オリヴァー・ヘヴィサイドのソースを表示

{{Infobox scientist
| name = オリヴァー・ヘヴィサイド
| image = Oheaviside.jpg
| image_size = 
| caption = Heaviside {{circa|1900}}
| birth_date = {{birth date|1850|5|18|df=y}}
| birth_place = {{UK}}[[ミドルセックス州]][[カムデン・タウン]]
| death_date = {{Death date and age|1925|2|3|1850|5|18|df=y}}
| death_place = {{UK}}デヴォン州[[トーキー|トーキー (イングランド)]]Mount Stuart養老院 
| resting_place = デヴォン州[[ペイントン]]墓地
| nationality = {{UK}}
| field = [[電気工学]]、[[数学]]、[[物理学]]
| work_institutions = グレート・ノーザン・テレグラフ社
| known_for = {{plainlist|
*{{仮リンク|ヘヴィサイドの条件|en|Heaviside condition}}
*{{仮リンク|ヘヴィサイドのカバーアップ法|en|Heaviside cover-up method}}
*{{仮リンク|ヘヴィサイドの楕円体|en|History of special relativity#Aether models and Maxwell's equations}}
*[[ヘヴィサイドの階段関数]]
*{{仮リンク|ヘヴィサイド・ファインマンの式|en|Jefimenko's equations#Heaviside–Feynman formula}}
*{{仮リンク|ヘヴィサイド・ローレンツ単位系|en|Heaviside–Lorentz units}}
*{{仮リンク|ケネリー・ヘヴィサイド層|en|Kennelly–Heaviside layer}}
*[[マクスウェル方程式|マクスウェル・ヘヴィサイド方程式]]
*{{仮リンク|エネルギー流|en|Energy current}}
*[[ベクトル解析]]
*[[演算子法]]
*[[微分作用素]]
*[[同軸ケーブル]]
*[[電信方程式]]
*[[電磁ポテンシャル#4元ポテンシャル|電磁四元ポテンシャル]]
*{{仮リンク|重力電磁気学|en|Gravitoelectromagnetism}}
}}
| prizes = {{plainlist|
*[[ファラデー・メダル (英国工学技術学会)|ファラデーメダル]] {{small|(1922)}}
*[[王立協会フェロー]]<ref name="frs">{{Cite journal 
| author = Anon
| doi = 10.1098/rspa.1926.0036 
| title = Obituary Notices of Fellows Deceased: Rudolph Messel, Frederick Thomas Trouton, John Venn, John Young Buchanan, Oliver Heaviside, Andrew Gray
| journal = Proceedings of the Royal Society A: Mathematical, Physical and Engineering Sciences 
| volume = 110 | issue = 756 | pages = i–v | year = 1926 
|bibcode = 1926RSPSA.110D...1. 
| doi-access = free}}</ref> {{small|(1891)}}
| religion = 
}}
}}

'''オリヴァー・ヘヴィサイド'''（Oliver Heaviside, [[1850年]][[5月18日]]- [[1925年]][[2月3日]]）は[[イギリス]]の電気技師、[[物理学者]]、[[数学者]]である。幼時に[[猩紅熱]]に罹患したことにより難聴となった。正規の大学教育を受けず研究機関にも所属せず[[独学]]で研究を行った。[[電気回路]]における[[インピーダンス]]の概念の導入、複素数の導入や「[[ヘヴィサイドの演算子法]]」といった物理数学の方法を開発した。[[マクスウェル方程式]]を今日一般的に使われている形に書き直し、マクスウェル方程式が理解され応用される道を大きく切り拓いた。彼が定式化した[[電信方程式]]は、彼の斬新な方法論に精通した者が当時ほとんどいなかったため長い間注目されなかったが、その後商業的に重要なものとなった<ref name=oddity>{{Cite journal 
| last1 = Hunt 
| first1 = B. J. 
| title = Oliver Heaviside: A first-rate oddity 
| doi = 10.1063/PT.3.1788 | journal = Physics Today 
| volume = 65 | issue = 11 
| pages = 48–54 | year = 2012 
| bibcode = 2012PhT....65k..48H | doi-access = free}}</ref>。ヘヴィサイドは、その生涯の大半を科学の権威と対立しながらも、電気通信、数学、科学のあり方を変えた<ref name=oddity/>。

==幼少期==

ヘヴィサイドはロンドンのカムデン・タウン、キングス・ストリート55番地<ref name = Nahin>{{cite book
| ref=Nahin
|author = Nahin, Paul J. 
|author-link=Paul J. Nahin
| title = Oliver Heaviside: The Life, Work, and Times of an Electrical Genius of the Victorian Age
| url = https://books.google.com/books?id=e9wEntQmA0IC&pg=PA13
| date = 9 October 2002
| publisher = JHU Press
| isbn = 978-0-8018-6909-9}}</ref>（現在のプレンダー・ストリート）に、製図技師で木版画家のトーマスとレイチェル・エリザベス（旧姓ウェスト）の3人兄弟の末っ子として生まれた。背が低く赤毛の子供で、幼少時に[[猩紅熱]]を患い、聴覚障害が残った。わずかな遺産により、一家は彼が13歳のときにカムデンのよりよい場所に引っ越すことができ、カムデン・ハウス・グラマー・スクールに通うことになった。彼は成績優秀で、1865年には500人中5位になった。16歳になって両親は彼を学校に通わせられなかったため、1年間独学で勉強を続けたのちそれ以上の正式な教育は受けなかった<ref name=Hunt91>{{cite book
|author=Bruce J. Hunt
|year=1994
|title=The Maxwellians
|publisher=Cornell University Press 
|isbn=978-0-8014-8234-2
}}</ref>{{rp|51}}。

