ギブズの自由エネルギーのソースを表示
←
ギブズの自由エネルギー
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''ギブズ自由エネルギー'''({{lang-en|Gibbs free energy}})は、[[熱力学]]や[[電気化学]]などで用いられる、等温等圧条件下で非膨張の[[仕事 (物理学)|仕事]]として取り出し可能な[[エネルギー]]を表す[[示量性]][[状態量]]である。 == 解説 == 非膨張の仕事の例としては[[電池]]反応による電気的な仕事があり、ギブズ自由エネルギーの減少量は等温等圧条件下で系から取り出し可能な[[電気エネルギー]]を表す。なお、[[IUPAC]]では'''ギブズエネルギー'''({{en|Gibbs energy}})という名称の使用を勧告している<ref>[[自由エネルギー#iupac2|IUPAC Gold Book]]</ref>。 通常は記号 ''{{mvar|G}}'' で表される。{{Indent|等温等圧条件下ではギブズ自由エネルギーは自発的に減少しようとする。即ち、''G''の変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。さらに、ギブズエネルギーが極小の一定値を取ることは系が[[熱力学的平衡|平衡]]状態にあることに等しい。}}これは、ヘルムホルツの自由エネルギーに関する{{Indent|等温等積条件下ではヘルムホルツの自由エネルギーは自発的に減少しようとする。即ち、''F''の変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。さらに、ヘルムホルツの自由エネルギーが極小の一定値を取ることは系が[[熱力学的平衡|平衡]]状態にあることに等しい。}}と対応している。[[ウィラード・ギブズ]]に由来する。 == 定義 == [[エンタルピー]] ''{{mvar|H}}''、[[熱力学温度]] ''{{mvar|T}}''、[[エントロピー]] ''{{mvar|S}}'' として、ギブズエネルギーは{{Indent|<math>G =H -TS</math>}}で定義される<ref name="PCFB">[[自由エネルギー#chang|Chang『生命科学系のための物理化学』]] pp.63-65</ref>。あるいは、ヘルムホルツエネルギー ''{{mvar|F}}''、 [[圧力]] ''{{mvar|p}}''、[[体積]] ''{{mvar|V}}'' を用いて{{Indent|<math>G =F +pV</math>}}で定義されることもある。[[内部エネルギー]]を ''{{mvar|U}}'' とすると、エンタルピーの定義 {{math|1=''H''=''U''+''pV''}}、或いはヘルムホルツエネルギーの定義 {{math|1=''F''=''U''−''TS''}} より{{Indent|<math>G =U -TS +pV</math>}}が得られる。 == 完全な熱力学関数 == 熱力学温度 ''{{mvar|T}}''、圧力 ''{{mvar|p}}''、[[物質量]] ''{{mvar|N}}'' を変数にもつ関数として表されたギブズエネルギー {{math|''G''(''T'',''p'',''N'')}} は[[完全な熱力学関数]]である。このように見たとき、定義式は完全な熱力学関数としてのエンタルピー {{math|''H''(''S'',''p'',''N'')}} の ''{{mvar|S}}'' に関する[[ルジャンドル変換]]{{Indent|<math>G(T,p,N) = H(S(T,p,N),p,N) -T\, S(T,p,N)</math>}}と見ることができる。 ヘルムホルツエネルギーを用いた定義では、''{{mvar|V}}'' に関するルジャンドル変換{{Indent|<math>G(T,p,N) = F(T,V(T,p,N),N) +p\, V(T,p,N)</math>}}と見ることができる。 ギブズエネルギー {{math|''G''(''T'',''p'',''N'')}} の各変数による[[偏微分]]は : <math>\begin{align} \left( \frac{\partial G}{\partial T} \right)_{p, N} &= -S(T, p, N) \\ \left( \frac{\partial G}{\partial p} \right)_{T, N} &= V(T, p, N) \\ \left( \frac{\partial G}{\partial N_i} \right)_{T, p, N_j} &= \mu_i(T, p, N) \end{align}</math> で与えられる。 ここで ''{{mvar|μ{{sub|i}}}}'' は成分 ''{{mvar|i}}'' の[[化学ポテンシャル]]を表す。 従ってギブズエネルギー {{math|''G''(''T'',''p'',''N'')}} の[[全微分]]は{{Indent|<math>dG = -S(T,p,N)\, dT +V(T,p,N)\, dp +\sum_i \mu_i(T,p,N)\, dN_i</math>}}となる。