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{{chembox | verifiedrevid = 412508922 | ImageFile1 = Cyanamide.svg | ImageSize1 = | ImageName1 = シアナミドの共鳴構造式 | ImageFile2 = Cyanamide-3D-balls.png | ImageSize2 = | ImageName2 = シアナミドの球棒モデル | IUPACName = Cyanamide,<br />aminomethanenitrile | OtherNames = Amidocyanogen, carbamonitrile, carbimide, carbodiimide, cyanoamine, cyanoazane, N-cyanoamine, cyanogenamide, cyanogen nitride, hydrogen cyanamide | Section1 = {{Chembox Identifiers | ChemSpiderID_Ref = {{Chemspidercite|correct|chemspider}} | ChemSpiderID = 9480 | UNII_Ref = {{Fdacite|correct|FDA}} | UNII = 21CP7826LC | KEGG_Ref = {{Keggcite|correct|kegg}} | KEGG = D00123 | InChI = 1/CH2N2/c2-1-3/h2H2 | InChIKey = XZMCDFZZKTWFGF-UHFFFAOYAW | ChEMBL_Ref = {{Ebicite|correct|EBI}} | ChEMBL = 56279 | StdInChI_Ref = {{Stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChI = 1S/CH2N2/c2-1-3/h2H2 | StdInChIKey_Ref = {{Stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChIKey = XZMCDFZZKTWFGF-UHFFFAOYSA-N | CASNo = 420-04-2 | CASNo_Ref = {{Cascite|correct|CAS}} | EINECS = 206-992-3 | PubChem = 9864 | SMILES = N#CN | RTECS = GS5950000 | UNNumber = 2811 }} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = CH<sub>2</sub>N<sub>2</sub> | MolarMass = 42.040g/mol | Appearance = 無色針状結晶 | Density = 1.28g/cm<sup>3</sup> | MeltingPtC = 44 | BoilingPtC = 260 | Boiling_notes = 分解<br />6.7 Paで83 °C<br />2.5kPaで140°C | Solubility = 77.5g/100ml(15°C)<br />85g/100ml(25°C) | SolubleOther = 可溶 | Solvent = 有機溶媒 }} | Section7 = {{Chembox Hazards | ExternalMSDS = {{ICSC-small|0424}} | EUIndex = 615-013-00-2 | EUClass = Toxic('''T''') | NFPA-H = 4 | NFPA-F = 1 | NFPA-R = 3 | NFPA-O = | RPhrases = {{R-phrases|21|25|36/38|43}} | SPhrases = {{S-phrases|1/2|3|22|36/37|45}} | FlashPt = 141°C, 414K | Autoignition = }} | Section8 = {{Chembox Related | OtherCpds = [[カルシウムシアナミド]] }} }} '''シアナミド'''(Cyanamide)とは、[[分子式]] CN<sub>2</sub>H<sub>2</sub> で表される化合物である。化成品原料や[[肥料]]として利用される物質であり、酒を飲むと即座に二日酔いに似た状態にしてアルコール依存症を止めさせる[[医薬品]]である[[抗酒薬]]としても使用される<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-005.html |title=アルコール依存症の薬物療法 |access-date=2023-03-30 |website=e-ヘルスネット 情報提供 |language=ja}}</ref>。 1910年には年間約2万トンを生産する工場が、ドイツ・イタリア・カナダ・フランス・および日本で操業されていた。1913年には生産量が10倍に増大し、1918年には戦時下の肥料と軍需向け窒素需要のために、年産は60万トンまで上昇した。