オリエント・エクスプレス '88のソースを表示

{{Infobox 列車名
|列車名='''日立オリエント・エクスプレス '88'''
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|画像説明=日本を走行するオリエント急行
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|種類=[[急行列車]]（[[団体列車]]）
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|運行開始=[[1988年]][[9月7日]]
|運行終了=[[1988年]][[12月25日]]
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* '''リヨン駅〜東京駅間の列車の運行者'''
** [[フジテレビジョン]]（団体企画者）
** イントラフルーク（車両所有者）
** [[フランス国鉄]]（SNCF）
** [[ベルギー国鉄]]（NMBS）
** [[ドイツ連邦鉄道]]（DB）
** [[ドイツ国営鉄道 (東ドイツ)|ドイツ国営鉄道]]（DR）
** [[ポーランド国鉄]]（PKP）
** [[ロシア鉄道|ソ連国鉄]]
** [[中華人民共和国鉄道部|中国鉄道部]]
** [[九広鉄路]]（KCR）
** [[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）
** [[東海旅客鉄道]]（JR東海）
** [[東日本旅客鉄道]]（JR東日本、国内ツアーの旅行主催者でもある）
* '''以下の運行者は列車回送のみ'''
** [[スイス連邦鉄道]]（SBB）
* '''以下の運行者は国内列車の運行のみ'''
** [[北海道旅客鉄道]]（JR北海道）
** [[九州旅客鉄道]]（JR九州）
** [[四国旅客鉄道]]（JR四国）
** [[日本貨物鉄道]]（JR貨物）
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|平均乗客数=
|起点=[[リヨン駅|パリ・リヨン駅]]
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|終点=[[紅磡駅|九龍駅]]・[[東京駅]]
|営業距離=15,494 km（17,997 km）
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|クラス=[[一等寝台]]
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|就寝=個室寝台（1人用個室、2人用個室）
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|食事=[[食堂車]]「コート・ダジュール」「プレジデンシャル」
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|娯楽=ピアノ・バー車
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|その他=シャワー車
|車両=Lx16型、Lx20型他<br>（機関車・控車を除きイントラフルーク所有の[[私有貨車|私有車]]。日本国内においては車籍：JR東日本[[品川運転所]]所属）
|軌間={{plainlist|
* 1,067 [[ミリメートル|mm]] （日本）
* 1,435 mm （ヨーロッパ・中華人民共和国・英領香港）
* 1,524 mm （ソビエト連邦）
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|電化={{plainlist|
* [[直流電化|直流]]1,500/3,000 [[ボルト (単位)|V]]
* [[交流電化|交流]]20,000/25,000 V・50/60 [[ヘルツ|Hz]]<br>15,000V <math>16\frac{2}{3}</math>Hz
* [[非電化]]
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|最高速度=95 [[キロメートル毎時|km/h]]
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'''オリエント・エクスプレス '88'''（ORIENT EXPRESS '88）は、[[フジテレビジョン]]（フジテレビ）の開局30周年を記念して[[1988年]]に行われた[[鉄道]][[イベント]]。

[[ヨーロッパ]]を走行する[[オリエント急行]]を[[日本]]まで走らせるという企画内容で、[[日立製作所]]が協賛し<ref name="rp513-64"/>、[[東日本旅客鉄道]]（JR東日本）の特別協力と[[JR#JRグループ|JRグループ]]各社の協力により<ref name="rp513-64"/>、総事業費約30億円を投じて実施された<ref name="rj268-142"/>。このため、この企画の正式な名称は「'''日立オリエント・エクスプレス’88'''」となっていた。

「[[ノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行|ノスタルジー・イスタンブール・オリエント・エクスプレス]]」（NIOE）の車両を保有する会社名の表記は文献によって異なり、「イントラフルック」「イントラフルーク」「イントラフラッグ」「イントラフラグ」「インターフルーク」「REISEBURO INTRAFRUG.A.G-イントラフルーク」「イントラフラッグ」とまちまちだが、本項では「'''イントラフルーク'''」で統一する。また「[[ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス]]」（VSOE）を保有する[[ベルモンド (企業)|オリエント・エクスプレス・ホテルズ]]を「'''VSOE社'''」、「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」を「'''VSOE'''」、「ノスタルジー・イスタンブール・オリエント・エクスプレス」を「'''NIOE'''」と表記するほか、国名は全て当時の名称で統一する。

==構想段階==
=== 企画の発端 ===
フジテレビでは、[[1982年]]にオリエント急行を題材とした[[特別番組]]『夢のオリエント急行 ロンドン - イスタンブール華麗なる3500キロの旅』を制作していた。この番組は、1977年に運行を終了したオリエント急行が、VSOE社によって定期的な運行を再開することを機として制作が決定したもので<ref name="rj268-144"/>、VSOE社の保有するVSOEだけではなく、イントラフルークの保有するNIOEも組み合わせた内容であった<ref name="rj268-140"/>。

この時に製作を担当した、フジテレビのエグゼクティブプロデューサー・沼田篤良は、番組準備としてオリエント急行について調査するうちに、オリエント急行に対する興味をふくらませていったという<ref name="rj268-144"/>。かつてオリエント急行の終点だった[[シルケジ駅]]は[[トルコ]]の[[イスタンブール]]に位置し、そこが洋の東西を分ける町とされていたが、沼田が興味を抱いたのは、[[東洋]]を意味する「オリエント」と称しているにもかかわらず、実際にはオリエント急行は東洋には乗り入れていないということであった<ref name="rf335-75"/>。そこから沼田が考えたのは「オリエント急行を東洋まで、それも東洋の奥の日本まで走らせよう」というものであった<ref name="rf335-75"/>。沼田は、ただ日本に運んできて走らせるだけでは「ヨーロッパを走っている豪華列車」というだけで終わってしまうと考えた<ref name="NIOE-122"/>。ただし、この時点では夢の域を出るものではなかったという<ref name="rj268-144"/>。

折しも、イントラフルークの社長であるアルベルト・グラットは、[[パリ]]から[[モスクワ]]・[[ナホトカ]]行きの列車を走らせたいと考え、その企画を沼田にも話していたが<ref name="rj268-144"/>、沼田が「オリエント急行をそのまま走らせては？」と問いかけると、グラットは「本当はそれをやりたい」と述べたという<ref name="rj268-144"/>。

=== 実現の可能性の調査 ===
[[1984年]]ごろ、沼田はオリエント急行を日本へ走らせることについて真剣に考えるようになった<ref name="rj268-144"/>。[[英国放送協会]]（BBC）の友人や[[イギリス]]の[[鉄道ファン]]に相談すると「理論的には可能」という答えが返ってきた<ref name="rj268-145"/>。しかし、日本ではそうではなかった。制作スタッフやプロダクションにも相談したが、荒唐無稽と受け取られてしまったという<ref name="rj268-144"/>。形だけの準備委員会は設置されたが<ref name="NIOE-124"/>、社内でも沼田を変人扱いする者すらいた<ref name="NIOE-124"/>。また、日本の鉄道評論家や鉄道ファンにも話をしてみたものの「なぜできないか」ということを丁寧に説明される有様であった<ref name="rj268-145"/>。

そんな中で、初めて「大変おもしろい」と沼田の相談内容について興味を示した鉄道関係者が[[山之内秀一郎]]であった<ref name="rj268-146"/>。山之内は、パリの[[国際鉄道連合]]の事務局へ[[1969年]]から3年間赴任した経験があったうえ<ref name="NIOE-125"/>、帰国後もオリエント急行について調査しており<ref name="NIOE-125"/>、1982年の特別番組の制作時にも協力していた<ref name="NIOE-125"/>。山之内は「難しいかもしれませんよ」と前置きしつつ<ref name="rj268-138"/>、オリエント急行が日本を走れるか検討することを約束し<ref name="rj268-138"/>、国鉄内部から専門家を集めて検討を開始した<ref name="rj268-140-141"/>{{refnest|group="注釈"|山之内は、オリエント急行の日本走行について「不可能とは思わなかった」と述べている<ref name="NIOE-125"/>。}}。フジテレビを通じて車両の図面を取り寄せて検討した結果「主要幹線なら走れそうだ」と見当をつけるまでに至った<ref name="rj268-141"/>。

一方、沼田も[[1985年]]にVSOE社を訪れ、社長のデビット・ベンソンや技術部長のジョン・スキナーとも相談した。社長のベンソンは「技術的な問題が解決すれば、パブリシティと割り切っても構わない」と肯定的で<ref name="rj268-145"/>、技術部長のスキナーも「鉄道技術は融通性がある」「最大の課題はシベリア通過と、対応する[[鉄道車両の台車|台車]]の製作」と述べた<ref name="rj268-145"/>。時期の問題については、春先はVSOE社にとって繁忙期、オリエント急行の客車には[[食堂車]]以外には[[エア・コンディショナー|冷房装置]]がないので夏の日本運行は不可能、[[暖房]]装置も真冬の[[シベリア鉄道]]通過には耐えられないという事情から「日本に行くのであれば秋」ということになった<ref name="rj268-145"/>。

