クラウンエーテルのソースを表示
←
クラウンエーテル
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[Image:18-crown-6-potassium-3D-balls-A.png|thumb|right|200px|カリウムイオンに配位した[[18-クラウン-6]]。]] [[Image:Various crown ethers (molecular diagrams).png|thumb|right|500px|有名なクラウンエーテルの構造: [[12-クラウン-4]], [[15-クラウン-5]], [[18-クラウン-6]], [[ジベンゾ-18-クラウン-6]], [[ジアザ-18-クラウン-6]] ]] '''クラウンエーテル''' ({{lang-en-short|crown ether}}) は一般構造式 (-CH<sub>2</sub>-CH<sub>2</sub>-O-)<sub>n</sub> で表される大環状の[[エーテル (化学)|エーテル]]である。[[デュポン]]社の[[チャールズ・ペダーセン]]が発見した。ペダーセンはその功績により、1987年に[[ノーベル化学賞]]を受けている。 一般には'''x-クラウン-y-エーテル'''(「エーテル」は略することが多い)と命名される。xは環を構成する原子の全数、yは[[酸素]]原子の数である。環の内側に酸素原子の[[非共有電子対]]があるため、金属[[カチオン]]を取り込みやすい。 環の大きさによってとりこむ金属[[カチオン]]の大きさが違い、また様々な修飾をすることによっても選択性を変化させられる。Oが[[硫黄|S]]や[[アミン|NH]]などに置き換わったチアクラウンエーテル、アザクラウンエーテルも合成されている([[セレン]]を含むものも報告されている)。こうした研究は後に[[超分子化学]]の概念の礎となった。 == 発見 == 金属触媒による酸化反応を研究していたペダーセンは、以下の式のような合成計画を立て、2個の[[カテコール]]がエーテル鎖で連結された形を持つ4座[[配位子]] '''3''' の合成を試みた<ref name="pedersen novel">{{cite web|url=http://nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/1987/pedersen-lecture.pdf|format=PDF|title=The Discovery of Crown Ethers|author=Charles J. Pederson|work=Nobel lecture, December 8, 1987|accessdate=2011-04-26}}</ref>。式中でRは[[テトラヒドロピラニル基]]を表し、これは余計な反応が起こらないようにするための[[保護基]]の一種である。 [[Image:Pedersen crown ether 1.svg|553px|center]] しかし、基質として使った '''1''' が不純で、保護されないままのカテコールを含んでいたため、反応はあまりうまくいかなかった。粘稠(ねんちょう)な塊として得られた生成物を精製すると、微量ではあるものの、純物質として白い結晶が単離できた。[[収率]]にすれば0.4%であった。ペダーセンは目的とした '''3''' ならばもっと効率よく得られるはずであり、合成は失敗したものと考えたが、その結晶に興味を持ち、[[機器分析]]や実験で性質を調べた。すると、その結果から、単離した化合物は面白い性質を持つことがわかっていった。 まず、[[フェノール類]]にアルカリや金属イオンを作用させると、[[ヒドロキシ基]]と結びついて、[[紫外・可視・近赤外分光法|UVスペクトル]]でピークが長波長シフトする、つまり色が変化することが知られている。ペダーセンは得られた化合物にもフェノール構造が含まれているはずだから、そのような現象が見られるかもしれないと考え、[[水酸化ナトリウム]]を添加してUVスペクトルを測定した。しかし、スペクトルに若干の変化が見られたものの、ピークの位置はほとんど同じであった。このことは、得られた化合物がヒドロキシ基を持たないことを示している。また、[[核磁気共鳴|NMR]]や[[赤外分光法|IR]]の結果からも分子内にヒドロキシ基がないことが確認できた。 この結果をペダーセンは奇妙であると考えた。ヒドロキシ基を持たないならば、UVスペクトルには全く変化が起こらないはずである。さらに、その結晶は[[メタノール]]に溶けづらく、アルカリ溶液を加えると溶解度が増した。しかしながら通常、フェノールやカルボン酸など酸性度の高い水素原子を持つ化合物は、アルカリを加えると以下のような中和反応によって塩を形成して極性の低い[[有機溶媒]]に溶けにくくなり、逆に水など極性の高い溶媒に溶けやすくなるのである。 : <chem>{ROH} + NaOH -> {RONa} + H2O </chem> (Rは[[芳香族]]置換基や[[カルボニル基]]) しかし、ヒドロキシ基を持っていないならばこのような溶解度の変化は起こりえない。さらに検討を行うと、アルカリではなく、ナトリウムイオンが溶解度を増す原因となることが明らかになった。[[元素分析]]の結果から、その化合物は上記の反応式における '''1''' と '''2''' が1:1の比で反応した C<sub>10</sub>H<sub>12</sub>O<sub>3</sub> の組成を持つことがわかっていた。だが1分子ずつ結びついた場合の構造では、なぜこのような現象が起こるかの説明ができない。そこで、ペダーセンは保護基を持たないカテコール '''4''' と '''2''' が2分子ずつ反応し、より大きな環を持つ '''5''' が生成したのではないかと気づいた。 [[Image:Pedersen crown ether 2.svg|577px|center]] [[Image:2,3-benzo-1,4,7-trioxacyclononane.svg|thumb|120px|分子内で環を巻いた生成物の構造式]] ペダーセンは大きな空孔を持つ '''5''' の中にナトリウムイオンが取り込まれ、UVスペクトルや溶解度の変化をもたらしていると結論し、化合物を王冠(クラウン)に似た形状から「クラウンエーテル」と名づけた。他にも環の大きさが異なる種々の類縁体を合成し、金属イオンを取り込む能力などを調べた上で[[米国化学会誌]]上に発表した<ref>{{cite journal|author=Pedersen, C. J.