サニャック効果のソースを表示
←
サニャック効果
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[File:Sagnac-Interferometer.png|thumb|200px|サニャック効果の模式図]] [[File:fibre-optic-interferometer.svg|thumb|200px|サニャック干渉計または[[光ファイバジャイロスコープ]]の模式図]] [[File:Sagnac shift.svg|thumb|200px|回転体上で異なる方向へ光が進む事で光路差が生じる]] '''サニャック効果'''(サニャックこうか、Sagnac effect 又は Harress-Sagnac effect)とは、[[回転]]する観測者から見た現象には、時間のずれが移動経路(および移動方向)に依存して生じるという効果を指す。回転する観測者から見た現象は[[回転座標系]]を用いて記述されるが、この座標系は非[[慣性系]]であり、[[一般相対性理論|一般相対論]]により取り扱われる。 狭義では[[角速度]]を検出する[[リングレーザージャイロスコープ]]や[[光ファイバジャイロスコープ]]等において光[[伝播]]速度が伝播方向に依存する効果・現象を指す。 この効果は回転座標系から([[特殊相対性理論|特殊相対論]]で扱うことのできる)慣性系に変換して考えれば説明が容易である(したがって[[一般相対論]]を敢えて知る必要は無いとも言える)。 == 一般相対論に基づくサニャック効果の説明 == '''サニャック'''効果は、回転座標系の下で、移動経路(および移動方向)に依存する形で生じる時間のずれを指すが、この時間のずれとは[[相対性理論|相対論]]的な[[固有時]]のずれ([[時間の遅れ]])を指す。非慣性系下の事象を記述する[[一般相対論]]に従えば、移動経路に依存する形で生じる時間のずれは当然の事象とされる(大域的[[同時性]]の不成立)。 一般に、非慣性系の下では上記のずれが生じ、時計の進みには単なる[[特殊相対論]]的なずれが生じるだけではなく、ある経路上に沿って時計を持って移動することを考えると、移動経路に依存するずれが生じる。実際に、非慣性系の下では、異なる2つの経路(例えばa→b→cとa→b'→c。bとb'とは異なる[[時空点]]であると仮定。<!--始点a終点cの[[時空点]]は同一点を仮定-->)を移動させた後のそれぞれの時計を比較することによって、両者のずれの差を観測できる。光などの信号が経路を伝播する場合は伝播時間が「伝播経路長÷伝播速度+移動経路に依存する伝播時間のずれ」(もしくは伝播速度自体のずれ)として観測される。自由伝播経路も直線とはならない。これらは光伝播の[[重力レンズ効果]]とも基本的に話は同様である。 特に回転座標系に特有な時間のずれとこれに起因する効果を'''サニャック効果'''と呼び、移動方向に対して時間のずれは非等方性を示す。 典型例として[[リングレーザージャイロスコープ]]では、光などの信号伝播は、ある周回経路上を回転座標系回転軸に対して右回りと左回りに1周する2つの経路の信号伝播時間には差が生じる。すなわちこの周回経路を回転軸(角速度<math>\omega</math>)に垂直な平面に投影した閉曲線が囲む面積を<math>S</math>とすると、サニャック効果によって、<math>\pm \omega S</math>に比例する時間のずれがそれぞれに生ずる<ref>[http://conspiracyoflight.com/SagnacRel/SagnacandRel.html The Sagnac Effect: Does it Contradict Relativity?]</ref>。サニャック効果は[[アルベルト・アインシュタイン]]によって無視された<ref>[http://www.conspiracyoflight.com/Cosmology/BigBang1.html The 100 Year Wrong Turn in Cosmology]</ref>{{信頼性要検証|date=2024年8月}}。 === リングジャイロスコープ === 実際に半径<math>\, R</math>の円周経路及び観測者が慣性系に対して角速度<math>\, \omega</math>で回転しているとし、光(もしくは速度<math>\, v</math>の[[物質波]])がその経路を正もしくは負の方向に一周するのに要する時間は : <math> t_{\pm} = \frac {2 \pi R}{v \mp R \omega} \sim \frac {2 \pi R}{v} \pm \frac {2 \omega S}{v^2} </math> となる。 <small>これは慣性系(非回転座標系)へ移行して説明すれば当然と言える。すなわち回転座標系の[[相対性理論|相対論]]に基づく理解ではなく、慣性系へ移行して現象を理解してよい。<!--の理解が不得手の場合には、慣性系へ移行し相対論を逃れて現象を理解するとよい。-->本稿のリングレーザージャイロスコープの原理の説明も、この流儀に基づいて行う。</small> === 時間の遅れ === 他の一例として、赤道に沿って時計を移動させ地球(自転角速度<math>\omega</math>)上を1周させることを考える。東向きと西向きの移動とで時計の進み方に差が生じ、一周後の[[時間の遅れ]]はそれぞれ<math>\pm 2 c^{-2} \omega S</math>となる。 <small>これも慣性系(非回転座標系)に移行し、対地速度<math>\pm v</math>及び0で移動する時計が示す[[時間の遅れ]]を求めれば当然の事象と言える。</small> また、赤道一周に沿って極めて多数個の時計をほとんど無限小間隔で並べ、一周の始点から終点へ向けて、順に隣接する時計の対を全て同期させていったとする。