ヘヴィサイドの叔父は[[チャールズ・ホイートストン]]卿（1802-1875）で、電信と電磁気学の世界的な専門家であり、1830年代半ばに初めて商業的に成功した電信の共同発明者であった。ホイートストンは甥の教育に強い関心を寄せ<ref name=wheatstone>{{cite book
| last1= Sarkar|first1= T. K. 
| last2= Mailloux|first2= Robert
|last3= Oliner|first3= Arthur A.
|last4= Salazar-Palma|first4= M. 
|last5= Sengupta|first5= Dipak L.
| title = History of Wireless
| url = https://books.google.com/books?id=NBLEAA6QKYkC&pg=PA230
| date = 2006| publisher = John Wiley & Sons
| isbn = 978-0-471-78301-5| page = 230 
}}</ref>、1867年には[[ニューカッスル・アポン・タイン]]でチャールズの電信会社を経営していた兄アーサー・ホイートストンのもとで働かせるため、甥を送り出した<ref name=Hunt91/>{{rp|53}}。

2年後、彼は[[デンマーク]]の[[GN (デンマークの企業)|グレート・ノーザン・テレグラフ社]]で電信技師として働き、イギリスの請負業者を起用してニューカッスルからデンマークまでケーブルを敷設した。彼はまもなく電気技師になった。ヘヴィサイドは働きながら勉強を続け、22歳までに権威ある科学雑誌である[[フィロソフィカル・マガジン]]に「検流計と電池で任意の抵抗を測定するための[[ホイートストンブリッジ]]の最適な配置(The Best Arrangement of Wheatstone's Bridge for measuring a Given Resistance with a Given Galvanometer and Battery)」という論文を発表し{{sfn|Heaviside|1892|pp=3–8}}、この論文のコピーを贈った[[ウィリアム・トムソン]]卿や、[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]など、この代数的問題を解決しようとして失敗した物理学者から好意的なコメントを得た。電信ケーブルの[[複信|二重通信]]方式に関する論文を発表した際{{sfn|Heaviside|1892|pp=18–34}}、彼は、二重通信方式を非現実的なものとして否定していた郵便局電信システムの技師長R.S.カルリーをからかった。その後1873年、彼は{{仮リンク|英国電気工学会|en|Institution of Electrical Engineers}}への加入を申請したが、「電信会社の社員(telegraph clerks)などはいらない」と断られた。ヘヴィサイドは憤慨し、学会長を務めていたトムソンに推薦を依頼して入会が認められた<ref name=Hunt91/>{{rp|60}}。

1873年、ヘヴィサイドはマクスウェルの著書『[[電気磁気論]]』に出会った。場所はニューカッスルの図書館([[:en:Literary and Philosophical Society of Newcastle upon Tyne]])とみられる<ref>{{cite journal
|first1=Spargo|last1=Christopher
|first2=Alex|last2=Yakovlev
|title=Oliver Heaviside: Newcastle upon Tyne 1868-1874
|url=https://eprints.ncl.ac.uk/255960
|year=2015
|publisher=Institution of Engineering and Technology
}}</ref>老年になってヘヴィサイドはこう回想した：
{{blockquote|
私が若かった頃、マクスウェルの偉大な論文を初めて見たときのことを覚えている...。私はこの本が偉大で、より偉大で、最も偉大(it was great, greater, and greatest)で、その力には計り知れない可能性があることを知った...。私はこの本をマスターしようと決心し、作業に取り掛かった。私はとても無知だった。数学的解析の知識はまったくなく（学校の代数学と三角法しか習っておらず、ほとんど忘れていた）、そのため私の作業は私のためだけにあるようなものだった。可能な限り理解できるようになるまで、数年かかった。その後、私はマクスウェルの論文を脇に置き、自分の道を歩んだ。そして、私はもっと早く前進した......。私が私なりのマクスウェルの解釈に従って福音を宣べ伝えていることはご理解いただけるだろう。<ref>{{cite book
| last1= Sarkar|first1= T. K. 
| last2= Mailloux|first2= Robert
|last3= Oliner|first3= Arthur A.
|last4= Salazar-Palma|first4= M. 
|last5= Sengupta|first5= Dipak L. 
| title = History of Wireless
| url = https://books.google.com/books?id=NBLEAA6QKYkC&pg=PA232
| date = 30 January 2006
| publisher = John Wiley & Sons
| isbn = 978-0-471-78301-5| page = 232}}</ref>}}

1874年、電信技師の仕事を辞め、両親のいる実家へ戻った。この6年間がヘヴィサイドの74年間の人生において被雇用者として働いた唯一の期間であった。

彼は自宅で研究を続け、[[伝送線路]]理論（「[[電信方程式|電信者の方程式]]」としても知られる）の発展に貢献した。ヘヴィサイドは、電信線路に一様に分布した[[インダクタンス]]が[[減衰]]と[[歪み (電子機器)|歪み]]の両方を減少させ、インダクタンスが十分大きく[[絶縁抵抗]]が高すぎなければ、すべての[[周波数]]の[[電流]]の伝搬速度が等しくなり、[[電気回路|回路]]は無歪みになることを数学的に示した<ref>{{EB1911 
|wstitle=Telephone 
|volume=26 |page=554 
|first=Harry Robert |last=Kempe 
|inline=1}}</ref>。ヘヴィサイドの方程式は、電信の実装を発展させるのに役立った。

==中年期==
1882年から1902年まで、3年間を除いて、彼は電気技師の地位向上を望む業界紙『{{仮リンク|The Electrician|en|The Electrician}}』に定期的に記事を寄稿し、年間40ポンドの報酬を得ていた。この報酬は生活していくには到底足りなかったが、彼は慎ましい生活を送り、最もやりたいことをやっていたのである。1883年から1887年にかけて、これらの記事は月平均2-3本であり、これらの記事は後に彼の『電磁気理論(''Electromagnetic Theory'')』と『電気論文(''Electrical Papers'')』の大部分を形成することになる<ref name=Hunt91/>{{rp|71}}。