[[1986年]]になると、フジテレビ社内の対応にも変化が見られるようになった。当時沼田が所属する編成局の局長が企画に理解を示し、[[1988年]]のフジテレビ開局30周年の記念事業として検討するように指示を出したのである<ref name="rj268-146"/>。最初の構想から時間がかかったことが、結果的にフジテレビの記念事業の時期と重なり、莫大な費用の捻出も可能となったのである<ref name="NIOE-137"/>。沼田はこれを受けて、VSOE社から[[ソビエト連邦]]への列車通過について確認を依頼したが、その結果は「オリエント急行のシベリア鉄道通過について、ソ連政府は拒否することはない」というものであった<ref name="rj268-146"/>。同年5月にはVSOE社からベンソンが営業担当者とともに来日し、山之内と具体的な相談をするに至った<ref name="rj268-141"/>。しかし、この時期は[[国鉄分割民営化|国鉄の分割民営化]]が間近になっていた頃で、フジテレビ側でも検討中ということもあり、いったん国鉄側での動きは中断した<ref name="rj268-141"/>。

同年10月22日、フジテレビからは沼田とともに編成局長と部長が常務理事に就任していた山之内を訪れ、1988年秋に開局30周年記念事業として行いたいので、具体的な検討を進めるように依頼があった<ref name="rj268-141"/>。これを受けて、同年10月30日には国鉄の関係者を集めて、翌[[1987年]]1月までに検討結果をまとめた<ref name="rj268-141"/>。その結果は「技術的にはオリエント急行は日本を走れそうだ」というものであった<ref name="rj268-141"/>。また、この段階で、国鉄が分割民営化されたあとはJR東日本が中心となって計画を進めることと決めていた<ref name="rj268-142"/>。山之内は「ヨーロッパに行って実際に車両を見ないと細かいことが分からない」と考えていたが<ref name="rj268-141"/>、この時期は分割民営化の準備のためそのような余裕はなく、国鉄側での動きは再度中断することになった<ref name="rj268-141"/>。

=== 具体的検討へ ===
[[ファイル:VSOE 01.jpg|thumb|当初日本に来る予定だったVSOEの車両]]
国鉄分割民営化から間もない1987年4月16日、フジテレビの幹部がJR東日本の副社長となっていた山之内を訪れ、オリエント急行の日本運行についての計画は予定通りに進めるように依頼があった<ref name="rj268-141"/>。折りしも、民営化直後のJR東日本では「国鉄時代にできなかったことをやってみたい」と考えていた<ref name="rj268-141"/>。これを機に再度計画が進められることになり、VSOE社からの車両の借り入れや、オリエント急行が通過する各国の運行についてはフジテレビが責任を持ち、JRグループでは日本国内での運行と乗客募集・販売を担当することになった<ref name="rj268-142"/>。フジテレビ側では[[スポンサー]]獲得のための営業説明が社内で行われるようになっていた<ref name="rj268-146"/>。

同年10月にはオリエント急行の運行について、JRグループ6社が集まって会議が開催された<ref name="rj268-142"/>。オリエント急行が日本に来るのは10月上旬で、日本からヨーロッパに返却されるのは12月下旬となるため、車両の改造についてはできるだけ短期間で行い、一日でも多く日本国内での運行ができるように検討が重ねられた<ref name="rj268-142"/>。運行計画についても、国鉄時代の検討では4往復程度の運行で考えていたが、日本一周以外にも[[金沢市|金沢]]・[[広島市|広島]]・[[京都市|京都]]などの観光都市へ何度も往復する「シャトル列車」を運行することになった<ref name="rj268-142"/>。その後も運行計画や沿線警備、さらに販売と宣伝について検討が重ねられた<ref name="rj268-142"/>。この時点で技術的な課題についても検討、調整が行われていたが、まとめて後述する。

=== 紆余曲折の末の契約 ===
ところが、この時期にVSOE社の社長が交代することになった<ref name="rj268-146"/>。ベンソンが[[スカウト (勧誘)|ヘッドハンティング]]により航空会社の社長に就任することになったためである<ref name="rj268-146"/>。技術部長のスキナーは「フジテレビには迷惑をかけない」と言ったものの<ref name="rj268-147"/>、実際に契約する段になり、VSOE社の会長であるシャーウッドは、車両保護の観点から「船で運べば安全で確実ではないか」と主張した<ref name="rj268-147"/>。また、提示された車両のリース料も非常に高額となった<ref name="rj268-142"/>。1987年の年末にシャーウッドが来日した際に、再度フジテレビから交渉したが、結局「VSOE社の提案する内容ではこの企画は実行できない」という結論に達した<ref name="rj268-147"/>。

やむを得ず、沼田はイントラフルークとの交渉に切り替え、イントラフルークのグラット社長に相談した<ref name="rj268-147"/>。グラットは沼田に対して「なぜ真っ先に相談してくれなかったのか」と怒ったという<ref name="rj268-147"/>。グラットの対応は早く、1988年1月には正式にオリエント急行の日本運行の実施が決定<ref name="rj268-142"/>、同年3月にはフジテレビとイントラフルークの間で正式に契約が結ばれた<ref name="rj268-146"/>。

==運行への準備==
こうして、オリエント急行を日本で走らせるための契約は成立した。しかし、短期間の間に各国の通過交渉や技術的課題の解決、さらに放送計画やイベントの計画、スポンサーや代理店に対する説明などを行わなければならなかった<ref name="rj268-147"/>。とりわけ収支予測については前例がなく、沼田をはじめとするフジテレビ関係者を悩ませた<ref name="rj268-147"/>。

===通過各国との交渉===
前述の通り、通過各国との交渉はフジテレビが担当したが、[[フランス]] - [[ポーランド人民共和国]]（現：[[ポーランド]]）間はイントラフルークが交渉を担当した<ref name="NIOE-128"/>。

当初、日本への車両の船積みは[[中華人民共和国]]（中国）の[[上海市]]から行う予定だったが<ref name="rj505-107"/>、折り悪く1988年3月24日に[[上海列車事故]]が発生したため、中国との交渉に悪影響を及ぼした<ref name="rf335-76"/>。結局、港湾施設の事情もあって<ref name="rf335-76"/>、日本への船積みは[[香港]]で行われることになった<ref name="rf335-76-77"/>。しかし、香港側も最初のうちは「そんな列車が来るはずはない」と信用せず<ref name="rj268-143"/>、交渉は困難を極めた<ref name="rf335-76"/>。また[[フランス国鉄]]（SNCF）の交渉も、最初の頃は「そんな列車を本気で走らせようとする人間がいるとは思えない」と取り合ってもらえなかったという<ref name="rf335-76"/>。

一方、最も困難な交渉が予想されていた[[ソビエト連邦]]（ソ連）においては、[[ミハイル・ゴルバチョフ]]書記長の政権下で[[ペレストロイカ]]を打ち出した直後であったため<ref name="NIOE-128"/>、比較的簡単に了解を得られたのみならず<ref name="NIOE-128"/>、[[グラスノスチ]]政策によって列車の[[空撮]]まで認められた<ref name="NIOE-128"/>。また、同じく共産圏であった[[ドイツ民主共和国]]（東ドイツ）やポーランド人民共和国の対応も好意的であったという<ref name="rj505-107"/>。