なおこの同期は回転座標系下を考慮した補正等を加えないと仮定する。そして始点上と終点上の時計を比較すると上記と同じ「ずれ」<math>\, 2 c^{-2} \omega S</math>が生じている。 === 人工衛星地上間信号伝播 === 他の一例として、赤道上空の[[静止衛星]]から直下方向の地表点へ電波信号を伝播させることを考える。その伝播時間は「二点間距離÷光速度+'''サニャック'''効果によるずれ」として観測される(光速度= <math>c</math>)。この自由伝播経路も直線とはならない。 <small>この伝播時間も、慣性系(非回転座標系)へ移行すれば単なる直線経路伝播に基づき計算は容易となる。</small> 実際に[[GNSS]]([[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]])衛星から地上への信号伝播時間に対して回転座標系・非回転座標系の相違を無視した場合は、そのサニャック効果による誤差は100ns(換算すると30m)に達する。<ref>ただしGPS等の衛星測位計算におけるこの信号伝播時間の計算は(→ [[:en:GNSS positioning calculation|GNSS positioning calculation]])、通常、回転座標系である地球中心地球固定([[:en:Earth-centered, Earth-fixed|Earth-centered, Earth-fixed]])系から非回転座標系である地球中心慣性([[:en:Earth-centered inertial|Earth-centered inertial]])系へ移行し、単なる直線経路伝播(これを幾何距離と呼ぶ。光速度<math>c</math>)の時間を計算する。これらを行うことでサニャック効果を計算に取り込んだことになる。</ref> また複数の人工衛星地上間信号伝播路を繋ぎ合わせた1つの閉曲線を考える。この信号伝播時間の総和には時間のずれとして東向きと西向きの1周にそれぞれ<math>\pm 2 c^{-2} \omega S</math>の項が生じる。 === ボルン座標 === 角速度<math>\omega</math>で回転する系の[[:en:Born coordinates#The Sagnac effect|ボルン座標]]の[[線素]]([[固有時]]は<math>\tau = s / c</math>)は[[円筒座標]]で下記のように表される。 :<math>ds^2 = (c^2 - r^2 \omega^2) dt^2 - dr^2 - r^2 \, d\theta^2 - dz^2 - 2r^2 \omega \, dt \, d\theta </math> ここで時計を、<math>r</math>と<math>z</math>は一定で、<math>\theta = \pm \frac{v}{r} t</math>に従い移動させると、[[線素]]は下記のように表される。 :<math>ds^2 = (c^2 - (r \omega \pm v)^2) dt^2 </math> この時計の進み方は下記に比例する。 :<math>\sqrt{ 1 - \left(\frac{r \omega \pm v}{c} \right)^2 } </math> <small>これも慣性系(非回転座標系)へ移行して説明すれば当然の[[特殊相対論]]効果と言える。</small> == サニャック効果の発見の経緯 == 回転の角速度と[[位相]]差の関係を観察するための最初のリング干渉計の実験は、ハレス(Francis Harress又はFranz Harress)によって1911年に行われた。彼はその効果をエーテルによるものと説明したがこの説明は間違っていた。 その後フランス人の"[[:en:Georges Sagnac|Georges Sagnac]]"は1913年の彼自身による同じ実験に対して正しい説明を与えたため、彼にちなんで「サニャック効果」と名づけられた<ref>[http://www.worldnpa.org/pdf/abstracts/abstracts_1550.pdf] Repeating the Harress-Sagnac Experiment</ref><ref>[http://www.numericana.com/answer/relativity.htm#sagnac] Harress-Sagnac Effect A Brief History of the Harress-Sagnac Effect</ref>。これらの経緯のために、サニャック効果は「Harress-Sagnac効果」と、Harressの名前を冠して呼ばれることがある。 == リングレーザージャイロスコープの説明 == [[ファイル:Sagnac effect 3 NT.PNG|thumb|250px|right|2つの光の伝播時間差の測定には光波同士の位相差を観測する。]] [[ファイル:Sagnac effect 2 NT.PNG|thumb|200px|right|リングレーザージャイロスコープの原理。'''慣性系に対して装置を固定した場合''':光ファイバーの中の1点から光が走り出し(1)、両方の光は同時に元の位置に戻る(2)。 '''装置が回転している場合''':光ファイバーの中の1点から光が走り出し(3)、片側の光が先に元の位置に戻る(黄色の矢印)(4)。]] <!-- (慣性系に対して)装置を固定した場合と、装置を回転させた場合で比較すると、 * 装置を固定した場合 # 光ファイバーの中の1点から互いに逆方向に光が走り出す # 両方の光は同時に元の位置に戻る * 装置を回転させた場合 # 光ファイバーの中の1点から互いに逆方向に光が走り出す # 片側の光が先に元の位置に戻る --> リングレーザージャイロスコープや[[光ファイバジャイロスコープ]](「[[ジャイロスコープ#光学式|光ジャイロ]]」)を理解するために、回転する円形光路を考える。 