1880年、ヘヴィサイドは電信伝送線路における[[表皮効果]]を研究した。同年、彼はイギリスで[[同軸ケーブル]]の特許を取得した。1884年、彼はマクスウェルの数学的解析を、当初の煩雑な形式（それらはすでに[[四元数]]で再定式されていた）から、現代の[[空間ベクトル|ベクトル]]用語に再構成し、それによって当初の20の方程式を、現在[[マクスウェルの方程式]]として知られている4つの[[微分方程式]]に直した。再定式化された4つのマクスウェル方程式は、電荷（静的と動的の両方）、磁場、そして両者の関係すなわち電磁場の性質を記述している。

1880年から1887年にかけて、ヘヴィサイドは[[微分演算子]]（[[ジョージ・ブール|ブール]]は<math>D</math>で表記していた）を用いた[[演算子法]]を開発し、微分方程式を[[代数方程式]]として直接解く方法を提案した。これは後に、厳密さに欠けるとして大きな論争を引き起こした。ヘヴィサイドはこの問題について有名な言葉を残している。

{{blockquote|
Mathematics is an experimental science, and definitions do not come first, but later on. They make themselves, when the nature of the subject has developed itself.
（数学は実験科学であり、定義は最初に来るのではなく、後から来るのである。定義というものは、対象の本質そのものが明らかになったときに、自ずと生まれるものなのである。）<ref>{{Cite journal 
|doi = 10.1098/rspl.1893.0059
|title = VIII. On operations in physical mathematics. Part II
|journal = Proceedings of the Royal Society of London
|volume = 54|issue = 326–330
|pages = 105–143
|year = 1894
|s2cid = 121790063}}</ref>}}

{{blockquote|
Shall I refuse my dinner because I do not fully understand the process of digestion?
（消化のプロセスを十分に理解していないからといって、夕食を断ろうか？）<ref>Heaviside, "Mathematics and the Age of the Earth" in ''Electromagnetic Theory'' vol. 2</ref>}}

1887年、ヘヴィサイドは兄のアーサーとともに「電話のブリッジシステム」と題する論文に取り組んだ。しかしこの論文は、アーサーの上司であった郵便局の{{仮リンク|ウィリアム・ヘンリー・プリース|en|William Henry Preece}}に阻止された。というのも、その提案の一部は、「電話線と電信線にコイル（[[インダクタ]]）を追加して自己インダクタンスを増大させ、電信線が受ける歪みを修正すべきだ」というものであり、プリースはその頃、自己インダクタンスが明らかな伝送の大敵であると宣言していたためである。ヘヴィサイドはまた、プリースが『The Electrician』誌の編集長を辞めさせ、彼の長期連載を（1891年まで）中断させた背後にいると確信していた<ref>{{cite ODNB
|chapter=Heaviside, Oliver
|title=Oxford Dictionary of National Biography
|first=Bruce J.|last=Hunt
|year=2004|doi=10.1093/ref:odnb/33796
|chapter-url=http://www.oxforddnb.com/view/article/33796
|chapter-url-access=subscription}}</ref>。プリースとヘヴィサイドの間には長い敵対関係があった。ヘヴィサイドはプリースを数学的に無能だと考えており、伝記作家のポール・J・ナーインもこの評価を支持している：「プリースは強力な官僚で非常に傲慢であり、進歩の障害でもあった」。プリースがヘヴィサイドの研究を抑圧した動機は、ヘヴィサイドの研究の欠点を指摘することよりも、プリース自身の評判を守り、誤りを認めることを避けることにあった<ref name=Nahin/>{{rp| xi–xvii, 162–183}}

ヘヴィサイドの研究の重要性は、『The Electrician』誌に発表された後もしばらく発見されないままであった。1897年、[[AT&T]]は自社の科学者の一人であるジョージ・A・キャンベルと外部の研究者[[ミカエル・ピューピン]]に、ヘヴィサイドの研究が不完全であったり間違っていたりする点を探させた。キャンベルとピューピンはヘヴィサイドの研究を発展させ、AT&Tは彼らの研究だけでなく、ヘヴィサイドが以前に発明したコイルを作る技術的な方法についても特許を申請した。後にAT&Tは、ヘヴィサイドの権利と引き換えに金銭を提供したが、ベルの技術者たちがヘヴィサイドを尊敬していたことがこの申し出に影響した可能性がある。しかし、ヘヴィサイドはこの申し出を拒否し、会社が彼の業績を全面的に認めない限り、金銭は受け取らないと断った。ヘヴィサイドは慢性的な貧乏状態にあったため、この申し出を拒否したことは、より印象的であった。1959年、ノーバート・ウィーナーはフィクション小説『誘惑者(The Tempter)』を出版し、AT&T（仮称ウィリアムズ・コントロールズ社）とミカエル・ピューピン（仮名ディエゴ・ドミンゲス）がヘヴィサイドの発明を盗用したと非難した<ref>{{cite book
| author = Wiener, Norbert 
| title = Invention: The Care and Feeding of Ideas
| year = 1993| publisher = MIT Press
| isbn = 0-262-73111-8
| pages = [https://archive.org/details/inventioncarefee0000wien/page/70 70]–75
| location = Cambridge,　Massachusetts
|url=https://archive.org/details/inventioncarefee0000wien 
| url-access = registration 
| author-link = Wiener, Norbert}}</ref><ref>{{cite book 
|author=Wiener, Norbert 
|title=The Tempter 
|publisher=Random House |year=1959 
|location=New York}}</ref><ref>{{cite book 
|author=Montagnini, Leone 
|title=Harmonies of Disorder – Norbert Wiener: A Mathematician-Philosopher of Our Time
|publisher=Springer|location=Cham (Switzerland)
|year=2017|isbn=978-3-31984455-8|pages=249–252}}</ref>。