===技術的課題の解決===
ヨーロッパ内において、古い車両が国境を越えて運転する機会は多く、技術的・法的な問題はほとんどなかった<ref name="tr168-16"/>。一方、日本国外の車両を日本国内で運行するには、確認申請を[[運輸大臣]]（当時）に提出し、許可を受ける必要がある<ref name="rj268-142"/>。しかし、島国である日本の法律は、そもそも国外から列車が走ってくることを想定していなかったため<ref name="rf335-77"/>、JR東日本では運輸大臣の許可を得るために1年以上もの議論や指導を重ねた<ref name="rf335-77"/>。またイントラフルークでは車両の図面も満足に整備されておらず、JR東日本の技術者を困惑させたが<ref name="rf332-86"/>、イントラフルークのルネ・ブーベンドルフ技術部長によれば、製造から60年近くが経過し、その間に戦争もあったため仕方のないことだという<ref name="tr168-16"/>。JR東日本では1988年5月から6月にかけて[[スイス]]へ現地調査団を送り、車両の調査を開始した<ref name="rj268-142"/>。
;車両の規格
:オリエント急行の[[客車]]は、車体の全幅については2.9[[メートル|m]]でJRの車両よりも狭いが<ref name="rj267-95"/>、全長は23.5mと長いため<ref name="rj267-95"/>、日本での走行については曲線の通過時に[[車両限界]]に抵触する可能性があった<ref name="rj505-104"/>{{refnest|group="注釈"|ソ連や中国の通過においては問題は生じなかった<ref name="rj505-104"/>。}}。このため、運行を予定している区間に[[建築限界#鉄道|建築限界]]測定用の車両を走行させて確認したところ<ref name="NIOE-133"/>、支障箇所は約800か所にものぼり<ref name="rj268-143"/>、そのうち約300箇所については線路を移設して対応することになった<ref name="rj268-143"/>。また、ヨーロッパでは[[プラットホーム]]の高さが低いために乗降口には昇降用のステップが設けられているが、日本国内では取り外すことになった<ref name="NIOE-132"/>。その他、各種装備品についても移設や交換を行うことになったが<ref name="rj505-104"/>、[[荷物車]]の監視用の窓（[[キューポラ (建築)|キューポラ]]）については、オリエント急行のデザインに役立っていると考えられたことから<ref name="NIOE-132-133"/>、日本の規格に収まる大きさの監視窓を製作して取りつけることになった<ref name="NIOE-133"/>。
;[[軌間]]
:ヨーロッパと中国の軌間は1,435[[ミリメートル|mm]]の[[標準軌]]であるが<ref name="rj505-104"/>、日本のJR在来線はほとんどが1,067mmの[[狭軌]]であり<ref name="rj505-104"/>、さらに途中通過するソ連では逆に1,524mmの[[広軌]]となっている<ref name="rj505-104"/>。このため、ソ連を通過するために必要な広軌用の台車は30個が用意されることになり<ref name="rj268-147"/>、日本国内では[[旧型客車]]に使用していた[[国鉄TR37形台車|TR47形台車]]を改造して22個用意した<ref name="rj505-104"/>。日本での台車の準備はJR東日本[[大宮総合車両センター|大宮工場]]が担当し<ref name="rj505-104"/>、台車の交換は協賛企業の日立製作所が担当することになった<ref name="rj505-104"/>。オリエント急行の客車は日本の客車よりも1両あたり約10[[トン|t]]重いため<ref name="rp513-64"/>、台車の軸ばねと[[枕ばね]]を交換し<ref name="rp504-67"/>、強度試験が行われた<ref name="rp513-64"/>。
;[[連結器]]
:オリエント急行の連結器はヨーロッパでの標準である[[連結器#ねじ式連結器|ねじ式連結器]]だが<ref name="rj505-104"/>、ソ連・中国・日本では[[連結器#自動連結器|自動連結器]]が使用されているため<ref name="rj505-104"/>、自動連結器を使用している地域では客車の片側をねじ式連結器に変更した車両を用意し<ref name="rj505-104"/>、[[控車]]として[[機関車]]との間に連結することになった<ref name="NIOE-133"/>。日本国内の控車については[[#運行された車両|巻末の車両一覧]]を参照。
;防火
:日本の普通鉄道構造規則では、当時すでに内装に[[木材]]を使用することは火災対策上認められておらず<ref name="rj505-105"/>、暖房や調理用に[[石炭]]を焚くことも禁止されていた<ref name="rj505-105"/>。しかし、オリエント急行は内装に木材を多用しているだけでなく<ref name="rj268-142"/>、食堂車では[[焜炉#石炭焜炉・かまど（固体燃料）|石炭レンジ]]が使用され<ref name="rj268-142"/>、各車両の暖房は小型の石炭焚き[[ボイラー]]を使用していた<ref name="rj268-142"/>。これに対して、日本では各車両に放送装置と[[火災報知機]]を設置し<ref name="rj505-105"/>、防火専任の保安要員を乗務させるという条件で特認を受けることになった<ref name="rj505-105"/>。
;照明用電源
:オリエント急行では、各車両の台車に[[車軸発電機]]を設けることで照明用の電源を確保していたが、台車の交換によって発電機の位置が合わず使用できなくなった<ref name="rp504-67"/>。このため、荷物車両に[[ディーゼルエンジン]]駆動の発電機を搭載し、各車両へ供給することになった<ref name="rp504-67"/>。プルマン車とバー車は[[直流]]24[[ボルト (単位)|V]]<ref name="rp504-65"/>、食堂車は直流48V<ref name="rp504-65"/>、寝台車は直流72Vと使用電圧はまちまちで<ref name="rp504-65"/>、荷物車からは380V[[三相交流]]を供給し、各車両に[[整流器]]を設置した<ref name="tr168-28"/>。
;[[鉄道のブレーキ|ブレーキ]]
:ブレーキについては、通過する各国とも[[自動空気ブレーキ]]で統一されており<ref name="rj505-105"/>、圧力も全ての国で揃っていた<ref name="rj505-105"/>。このため、ブレーキに関しては空気指令の読み替えなどを行う必要はなく<ref name="rj505-107"/>、ブレーキ管の接続部分の種類と位置を合わせるだけで対応可能であった<ref name="rj505-105"/>。
;その他
:シベリア横断という長距離運行に対応するべく、荷物車については冷凍冷蔵庫の増強と厨房用水タンクの容量増大が施工された<ref name="rj505-105"/>。
車両の改造を担当する日立製作所では、JR東日本とともに設計検討を行ったが、図面だけでは分からない部分が多かった。このため、検証のために[[日立製作所笠戸事業所|笠戸事業所]]へ車両1両を先に送ってもらい{{refnest|group="注釈"|イントラフルーク社が保有していたレストア途上だった廃車同様の寝台車を使用した<ref name="rp513-64"/>。}}<ref name="rp513-64"/>、イントラフルークとJR東日本の立ち会いの下で、1988年8月4日から実際の車両を使用して作業項目の把握と技術的な見通しの検証を行った<ref name="rp513-64"/>。

一方、ソ連を通過するために必要な広軌用の台車については製作が間に合わず<ref name="rj268-147"/>、当初は9月2日に予定していたパリの出発日を9月7日に変更せざるを得なくなった<ref name="rj268-147"/>。ソ連用の広軌台車は、本企画での使用終了後もイントラフルーク社で保管されていた<ref name="tr179-10"/>。

==運行開始==
===パリから香港まで===
[[ファイル:Orient Express 88 Paris-Tokyo.svg|thumb|350px|パリ - 香港の運行ルート]]
1988年9月5日、NIOEの車両は本拠地のスイス・[[チューリッヒ]]を出発し、パリまで[[回送]]された<ref name="rf332-87"/>。9月6日にはパリで乗客と関係者を招待して出発記念パーティーが行われた<ref name="1992-a-103"/>。

9月7日、フランスの[[リヨン駅|パリ・リヨン駅]]の発車案内には「オリエント急行東京行き」と表示され<ref name="1998-y-247"/>、構内アナウンスでもその旨を告げていた<ref name="NIOE-138"/>。牽引する機関車には、映画『[[オリエント急行殺人事件 (1974年の映画)|オリエント急行殺人事件]]』にも登場した{{仮リンク|パリ・オルレアン鉄道4200型蒸気機関車|fr|230 PO 4201 à 4370|label=230G形}}[[蒸気機関車]]が充当された<ref name="rj505-105"/>。この機関車は博物館に保存されていたが<ref name="NIOE-156"/>、この列車のためにSNCFが用意した<ref name="1998-y-247"/>。

山之内は現地テレビ局のインタビューに対して、フランス国鉄が蒸気機関車を牽引機として用意したことについて「粋な計らい」と評価したうえで「日本でも蒸気機関車がこの列車を引くでしょう」と発言した<ref name="2012-a-169"/>。日本でテレビ中継を視聴していたJR東日本の社員は、山之内のこの発言に驚いた<ref name="2012-a-169"/>。当時、JR東日本では[[国鉄D51形蒸気機関車498号機]]の復元作業に着手していたが、当初の目的であった[[横浜博覧会]]での運行が取り止めとなり、作業の進捗が遅れていたのである<ref name="2012-a-169"/>。JR東日本では急遽会議を行い「日本でのオリエント急行の運行の最終期にD51形に牽引させる」という方向性が決まり<ref name="2012-a-170"/>、突貫作業でD51形の復元作業が進められることになった<ref name="2012-a-170"/>。

東京行きのオリエント急行は、パリ・リヨン駅を予定より5分遅れの9時40分に発車した<ref name="rj505-105"/>。パリから香港までは約14,600kmあり<ref name="NIOE-138"/>、無事に到着した場合は「ひとつの列車が乗り継ぎなしで走った最長距離」として[[ギネス世界記録]]に認定されることになっていた<ref name="NIOE-138"/>。

パリから香港・東京までの乗客は、[[阪急交通社]]主催のツアーとして募集された<ref name="1992-a-104"/>。参加したのは37名で<ref name="NIOE-9"/>（資料により36名<ref name="1992-a-103"/><ref name="1998-y-247"/>、あるいは39名<ref name="TVG27-42-29"/>）{{refnest|group="注釈"|乗客の内訳は、フジテレビ出版『これがオリエント急行だ』によれば日本人23名、アメリカ人6名、フランス人5名、香港人2名、イギリス人1名<ref name="NIOE-9"/>。安部譲二『大列車旅行』によれば日本人21名、アメリカ人7名、フランス人5名、中国系カナダ人2名、イギリス人1名<ref name="1992-a-103"/>。}}、その中には[[安部譲二]]が含まれていた<ref name="rf333-28"/>。このほかフジテレビの撮影班と<ref name="1992-a-130"/>、リポーターとして[[上月晃]]が同乗した<ref name="1992-a-125"/>。

