 874-876 (2000). DOI: [https://doi.org/10.1038/35022551 10.1038/35022551]</ref>。 分子式は HArF。 == 合成法 == [[アルゴン]]と[[フッ化水素]]の混合気体を、低温(およそ −265.5 ℃、7.5 K)まで冷却した[[ヨウ化セシウム]]の基盤上に吹き付け固化させた後、127-160 nm の紫外線を照射してフッ化水素を光解離させ、その後わずかに温度を上げながら(およそ −255 ℃、18 K)<!--原文、annealing-->アルゴンと反応させる。 : <chem>Ar\ + HF\ + </chem>紫外光<chem> -> H-Ar-F</chem> アルゴンが水素やフッ素と結合していることは[[赤外分光法]]により確認された。<sup>40</sup>Ar を基質とした生成系からは Ar-H、Ar-Fの伸縮、および H-Ar-F の変角振動に対応した新しい[[吸光|吸収]]がそれぞれ 1969.4, 435.7, 687.0 cm<sup>−1</sup> に観測された。一方、<sup>36</sup>Ar からの系ではそれらが 1972.3, 442.9, 689.3 cm<sup>−1</sup> に動いており、アルゴンの[[同位体効果]]が現れていることが確認された。 また、このネイチャー誌の報告では、これらの赤外吸収のうちAr-H伸縮振動、H-Ar-F の変角振動は、27 K 以上にマトリックスの温度を上げると観測されなくなることが報告されている。その後の研究で、昇温によるそれらの吸収の消滅に伴い高波数側 (それぞれ2016.3, 2020.8 cm<sup>−1</sup> および 693.5,697.0 cm<sup>−1</sup>) に新たな吸収が出現することが報告され、これらの変化は結晶中での安定化が起こったものであると結論づけられた<ref>Leonid Khriachtchev, Mika Pettersson, Antti Lignell, and Markku Räsänen, "A More Stable Configuration of HArF in Solid Argon" J. Am. Chem. Soc.; 2001; 123(35) pp 8610, {{doi|10.1021/ja016197s}}</ref>。 この化学結合は物質が17 K(-256℃)以下の温度に保たれている場合にのみ安定であり、それ以上ではフッ化水素とアルゴンに分解する。 == 関連項目 == * [[ヨウ化セシウム]] * [[フッ素]] * [[フッ化水素]] * [[アルゴン]] * [[貴ガス水素化物]] ==参考文献== {{Reflist}} {{貴ガス化合物}} {{DEFAULTSORT:あるこんふつそすいそかふつ}} {{Chem-stub}} [[Category:フッ化物]] [[Category:アルゴンの化合物]]
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