しかし、この挫折は、ヘヴィサイドの関心を電磁放射に向けることになった{{sfn|Hunt|2004}}。1888年と1889年の2つの論文で、彼は移動する電荷を取り囲む電場と磁場の変形と、電荷がより密度の高い媒質に入った場合の影響を計算した。これには、現在[[チェレンコフ放射]]として知られているものの予測も含まれており、彼の友人である[[ジョージ・フィッツジェラルド]]が現在[[長さの収縮|ローレンツ・フィッツジェラルド収縮]]として知られているものを提案するきっかけとなった。

1889年、ヘヴィサイドは、移動する荷電粒子に働く磁気力（現在[[ローレンツ力]]と呼ばれるものの磁気成分）の正しい導出を初めて発表した<ref>{{Cite journal 
| doi = 10.1080/14786448908628362
| title = XXXIX.On the electromagnetic effects due to the motion of electrification through a dielectric
| journal = Philosophical Magazine 
|series=Series 5| volume = 27
| issue = 167| pages = 324–339
| year = 1889
| last1 = Heaviside | first1 = O. 
| url = https://zenodo.org/record/1431195}}</ref>。

1880年代後半から1890年代前半にかけて、ヘヴィサイドは{{仮リンク|電磁質量|en|Electromagnetic mass}}の概念に取り組んだ。ヘヴィサイドはこれを物質質量として扱い、同じ効果を生み出すことができた。後に[[ヴィルヘルム・ヴィーン]]が（低速において）ヘヴィサイドの式を検証した。

1891年、[[英国王立協会]]はヘヴィサイドの電磁気現象の数学的記述への貢献を認め、[[王立協会フェロー]]に任命し、翌年には同協会の''Philosophical Transactions''の50ページ以上を彼のベクトル手法と電磁気論に割いた。

==晩年==
1896年春、フィッツジェラルドと[[ジョン・ペリー (数学者)|ジョン・ペリー]]は、以前に王立協会からの援助申し出を断っていたヘヴィサイドを説得し、年間120ポンドの下賜年金を受け取ることを承諾させた{{sfn|Hunt|2004}}。
{{Quotation|伝えられるところによると、数人の非常に傑出した熱心な科学者が、デヴォンシャーの隠れ家の学者（ヘヴィサイド）を訪問すると脅かし、――というより、彼の隠れ家の周りを何週間も行進するぞと脅かし、提示されたとおりの年金を受け取ると言わざるを得なくしたということである。|社説にて|The Electrician, vol.37, p.331, July 10, 1896<ref name=Nahin/>}}
1896年暮れ、父親の死去に伴いヘヴィサイドは生涯で初めて1人で生活するようになった。

1897年、ペイントンからニュートン・アボットに移住した。

1902年、ヘヴィサイドは、現在[[電離層]]のケネリー・ヘヴィサイド層として知られているものの存在を提唱した<ref>{{cite book
|last=Heaviside |first=O. 
|year=1902
|title=Encyclopaedia Britannica
|chapter=Telegraphy 
|page=214
|publisher=Edinburgh and London: Adam and Charles Black}}</ref> 。ヘヴィサイドの提案には、電波信号が地球の曲率半径で伝達される手段も含まれていた。電離層の存在は1923年に確認された。ヘヴィサイドの予測は、[[マックス・プランク]]の放射理論と相まって、1932年に[[カール・ジャンスキー]]が [[電波天文学]]を発展させるまでの30年間、太陽や他の天体からの電波を検出しようとする試みを躊躇させた。

1905年には[[ゲッティンゲン大学]]から名誉博士号を授与された。

1908年、ニュートン・アボットからトーキーへ移住した。

1912年、[[ノーベル物理学賞]]の最終候補の1人となった<ref>{{cite journal
|first=A
|last=Pairs
|title=How Einstein Got the Nobel Prize: Why did the Nobel Committee for Physics wait so long before giving Einstein the Prize, and why did they not award it for relativity?
|year=1982
|journal=American Scientist
|volume=70
|pages=358-365
}}</ref>。ヘヴィサイドは1904年から1914年にかけて7回ノミネートされている<ref>{{cite web
|url=https://www.nobelprize.org/nomination/archive/show_people.php?id=3972
|title=The novel prize Nomination Archive : Oliver Heaviside
|access-date=2024-01-18
}}</ref>。

1922年、その年に創設された[[ファラデー・メダル (英国工学技術学会)|ファラデー・メダル]]の最初の受賞者となった。

1924年、自宅の屋根の修理のために職人に指示を出しているときに11フィートの高さの[[梯子]]から落下し、背中を地面に強打した。そのときの怪我が原因で、1925年1月4日に意識不明の状態で発見され、2月3日、[[デヴォン州]][[トーキー (イングランド)|トーキー]]で亡くなった<ref>{{cite journal
 |title=Oliver Heaviside
 |date=March 1925 |type=obituary
 |journal=Journal of the AIEE
 |volume=44 |issue=3 |pages=316–317
 |doi=10.1109/JAIEE.1925.6537168
|s2cid=51663331 }}</ref>。

ヘヴィサイドは[[ペイントン]]墓地の東の角近くに、父トーマス・ヘヴィサイドと母レイチェル・エリザベス・ヘヴィサイドとともに埋葬された。
墓石は2005年に匿名の篤志家の手によって修復された<ref>{{cite book
 |first=Basil |last=Mahon
 |year=2009
 |title=Oliver Heaviside: Maverick mastermind of electricity
 |publisher=The Institution of Engineering and Technology
 |isbn=9780863419652
}}</ref>。

==人物==
隠棲して研究していたものの肉体的には活動的な人物で、壮年期は自身の体の状態に関心を持つスポーツマンであった。19世紀末に英国中で大流行した自転車のとりこであった<ref name=Nahin/>