蒸気機関車による牽引は[[モー (フランス)|モー]]までであった<ref name="NIOE-156"/>。[[ベルギー]]と[[西ドイツ]]は夜間に通過し、東西ドイツの国境である{{仮リンク|マリエンボルン|de|Marienborn}}からは[[ドイツ国営鉄道 (東ドイツ)|東ドイツ国営鉄道 (DR)]] が保有する[[ドイツ国鉄01形蒸気機関車|01形蒸気機関車]]が[[重連運転|重連]]で牽引した<ref name="rj505-105"/>。途中、乗客の観光のため[[ポツダム]]に6時間停車したほか、[[東ベルリン]]の[[リヒテンベルク区|リヒテンベルク]]ではこの列車の乗客を招待した[[晩餐会]]が開かれた<ref name="rj505-105"/>。東ベルリンを9月8日の深夜に発車したオリエント急行はポーランドに入国し、{{仮リンク|クトノ|en|Kutno}}からは[[ポーランド国鉄]]のPt47形・Ty51形蒸気機関車が重連で牽引した<ref name="rj505-105"/>。東ドイツ・ポーランドとも、日中の運転区間がほとんど蒸気機関車による牽引であった<ref name="rj505-105"/>。乗客は[[ソハチェフ]]から[[ワルシャワ]]まではバスに乗り換え、[[フレデリック・ショパン]]の生家を訪れている<ref name="rj505-105-106"/>。

9月10日にワルシャワを出発したオリエント急行はソ連に入国し、[[ブレスト中央駅]]で台車の交換作業を行い<ref name="rj505-106"/>、同時に前3両、後1両の控車が連結された<ref name="rj505-106"/>。4時間停車の予定であったが、作業が遅れたために1時間遅れでの発車となり、ブレスト - [[モスクワ]]間は[[ロシア鉄道|ソ連国鉄]]のP36形蒸気機関車が牽引した<ref name="rj505-106"/>。ここからはソ連人のシェフが乗り込み、[[食堂車]]で[[ロシア料理]]を提供した<ref name="NIOE-27"/>。途中、モスクワで1日半、[[ノボシビルスク]]で半日、[[イルクーツク]]で2日ほどの停車時間が確保されていたが、これは乗客の観光や車両のメンテナンスを行うだけではなく、ブレストで取り外した標準軌用の台車を、オリエント急行よりも先に中国との国境に近い[[ザバイカリスク駅]]まで輸送するための時間稼ぎでもあった<ref name="rj505-106"/>。標準軌用の台車は[[貨車]]で輸送され<ref name="NIOE-131"/>、途中でオリエント急行を追い抜いている<ref name="rj505-106"/>。

ザバイカリスクで再び台車を交換したオリエント急行は、9月20日に[[満洲里駅]]から中国に入国、控車も中国の車両（前2両、後1両）に交換された<ref name="rj505-106"/>。この時に連結された控車には食堂車が含まれており、この食堂車で調理した中国料理をオリエント急行の食堂車に運んで提供した<ref name="rj505-106"/>。中国国内では[[安達駅 (黒龍江省)|安達駅]] - [[ハルビン駅]]間で[[中国国鉄前進型蒸気機関車|前進型蒸気機関車]]が牽引した<ref name="rj505-106"/>。[[北京駅]]では2日間ほど停車し、その後は[[京広線]]・[[広深線]]・[[九広鉄路]]を経由し、9月26日14時45分に香港の[[紅磡駅|九龍駅]]に到着した<ref name="rj505-106"/>。

オリエント急行の客車は9月27日から28日にかけて[[パナマ]][[便宜置籍船|船籍]]の貨物船「せき・まつやま号」に積み込まれ<ref name="rj266-41"/><ref name="rj267-86"/>、9月29日に日本へ向けて出港した<ref name="rj266-41"/>。

===日本での整備===
日立製作所笠戸事業所では、オリエント急行の改造作業に向けて準備が進められた。

短期間に10数両の改造を行うための広い場所が必要であったが<ref name="rp513-64"/>、生産ライン上には場所が確保できなかったため、やむを得ず別の場所に軌道の仮設やリフティング[[ジャッキ]]の整備などが行われた<ref name="rp513-64"/>。また、オリエント急行の客車は[[重要文化財]]に相当する物件であると考えられたため<ref name="rp513-65"/>、[[綜合警備保障]]の[[警備員]]を24時間体制で配置し<ref name="rp513-65"/>、作業者や立入者は特定の[[腕章]]と[[ヘルメット]]を着用することを義務づけ<ref name="rp513-65"/>、夜間照明の増設や[[鉄条網]]を新設するなど<ref name="rp513-65"/>、作業場所の警備対策を強化した。これらの準備が全て完了し、イントラフルークからも作業内容の承認を得られたのは、1988年10月4日であった<ref name="rp513-65"/>。

10月6日早朝に「せき・まつやま号」が[[徳山下松港]]に入港。[[台風]]の影響で1日遅れの到着であった<ref name="rp513-65"/>。客車は[[艀]]によって陸揚げされ、工場内への搬入が開始された<ref name="rp513-65"/>。

陸揚げされた車両はすぐに改造工事が実施されたが、同じ車両でも1両ごとに細部が異なっており、図面も揃っていなかったため<ref name="rp513-65"/>、実際の車両をチェックしながら行われた<ref name="rp513-65"/>。客室に木材が多用されているだけでなく、調度品も大部分が可燃物であったため、火気の取り扱いには特に注意が必要であった<ref name="rp513-65"/>。また、食堂車については事前情報よりも重量が重く、日本走行用の台車に車体を載せたところ、枕ばねが密着状態になって本来の役割を果たせないことが判明したため<ref name="rp513-65"/>、やむを得ず運行時期を考えれば不要と考えられる冷房装置を撤去することで対処した<ref name="rj505-106"/>。

日本国内での運行にあたり、オリエント急行はJR東日本の車籍に編入され（[[私有貨車|私有車]]）[[品川運転所]]所属扱いとなった<ref name="rj267-89"/>。各車両の連結面には、日本で運行するために必要な表記が[[日本語]]のシールにて表記されたが<ref name="rj267-91"/>、イントラフルークのグラット社長は、この日本語表記について「日本に来た証として、ヨーロッパに戻った後もそのままにする」と表明したため<ref name="rj267-94"/>、帰国時に塗装にて再表記された。

同年10月14日には全ての改造が完了し<ref name="rp513-66"/>、工場内で編成単位では初の[[試運転]]が行われた<ref name="tr168-12"/>。10月15日には報道陣や市民に公開され<ref name="rp513-65"/>、10月16日には[[山陽本線]][[下松駅 (山口県)|下松駅]] - [[新下関駅]]間で本線上での試運転が行われた後、[[広島駅]]へ[[回送]]された<ref name="rj505-106"/><ref name="tr168-12"/>。客車の前後には、控車として客車が1両ずつ連結された。

===日本国内運行===
[[ファイル:Orient Express 88 in Japan 1 ja.svg|thumb|広島 - 東京の運行ルート]]
[[File:170721 Lalique Museum Hakone Japan18n.jpg|thumb|日本国内運行時に使用された[[行先標]]<br />表記の駅名は主に一般公開が催されたところを示している<ref name="train410">「特集 来日20周年 オリエント・エクスプレス '88」『とれいん』2009年2月号(No.410)、エリエイプレス・アイゼンバーン、22頁。</ref><br />[[箱根ラリック美術館]]にて展示]]
1988年10月17日18時15分、オリエント急行は[[国鉄EF65形電気機関車|EF65形電気機関車]]に牽引され<ref name="rj267-79"/>、広島駅7番ホームに入線した<ref name="rj267-81"/>。パリからの乗客17名に加え<ref name="rf333-31"/>、フジテレビから招待された広島からの乗客（報道陣とJRグループ、フジテレビ、日立製作所などの関係者約60名<ref name="rf333-31"/>）がこの列車に乗り込んだが、出発当日は[[服装規定|ドレスコード]]により「ブラックタイ着用」が指定されていた<ref name="rj267-80"/>。18時36分、オリエント急行は広島駅を定刻に発車<ref name="rj267-80"/>。これがオリエント急行にとっては初めての日本での営業運行であった<ref name="rj267-80"/>。翌日の10月18日10時30分、パリから約15,494 kmを走り<ref name="rf333-35"/>{{refnest|group="注釈"|航送距離も含めると約17,997km<ref name="NIOE-138"/>。}}、オリエント急行は定刻通りに[[東京駅]]9番ホームに到着した<ref name="rj267-94"/>。東京駅到着後には、地下コンコースに特設された「オリエントエクスプレスラウンジ{{refnest|group="注釈"|旧「いこいの広場（現：[[グランスタ]]）」に仮設され、日本国内ツアー参加者の集合・待機場所としても活用された。コーヒーなども提供されており、後に[[上野駅]]構内に設置された「[[TRAIN SUITE 四季島]]」乗客用のラウンジは、この時のノウハウが活かされている。}}」において「世界最長距離列車」としてギネス世界記録への認定式が行われた<ref name="rf333-35"/>。またパリからの全区間を乗車した乗客17人に記念証が贈られた<ref name="asahi19881018"/>。

10月19日には招待客を乗せて、東京駅 - [[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]]間（[[山手貨物線]]経由）で試乗会が行われた<ref name="rj267-94"/>。

