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アーネシの曲線
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[[画像:Witch_of_Agnesi.svg|thumb|300px|right|アーネシの曲線。''c'' = 1(赤)、2(青)、3(緑)]] '''アーネシの曲線'''(アーネシのきょくせん) ([[イタリア語|伊]]: '''la versiera di Agnesi''', [[英語|英]]: '''witch of Agnesi''') または'''アーネシの魔女'''は[[直交座標]]における方程式 : <math>y = \frac{c^3}{x^2+c^2}</math> すなわち <math>(x^2 + c^2)y - c^3 = 0</math> によって表される[[曲線]]である。'''迂池線'''とも称する<ref>岩波数学公式I, p. 271.</ref>。 18世紀イタリアの数学者[[マリア・ガエターナ・アニェージ]](アーネシ)が研究したことからこの名がある。「魔女」というのはイタリア語の versiera(縄)の誤訳であって、意味はない。 [[Image:WitchOfAgnesi03a.png|thumb|300px|right|アーネシの曲線]] 原点 O と ''y'' 軸上の点 M を結ぶ線分を直径とする円がある。 原点 O から円上の点 A に直線 OA を引く。 直線 OA は M から ''x'' 軸と平行に引いた直線と、点 N で交わる。 点 N から線分 OM と平行な直線を引き、これが点 A から ''x'' 軸と平行に引いた直線と交わる点を P とする。 A の変化につれて P が描く軌跡が、'''アーネシの曲線'''である。 ==方程式== [[Image:Agnesi.gif|thumb|300px|right|アーネシの曲線をアニメーションで表現したもの]] 円の半径を ''a'' とすると(''c''=2''a'')、曲線の方程式はこうなる。 : <math>y = \frac{8a^3}{x^2+4a^2}</math> ''a'' = 1/2 のとき、この方程式は次のとおり単純になる。 : <math>y = \frac{1}{x^2+1}</math> ''t'' による[[パラメトリック方程式|媒介変数表示]]によって、次式で表すこともできる: : <math>x = 2at, \quad y = \frac{2a}{t^2+1}</math> <math>\theta\,</math> を OM と OA とのなす角(時計回り)とすると、曲線は次式でも表せる。 : <math>x = 2a \tan \theta,\quad y = 2a \cos ^2 \theta</math> <math>\theta\,</math> を ''x'' 軸と OA とのなす角(反時計回り)とすると、曲線は次式でも表せる。 : <math>x = 2a \cot \theta,\quad y=2a\sin ^2 \theta</math> ==性質== [[Image:WitchOfAgnesi04.png|thumb|350px|right|アーネシの曲線で ''a''=1, ''a''=2, ''a''=4, ''a''=8 としたグラフ]] * ''y'' 軸に対して線対称であり、''x'' 軸を[[漸近線]]とする。 * [[変曲点]]は <math>\left(-\frac{2a}{\sqrt{3}},\frac{3a}{2}\right),\left(\frac{2a}{\sqrt{3}},\frac{3a}{2}\right)</math> である。 * 曲線と ''x'' 軸との間の領域の[[面積]]は、元の円の面積の4倍(つまり <math>4 \pi a^2</math>)になる。 * 上の領域の[[重心]]は、(0, a/2) である(元の円の重心は (0, a) である)。 * 曲線と ''x'' 軸を ''y'' 軸の周りに回転させてできる立体の[[体積]]は、<math>4\pi^2 a^3</math> である。 ==歴史== この曲線の性質については、[[ピエール・ド・フェルマー]](1630年)、Guido Grandi([[:it:Luigi Guido Grandi|伊]])(1703年)、[[マリア・ガエターナ・アニェージ]](1748年)の研究が知られている<ref>http://www.mathcurve.com/courbes2d/agnesi/agnesi.shtml</ref>。 イタリアではこの曲線は '''la versiera di Agnesi''' と呼ばれており、その英訳は the curve of Agnesi であるが、ケンブリッジ大学の教授 John Colson の誤訳によって、'''witch of Agnesi''' とも呼ばれる<ref>Lynn M. Osen, ''Women in Mathematics'', 1975, p. 45.</ref><ref>[[サイモン・シン]], ''Fermat's Enigma'', p. 100.(サイモン・シン著、青木薫訳『フェルマーの最終定理』新潮社〈新潮文庫〉、2006年。{{ISBN2|4-10-215971-1}})</ref><ref>David J. Darling, ''The universal book of mathematics: from Abracadabra to Zeno's paradoxes'', 2004, p. 8.</ref>。 "The Witch of Agnesi" は Robert Spiller による創作小説。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 出典 === {{Reflist}} ==参考文献== * {{Cite book |和書 |author1=[[森口繁一]] |author2=宇田川銈久 |author3=[[一松信]] |title=岩波数学公式I 微分積分・平面曲線 |publisher=[[岩波書店]] |date=1987 |edition=新装版 |isbn=4-00-005507-0}} ==外部リンク== * {{MathWorld|urlname=WitchofAgnesi|title=Witch of Agnesi}} {{DEFAULTSORT:ああねしのきよくせん}} [[Category:曲線]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]] [[Category:三次曲線]]
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