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{{enzyme | Name = カタラーゼ | EC_number = 1.11.1.6 | CAS_number = 9001-05-2 | IUBMB_EC_number = 1/11/1/6 | GO_code = 0004096 | image = Catalase Structure.png | width = | caption = カタラーゼの構造 4つのサブユニットからなる。<br/>{{PDB Molecule of the Month|057}} }} '''カタラーゼ''' (catalase) は、[[過酸化水素]]を[[不均化]]して[[酸素]]と[[水]]に変える反応を触媒する[[酵素]]。 [[ヘムタンパク質]]の一種であり、[[プロトヘム]]を含んでいる。細胞内の[[ペルオキシソーム]]に存在し、過酸化水素を使って[[酸化]]・解毒をおこなう。 1818年に過酸化水素を発見した[[フランス]]の化学者[[ルイ・テナール]]は、カタラーゼとして知られるある種の物質が、過酸化水素の分解速度を高めることに気付いた。この物質をカタラーゼと命名したのは、[[ドイツ]]の農業化学者O.レーブである<ref>[http://www.sciencemag.org/content/11/279/701.full.pdf?ijkey=a50c59948cd95d593917cfec5b37408916a4baf7&keytype2=tf_ipsecsha "A NEW ENZYME OF GENERAL OCCURRENCE IN ORGANISMIS",Science 4 May 1900: Vol. 11 no. 279 pp. 701-702]</ref>。また、カタラーゼを単離して結晶化したのは[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の化学者[[ジェームズ・サムナー]]、カタラーゼのアミノ酸配列を決定したのはWalter A. Schroederらである。 毎秒当たりの[[ターンオーバー数|代謝回転数]]は全酵素のなかでも最も高く、4000万に達する<ref>カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学、David Sadavaほか、講談社、2010年、p.180.</ref>。[[ヒト]]の場合、カタラーゼは4つのサブユニットで構成されており、各サブユニットは526の[[アミノ酸]]から成立している<ref>A Hirono et al."A Novel Human Catalase Mutation (358 T6del) Causing Japanese-type Acatalasemia," Blood Cells, Molecules, and Diseases (1995) 21(23) Dec 15: 232-234 [http://www.scripps.edu/bcmd/pdfarea/issue_23/hirono.pdf (pdf)]</ref>。[[分子量]]は約24万。[[ヘム]]と[[マンガン]]を[[補因子]]として用いる。 ヒトをはじめとして[[肝臓]]に多く存在するため、肝臓を[[オキシドール]]につけると酸素が発生する。ヒトの場合、このタンパク質をコードしている[[遺伝子]]はCATで第11[[染色体]]のp13に存在する。また、この遺伝子が欠損すると[[無カタラーゼ症]]を発症する。 至適pHは約7.0、至適温度は37℃。以下の反応の[[活性化エネルギー]]を下げることで、触媒として機能する。 : <chem>2H2O2 -> {O2} + {2H2O}</chem> 過酸化水素のほか、[[ホルムアルデヒド]]や[[ギ酸]]も[[基質 (化学)|基質]]として触媒できる。[[重金属]]の陽イオンや[[シアン化物]]は、阻害因子として働く。 ほぼすべての[[好気性微生物]]が有しているカタラーゼは、[[ユーリ古細菌]]に属する''[[:en:Methanosarcina barkeri|Methanosarcina barkeri]]''などのいくつかの[[嫌気性微生物]]にも存在する<ref name="pmid16735730">{{cite journal | vauthors = Brioukhanov AL, Netrusov AI, Eggen RI | title = The catalase and superoxide dismutase genes are transcriptionally up-regulated upon oxidative stress in the strictly anaerobic archaeon Methanosarcina barkeri | journal = Microbiology | volume = 152 | issue = Pt 6 | pages = 1671–7 | date = June 2006 | pmid = 16735730 | doi = 10.1099/mic.0.28542-0 }}</ref>。また、細菌がこの酵素をもつかは、細菌を[[同定]]する上で非常に重要であり、それは[[カタラーゼテスト]]によって判別できる。 高温のガスを噴射する[[ミイデラゴミムシ]]の能力は、カタラーゼの高い代謝回転数に依存している。カタラーゼの含有量が多ければ多いほど、過酸化水素水(オキシドール)を混ぜた時に、より速く、多くの酸素を発生できると言われている。 == 出典 == {{reflist}} {{デフォルトソート:かたらあせ}} [[Category:EC 1.11.1]] [[Category:抗酸化物質]] [[Category:ヘムタンパク質]]
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