オリエント急行を利用した日本国内ツアーは、JR東日本のほか[[西日本旅客鉄道]]（JR西日本）・[[九州旅客鉄道]]（JR九州）が主催し、合計70コースが設定された<ref name="rj267-95"/>。10月24日からの日本一周ツアーは、9泊10日（うち車中4泊）で1人88万8,000円という高額旅行商品であったが<ref name="rj267-126"/>、ツアー定員74名に対して約13倍の951名の申し込みがあり<ref name="yomiuri19881006"/>、抽選となるほどの人気であった<ref name="rj267-95"/>。このほかの69コースは2泊3日で片道のみオリエント急行に乗車するもので、上野から函館、金沢、長崎、京都、神戸など、大阪から東京、横浜など、博多から熱海、鎌倉などへ往復した。定員はいずれも40名から80名で、費用は1人16万7,000円から26万8,000円と、いずれも国内旅行としては異例の高額であった<ref name="yomiuri19880830"/>が平均で定員の5.2倍の申し込みがあり<ref name="yomiuri19881006"/>、すぐに満員となった<ref name="rj267-95"/>。特に中高年の夫妻に人気があったという<ref name="rj366-57"/>。最も高倍率となったのは、上野 - 函館間の片道を[[寝台列車|寝台]][[特別急行列車|特急]]「[[北斗星 (列車)|北斗星]]」利用で往復するコース（「ロマンチック函館」、16万7千円<ref name="nikkei19881017"/>）で、23倍に達した<ref name="yomiuri19881006"/>。ツアーの総定員は約2,900名で<ref name="asahi19880830"/>、総売上は約6億7,000万円を記録した<ref name="yomiuri19880830"/>。

日本一周ツアーでは、[[青函トンネル]]を通過して[[北海道]]の[[札幌駅]]まで走行したほか<ref name="rj267-95"/>、[[関門トンネル (山陽本線)|関門トンネル]]を抜けて[[九州]]の[[熊本駅]]まで<ref name="rj267-95"/>、また[[瀬戸大橋]]を渡って[[四国]]の[[高松駅 (香川県)|高松駅]]まで乗り入れた<ref name="rj267-95"/>。各ツアーで乗客が観光のため下車している間には、駅でオリエント急行の客車の一般公開も行われた<ref name="rj267-95"/>。

日本国内運行でのオリエント急行は、[[ダイヤグラム]]上では[[急行列車]]として扱われた<ref name="rf334-94"/>。これは日本国内で使用する台車の最高速度が95[[キロメートル毎時|km/h]]に制限されたためである<ref name="rf334-94"/><ref group="注釈">当時は[[600メートル条項]]も存在していた。</ref>。また、オリエント急行の車内サービスでは大量の水を消費するため、担当するイントラフルーク側からは運行途中での給水を要求されていたが<ref name="rf333-22"/>、日本では途中駅での給水はすでに一般的ではなくなっていたため、給水設備のある駅での停車時間確保に苦労したという<ref name="rj505-105"/>。客車の改造内容のうち、厨房用水タンクの容量増大が施工されたのはこうした事情もあった<ref name="rf333-22"/>。また、日本国内の運行においてはホーム[[有効長]]の関係から、前後の控車を含めて13両編成としたものの<ref name="rp504-65"/>、編成重量は650[[トン|t]]近くになるため<ref name="rf333-16"/>{{refnest|group="注釈"|13両編成での[[換算両数#計算法|積車換算両数]]は63.5にも及ぶ<ref name="rf334-93"/>。寝台特急「[[カシオペア (列車)|カシオペア]]」用の[[JR東日本E26系客車|E26系客車]]は12両編成で500 t<ref name="cassiopeia">鉄道ジャーナル 通巻396号 鶴通孝『カシオペア神話はこうして作られた』 p.27</ref>、積車換算両数は50<ref name="cassiopeia"/>。}}、急勾配区間では機関車の重連で対応した<ref name="rf333-16"/>{{refnest|group="注釈"|山陽本線[[瀬野駅]] - [[八本松駅]]間（[[瀬野八]]）には、EF65形1000番台（PF形）の重連<ref name="rf333-16"/>、青函トンネル区間では[[JR北海道ED79形電気機関車|ED79形]]の重連<ref name="rf333-14"/>、上越線の水上駅と[[長岡駅]]の間では[[国鉄EF64形電気機関車|EF64形1000番台]]の重連で対応した<ref name="rf333-13"/>。}}。

日本国内走行時は、NIOE固有の乗員は、列車長、技術者、清掃担当、各寝台車の乗客掛などイントラフルーク社所属の15名と、食堂やバーを担当する[[国際寝台車会社|ワゴン・リ社]]の11名{{refnest|group="注釈"|[[松本謙一]]の同乗ルポによれば、イントラフルークが14名、ワゴン・リが12名<ref name="tr168-25"/>。}}、計26名である。ただし後半のシャトル走行時には23名程度となった。このほかJR各社からは通常の[[運転士]]、[[車掌]]に加え、火災対策のための保安要員1名、[[通訳]]1名、ツアー[[添乗員]]2名が乗り込んだ。列車運行の最終的な責任者はJRの車掌であるが、[[車内放送]]は緊急時を除き行わないことになっていた<ref name="rf333-26"/>。

日本での運行中には小さなトラブルも続出した<ref name="rf335-112"/>。部品の劣化によりブレーキが緩解できなくなったり<ref name="rf335-111"/>、乗客が[[列車便所|トイレ]]の便器に[[ペーパータオル]]を投げ込んだため詰まりが生じるなどした<ref name="rf335-112"/>。また、[[車両基地]]での給水では水圧が強すぎて反対側の給水口から水が漏れてしまい、不完全な給水になってしまうこともあった<ref name="rf335-113"/>。しかし、こうしたトラブルも運行終了の頃には収まるようになっていた<ref name="rf335-112"/>。

12月19日20時55分頃には、[[新潟県]]内の[[上越線]]上で2両目と3両目の間の連結器が外れる事故が発生した<ref name="asahi19881220"/>。列車は5時間後に運転を再開し、目的地の京都には約35分遅れで到着した<ref name="asahi19881220e"/>。
<gallery>
File:Orient Express 88 in Japan 2 ja.svg|日本一周ツアーの運行経路
File:Orient Express 88 in Japan 3 ja.svg|11月2日 - 11月14日の運行経路
File:Orient Express 88 in Japan 4 ja.svg|11月14日 - 11月24日の運行経路
File:Orient Express 88 in Japan 5 ja.svg|11月28日 - 12月25日までの運行経路
</gallery>
[[ファイル:D51498 19881223.jpg|thumb|最後のツアーでオリエント急行を牽引したD51形498号機]]
足掛け3か月にわたるオリエント急行の日本国内運行における最後のツアーとなったのは、[[上野駅]] - [[京都駅]]間を往復するツアーだった<ref name="rj269-109"/>。出発日である12月23日には、この日が初の営業運行となる[[国鉄D51形蒸気機関車498号機|D51形蒸気機関車498号機]]が連結されていた<ref name="rj269-109"/>。この機関車は[[#パリから香港まで]]の項で前述した通り、突貫作業で復元工事が進められ<ref name="2012-a-170"/>、11月22日に完成式が行われたばかりであった<ref name="rj268-117"/>。D51形はオリエント急行を[[大宮駅 (埼玉県)|大宮駅]]まで牽引した<ref name="rj269-109"/>。また、往復とも上野駅 - [[水上駅]]間では、[[お召し列車]]指定機の[[電気機関車]]である[[国鉄EF58形電気機関車|EF58形]]61号機がオリエント急行を牽引した<ref name="rj269-110"/>{{refnest|group="注釈"|上野駅 - 大宮駅間ではD51形の次位に連結されていた<ref name="rj269-109"/>。}}。

同年12月25日10時45分に上野駅に到着し<ref name="rj269-110"/>、オリエント急行の日本国内における営業運行は全て終了した<ref name="rf335-76"/>。

===ヨーロッパへ返却===
運行終了後、オリエント急行の客車は回送され、12月27日に下松駅に到着した<ref name="rp513-67"/>。直ちに復元作業が行われ、翌[[1989年]]1月6日には[[通関]]手続きも完了し、1月7日から9日にかけて貨物船「プロジクト・アメリカ号」に積み込まれた<ref name="rp513-67"/>。その間に元号は[[昭和]]から[[平成]]へ変わり、同年1月9日17時50分、沼田をはじめとしてオリエント急行の日本国内運行に携わった関係者が見送る中「プロジクト・アメリカ号」は西ドイツの[[ハンブルク港]]へ向けて出港した<ref name="rp513-67"/>。

== 終了後 ==
フジテレビでは1989年に新年の[[スローガン]]が発表されたが、その内容は「しろうとのくろうと 時代を作るフジテレビ」であった<ref name="rf335-78"/>。これは、フジテレビの社長が[[関西テレビ放送]]の社長と[[ゴルフ]]をした際に「オリエント急行を日本で走らせるという発想は鉄道の専門家からは出てこない」という指摘を受けたことによるものであった<ref name="rf335-78"/>{{refnest|group="注釈"|当時の関西テレビの社長は[[阪急電鉄]]出身であった<ref name="rf335-78"/>。}}。当時のフジテレビの姿勢でもある「世の中を動かす」とも合致する事業であったことが分かる。

