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'''アンモニア電解合成'''（アンモニアでんかいごうせい）とは、電気エネルギー、[[電気化学]]的手法を用いて[[アンモニア]]を合成する方法である。

旧来のアンモニア合成方法である[[ハーバー・ボッシュ法]]の場合、高温高圧が必要で、大規模なプラントでなければコストを抑えるのが難しい。そうした現状を乗り越え、より小規模でより低コストのアンモニア合成を目指している。[[2022年]]時点では実用化を目指した研究が行われている<ref>{{Cite journal|和書|author=伊藤靖彦 |title=溶融塩を用いた常圧アンモニア電解合成 (特集 アンモニア合成の新展開) |journal=エネルギー・資源 |ISSN=02850494 |publisher=エネルギー・資源学会 |year=2021 |volume=42 |issue=5 |pages=328-332 |CRID=1520853835164412288}}</ref>。

== 種類 ==
[[窒素]]と[[水素]]を電解セルに通してアンモニアを合成する方法と、水を[[電気分解]]するのと同時に窒素と反応させてアンモニアを合成する方法の2つが研究されている<ref name=":0">{{Cite journal|和書|last=靖彦|first=伊藤|date=2011|title=アンモニアエコノミーと常圧アンモニア電解合成|url=https://doi.org/10.50988/hess.36.4_27|journal=水素エネルギーシステム|volume=36|issue=4|pages=27-33|doi=10.50988/hess.36.4_27}}</ref>。
; 全反応
: <chem>1/2 N2 + 3/2 H2O -> NH3 + 3/4 0_2</chem>

=== 電解セルを用いる方法 ===
電解セルの材料となる[[固体電解質]]には、プロトン（H<sup>+</sup>、すなわち[[水素イオン]]）伝導体と酸化物イオン伝導体の2種類がある<ref name=":1" />。プロトン伝導体を用いる場合、水素をプロトンにし窒素とプロトンと直接反応させることで、アンモニアを合成する<ref>{{Cite web|和書|url=https://apchem.eng.hokudai.ac.jp/article/493/ |title=世界初！常圧220℃でのアンモニア電解合成 |accessdate=2022-07-05 |publisher=[[北海道大学]]工学部 応用理工学系 応用化学コース |date=2022-03-27}}</ref>。

[[2024年]]、[[出光興産]]、[[東京大学]]、[[大阪大学]]大学院工学研究科、[[産業技術総合研究所]]の合同チームが[[モリブデン]]触媒及び条件の最適化により、常温常圧でのアンモニアの連続電解合成の効率を従来の約20倍に向上させることに成功したと発表した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.idemitsu.com/jp/news/2024/240704.pdf |title=常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で世界最高性能を達成 |access-date=2024-07-24 |publisher=[[出光興産]] |date=2024-07-04}}</ref>。

=== 溶融塩を用いる方法 ===
この方法では、[[カソード|陰極]]で窒素を[[窒化物#窒化物イオン|窒化物イオン]]にし、これを[[溶融塩]]に溶かして[[水蒸気]]または水素ガスと反応させることで、アンモニアを合成する<ref name=":0" /><ref name=":1">{{Cite web|和書|url=https://catsj.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/icn2094.pdf |title=アンモニアの電解合成 |accessdate=2022-07-04 |publisher=Industrial Catalyst News |format=PDF}}</ref>。この時、[[アノード|陽極]]に[[酸素]]が副生する<ref name=":1" />。このようなアンモニアの合成方法を、「'''常圧アンモニア電解合成法'''」と言う<ref name=":0" />。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

<!--== 参考文献 ==-->

{{DEFAULTSORT:あんもにあてんかいこうせい}}
[[Category:電気化学]]
[[Category:アンモニア]]