晩年、彼の行動はかなりエキセントリックになった。同僚のB.A.ベーレンドによると、彼は世捨て人のようになり、人に会うのを嫌ったため、『The Electrician』の論文の原稿を食料品店に届け、編集者がそれを受け取ったという<ref>
{{cite magazine
  | title = Pages with the editor
  | date=June 1925
  | magazine = [[Popular Radio]]
  | volume = 7 | issue = 6 | pages = 6
  | location = New York
  | url = http://www.americanradiohistory.com/Archive-Popular-Radio/Popular-Radio-1925-06.pdf
  | access-date = 14 August 2014
}}</ref>。1922年頃から、自身の名前の[[アナグラム]]"O! He is a very Devil（おお、彼こそは悪魔なり）"を手紙に署名するようになった。また、自分の名前の後に「W.O.R.M.」という称号をつけて署名していた。世間が彼のことを毛虫(worm)のごとく嫌っているという自虐的な意味にもとれるが、その真意は不明である<ref>{{Cite book|和書 
|last1=ナーイン |first1=ポール・J. 
|others= 高野善永
|title=オリヴァー・ヘヴィサイド　ヴィクトリア朝における電気の天才 ― その時代と業績と生涯 
|publisher=海鳴社 |date=2012-04-10 
|page=559 |origdate=2002-10-09 
|isbn=978-4-87525-288-7 }}</ref>。指の爪をピンクに塗り、家具として花崗岩のブロックを家に運び入れたと伝えられている<ref name=Nahin/>。

ヘヴィサイドの宗教観について、彼は[[ユニテリアン]]ではあったが、信心深くはなかった。彼は、至高の存在に信仰を置く人々を馬鹿にしていたとさえ言われている<ref>
{{cite book
|last=Pickover
|first=Clifford A.
 |year=1998
 |title=Strange Brains and Genius: The secret lives of eccentric scientists and madmen
 |publisher=Plenum Publishing Company Limited
 |isbn=9780306457845
 |chapter=Oliver Heaviside
 <!--|quote=Religion: A Unitarian, but not religious. Poked fun at those who put their faith in a Supreme Being.-->
}}
</ref>。

ヘヴィサイドはアルバート・アインシュタインの[[相対性理論]]に反対の立場であった<ref name="Eves 1988">{{cite book
|first=Howard |last=Eves
|year=1988
|title=Return to Mathematical Circles: A Fifth Collection of Mathematical Stories and Anecdotes
|publisher= PWS-Kent Publishing Company
|page=27
|isbn=9780871501059}}</ref>。数学者のハワード・イーブスは、ヘヴィサイドは「当時、アインシュタインを批判した唯一の一流の物理学者であったが、相対性理論に対する彼の批判はしばしば不条理に近いものであった」とコメントしている<ref name="Eves 1988"/>。

==没後==
===ヘヴィサイド・メモリアル・プロジェクト===
[[File:Comparison of before and after the monument restoration.PNG|thumb|ヘヴィサイドの墓。修復プロジェクト前後の比較。]]

2014年7月、英国[[ニューカッスル大学]]の学者とニューカッスル電磁気学インタレスト・グループは、この墓碑を一般の寄付によって完全に修復することを目指し、ヘヴィサイド・メモリアル・プロジェクトを設立した<ref>{{Cite journal |url=http://www.heavisidememorialproject.co.uk 
|title=Heaviside Memorial Project Homepage 
|journal=Nature 
|volume=165 |issue=4208 |pages=991–3 
|author=<!--Staff writer(s); no by-line.--> 
|date=27 July 2014 
|publisher=Heaviside Memorial Project 
|access-date=31 July 2014 
|archive-url=https://web.archive.org/web/20140718172517/http://heavisidememorialproject.co.uk/ 
|archive-date=18 July 2014 
|url-status=dead}}</ref><ref>{{cite web |url=http://www.torquayheraldexpress.co.uk/Bid-restore-monument/story-21752656-detail/story.html 
|archive-url=https://archive.today/20140806033513/http://www.torquayheraldexpress.co.uk/Bid-restore-monument/story-21752656-detail/story.html |url-status=dead 
|archive-date=6 August 2014 
|title=Bid to restore Paignton monument to Oliver Heaviside 
|author=<!--Staff writer(s); no by-line.--> 
|date=27 July 2014 
|website=www.torquayheraldexpress.co.uk 
|publisher=Herald Express |access-date=29 July 2014}}</ref><ref>{{cite web 
|url=http://www.ncl.ac.uk/sage/about/news/item/the-heaviside-memorial-project |title=The Heaviside Memorial Project 
|author=<!--Staff writer(s); no by-line.--> 
|date=29 July 2014 |website=www.newcastle.ac.uk 
|publisher=Newcastle University 
|access-date=29 July 2014 |url-status=dead 
|archive-url=https://web.archive.org/web/20140729185150/http://www.ncl.ac.uk/sage/about/news/item/the-heaviside-memorial-project 
|archive-date=29 July 2014}}</ref>。修復された墓碑は2014年8月30日、ヘヴィサイドの遠い親戚であるアラン・ヘザーによって除幕された。除幕式には、[[トーベイ]]市長、トーベイ選出の国会議員、科学博物館の元学芸員（[[英国工学技術学会]]を代表）、トーベイ市民協会会長、ニューカッスル大学の代表が出席した<ref>{{cite web |url=http://www.torquayheraldexpress.co.uk/Restored-Heaviside-memorial-unveiled-Saturday/story-22858873-detail/story.html |title=Restored Heaviside memorial unveiled on Saturday |author=<!--Staff writer(s); no by-line.--> |date=1 September 2014 |website=www.torquayheraldexpress.co.uk |publisher=Herald Express |access-date=1 September 2014 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20140903114836/http://www.torquayheraldexpress.co.uk/Restored-Heaviside-memorial-unveiled-Saturday/story-22858873-detail/story.html |archive-date=3 September 2014}}</ref>。