その後、イントラフルークの経営難のため、車両は他社に売却され、ポーランドや日本に渡った。日本を走った車両のうち、プルマン車のNo.4158DEは2004年から[[神奈川県]][[箱根町]]の[[箱根ラリック美術館]]にて展示されている<ref name="letrain"/>。また、D51形498号機は2018年11月 - 2019年3月の間、オリエントエクスプレス'88の仕様を再現して運転された<ref>[https://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20181030-01info.pdf JR東日本ニュース 「SL D51 498 復活30周年記念イベント」第二弾・第三弾]</ref>。

[[奈良県]][[宇陀市]]内にもオリエント急行の廃車体が存在するが、これは1978年から1998年まで[[びわ湖パラダイス]]で[[SLホテル]]として使用されていたものであり、本企画とは無関係である。

== 関連製品 ==
このオリエント急行来日に際して、特別デザインの[[写ルンです]]、[[オレンジカード]]、シールなど多くの記念品が作られた<ref name="train410" />。

=== 模型化 ===
1988年の来日時に[[青島文化教材社]]が機関車・客車を[[HOスケール]]の[[プラモデル|プラスチック製組み立てキット]]として、レストラン・カー、プルマン・カー、ドイツ形蒸気機関車を発売している<ref name="train410" />。また、スポンサーであった日立製作所が家電購入者向けに展示ケース入りのディスプレイモデルを配布している<ref name="train410" />。これは4158号車を模したものだが、車両番号が企画の行われた年を示す"No.1988"になっている<ref name="train410" />。

[[Nゲージ]]では[[関水金属|KATO]]より2008年・2012年・2018年にそれぞれ日本での運行時の13両編成が、2014年にはパリ〜香港間を運行した大陸走破時の15両編成が、同年および2018年に[[箱根ラリック美術館]]展示車両のプルマン車4158DEも単品で製品化されている。

== データ ==
===パリ→東京の運行経路===
; 凡例 : ●…6時間以上停車、◎…24時間以上停車、★…台車交換
[[リヨン駅|パリ（リヨン）]]<ref name="NIOE-156"/>→{{仮リンク|モー駅|label=モー|en|Meaux station}}<ref name="NIOE-156"/>→[[ランス]]<ref name="NIOE-13"/>→[[ケルン中央駅|ケルン]]<ref name="rj505-106"/>→{{仮リンク|マリエンボルン|de|Marienborn}}<ref name="NIOE-155"/>→●[[ポツダム]]<ref name="rj505-106"/>→●{{仮リンク|ベルリン＝リヒテンベルク駅|label=リヒテンベルク|de|Bahnhof Berlin-Lichtenberg}}（[[東ベルリン]]）<ref name="rj505-106"/>→{{仮リンク|クトノ|en|Kutno}}<ref name="NIOE-17"/>→[[ソハチェフ]]<ref name="rj505-106"/>→●[[ワルシャワ中央駅|ワルシャワ]]<ref name="NIOE-20"/>→[[テレスポル駅|テレスポル]]<ref name="rj505-106"/>→★[[ブレスト中央駅|ブレスト]]<ref name="NIOE-23"/>→◎[[モスクワ]]<ref name="NIOE-23"/>→[[キーロフ]]<ref name="rj505-106"/>→[[ペルミ]]<ref name="rj505-106"/>→[[エカテリンブルク旅客駅|スベルドロフスク]]<ref name="rj505-106"/>→[[オムスク駅|オムスク]]<ref name="rj505-106"/>→●[[ノヴォシビルスク駅|ノヴォシビルスク]]<ref name="NIOE-29"/>→[[クラスノヤルスク旅客駅|クラスノヤルスク]]<ref name="rj505-106"/>→◎[[イルクーツク旅客駅|イルクーツク]]<ref name="rj505-106"/>→●[[チタII駅|チタ]]<ref name="rj505-106"/>→★[[ザバイカリスク駅|ザバイカリスク]]<ref name="NIOE-141"/>→[[満洲里駅|満洲里]]<ref name="NIOE-146"/>→[[安達駅 (黒龍江省)|安達]]<ref name="rj505-106"/>→[[ハルビン駅|ハルビン]]<ref name="rj505-106"/>→◎[[北京駅|北京]]<ref name="NIOE-148"/>→[[広州駅|広州]]<ref name="rj505-106"/>→[[深圳駅|深圳]]<ref name="rj505-106"/>→[[紅磡駅|香港（九龍）]]<ref name="rj505-106"/>→（船舶で輸送）→★[[下松駅 (山口県)|下松]]<ref name="rj505-106"/>→（回送）→[[広島駅|広島]]<ref name="rj267-81"/>→[[東京駅|東京]]<ref name="rj267-94"/>
書籍やインターネット上の「[[モンゴル国|モンゴル]]を経由した」「[[フランクフルト中央駅]]を経由した」という情報は誤りである<ref name="rj505-106"/>。

===運行に使われた機関車===
{| class="wikitable"
|-
! 運転区間 !! 機関車番号 !! 機関車形式
|-
| [[チューリッヒ中央駅|チューリッヒ]]〜[[リヨン駅|パリ（リヨン）]](回送) || || 機関車1両のみ
|-
| フランス パリ（リヨン）〜{{仮リンク|モー駅|label=モー|en|Meaux station}} || 230.G.353<br>17.D.11?(石炭車) || 蒸{{仮リンク|230G形蒸気機関車|label=230G|fr|230_PO_4201_à_4370}}<br>電{{仮リンク|BB22200形電気機関車|label=BB22200|en|SNCF Class BB 22200}} 
|-
| 〜西ドイツ[[ヘルムシュタット]] || 110 273-8 || 電{{仮リンク|101形電気機関車|label=110|en|DB_Class_E_10}}
|-
| ヘルムシュタット〜<br>東ドイツ{{仮リンク|マリエンボルン|de|Marienborn}} || 132 337-7 || デ{{仮リンク|130形電気機関車|label=130|en|DR_Class_130_family}}
|-
| マリエンボルン〜<br>[[ベルリン]]{{仮リンク|ベルリン＝リヒテンベルク駅|label=リヒテンベルク|de|Bahnhof Berlin-Lichtenberg}} || 01 137<br>011531-1 || 蒸[[ドイツ国鉄01形蒸気機関車|01]]<br>蒸{{仮リンク|ドイツ国鉄01.5形蒸気機関車|label=01<sup>5</sup>
|en|DR_Class_01.5}}
|-
| ポーランド{{仮リンク|クトノ|en|Kutno}}<br>〜[[テレスポル駅|テレスポル]] || Pt47 112<br>Ty51 92 || 蒸{{仮リンク|Pt47形蒸気機関車|label=Pt47|en|PKP_class_Pt47}}<br>蒸{{仮リンク|Ty51形蒸気機関車|label=Ty51|pl|Ty51}}
|-
| テレスポル〜ソ連 [[ブレスト中央駅|ブレスト]] || EU07-471 || 電{{仮リンク|EU07形電気機関車|label=EU07|en|PKP_class_EU07}}
|-
| ブレスト〜 || P36-0064 || 蒸{{仮リンク|ロシアP36形蒸気機関車|label=P36|en|Russian_locomotive_class_P36}}
|-
| 〜[[モスクワ]] [[ベラルースキー駅|ベラルースキー]] || ChS7-253 || 電{{仮リンク|ChS7形電気機関車|label=ChS7|en|ChS7}}
|-
| モスクワ [[ヤロスラフスキー駅|ヤロスラフスキー]]〜 || ChS7-140 || 電ChS7
|-
| 〜[[イルクーツク旅客駅|イルクーツク]](〜) || VL10-1358 || 電[[ソ連運輸省VL10形電気機関車|VL10]]
|-
| || VL60<sup>P</sup><sub>K</sub>1882 || 電{{仮リンク|VL60形電気機関車|label=VL60|ru|ВЛ60}}
|-
| [[ザバイカリスク駅|ザバイカリスク]]〜 || 1003 || デ[[中国国鉄北京3型ディーゼル機関車|北京3型]]
|-
| 中華人民共和国 [[安達駅 (黒龍江省)|安達]]〜[[ハルビン駅|ハルビン]] || QJ 2991 || 蒸[[中国国鉄前進型蒸気機関車|前進型]]
|-
| ハルビン〜 || 0158<br>0134 || デ[[中国国鉄東方紅3型ディーゼル機関車|東方紅3型]]<br>2両重連
|-
| 〜[[北京駅|北京]](〜) || NY<sub>6</sub>0007 || デ{{仮リンク|中国国鉄ND2型ディーゼ機関車ル|label=NY6型|zh|NY6型柴油机车}}
|-
| 〜[[武漢長江大橋]]〜 ||  || デ[[中国国鉄北京3型ディーゼル機関車|北京3型]] 2両重連
|-
| 〜[[紅磡駅|香港（九龍）]] || ND<sub>2</sub>-0202 || デ{{仮リンク|中国国鉄ND2型ディーゼ機関車ル|label=ND2型|en|China_Railways_ND2}}
|}

