ガスセンサのソースを表示

'''ガスセンサ'''（{{lang-en|Gas sensor / Gas detector}}）とは、[[気体]]の特性を利用して濃度を[[電気信号]]に変換する[[センサ]]。

== 概要 ==
空気中のガスの分子の濃度測定を簡便に行える手法として気体[[分子]]が[[参照電極]]との間で[[電圧]]を生じるのでそれを利用して検出する。[[電気化学センサ]]や[[赤外線ガス分析計|赤外線式]]等、複数の形式がある。

=== 電気化学式 ===
{{main|電気化学センサ}}
[[電気化学センサ|電気化学]]的な検出法の一例として[[一酸化炭素]]などの[[還元|還元性]]の検知対象ガスが存在すると検知極では[[触媒]]上で空気中の[[水蒸気]]と以下の反応式で示される反応が発生する<ref name="technicalinfo"/>。
:<chem>{CO} + H2O -> {CO2} + {2H+} + 2{\it{e}}-</chem>

検知極と対極を電気的に接続（短絡）すると検知極で発生したプロトン(H+)はイオン伝導体を介して、同時に発生した電子（e-）は外部の電線（リード）を介して、それぞれ対極に到達して対極上で空気中の酸素との間で以下の反応式で示される反応が発生する<ref name="technicalinfo"/>。
:<chem>{O2} + {2H+} + 2{\it{e}}- -> H2O</chem>

つまりこのセンサはガスを活物質とする電池と見なすことができる<ref name="technicalinfo"/>。
:<chem>CO + \frac{1}{2}O2 -> CO2</chem>

ガスセンサとして使う場合は、検知極と対極を電気的に接続してその短絡電流を測定する<ref name="technicalinfo">{{Cite web|和書|url=http://www.figaro.co.jp/technicalinfo/principle/electrochemical-type.html |title=ガスセンサとは ～ガスセンサの検知原理～ |accessdate=2016-02-02}}</ref>。 

=== 赤外線式 ===
{{main|赤外線ガス分析計}}
[[赤外線ガス分析計]]は[[赤外分光法]]の一種で測定対象の気体に[[赤外線]]を照射して透過時の[[波長]]を[[分光計]]で[[回折]]して減衰した波長分布からガスの組成、濃度を算出する。

=== レーザー励起式 ===
大気の組成を分析する目的で[[窒素レーザー]]のような短波長のレーザー光を大気に照射して気体分子や大気中に含まれる[[分子]]を励起して生じた[[蛍光]]の[[波長]]を観測することで大気に含まれる微量成分を分析する<ref>稲場文男、[https://doi.org/10.11470/oubutsu1932.40.1261 レーザーによる大気汚染の測定.] 応用物理 40.11 (1971): 1261-1267., {{doi|10.11470/oubutsu1932.40.1261}}</ref>。

== 用途 ==
[[ガス漏れ警報機]]、[[火災報知機]]、[[自動車]]等の[[内燃機関]]の空燃比の制御に使用されるジルコニア[[酸素センサ]]や[[一酸化炭素]]濃度計、[[二酸化炭素]]濃度計、[[アルコールセンサ]]、[[硫化水素]]や[[ハロゲン|ハロゲンガス]]の検出器等、多岐にわたる。

== 課題 ==
[[電解質]]にアルカリ水溶液を使用している場合、空気中の[[二酸化炭素]]と反応して徐々に劣化する。[[固体電解質]]や[[高分子固体電解質]]を使用している場合にはこのような問題は起こらない。[[希ガス]]のように[[酸化|酸化性]]や[[還元|還元性]]のない電極表面で[[イオン化]]できない電気的に中性の物質は[[電気化学センサ|電気化学]]的な手法では検出できず、この手法で検出できるのはあくまでも[[酸化]]や[[還元]]によって[[電極]]間に生じた[[電位差]]なので物質の[[分子構造]]や[[分子]]の識別はセンサ単体ではできない。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[化学センサ]]
* [[バイオセンサ]]
* [[嗅覚センサ]]
* [[火災報知機]]

{{デフォルトソート:かすせんさ}}
[[Category:センサ]]
[[Category:電気化学]]