===工学技術学会による顕彰===
ヘヴィサイドの論文コレクションは英国工学技術学会(IET)アーカイブセンターに所蔵されている<ref>Savoy Hill House 7–10, Savoy Hill, London WC2R 0BU email: archives@theiet.org</ref>。このコレクションは、数式や計算を記したノート、主に電信に関する注釈付き冊子、原稿メモ、論文草稿、書簡、「電磁気理論」の論文草稿から構成されている。ベル電話研究所社長オリバー・E・バックリーによる1950年のヘヴィサイドへの追悼音声がデジタル化され、IETアーカイブバイオグラフィーからアクセスできるようになった<ref>{{cite web |last1=Heaviside |first1=Oliver 
|title=Oliver Heaviside 1850-1925 |url=https://www.theiet.org/membership/library-archives/the-iet-archives/biographies/oliver-heaviside-1850-1925/ 
|website=The IET Archives:biographies  
|access-date=21 November 2023}}</ref>。

英国工学技術学会の前身である電気技術者協会（IEE）は、1908年、オリバー・ヘヴィサイドに名誉会員資格を授与し<ref>{{cite journal 
|last1=Heaviside |first1=Oliver 
|title=IEE Roll of Honorary Members and Faraday Medallists 1871-1921 |journal=IET Archives Reference: IET/SPE/4/8/1
|date=1908}}</ref><ref>{{cite web 
|last1=Heaviside |first1=Oliver 
|title=From under the sea to the edge of space: the work of Oliver Heaviside 
|url=https://ietarchivesblog.org/2023/04/05/from-under-the-sea-to-the-edge-of-space-the-work-of-oliver-heaviside/ 
|website=Stories of the Institution of Electrical Engineers |date=5 April 2023 
|publisher=The IET Archives Blog: Stories from the Institution of Engineering and Technology 
|access-date=21 November 2023}}</ref>、1922年にはその年に創設されたファラデー・メダルを授与した。1950年に電気技術者協会の委員会はヘヴィサイド・プレミアム賞を設立した。「委員会はオリバー・ヘヴィサイドを何らかの形で永続的に記念することを検討し、その結果、毎年、採択された最も優れた数学論文に対して10ポンドのヘヴィサイド・プレミアム賞を授与することを推奨する」<ref>{{cite journal |last1=Heaviside Premium Award |title=IEE Council Minutes | date=2 February 1950 | journal=IEE Archive Reference: IET/ORG/2/1/19}}</ref>。

==発明と発見==

ヘヴィサイドはベクトル演算と[[ベクトル解析]]を発展させ、提唱した<ref>'''Electromagnetic Theory''', 1893 "The Elements of Vectorial Algebra and Analysis," vol.1 chap.3 pp.132–305 、ここで彼は現代的な系を記述した</ref>。マクスウェルの電磁気学の定式化は20変数20方程式から成っていた。ヘヴィサイドはベクトル解析の[[回転 (ベクトル解析)|回転]]と[[発散 (ベクトル解析)|発散]]演算子を用いて、この20方程式のうち12方程式を4変数(<math>\textbf{B}, \textbf{E}, \textbf{J}, \rho</math>)からなる4方程式に再定式化した。あまり知られていないが、マクスウェルの方程式とヘヴィサイドの方程式は全く同じではなく、量子物理学に適合させるためには後者を修正する方が簡単である<ref>''Topological Foundations of Electromagnetism'', World Scientific Series in Contemporary Chemical Physics, 13 March 2008, Terence W. Barrett.</ref>。

[[重力波 (相対論)|重力波]]が発生する可能性についても、ヘヴィサイドは重力と電気の逆2乗則のアナロジーを用いて議論した<ref>A gravitational and electromagnetic analogy,''Electromagnetic Theory'', 1893, 455–466 Appendix B. This was 25 years before Einstein's paper on this subject</ref>。これはアインシュタインが1916年に論文を出すよりも20年以上前のことである。[[クォータニオン]]の乗算では、ベクトルの2乗は負の数となり、ヘヴィサイドは大いに不満だった。彼はこの負数の廃止を提唱したため、C. J. Jolyによって{{仮リンク|双曲四元数|en|Hyperbolic quaternion}}を開発したとされているが<ref>{{cite book |last=Hamilton |title=Elements of Quaternions |year=1899 |page=[https://archive.org/details/elementsquatern01hamigoog/page/n200 163] |publisher=Longmans, Green, and co. |isbn=9780828402194 |url=https://archive.org/details/elementsquatern01hamigoog
|edition=2nd 
|editor-first=C.J. |editor-last=Joly}}</ref>、実際にはこの数学的構造は{{仮リンク|アレクサンダー・マクファーレン|en|Alexander Macfarlane}}によるところが大きい。

[[ヘヴィサイドの階段関数]]を発明し、電気回路がオンになったときの電流を計算するのに使用した。

現在[[ディラックのデルタ関数]]として知られる単位インパルス関数を初めて使用した<ref>'''Electromagnetic Theory''', vol.II, para.271, eqns 54,55</ref>。

[[線形微分方程式]]を解くための[[演算子法]]を発明した。これは現在使われている「ブロムウィッチ積分」に基づく[[ラプラス変換]]法に似ている。「ブロムウィッチ積分」は、ヘヴィサイドの演算子法を輪郭積分を用いて厳密に数学的に正当化した{{仮リンク|トーマス・ブロムウィッチ|en|Thomas John I'Anson Bromwich}}にちなんで名づけられた。ヘヴィサイドはラプラス変換法を知っていたが、彼自身の方法がより直接的なものと考えていた<ref>'''Electromagnetic Theory''' vol 3, section starting on p.324. Available online</ref><ref>A rigorous version of Heaviside's operational calculus has been constructed see Mikusinski J: '''The Operational Calculus''', Pergamon Press 1959</ref>
。