入射した光が出口に達するまでに出口の位置が変わり、光路の長さがあたかも変化したことになる。そのため定速度の光が出口から出てくる時間は光路の回転速度に依存する。<!--(光の速度は変わらない。)--> 従って、装置が回転することによって、同一の周回状光路を逆方向に走った2つの光の到達時間に差が生じる。この差を測れば装置の回転速度が判る。実際の測定では<!--光速度が30万km/秒とあまりにも速いために、伝播時間の測定には-->、<!--少々回転した程度で生じる到着時間のずれは簡単には測定できない。このため、「光ジャイロ」では左右-->双方の光の[[位相]]差を検出し回転速度を測定している。 <!-- == 特殊相対論に基づくとの主張によるサニャック効果の説明(非推奨) == [[ファイル:Sagnac effect 1 NT.PNG|thumb|200px|right|'''サニャック効果'''に関係する'''特殊相対性理論'''的現象<br>1.電車内で人が走る 2.車外から見れば車内の人は電車の速度+人が走る速度で移動することになる 3.電車内で光が生じる 4.車外から見ても光の速度は光速のままで電車の速度は加算されない]] '''サニャック効果'''( - こうか、{{en|Sagnac effect}})は[[光]]に関する物理現象の1つで、[[特殊相対性理論]]で説明される現象によって、光路中を進む光の速度がその光路の運動に関係なく一定である為に、光路の運動によって光路の長さが変わったかのように見える現象である。 === 説明 === サニャック効果を説明するには、まず[[特殊相対性理論]]で説明される光の速度についての特殊な性質を説明する必要がある。 特殊相対性理論での現象 * 電車内で走っている人を電車内で観察すると「人が走る速度」で移動して見えるが、地上から観察すると「人が走る速度+電車の速度」で移動して見える(当然の現象である)。 * 電車内で走っている光を電車内で観察すると「光速」で移動して見え、地上から観察してもやはり「光速」で移動して見える(直感的には理解できない現象である)。 普通、波というのは媒質がどのような速度で運動していても、媒質中の波の挙動は変わらず、媒質の運動によって波の速度は加算・減算される。しかし、光波は前述の通りその速度が加算・減算されることはない。この光波の特殊性によって起きるのがサニャック効果であり、それを利用したのが「光ジャイロ」である。 (慣性系に対して)装置を固定した場合と、装置を回転させた場合で比較すると、 * 装置を固定した場合 # 光ファイバーの中の1点から互いに逆方向に光が走り出す # 両方の光は同時に元の位置に戻る * 装置を回転させた場合 # 光ファイバーの中の1点から互いに逆方向に光が走り出す # 片側の光が先に元の位置に戻る このように、装置が回転することによって、逆方向に走った2つの光の到達時間に差が生じる。この差を測れば装置の回転の程度が判る。 実際には光速度が30万km/秒とあまりにも速いために、少々回転した程度で生じる到着時間のずれは簡単には測定できない。このため、「光ジャイロ」では左右の光の[[位相]]差を検出することで回転量を測定している。 [[ファイル:Sagnac effect 3 NT.PNG|thumb|250px|left|光はあまりにも速く進むため、最新の[[フェムト秒レーザー]]でも明滅時間は遅すぎる。このため光波同士の位相差を利用して、回転運動を検出する。]] --> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} <references/> == 参考文献 == * [[Lev Landau|Landau, Lev D.]] and [[Evgeny Lifshitz|Lifshitz, Evgeny M.]] (1971). ''Classical Theory of Fields'' (3rd ed.). London: Pergamon. ISBN 0-08-016019-0. Vol. 2 of the [[Course of Theoretical Physics]]. * [http://relativity.livingreviews.org/open?pubNo=lrr-2003-1&page=node1.html The Sagnac Effect and its Application for GPS] by Neil Ashby. == 外部リンク == * {{commonscat-inline|Sagnac effect}} {{physics-stub}} {{特殊相対性理論の検証}} {{DEFAULTSORT:さにやつくこうか}} [[Category:相対性理論]] [[Category:一般相対性理論]] [[Category:光学]] [[Category:干渉計]] [[Category:物理学のエポニム]] [[Category:物理学実験]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Commonscat-inline
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Physics-stub
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:信頼性要検証
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:特殊相対性理論の検証
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:脚注ヘルプ
(
ソースを閲覧
)
サニャック効果
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報