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'''グーゴルプレックス''' ({{Lang-en|googolplex}}) とは、[[数]]の[[単位]]であり、1グーゴルプレックスは10の1[[グーゴル]]乗 (10<sup>1googol</sup>)、すなわち10の10の100乗乗 (10<sup>10<sup>100</sup></sup>) である。1グーゴルプレックスは1の後に0を1グーゴル個つけることによって表される[[整数]]である。 グーゴルプレックスの次の単位は[[グーゴルプレックスプレックス]](グーゴルデュプレックス)で 1グーゴルプレックスプレックスは10<sup>1googolplex</sup>で、すなわち10の(10の(10の100乗)乗)乗 (10<sup>10<sup>10<sup>100</sup></sup></sup>) である。 [[グーゴル]]は[[1920年]]に誕生したもので、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[数学者]][[エドワード・カスナー]]の当時9歳の甥ミルトン・シロッタ (Milton Sirotta) による造語である。その後、シロッタは「1の後に疲れるまで0を書いた数」としてグーゴルプレックスを提案した。カスナーは「人によっていつ疲れるかという時間は異なる。[[プリモ・カルネラ]]は持久力があるというだけで[[アルベルト・アインシュタイン]]よりも良い数学者だということにはならない」として、これに正確な定義を与えた<ref>{{cite book | last = Kasner| first = Edward | author = Edward Kasner| year = 2001 | title = Mathematics and the imagination | publisher = Dover Publications | location = Mineola, NY}}</ref>。 グーゴルは10<sup>79</sup>から10<sup>81</sup>と推定される[[観測可能な宇宙]]の全[[原子]]数や、8×10<sup>60</sup>と推定される[[ビッグバン]]から今までの時間を[[プランク時間]]単位で表した数よりも大きい。逆に、ビッグバンから今までの全ての時間における観測可能な宇宙の全原子の状態を1つずつとして考えると、約8×10<sup>140</sup>となりグーゴルより遥かに大きくなる。 1グーゴルプレックスは10<sup>n′</sup>[[位取り記数法|進表記]] (''n''′は10<sup>100</sup>の約数)では1の後に(1グーゴル/''n''′)個の0が続く数であるため、[[十進法]]以下で全てを書き下すのは、たとえ観測可能な宇宙の物質を紙とインクに変えても不可能である。[[TeX]]の1[[ポイント (活字の単位)|ポイント]]のフォントは0.3514598[[ミリメートル|mm]]とほとんど読めないくらい小さいが、この大きさでこの数を書くと、n進表記の場合に{log{{sub|n}}10×(3.5×10<sup>96</sup>)}[[メートル|m]]の長さになる。観測可能な宇宙の直径は7.4×10<sup>26</sup>mに過ぎないため、この長さは観測可能な宇宙の直径の{log{{sub|n}}10×(4.7×10<sup>69</sup>)}倍にあたる。もし1[[秒]]に2文字の数字を書ける人がこの数を書き下すとすると、現在の[[宇宙の年齢]]の{log{{sub|n}}10×(1.1×10<sup>82</sup>)}倍の時間が必要となる。 なお、[[宇宙]]の大きさについては、[[無限|無限大]]も含めて諸説あり、[[宇宙のインフレーション|インフレーション]]後の宇宙の大きさとして出された物理学者[[レオナルド・サスキンド]]による解の一つは、10<sup>10<sup>10<sup>122</sup></sup></sup>m以上であり<ref>[https://arxiv.org/abs/hep-th/0610199 "Susskind's Challenge to the Hartle-Hawking No-Boundary Proposal and Possible Resolutions"]</ref><ref>[[:en:Orders_of_magnitude_(length)|Orders of magnitude (length) - Wikipedia]]</ref>、これは10の1グーゴルプレックス乗光年よりも遥かに巨大である。 現実の世界ではグーゴルプレックスの値の例となるものを探すのは難しい。[[ドン・ページ]]は、[[量子状態]]や[[ブラックホール]]の世界では「太陽ほどの質量のブラックホールで情報が本当に失われるかどうかを実験的に確かめるとすると、ブラックホールが蒸発した後に10<sup>10<sup>76.96</sup></sup>倍の大きさが必要である」と述べている<ref>{{PDFlink|https://arxiv.org/pdf/hep-th/9411193}}</ref>。別の論文では、[[アンドロメダ銀河]]ほどの質量のブラックホールの[[状態量]]は1グーゴルプレックス程度であるとも述べている<ref>[http://www.fpx.de/fp/Fun/Googolplex/GetAGoogol.html How to Get A Googolplex]</ref>。 [[純粋数学]]では、グーゴルプレックスは[[クヌースの矢印表記]]や[[多角形表記]]、[[コンウェイのチェーン表記]]などの方法で表される[[巨大数]]ほど大きくはないが 3↑↑4 や 10↑↑3 よりも大きい。もっと単純に、例えば : <math>10^{10^{10^{10^{10^{10}}}}}</math> などと書くだけで容易にグーゴルプレックスよりも大きい数を表すことができる。これは別の表記法で <sup>6</sup>10 や 10↑↑6 、 10[4]6 、そして 10→6→2 、また[[ハイパーE表記]]で E100#2 と書くことができる。また、グーゴルプレックスや10の1グーゴルプレックス乗(グーゴルプレックスプレックスあるいはグーゴルデュプレックス)も単純な指数表記でそれぞれ 10^10^100 や 10^10^10^100 と書くことができる。このようにグーゴルプレックスは[[累乗]]を用いれば簡単に表すことができて、巨大数を表す他の表示法によっても表せる。 == 表記 == グーゴルプレックスを表すにはいくつか等価な表記がある。 :{|class="wikitable" ! 名称 ! 表記 |- | [[クヌースの矢印表記]] | <math>10 \uparrow 10 \uparrow 100</math> |- | [[コンウェイのチェーン表記]] | <math>10 \rightarrow (10 \rightarrow 100)</math> |- | [[ハイパー演算]]表記 | <math>10 [3] 10 [3] 100 ,~ H_3\left(10, H_3(10, 100)\right)</math><br><math>\operatorname{hyper}\left(10, 3, \operatorname{hyper}(10, 3, 100)\right) ,~ \operatorname{hyper3}\left(10, \operatorname{hyper3}(10, 100)\right)</math> |- | バウアーズの[[配列表記]] | <math>\lbrace 10,\lbrace 10,100,1 \rbrace,1 \rbrace</math> |- | [[反復指数関数|反復指数表記]] | <math>\exp_{10}^{1} \left({10}^{100}\right)</math> |} == その他 == * [[カリフォルニア州]][[サンタクララ郡]][[マウンテンビュー]]にある[[Google]]の本社の愛称「[[Googleplex]]」はグーゴルプレックスにちなむ。 * アメリカ合衆国のバンドClutchは[[2002年]]に「''Live at the Googolplex''」というタイトルのアルバムをリリースした。 * 映画「[[バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3]]」では、恋人を失ったエメット・ブラウン博士が「100万人に1人、10億人に1人、いや1グーゴルプレックス人に1人の女だった (One in a '''googolplex'''.)」と嘆くシーンがある。 == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[グーゴル]] * [[巨大数]] * [[数の一覧]] * [[不可説不可説転]] {{巨大数}} {{DEFAULTSORT:くうこるふれつくす}} [[Category:数の単位]] [[Category:整数|+くうこるふれつくす]] [[Category:巨大数]]
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