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イェイツのカイ二乗検定
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[[統計学]]において, '''イェイツの修正''' (または'''イェイツのカイ二乗検定''')は[[分割表]]において[[確率論的独立性#独立性の検定|独立性]]を検定する際にしばしば用いられる。場合によってはイェイツの修正は補正を行いすぎることがあり、現在は用途は限られたものになっている。 == 推測誤差の補正 == [[カイ二乗分布]]を用いて[[ピアソンのカイ二乗検定|カイ二乗検定]]を解釈する場合、表の中で観察される[[二項分布|二項分布型度数]]の[[離散確率分布|離散型の確率]]を連続的な[[カイ二乗分布]]によって近似することができるかどうかを推測することが求められる。この推測はそこまで正確なものではなく、誤りを起こすこともある。 この推測の際の誤りによる影響を減らすため、英国の統計家である[[フランク・イェイツ]]は、2 × 2 分割表の各々の観測値とその期待値との間の差から0.5を差し引くことにより[[ピアソンのカイ二乗検定|カイ二乗検定]]の式を調整する修正を行うことを提案した<ref name=Yates>(1934). "Contingency table involving small numbers and the χ<sup>2</sup> test". ''Supplement to the Journal of the Royal Statistical Society'' '''1'''(2): 217–235. {{jstor|2983604}}</ref>。これは計算の結果得られるカイ二乗値を減らすことになり[[p値]]を増加させる。イェイツの修正の効果はデータのサンプルサイズが小さい時に統計学的な重要性を過大に見積もりすぎることを防ぐことである。この式は主に[[分割表]]の中の少なくとも一つの期待度数が5より小さい場合に用いられる。不幸なことに、イェイツの修正は修正しすぎる傾向があり、このことは全体として控えめな結果となり[[帰無仮説]]を棄却すべき時に棄却し損なってしまうことになりえる([[第一種過誤と第二種過誤|第2種の過誤]])。そのため、イェイツの修正はデータ数が非常に少ない時でさえも必要ないのではないかとも提案されている<ref name="Sokal1981">Sokal RR, Rohlf F.J. (1981). ''Biometry: The Principles and Practice of Statistics in Biological Research.'' Oxford: W.H. Freeman, ISBN 0-7167-1254-7.</ref>。 例えば次の事例: :<math> \sum_{i=1}^N O_i = 20 \, </math> そして次が[[ピアソンのカイ二乗検定|カイ二乗検定]]に対してイェイツの修正を行った場合である: :<math> \chi_\text{Yates}^2 = \sum_{i=1}^{N} {(|O_i - E_i| - 0.5)^2 \over E_i}</math> ここで: :''O<sub>i</sub>'' = 観測度数 :''E<sub>i</sub>''= 帰無仮説によって求められる(理論的な)期待度数 :''E<sub>i</sub>''= 事象の発生回数 == 2 × 2 分割表 == 次の 2 × 2 分割表を例とすると: {| class="wikitable" ! !! S !! F !! |- ! A | ''a'' || ''b'' || ''N''<sub>A</sub> |- ! B | ''c'' || ''d'' || ''N''<sub>B</sub> |- ! | ''N''<sub>S</sub> || ''N''<sub>F</sub> || ''N'' |} このように書ける : <math>\chi_\text{Yates}^2 = \frac{N(|ad - bc| - N/2)^2}{N_S N_F N_A N_B}.</math> 場合によってはこちらの書き方の方が良い。 : <math>\chi_\text{Yates}^2 = \frac{N( \max(0, |ad - bc| - N/2) )^2}{N_S N_F N_A N_B}.</math> <!-- いくつかの文献ではこの補正は期待度数が10以下の時に用いるべかだと述べられている、しかし他の文献ではイェイツの補正は常に適用されるべきと述べている {{要出典|date=2007年2月}}。 しかしながら、サンプル数が大きいような場合は、この補正は検定の統計値にほとんど影響を持たず、よってp値が得られる。 --> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[連続性補正]] * [[ウィルソンの連続性補正に伴う得点区間]] {{統計学}} {{Statistics-stub}} {{DEFAULTSORT:いえいつのかいししようけんてい}} [[Category:統計検定]] [[Category:数学のエポニム]] [[Category:数学に関する記事]]
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