カルツァ＝クライン理論のソースを表示

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'''カルツァ–クライン理論'''（カルツァクラインりろん、'''Kaluza–Klein theory'''、KK理論）は、[[重力]]と[[電磁気力]]を統一するために五次元以上の[[時空]]を仮定する理論である。[[理論物理学]]者の[[テオドール・カルツァ]]が1921年に提唱し、1926年に[[オスカル・クライン]]が修正した。

== 概要 ==
通常の[[4次元]]時空（縦、横、高さ、時間）にもうひとつ、超微細な円形で存在する余剰時空を設定した[[5次元]]時空上での[[一般相対性理論]](重力)を考えると、[[余剰次元]]が見えなくなり、4次元時空とみなせるスケールでは、[[重力]]に加えて[[電磁相互作用|電磁気力(]][[ゲージ場]])が現れる。4次元では別々の力として扱われていた重力と電磁気力が、5次元時空の重力に統一されるわけである。
これをさらに高い次元に拡張すると、余剰次元の性質により、[[ヤン＝ミルズ理論|非可換ゲージ場]]を導入することも可能である。

[[超弦理論]]では、理論が無矛盾に定義される条件として10次元時空が要請されるため、カルツァとクラインのこの考え方を応用して余分な6次元空間が[[プランク単位系|プランクスケール]]程度の大きさであると考えることにより、4次元時空上の理論を導出しているが、6次元のみが小さくなる機構は明らかになっていない。

== 歴史 ==
[[Image:Kaluza Klein compactification.svg|frame|left|空間<math>M \times C</math>はコンパクト集合<math>C</math>にコンパクト化され、カルツァ–クライン分解によりMの[[有効場の理論]]が得られる。]]

[[五次元空間|五次元]]{{enlink|Five-dimensional space}}目の[[時空]]を[[アインシュタイン方程式]]に四次元を[[マクスウェル方程式]]に分割する方法は、1914年に[[グンナー・ノルドシュトルム]]によって初めて発見された。（{{仮リンク|グンナーの重力理論|en|Nordström's theory of gravitation}}参照）しかし、この理論は忘れ去られた。

カルツァは[[1919年]]に、理論の元となるアイディアを[[アルベルト・アインシュタイン]]への手紙の中で明らかにした<ref name="竹内2004_pp114">{{Cite book|和書
|author=竹内薫
|authorlink=竹内薫
|title=超ひも理論とは何か
|edition=第1刷
|publisher=講談社
|series=[[ブルーバックス]]
|isbn=4-06-257444-6
|date=2004-05-20
|pages=114-118頁
}}</ref>。論文はしばらくアインシュタインの机の中にあったが、その後アインシュタインの助力を得て1921年に発表された<ref name="竹内2004_pp114" />。当時のカルツァは無名の[[私講師]]であり、その理論も当初はあまり評価されなかった<ref name="竹内2004_pp114" />。

1926年になって、クラインがカルツァの理論を修正して理論を発展させ<ref name="竹内2004_pp114" /><ref>{{cite encyclopedia
|author=尾関章
|encyclopedia=[[知恵蔵]]2007
|title=カルツァ・クライン理論
|url=http://kotobank.jp/word/{{urlencode:カルツァ・クライン理論}}
|accessdate=2010-09-02
|year=2007年
|isbn=978-4-02-390007-3 
|publisher=[[朝日新聞社]]
}}</ref>、「カルツァ–クライン理論」として知られるようになった。クラインは、五次元時空の理論に余剰次元を非常に小さなスケールに折りこむという[[コンパクト化 (物理学)|コンパクト化]]の理論を組み込んだ。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
=== 原論文の日本語訳 ===
* [https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204075528704 KaluzaとKleinの論文の和訳I(翻訳)] 素粒子論研究 Vol. 67, No. 5 (1983), 270-276. カルツァによる原論文の日本語訳。{{NAID|110006469742}}
* [https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204075436416 KaluzaとKleinの論文の和訳II] 素粒子論研究 Vol. 68, No. 3 (1983), 125-135. クラインによる原論文の日本語訳。{{NAID|110006469782}}

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{{Normdaten}}
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[[category:統一場理論]]
[[Category:オスカル・クライン]]
[[Category:物理学のエポニム]]
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