クラスター分解性のソースを表示

'''クラスター分解性'''（クラスターぶんかいせい、{{lang-en-short|cluster decomposition property}}）あるいは'''クラスター分解原理'''（クラスターぶんかいげんり、{{lang-en-short|cluster decomposition principle}}）とは、[[空間]]的に[[近似|十分離れた]]二つの実験の結果は互いに[[相関]]しない、という[[物理学]]の原理のこと{{Sfn|Weinberg|2005|p=169}}{{Sfn|Weinberg|2005|p=177}}。この原理が成立しないならば、[[宇宙]]全体のことを知らなければ実験結果の[[予言]]をすることができない{{Sfn|Weinberg|2005|p=177}}。

[[S行列]]の観点では、空間的に離れた <math>N</math> か所でそれぞれ過程 <math>\alpha_1 \to \beta_1,\, \dots,\, \alpha_N \to \beta_N</math> を考えるとき、クラスター分解原理は全過程のS行列が
{{Indent|<math>S_{\beta_1+\cdots+\beta_N, \alpha_1+\cdots+\alpha_N} \to S_{\beta_1, \alpha_1} \cdots S_{\beta_N, \alpha_N}</math>}}
という形で各過程のS行列 <math>S_{\beta_i, \alpha_i}</math> により与えられることを意味する{{Sfn|Weinberg|2005|pp=177-178}}。

例えば、[[場の量子論]]において[[生成消滅演算子]]を通じてクラスター分解原理を満たす[[ハミルトニアン]]を構成することができる{{Sfn|Weinberg|2005|p=169}}{{Sfn|Weinberg|2005|pp=182-183}}。特にクラスター分解原理と[[ローレンツ不変性]]という要求のもとでは、理論は必然的に量子場を通じて構成される必要がある{{Sfn|Weinberg|2005|p=169}}{{Sfn|Weinberg|2005|pp=191-192}}。

==出典==
{{reflist |2}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal |last1=Wichmann|first1=Eyvind H. |last2=Crichton|first2=James H. |title=Cluster Decomposition Properties of the S Matrix |journal=Physical Review |volume=132 |issue=6 |year=1963 |pages=2788–2799 |issn=0031-899X |doi=10.1103/PhysRev.132.2788 |ref=harv}}
* {{Cite book |last=Weinberg |first=Steven |authorlink=スティーヴン・ワインバーグ |title=The Quantum Theory of Fields Volume I Foundations |publisher=Cambridge University Press |date=2005 |isbn=978-0-521-67053-1 |ref=harv}}

== 関連項目 ==
* [[局所性]]
* [[近接作用]]

{{DEFAULTSORT:くらすたあふんかいせい}}
[[Category:物理学の哲学]]
[[Category:場の量子論]]
[[Category:時空]]
[[Category:量子力学の定理]]