===運行された車両===
{{see also|ノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行#各車の詳細}}
パリ発車時点では客車15両に郵便車を増結していたが<ref name="rp504-65"/>、日本運行ではホーム有効長の関係から客車は11両とし、前後に控車を連結した13両の編成とした<ref name="rp504-65"/>。下記の車両のほか、日立製作所笠戸事業所で作業の検証のために寝台車（Lx形 3540号車<ref name="tr179-10"/>）が1両日本に運び込まれた<ref name="rp513-64"/>。

日本国内を走行した客車は以下の通り。順序は広島 - 東京間走行時の東京方からの連結順である<ref name="tr168-41"/>。諸元は日本国内走行用に改造後のものである。
{| class="wikitable" style="text-align:left"
|+
!colspan="2"| 車両番号<ref name="rp504-65"/> !! 形式<ref name="rp504-65"/>!! 車両の種類<ref name="rp504-65"/> !! 定員<ref name="rp504-65"/> !! 空車重量<ref name="rp504-65"/> !! 積車重量<ref name="rp504-65"/> !! 製造年<ref name="rp504-65"/> !! 備考
|-
|オニ23 1 ||[[ファイル:Hi vision theater car oni23 1 ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||[[国鉄20系客車#オニ23形|オニ23]]||控車|| || || ||1968年||廃車後に[[国鉄清算事業団]]の所有となっていたナハネフ23形[[寝台車 (鉄道)|寝台車]]を改造した。ナハネフ23は内装をすべて撤去した上で、「オニ23形」という新形式車両として使用された。当時日立製作所が開発していた[[ハイビジョン]]装置を備えた上映室に改装し、車内でオリエント急行の映像を上映する「日立パビリオンカー」として使用<ref name="rp513-65"/>{{refnest|group="注釈"|オニ23 1は日立製作所笠戸工場で改造工事が実施されたが､改造種車となったナハネフ23は[[日本車輛製造]]製である。それは、20系客車には日立製作所製の車両も存在したものの、日立製の20系客車は初期に製造された車両が多く、国鉄時代のうちに全車廃車となっていたため、1988年当時残っていた20系客車は日本車両製の後期形しかなかったからである。}}。列車の運行終了後は用途を失い、廃車された。
|-
|3909 ||[[ファイル:Carrozza con letti No.3909 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA YU||スタッフ車||26名||51 t||53 t||1949年||[[クルーレスト|スタッフ専用]][[寝台車 (鉄道)|寝台車]]{{refnest|group="注釈"|内装が新しく「オリエント急行にはふさわしくない」とされたため、スタッフ専用車両として使用<ref name="rp504-67"/>。}}
|-
|1286 ||[[ファイル:Luggage No.1286 M ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||D||[[荷物車]]|| ||40 t||45 t||1928年||冷蔵室、調理準備室、皿洗い室、予備部品倉庫、工作室を設置<ref name="tr168-39"/>。日本国内運行ではキューボラを交換し、発電機を搭載<ref name="rp504-67"/><ref name="tr168-39"/>。
|-
|3354 ||[[ファイル:Voiture restaurant No.3354 ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WR||[[食堂車]]||30名||55 t||57 t||1927年||元[[共和国大統領 (フランス)|フランス大統領]]専用車「プレジデンシャル」<ref name="tr168-50"/>。日本運行では冷房装置を撤去<ref name="rp513-65"/>。
|-
|4158 ||[[ファイル:Pullman No.4158 DE ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WSP||プルマン車||28名||51 t||53 t||1929年||食堂車として使用<ref name="tr168-46"/>。食事は3354号車から提供<ref name="tr168-50"/>。
|-
|4164 ||[[ファイル:Voiture saron bar No.4164 E ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||ARP||ピアノバー車||28名||51 t||53 t||1929年|| 
|-
|3551 ||[[ファイル:Schlafwagen No.3551 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX20||寝台車||20名||51 t||53 t||1929年||2人個室×10部屋
|-
|3542 ||[[ファイル:Voiture saron bar No.4164 E ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX16||寝台車||16名||51 t||53 t||1929年||1人個室×4部屋・2人個室×6部屋
|-
|3480 ||[[ファイル:Schlafwagen No.3480 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX16||寝台車||16名||51 t||53 t||1929年||1人個室×4部屋・2人個室×6部屋
|-
|3537 ||[[ファイル:Schlafwagen No.3537 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX16||寝台車||16名||51 t||53 t||1929年||1人個室×4部屋・2人個室×6部屋
|-
|3472 ||[[ファイル:Schlafwagen No.3472 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX16||寝台車||16名||51 t||53 t||1929年||1人個室×4部屋・2人個室×6部屋
|-
|3487 ||[[ファイル:Schlafwagen No.3487 A ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||WLA LX16||寝台車||16名||51 t||53 t||1929年||1人個室×4部屋・2人個室×6部屋
|-
|マニ50 2236 ||[[ファイル:Mani50 2236 ORIENTEXPRESS'88.jpg|80px]]||[[国鉄50系客車#郵便・荷物車|マニ50]]||控車|| || || ||1981年||郵便・荷物輸送列車の廃止によって余剰となっていたマニ50形荷物車を、元来の車体色である青15号に加え、幕板部分のロゴと側面窓下に金色のストライプが施された。ワゴン・リの客車と連結する車端部の連結幌と連結器は、イントラフルーク社から提供を受けた部品を使用していた。荷物車としての機能を生かしリネンや食材などの倉庫として使用。列車の運行終了後は原型に復元され、1996年(平成8年)7月30日に廃車。
|}
パリ発車時に連結されていたが、日本国内では運行されなかった客車は以下の通り<ref name="rp504-65"/>。
{| class="wikitable" style="text-align:left"
|+
! 車両番号<ref name="rp504-65"/> !! 形式<ref name="rp504-65"/>!! 車両の種類<ref name="rp504-65"/> !! 製造年 !! 備考
|-
| || ||郵便車|| ||テレビスタッフ用<ref name="rp504-65
"/>
|-
|4149 ||WSP<ref name="1977-b-205"/> ||プルマン車||1929年<ref name="1977-b-202"/>||食堂車として使用。食事は3354号車から提供<ref name="tr168-50"/>。
|-
|3475 ||WLA Lx<ref name="1977-b-202"/>||寝台車||1929年<ref name="1977-b-202"/>|| 
|-
|4013 || ||シャワー車||1926年<br />（1967年改造）<ref name="tr168-54"/>|| 
|-
|3851 ||WLA Yb<ref name="tr168-54"/>||スタッフ車||1941年<ref name="tr168-54"/>|| 
|}
イントラフルーク社は旧[[ミトローパ]]の「[[ラインゴルト (列車)|ラインゴルト]]」用サロン車（No.24507）も保有していたが、ソ連通過用の台車が作れなかったためオリエント・エクスプレス'88には加わっていない<ref name="tr179-7"/>。

=== 車両公開 ===
日本国内では、以下の各地で車両の一般公開が行われた。
{| class="wikitable"
! 日時 !! 場所
|-
| 1988年10月15日 || [[日立製作所笠戸事業所]]<ref name="tr168-12"/>
|-
| 10月21日 - 23日 || [[品川駅]]<ref name="dj61-116"/>
|-
| 10月25日 13:00 - 20:00 || [[白石駅 (JR北海道)|白石駅]]<ref name="dj61-116"/>
|-
| 10月26日 9:00 - 12:00 || 白石駅<ref name="dj61-116"/>
|-
| 10月27日 9:00 - 12:00 || [[五稜郭駅]]<ref name="dj61-116"/>
|-
| 10月29日 11:00 - 14:30 || [[京都駅]]<ref name="dj61-116"/>
|-
| 10月30日 13:30 - 15:45 || [[熊本駅]]<ref name="dj61-116"/>
|-
| 11月1日 14:20 - 16:30 || [[高松駅 (香川県)|高松駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月3日 10:30 - 16:00 || [[仙台駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月5日 14:15 - 16:15 || [[大阪駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月6日 10:00 - 16:15 || 大阪駅<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月7日 11:00 - 15:00 || [[広島駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月8日 10:15 - 16:30 || [[箱崎駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月9日 10:30 - 17:30 || [[門司駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月10日 7:00 - 19:00 || [[新倉敷駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月11日 10:30 - 15:30 || [[静岡駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月12日 9:00 - 20:00 || [[熱田駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月15日 12:00 - 16:00 || [[青森駅]]<ref name="dj61-117"/>
|-
| 11月17日 13:40 - 16:00 || [[秋田駅]]<ref name="dj62-111"/>
|-
| 11月19日 10:00 - 14:30 || 大阪駅<ref name="dj62-111"/>
|-
| 11月21日 12:30 - 16:00 || [[金沢駅]]<ref name="dj62-111"/>
|-
| 11月23日 10:00 - 14:30 || 大阪駅<ref name="dj62-112"/>
|-
| 11月29日 14:15 - 16:15 || [[博多駅]]<ref name="dj62-112"/>
|-
| 12月1日 13:00 - 15:00 || 広島駅<ref name="dj62-112"/>
|-
| 12月3日 14:15 - 16:15 || 博多駅<ref name="dj62-113"/>
|}
日本国内運行に加わらなかったプルマン車、寝台車、シャワー車の3両が11月3日から12月4日まで[[汐留駅 (国鉄)|汐留駅]]跡地で展示された<ref name="TVG27-42-32"/>。

