エドワード・アルマンのソースを表示

{{Infobox scientist
| name              = エドワード・ルイス・アルマン<br/>Edward Louis Ullman
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[[Image:Multiple nuclei model.svg|250px|thumb|アルマンと[[チョーンシー・ハリス]]による多核心モデル]]
'''エドワード・ルイス・アルマン'''（Edward Louis Ullman、[[1912年]] - [[1976年]]）は、[[アメリカ合衆国]]の[[地理学者]]。[[多核心モデル]]を[[チョーンシー・ハリス]]とともに発表したことで知られる。[[第二次世界大戦]]中、[[地理学]]の有効性を示すために[[空間的相互作用]]の研究に傾倒した<ref>大阪市立大学 編（2000）：17ページ</ref>。この空間的相互作用（spatial interaction）という語はアルマンが初めて用いたものであり、[[場所 (地理学)|場所]]（[[地域]]）間の[[人口]]・[[物流|物資]]・[[情報]]などのさまざまな流動現象を指す[[専門用語]]となった<ref>佐土原ほか（2004）：23ページ</ref>。

== 経歴 ==
[[1941年]]、アメリカに来ていた[[ドイツ]]の地理学者[[アウグスト・レッシュ]]から[[ヴァルター・クリスタラー]]の[[中心地理論]]を紹介され、「都市の立地論」という[[論文]]を執筆し[[北アメリカ]]の地理学界に中心地理論の考えを広めた<ref>竹内・杉浦 編（2001）：56ページ</ref>。[[1945年]]、『アメリカ政治社会科学アカデミー年報』（''Annals of the American Academy of Political and Social Science''）に[[シカゴ大学]]で同じ[[研究室]]を使っていたチョーンシー・ハリスと共に「都市の本質」（''The nature of cities''）という論文を発表、多核心モデルを示した<ref>竹内・杉浦 編（2001）：160ページ</ref>。[[1948年]]2月、ハーバード大学が地質・地理学科の地理学部門の閉鎖を決定する<ref>竹内・杉浦 編（2001）：319ページ</ref>。当時、地域計画学科に属していたアルマンは地理学部門を守るために弁護するも閉鎖は覆らず、[[1951年]]に[[地理学科]]の建て直しに奔走していたドナルド・ハドソンに招聘され、[[シアトル]]の[[ワシントン大学 (ワシントン州)|ワシントン大学]]に移籍した<ref>竹内・杉浦 編（2001）：213,319ページ</ref>。都市地理学・[[交通地理学]]の分野で有力な[[学者]]となっていたアルマンは、ワシントン大学地理学科の顔として迎え入れられた<ref>竹内・杉浦 編（2001）：323ページ</ref>。[[1959年]]には、[[スウェーデン]]の[[ルンド大学]]の地理学者[[トルステン・ヘーゲルストランド]]をワシントン大学に招待し、講義を開講したが、ヘーゲルストランドはこの時にアメリカ各地で発生していた[[スプロール現象]]や[[自然破壊|環境破壊]]に強い衝撃を受け、それまで注目していなかった[[景観]]や[[環境問題]]についての研究を始めるきっかけとなった<ref>竹内・杉浦 編（2001）：183 - 184ページ</ref>。

[[1962年]]から[[1965年]]にかけて同学[[大学院]]副学長（associate dean）、[[1968年]]から[[1969年]]に都市・地域研究センター（Center for Urban and Regional research）のセンター長を務めた<ref name="SNAC">The Social Networks and Archival Context Project"[http://socialarchive.iath.virginia.edu/xtf/view?docId=Ullman+Edward+Louis-cr.xml Ullman, Edward Louis. <nowiki>[]</nowiki>]"（英語、2011年8月7日閲覧。）</ref>。[[1974年]]から[[1976年]]には[[リチャード・ニクソン]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]の任命により、[[アムトラック]]の[[取締役]]となった<ref name="SNAC"/>。更にメラメック盆地計画の代表（[[:en:Meramec River#Meramec Basin Project|Meramec Basin Project]]参照、[[1959年]] - [[1961年]]）、[[ワシントンD.C.]]の都市圏研究センター代表（1965年 - [[1967年]]）、西部地域科学協会会長（1969年 - [[1971年]]）を歴任した<ref name="SNAC"/>。ほかにもアルマンは、以下の[[大学]]で[[客員教授]]または臨時[[教員]]を務めている<ref name="SNAC"/>。
* {{USA}} [[セントルイス・ワシントン大学]]、[[ワシントン州立大学 (プルマン)|ワシントン州立大学]]、[[インディアナ大学]]
* {{GBR}} [[ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン]]
* {{ISR}} [[ハイファ大学]]、[[ヘブライ大学]]
* {{ITA}} [[ローマ・ラ・サピエンツァ大学]]
* {{AUT}} [[ウィーン大学]]
* {{CAN}} [[マギル大学]]
* {{RUS}} [[モスクワ大学]]

== 重力モデル ==
アルマンは[[取引]]には、相互補完・介入の機会・商品の移動可能性の3つの現象を基礎とする相互作用であったと提唱した。

相互作用の段階は取引に関する[[重力モデル]]で測定可能である。以下にそのモデル式を示す。

<math>
I_{i,j} = \frac{p_ip_j}{d_{i,j}^\beta}
</math>

上式において
* I：i,j間の相互作用段階。またはi,j間の取引量。
* P<sub>i</sub>：iの[[人口]]
* D<sub>i,j</sub>：i,j間の[[距離]]
* β：抵抗要因

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* [[竹内啓一]]・杉浦芳夫 編『二〇世紀の地理学者』[[古今書院]]、2001年10月9日、386pp. ISBN 4-7722-6004-8
* 佐土原聡・大澤正治・三橋博巳ほか"[https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/wise/j/pdf/J04H1010.pdf （1）都市農村連携における都市部の機能、環境負荷に関する研究]"[https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/wise/j/J04H1000.htm　H-10 環境負荷の軽減及び最適配分を実現する大都市近郊農村連携経済社会の制度設計と実施方策に関する研究]:13-34.
* [[大阪市立大学]] 編『春日茂男先生を囲む会 講演記録 世紀のはざまで』2000年12月、28pp.

== 関連項目 ==
* [[地理学者の一覧]]

== 外部リンク ==
*[http://faculty.washington.edu/krumme/faculty/ullman.html Edward L. Ullman(Resources for Students)] - ワシントン大学サイト内のアルマン紹介ページ（[[英語]]）

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:あるまん えとわと}}
[[Category:アメリカ合衆国の地理学者]]
[[Category:ワシントン大学の教員]]
[[Category:ハーバード大学の教員]]
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[[Category:シカゴ出身の人物]]
[[Category:アムトラック]]
[[Category:都市地理学に関する人物]]
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[[Category:1912年生]]
[[Category:1976年没]]