|title=Cyclic polyethers and their complexes with metal salts|journal=[[J. Am. Chem. Soc.]]|year=1967|volume=89|pages= 7017–7036|doi=10.1021/ja01002a035}}</ref>。 また、ペダーセンは合成上の観点からも上記の反応は興味深いものであると述べている<ref name="pedersen novel" />。[[高度希釈法]]を用いない場合、分子内で閉環した生成物が得られやすい。上記の反応で、9員環化合物でなく、分子間の反応が起こり、より大きな18員環の生成物が得られたのは、反応系中に存在したナトリウムイオンによる[[テンプレート合成|テンプレート効果]]のためであると説明されている。これを利用し、クラウンエーテル類の合成は一般にアルカリ金属イオンの存在下で行われる<ref>{{OrgSynth | author=Gokel, G. W.; Cram, D. J.; Liotta, C. L.; Harris, H. P.; Cook, F. L. | year=1977 | title=18-Crown-6 | volume=57 | pages=30 | collvol= 6| collvolpages=301 | prep=cv6p0301}}</ref><ref>{{OrgSynth | author=Pedersen, C. J. | year= 1972| title=Macrocyclic polyethers: dibenzo-18-crown-6 polyether and dicyclohexyl-18-crown-6 polyether | volume= 52| pages=66 | collvol= 6| collvolpages=395 | prep=cv6p0395}}</ref><ref>{{OrgSynth | author= Gatto, V. J.; Miller, S. R.; Gokel, G. W.| year=1990 | title=4,13-Diaza-18-crown-6 | volume= 68| pages= 227| collvol=8 | collvolpages=152 | prep=cv8p0152}}</ref><ref>{{OrgSynth | author= Krakowiak, K. E.; Bradshaw, J. S.| year= 1992| title= 4-Benzyl-10,19-diethyl-4,10,19-triaza-1,7,13,16-tetraoxacycloheneicosane (triaza-21-crown-7)| volume= 70| pages=129 | collvol=9 | collvolpages= 34| prep=cv9p0034}}</ref>。 == アザクラウンエーテル == 21、18員環ジアザクラウンエーテル誘導体は非常に優れた[[カルシウム]]および[[マグネシウム]]選択性を示し、{{仮リンク|イオン選択性電極|en|Ion selective electrode}}に広く使用されている<ref>{{cite journal |author = K. Suzuki, K. Watanabe, Y. Matsumoto, M. Kobayashi, S. Sato, D. Siswanta, H. Hisamoto |title = Design and Synthesis of Calcium and Magnesium Ionophores Based on Double-Armed Diazacrown Ether Compounds and Their Application to an Ion Sensing Component for an Ion-Selective Electrode |journal = Anal. Chem. |year = 1995 |volume = 67 |issue = 2 |pages = 324–334 |doi = 10.1021/ac00098a016}}</ref>。[[クリプタンド]]を形成するため、クラウンエーテルの一部あるいは全部の酸素原子が窒素原子に置換される。よく知られたテトラアザクラウンは酸素原子を有していない[[サイクレン]]である<ref>{{OrgSynth | author = Vincent J. Gatto, Steven R. Miller, and George W. Gokel | title = 4,13-Diaza-18-Crown-6 | collvol = 8 | collvolpages = 152| year = 1988 | prep = CV8P0152}}</ref>。 ==脚注== {{reflist}} ==関連項目== *[[相間移動触媒]] *[[イオノフォア]] ==外部リンク== *[http://www.org-chem.org/yuuki/crown/crown.html クラウンエーテルの話] - 有機化学美術館 {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:くらうんええてる}} [[Category:エーテル]] [[Category:環状エーテル]] [[Category:クラウンエーテル|*]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite journal
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite web
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en-short
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Normdaten
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:OrgSynth
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:仮リンク
(
ソースを閲覧
)
クラウンエーテル
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報