1939年から[[メラミン樹脂]]の材料として生産量が増大した。[[1962年]]、世界総生産量は900万トンを超えた。この時の主要生産国は[[西ドイツ]]・日本・アメリカ合衆国であった。 == 製法 == [[カルシウムシアナミド]]を水と反応させ、二酸化炭素を溶液に通じると、シアナミド水溶液が得られる。 : <chem>CaCN2\ + H2O\ + CO2 -> CaCO3\ + CN2H2</chem> この水溶液を[[硫酸]]で中和して[[炭酸カルシウム]]を沈殿させ、濃縮すると無色針状結晶のシアナミドが得られる。 == 性質 == シアナミドは、[[カルボジイミド]]と[[互変異性]]の関係にある。塩基性溶液中で加熱すると、シアナミドとカルボジイミドとが反応した[[ジシアンジアミド]]が生成する。ジシアンジアミドは土壌中の水分で徐々に分解して、[[尿素]]と[[炭酸アンモニウム]]になる。ジシアンジアミド自身は植物に有害なので、肥料として用いる場合は基肥として利用され、その分解が終わった頃を見計らってから、農作物の栽培を開始する。 シアナミドは動物に対しても刺激性を持ち、[[ヒト]]でも皮膚に触れると炎症を引き起こす。また、肥料としてシアナミドを取り扱っただけで、後述の[[処方箋医薬品]]として、シアナミドを用いた場合と同様の影響が現れる。そのため、日本では[[毒物及び劇物取締法]]で[[劇物]]に指定されている。 なお、シアナミドは[[アミン]]と反応して[[グアニジン]]となるので、化成品原料として重要である。 == 医薬品 == シアナミドは日本薬局方収載品で、[[アルコール依存症|アルコール使用障害]]、過飲酒者に対して断酒、節酒目的で用いられる。なお本剤は、品質維持のために冷所保存せねばならない。 === 作用機序 === [[酒]]が[[ヒト]]に酔いを引き起こす原因は[[エタノール]]が含有されているためだが、エタノールは体内に吸収されると代謝によって酸化され、悪酔いの原因となる[[アセトアルデヒド]]が生成する。シアナミドは主に[[アルデヒドデヒドロゲナーゼ]]を阻害するので、アセトアルデヒドを体内に蓄積させる。さらに、アセトアルデヒドが蓄積したことによって、エタノールの代謝自体も抑制する。このため少量の酒でも苦しい目に遭い、飲酒できないようにするため、断酒、節酒の効果がもたらされる。 === 注意事項 === シアナミドを服用時は、嗜好品である酒を飲まなくても、[[奈良漬]]のようなエタノールを含む食品や、いわゆる栄養ドリンクの類のエタノールを含む飲料や、少量の薬用酒を摂取した程度でも、さらには[[リトナビル|リトナビル製剤]]のようなエタノールを含有する製剤を服用しただけで、悪酔いしたり、[[急性アルコール中毒]]に陥ってしまう。「飲酒」とまで言わない程度のエタノール摂取にも注意が必要である。 さらには、エタノールを含有した化粧品や[[エリキシル剤]]を使用しただけでも、悪酔いしたり、急性エタノール中毒に陥る可能性もある。したがって、シアナミド服用時は、エタノールを含有する物品を身近な場所から遠ざけておくことが望ましい。それが断酒以外に道が無い程に、重度の[[アルコール依存症]]の患者の治療環境を作ることにもつながる<ref>軽度の[[アルコール依存症|アルコール使用障害]]の患者の場合は、治療によって飲酒のコントロールが可能になるケースもあり、一時的な断酒の後に、節酒する道が残されることもある。</ref>。 === 薬物相互作用 === その作用機序からエタノールとの相互作用が起こる。その他に、抗てんかん薬の[[フェニトイン]]や[[エトトイン]]の肝臓での代謝を、シアナミドが抑制するため、フェニトインやエトトインの血中濃度が上昇し、その作用が増強する。この結果、フェニトインやエトトインによる望ましくない作用が現れる場合がある。 == 関連項目 == * [[石灰窒素]] - 肥料や農薬として用いる。シアナミドを含むので施肥(散布)後、24時間は[[禁酒]]が必要である。 * [[ジスルフィラム]] - シアナミドと同様の作用機序を持つ抗酒薬。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} <references/> == 外部リンク == * {{ICSC|0424}} * {{PGCH|0160}} * [http://www.osha.gov/SLTC/healthguidelines/cyanamide/recognition.html OSHA guideline for cyanamide] * [http://www.cyanamide.com/content/index.htm AlzChem Trostberg(Degussa)] {{Commonscat|Cyanamide}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:しあなみと}} [[Category:シアナミド|*]] [[Category:無機窒素化合物]] [[Category:医薬品]] [[Category:肥料]] [[Category:食の安全]] [[Category:無機炭素化合物]] [[Category:アルコール乱用]]
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