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[[ファイル:Carl Glaser ca1925.jpg|サムネイル|反応を発見したカール・アンドレアス・グレーサー]] '''グレーサー反応'''(グレーサーはんのう、Glaser reaction)または'''グレーサーカップリング'''とは塩基溶媒中で末端[[アセチレン]]と[[塩化銅(I)]]から銅[[アセチリド]]を得て、酸素を通して[[ホモカップリング]]でジインを生成する化学反応である。1869年、{{仮リンク|カール・アンドレアス・グレーサー|de|Carl Glaser}}により報告された<ref>Glaser, C. ''Ber. Dtsch. Chem. Ges.'' '''1869''', ''2'', 422-424.</ref><ref>(総説)Siemsen, P.; Livingston, R. C.; Diederich, F. ''Angew. Chem., Int. Ed.'' '''2000''', ''39'', 2632-2657. DOI: [https://doi.org/10.1002/1521-3773(20000804)39:15 <2632::AID-ANIE2632>3.0.CO;2-F 10.1002/1521-3773(20000804)39:15<2632::AID-ANIE2632>3.0.CO;2-F]</ref>。 : <chem>C6H5-C \equiv {C-H} + CuCl -> C6H5-C \equiv C-Cu \downarrow</chem> : <chem>2C6H5-C \equiv {C-Cu} + O2 -> C6H5-C \equiv C-C \equiv C-C6H5</chem> オリジナルの系では[[アンモニア]]水/[[エタノール]]の混合溶媒中で銅アセチリドを沈殿させ、それを空気にさらしていた。 == 変法 == グレーサー反応にはいくつかの修正法があり、それらも含めてグレーサー反応と呼ぶこともある。 === エグリントンカップリング === エグリントンカップリング (Eglinton coupling) は、[[ピリジン]]を溶媒とし、過剰量の[[酢酸銅(II)]] を触媒および酸化剤として用いる手法である<ref>Eglinton, G.; Galbraith, A. R. ''Chem. Ind. (London)'' '''1956''', 737-738.</ref>。高希釈下の大員環合成に向いている。 : <chem>R-C \equiv {C-H} + \mathit{excess} Cu(OAc)2 -> R-C \equiv C-C \equiv C-R \mathit{(in pyridine)}</chem> === ヘイカップリング === ヘイカップリング (Hay coupling) は[[テトラメチルエチレンジアミン|TMEDA]] などの二座配位子を持つ銅錯体を触媒量だけ用い、酸素を酸化剤としてホモカップリングさせる手法である<ref>Hay, A. S. ''J. Org. Chem.'' '''1962''', ''27'', 3320-3321.</ref>。二座配位子の添加により中間体として発生する銅アセチリドの溶解性を確保し、沈降による反応停止を防ぐ。 : <chem>2 R-C\equiv {C-H} + \mathit{cat.} CuCl \bullet TMEDA\ + O2 -> R-C\equiv C-C\equiv C-R</chem> == 反応機構 == 以前は銅アセチリドが酸化を受けてアルキニルラジカルが発生し、それが二量化してジインとなるものと考えられていた。 : <chem>R-C\equiv {C-Cu} + Cu(II) -> R-C\equiv {C\bullet} + 2Cu(I)</chem> : <chem>2 R-C\equiv C\bullet -> R-C\equiv C-C\equiv C-R</chem> 1964年に F. Bohlmann らが π錯体を経る二核型の機構を提唱し<ref>Bohlmann, F.; Schonowsky, H.; Inhoffen, E.; Grau, G. ''Chem. Ber.'' '''1964''', ''97'', 794-800.</ref>、現在ではそちらが支持を受けている。 == 関連する反応 == === カディオ=ホトキェヴィチカップリング === [[カディオ・ホトキェヴィチカップリング|カディオ=ホトキェヴィチカップリング]]は、基質としてアルキニルハロゲン化物と末端アセチレンを用いたクロスカップリング反応である<ref>Chodkiewicz, W.; Cadiot, P. ''C. R. Hebd. Seances Acad. Sci.'' '''1955''', ''241'', 1055-1057.</ref>。非対称ジインの合成に向く。パラジウムを触媒とする手法も知られる<ref>Miyaura, N.; Yamada, K.; Suzuki, A. ''Tetrahedron Lett.'' '''1979''', 3437-3440.</ref>。 : <chem>R-C\equiv {C-Br} + R'-C\equiv {C-H} + CuCl -> R-C\equiv C-C\equiv C-R'</chem> ほか、アルキニル基を持つ有機金属化合物を基質とするカップリング反応が報告されている。 == 参考文献 == <references /> {{DEFAULTSORT:くれえさあはんのう}} [[Category:化学反応]] [[Category:人名反応]]
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