[[伝送線路]]理論（「[[電信方程式|電信者の方程式]]」としても知られる）を開発し、[[大西洋横断電信ケーブル]]の伝送効率を10倍に高める効果をもたらした。もともと1文字を伝送するのに10分かかっていたのが、1分間に1文字に改善されたのである。これと密接に関連するのが、電気的インダクタをケーブルに直列に配置することで、信号伝送を大幅に改善できることを発見したことである<ref>{{cite book| last=Wiener |first=Norbert | title = Invention: The Care and 70–75| location = Cambridge, Massachusetts|url=https://books.google.com/books?id=G3Q2qOtOeLYC| year = 1993| publisher = MIT Press| isbn = 0-262-73111-8}}</ref>。

[[ポインティング・ベクトル]]も独自に発見した<ref name =Nahin/>{{rp|116–118}}。

地球の大気の最上部に[[電離層]]が存在するという考えを提唱し、後にケネリー・ヘヴィサイド層と呼ばれる層の存在を予言した。1947年、[[エドワード・アップルトン|エドワード・ビクター・アップルトン]]は、この層が実際に存在することを証明した功績により、ノーベル物理学賞を受賞した。


===電磁気学用語===
ヘヴィサイドは、電磁気論において次のような造語を行った<ref>Ronald R. Kline, ''Steinmetz: Engineer and Socialist'', p. 337, Johns Hopkins University Press, 1992 {{ISBN|0801842980}}.</ref>。
* [[コンダクタンス]]：アドミタンスの実数部、抵抗の逆数（1885年9月）
* [[透磁率]](permeability)（1885年9月）
* {{仮リンク|エラスタンス|en|Elastance}}：パーミタンスの逆数、キャパシタンスの逆数（1886年）
* [[インダクタンス]]（1886年2月）
* [[インピーダンス]]（1886年7月）
* パーミタンス：現在の[[キャパシタンス]]（1887年6月）
* [[誘電率]](permittivity)（1887年6月）
* [[アドミタンス]]：インピーダンスの逆数（1887年12月）
* [[リラクタンス]]（1888年5月）
* [[エレクトレット]]：永久磁石の電気的類似体。強誘電体など準永久的な電気分極を示す物質

ヘヴィサイドは、[[サセプタンス]]と[[リアクタンス]]を造語した人物として誤って扱われることがある。前者は[[チャールズ・プロテウス・スタインメッツ]]の造語によるものであり<ref>Kline, p. 88</ref>、後者はM. ホスピタリエによるものである<ref>{{cite book
|last1=Steinmetz
|first1=Charles Proteus 
|first2=Bedell
|last2=Frederick
|link=https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=iau.31858046100776&view=1up&seq=830 "Reactance"
|title=Transactions of the American Institute of Electrical Engineers
|volume=11
|pages=768-776
|year=1894}}ヘヴィサイド自身も著作(Electromagnetic Theory'', vol. 1, p. 439, 1893.)の中で"The term 'reactance' was lately proposed in France, and seems to me to be a practical word.（「リアクタンス」という言葉は最近フランスで提唱されたもので、実用的な言葉だと感じる。）"と述べている。</ref>。

==主な著作==
{{wikisource author}}
{{Wikiquote}}

ジャーナル
* {{cite journal
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic induction and its propagation
|year=1885, 1886, and 1887
|journal=The Electrician
}}

* {{cite journal
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic waves, the propagation of potential, and the electromagnetic effects of a moving charge
|year=1888,1889
|journal=The Electrician
}}

* {{cite journal
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic waves, the propagation of potential, and the electromagnetic effects of a moving charge
|journal=Electrical Papers
|pages=490-499
|year=1892
|doi=10.1017/CBO9780511983139.017
}}

* {{cite journal
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=On the Electromagnetic Effects due to the Motion of Electrification through a Dielectric
|journal=Phil.Mag.S
|series=5
|volume=27
|year=1889
|pages=324-339
|doi=10.1080/14786448908628362}}

* {{cite journal
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=On the Forces, Stresses, and Fluxes of Energy in the Electromagnetic Field
|journal=Phil.Trans.Royal Soc. A
|volume=183
|pages=423-480
|doi=10.1098/rsta.1892.0011}}

* {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electrical Papers
|url=https://archive.org/details/electricalpapers01heavuoft
|volume=1
|year=1892
|publisher=Macmillan Co, London and New York
|isbn=9780828402354}}

* {{cite journal
|first=Oliver |last=Heaviside
|title=On Operators in Physical Mathematics Part I
|journal=Proc. Roy. Soc.
|volume=52
|year=1892
|pages=504-529
}}

* {{cite journal
|first=Oliver |last=Heaviside
|title=On Operators in Physical Mathematics Part II
|journal=Proc. Roy. Soc.
|volume=54
|year=1893
|pages=105-143
}}

* {{cite journal
|first=Oliver |last=Heaviside
|title=A gravitational and electromagnetic analogy
|journal=The Electrician
|volume=31
|pages=281-282 (part I),359 (part II)}}

** Electromagnetic Theory(1893) vol I, Chapter 4 Appendix B (pp. 455-466)に再録されている。

本
* {{cite book 
|first=Oliver |last=Heaviside 
|title=Electromagnetic Theory |url=https://archive.org/details/electromagnetict0001heav/mode/2up 
|volume=1 
|year=1893 
|publisher=The Electrician Printing and Publishing Co, London
|isbn=978-0-8284-0235-4 }}

* {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electrical Papers
|url=https://archive.org/details/electricalpapers02heavrich
|volume=2
|year=1894
|publisher=Macmillan Co, London and New York}}

* {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic Theory
|url=https://archive.org/details/electromagnetict02heavrich
|volume= 2
|year=1899
|publisher=The Electrician Printing and Publishing Co, London}}

* {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic Theory
|url=https://archive.org/details/electromagnetict03heavuoft
|volume= 3
|year=1912
|publisher=The Electrician Printing and Publishing Co, London}}