この式は'''化学熱力学の基本方程式'''と呼ばれることがある<ref>{{Cite book|和書|author=Daveid W. Ball|others=田中一義, 阿竹徹 et al.|title=物理化学(上)|publisher=化学同人|year=2004|isbn=4-7598-0977-5|page=126}}</ref>。 系のスケール変換を考えると、{{Indent|<math>G = \sum_i N_i \mu_i</math>}}の関係が得られる。 == 等温等圧過程 == 温度 {{math|''T''{{sub|ex}}}}、圧力 {{math|''p''{{sub|ex}}}} の環境にある系の状態変化を考える。 等温条件下では定義から{{Indent|<math>\Delta G =\Delta H -T_\text{ex} \Delta S</math>}}が導かれる。 また、[[熱力学第二法則]]から{{Indent|<math>Q \le T_\text{ex} \Delta S</math>}}であるが、非膨張仕事がない等圧条件下では系が得た熱がエンタルピーの変化と等しいので{{Indent|<math>Q = \Delta H \le T_\text{ex} \Delta S</math>}}となる。これらを合わせると、非膨張仕事がないときには、等温等圧条件から{{Indent|<math>\Delta G \le 0</math>}}が得られる。 等温等圧の条件下では、非膨張仕事がなければ自発変化はギブズエネルギーが減少する方向へ進む。また熱力学的平衡条件はギブズエネルギーが極小値をとることである。 == 平衡定数との関係 == 定圧定温条件での[[化学反応]]における標準反応ギブズエネルギーは標準反応エンタルピーおよび標準反応エントロピーと以下の関係がある。{{Indent|<math>\Delta G^\circ = \Delta H^\circ - T \Delta S^\circ</math>}}標準反応ギブズエネルギーと[[平衡定数]]''K''との間には以下のような関係がある。ここで ''R'' は[[気体定数]]である。 : <math>\Delta G^\circ = - RT \ln K \iff K = \exp \left( - \frac{\Delta G^\circ}{RT} \right)</math> [[標準状態|標準環境温度]](25 ℃ = 298.15 K)においては以下のようになる。 : <math>\Delta G^\circ / \mathrm{kJ~mol^{-1}} = - 5.708 \log_{10} K</math> また[[標準電極電位]]との関係は以下の通りである。ここで ''n'' は電池反応の半反応式における電子の化学量論係数、 ''F'' は[[ファラデー定数]]である。{{Indent|<math> E^\circ = - \frac{\Delta G^\circ}{nF}</math>}}[[電池]]ではギブズエネルギー変化が負の値を取る向きに[[起電力]]が発生する。 == 脚注 == <references /> == 参考文献 == * {{Cite book|和書 |author=Raymond Chang |title=生命科学系のための物理化学 |others=岩澤康裕、北川 禎三、濱口 宏夫 訳 |publisher=東京化学同人 |year=2006 |isbn=4807906453 |ref=chang}} == 関連項目 == * [[自由エネルギー]] * [[ヘルムホルツの自由エネルギー]] * [[化学ポテンシャル]] * [[エクセルギー]] == 外部リンク == * {{Cite web |url=http://goldbook.iupac.org/G02629.html |title=IUPAC Gold Book - Gibbs energy (function) |accessdate=2015-01-24 |ref=iupac2}} {{DEFAULTSORT:しゆうえねるきい きふす}} [[Category:熱力学]] [[Category:統計力学]] [[Category:物理化学]] [[Category:状態量]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite book
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite web
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:En
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Indent
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Math
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Mvar
(
ソースを閲覧
)
ギブズの自由エネルギー
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報