=== テレビ放送 ===
放送日時は東京の[[フジテレビジョン]]のもの。
{| class="wikitable"
! 放送日時 !! タイトル
|-
| 9月7日 16:00-16:55 || オリエント急行 パリ・リヨン駅出発衛星生中継<ref name="TVG27-36-123"/>
|-
| 9月15日 15:00 - 16:30 || オリエント急行との出会いから出発・ノボシビルスク到着まで<ref name="TVG27-37-100"/>
|-
| 10月19日 19:30 - 20:54 || オリエント急行'88 史上初! 華麗なる冒険の旅・愛と感動の1万8千キロ{{refnest|group="注釈"|世界最長・ユーラシア大陸横断運転（世界最長運転）の終着駅・東京駅への到着を記念して製作された特番。東京駅で行われたギネスブック授賞式、並びに放送当日に行われた試乗会も収録した<ref name="TVG27-42-28"/>}}
|-
| 11月16日 1:00 - 2:00<br />(11月15日深夜) || オリエントエクスプレス'88スペシャル<ref name="TVG27-46-128"/>
|-
| 12月19日 1:00 - 1:55<br />(12月18日深夜) || パリ発東京行きオリエント急行裏話<ref name="TVG27-51-112"/>
|-
| 12月25日 16:05 -  17:30 || オリエントエクスプレス'88 さよなら!オリエント急行{{refnest|group="注釈"|今回の世界最長・ユーラシア大陸横断運転、並びに日本一周を含む日本ツアーの運行実現に携わったJRの工場関係者、及び世界最長運転・日本一周ツアーの参加者らをスタジオに招いて、[[土居まさる]]らとともに、取材映像を交えて振り返った番組<ref name="TVG28-1-258"/>}}
|}

===イメージソング===
;[[松田聖子]]「[[旅立ちはフリージア]]」:作詞 - Seiko/作曲 - [[タケカワユキヒデ]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注釈"}}

=== 出典 ===
{{Reflist|2|refs=
<ref name="NIOE-9">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.9]]</ref>
<ref name="NIOE-13">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.13]]</ref>
<ref name="NIOE-17">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.17]]</ref>
<ref name="NIOE-20">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.20]]</ref>
<ref name="NIOE-23">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.23]]</ref>
<ref name="NIOE-27">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.27]]</ref>
<ref name="NIOE-29">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.29]]</ref>
<ref name="NIOE-122">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.122]]</ref>
<ref name="NIOE-124">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.124]]</ref>
<ref name="NIOE-125">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.125]]</ref>
<ref name="NIOE-128">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.128]]</ref>
<ref name="NIOE-131">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.131]]</ref>
<ref name="NIOE-132">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.132]]</ref>
<ref name="NIOE-132-133">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) pp.132-133]]</ref>
<ref name="NIOE-133">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.133]]</ref>
<ref name="NIOE-137">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.137]]</ref>
<ref name="NIOE-138">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.138]]</ref>
<ref name="NIOE-141">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.141]]</ref>
<ref name="NIOE-146">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.146]]</ref>
<ref name="NIOE-148">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.148]]</ref>
<ref name="NIOE-155">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.155]]</ref>
<ref name="NIOE-156">[[#NIOE88|フジテレビ出版『これがオリエント急行だ 「ブルーのプリマドンナ」のすべて』 (1988) p.156]]</ref>
<ref name="1998-y-247">[[#山之内1998|山之内秀一郎『新幹線がなかったら』 (1998) p.247]]</ref>
<ref name="2012-a-169">[[#青田2012|青田孝『蒸気機関車の動態保存 地方私鉄の救世主になりうるか』 (2012) p.169]]</ref>
<ref name="2012-a-170">[[#青田2012|青田孝『蒸気機関車の動態保存 地方私鉄の救世主になりうるか』 (2012) p.170]]</ref>
<ref name="letrain">{{Cite web|和書|url=http://www.lalique-museum.com/letrain/index.html|title=ラリックの手がけたオリエント急行|publisher=[[箱根ラリック美術館]]|language=日本語|accessdate=2013-09-06}}</ref>
<ref name="rf333-13">[[#曽我333|『鉄道ファン』通巻333号 「特別企画 オリエント急行日本一周」 (1989) p.13]]</ref>
<ref name="rf333-14">[[#曽我333|『鉄道ファン』通巻333号 「特別企画 オリエント急行日本一周」 (1989) p.14]]</ref>
<ref name="rf333-16">[[#曽我333|『鉄道ファン』通巻333号 「特別企画 オリエント急行日本一周」 (1989) p.16]]</ref>
<ref name="rf333-22">[[#曽我333|『鉄道ファン』通巻333号 曽我祐行「”オリエント急行”の車両と乗り組む人たち」 (1989) p.22]]</ref>
<ref name="rf333-35">[[#吉村333|『鉄道ファン』通巻333号 吉村光夫「スーパージョイフルトレイン ”オリエント急行”東京へ」 (1989) p.35]]</ref>
<ref name="rf334-93">[[#曽我334|『鉄道ファン』通巻334号 曽我祐行「”オリエント急行”運行奮戦記」 (1989) p.93]]</ref>
<ref name="rf334-94">[[#曽我334|『鉄道ファン』通巻334号 曽我祐行「”オリエント急行”運行奮戦記」 (1989) p.94]]</ref>
<ref name="rf335-111">[[#曽我335|『鉄道ファン』通巻334号 曽我祐行「”オリエント急行”運行奮戦記」 (1989) p.111]]</ref>
<ref name="rf335-112">[[#曽我335|『鉄道ファン』通巻335号 曽我祐行「”オリエント急行”裏方日記」 (1989) p.112]]</ref>
<ref name="rf335-113">[[#曽我335|『鉄道ファン』通巻335号 曽我祐行「”オリエント急行”裏方日記」 (1989) p.113]]</ref>
<ref name="rf335-75">[[#沼田335|『鉄道ファン』通巻335号 沼田篤良「”オリエント急行”のプロジェクトを完遂して」 (1989) p.75]]</ref>
<ref name="rf335-76">[[#沼田335|『鉄道ファン』通巻335号 沼田篤良「”オリエント急行”のプロジェクトを完遂して」 (1989) p.76]]</ref>
<ref name="rf335-76-77">[[#沼田335|『鉄道ファン』通巻335号 沼田篤良「”オリエント急行”のプロジェクトを完遂して」 (1989) pp.76-77]]</ref>
<ref name="rf335-77">[[#沼田335|『鉄道ファン』通巻335号 沼田篤良「”オリエント急行”のプロジェクトを完遂して」 (1989) p.77]]</ref>
<ref name="rf335-78">[[#沼田335|『鉄道ファン』通巻335号 沼田篤良「”オリエント急行”のプロジェクトを完遂して」 (1989) p.78]]</ref>
<ref name="rj266-41">[[#RJ266|『鉄道ジャーナル』通巻266号 「オリエント急行 東洋への旅」 (1988) p.41]]</ref>
<ref name="rj267-126">[[#種村267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 「1988年10月のできごと」 (1989) p.126]]</ref>
<ref name="rj267-79">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.79]]</ref>
<ref name="rj267-80">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.80]]</ref>
<ref name="rj267-81">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.81]]</ref>
<ref name="rj267-86">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.86]]</ref>
<ref name="rj267-89">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.89]]</ref>
<ref name="rj267-91">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.91]]</ref>
<ref name="rj267-94">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.94]]</ref>
<ref name="rj267-95">[[#南267|『鉄道ジャーナル』通巻267号 南正時「オリエントエクスプレス イン ジャパン」 (1989) p.95]]</ref>
<ref name="rj268-117">[[#RJ268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 「RAILWAY TOPICS」 (1989) p.117]]</ref>
<ref name="rj268-138">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) p.138]]</ref>
<ref name="rj268-140">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) p.140]]</ref>
<ref name="rj268-140-141">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) pp.140-141]]</ref>
<ref name="rj268-141">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) p.141]]</ref>
<ref name="rj268-142">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) p.142]]</ref>
<ref name="rj268-143">[[#山之内268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 山之内秀一郎「オリエント急行の国内運転実現まで」 (1989) p.143]]</ref>
<ref name="rj268-144">[[#沼田268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 沼田篤良「”夢の企画”の舞台裏で」 (1989) p.144]]</ref>
<ref name="rj268-145">[[#沼田268|『鉄道ジャーナル』通巻268号 沼田篤良「”夢の企画”の舞台裏で」 (1989) p.145]]</ref>
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* {{Cite journal|和書|journal=[[週刊TVガイド]] |publisher= [[東京ニュース通信社]]|ref=TVガイド}} 各号

== 関連項目 ==
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