*{{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
| title = Electrical Papers
| year = 1925
| publisher = Copley
|location=Boston
|vol=2}}

*{{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic theory: The complete & unabridged edition of volume 1, 2 and 3
|publisher=Dover
|location=New York
|year=1950}}

* 1970 {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
| title = Electrical Papers
| year = 1970
| publisher = Chelsea Publishing Company
| isbn = 978-0-8284-0235-4}}

* {{cite book|
|first=Oliver|last=Heaviside
|title=Electromagnetic theory: Including an account of Heaviside's unpublished notes for a fourth volume and with a foreword by Edmund Whittaker"
|publisher=  Chelsea Publishing Company
|year=1971
|isbn=0-8284-0237-X}}

* {{cite book
|first=Oliver|last=Heaviside
| title = Electrical Papers
|edition=2
|publisher=American Mathematical Society 
|year=2003
| isbn = 978-0-8218-34633}}

== 参照 ==
{{reflist}}

== 参考文献 ==

* ''Philosophical Transactions of the Royal Society A|Philosophical Transactions of the Royal Society A: Mathematical, Physical and Engineering Sciences'', Theme Issue: [https://royalsocietypublishing.org/toc/rsta/2018/376/2134 "Celebrating 125 years of Oliver Heaviside's 'Electromagnetic Theory"], vol. 37, iss. 2134, 13 December 2018.
* {{cite book|title=The Heaviside Centenary Volume|publisher=The Institution of Electrical Engineers, London|year=1950}}
* {{cite book|last=Berg|first= E. J.|title=Heaviside's operational calculus as applied to engineering and physics|series= Electrical engineering texts|publisher=McGraw-Hill|year=1929
|url=http://catalog.hathitrust.org/Record/001481657}}
* {{cite book| first = Jed Z.| last = Buchwald| title = From Maxwell to Microphysics: Aspects of Electromagnetic Theory in the Last Quarter of the Nineteenth Century| year = 1985| publisher = [[University of Chicago Press]]| isbn = 978-0-226-07882-3| url-access = registration| url = https://archive.org/details/frommaxwelltomic00jedz}}
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* {{cite journal
|last=Jackson
|first=W
|publication-date=24 June 1950
|title=Life and work of Oliver Heaviside (May 18, 1850 – February 3, 1925).
|volume=165
|issue=4208
|periodical=[[Nature (journal)|Nature]]
|pages=991–3
|bibcode = 1950Natur.165..991J |year=1950 |doi=10.1038/165991a0 |pmid=15439051 |doi-access=free
}}
* Jeffreys, Harold (1927) ''Operational Methods in Mathematical Physics'', Cambridge University Press, 2nd edition 1931 
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{{div col end}}

* {{cite journal
|last1=Swinburne|first1=J.
|title=Review of ''Electromagnetic Theory'', Vol. I
|journal=Nature
|volume=51|issue=1312|year=1894
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|s2cid=3940841}}

* {{cite book
| first = Paul J.|last= Nahin 
 |title = Oliver Heaviside, sage in solitude: the life, work, and times of an electrical genius of the Victorian age
| year = 1987
| publisher = IEEE
| isbn = 978-0-87942-238-7|url=https://books.google.com/books?id=e9wEntQmA0IC}}

*{{Cite book|和書 
|last1=ナーイン |first1=ポール・J. 
|others= 高野善永
|title=オリヴァー・ヘヴィサイド　ヴィクトリア朝における電気の天才 ― その時代と業績と生涯 
|publisher=海鳴社 |date=2012-04-10 
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==外部リンク==

* {{Commons category-inline}}
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* {{cite EB1911 
|wstitle=Units, Physical 
|volume=27 |pages=738–745 
|first=John Ambrose |last=Fleming 
|authorlink=John Ambrose Fleming |short=1}}
* {{cite web 
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* Gustafson, Grant, "''[http://www.math.utah.edu/~gustafso/HeavisideCoverup.pdf Heaviside's Methods]''". math.Utah.edu.
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* {{cite episode 
|credits=Leinhard, John H. |transcript=No 426 Oliver Heaviside 
|transcript-url=http://www.uh.edu/engines/epi426.htm |number=426 
|title=Oliver Heaviside 
|series=The Engines of Our Ingenuity 
|network=NPR |station=KUHF-FM Houston |airdate=1990}}
* McGinty, Phil, "''[https://web.archive.org/web/20031129065714/http://www.torbytes.co.uk/op/tm2/lv2/item932-def.htm Oliver Heaviside]''". Devon Life, Torbay Library Services.
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* {{MacTutor|id=Heaviside}}
* "Ron D." (2007) [http://myreckonings.com/wordpress/2007/12/07/heavisides-operator-calculus/ Heaviside's Operator Calculus]
* Eric W. Weisstein, "[http://scienceworld.wolfram.com/biography/Heaviside.html Heaviside, Oliver (1850–1925)]". ''Eric Weisstein's World of Scientific Biography.'' Wolfram Media, Inc.
{{div col end}}

=== アーカイブコレクション ===

* [https://libserv.aip.org/ipac20/ipac.jsp?session=1680D73IU0570.32021&profile=rev-icos&source=~!horizon&view=subscriptionsummary&uri=full=3100006~!4035~!6&ri=5&aspect=power&menu=search&ipp=20&spp=20&staffonly=&term=OLIVER+HEAVISIDE+&index=.GW&uindex=&aspect=power&menu=search&ri=5&limitbox_1=LO01+=+icos <nowiki>Oliver Heaviside selected papers [microform], 1874-1922, Niels Bohr Library & Archives</nowiki>]

{{DEFAULTSORT:へういさいと おりうあ}}<!--項目の50音順-->
[[Category:19世紀イングランドの数学者]]
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[[Category:1850年生]]
[[Category:1925年没]]