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ジャコブソン根基
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[[File:Nathan Jacobson.jpg|thumb|200px|ナサン・ジャコブソン(1910–1999)]] 数学、より詳しくは[[抽象代数学]]の一分野である[[環論]]において、[[環 (数学)|環]] ''R'' の'''ジャコブソン根基'''あるいは'''ヤコブソン根基'''({{lang-en-short|Jacobson radical}})とは、すべての[[単純加群|単純]]右 ''R''-[[環上の加群|加群]]を[[零化イデアル|零化]]する ''R'' の元からなるイデアルである。定義において「右」の代わりに「左」としても同じイデアルが得られるので、この概念は左右対称である。環のジャコブソン根基をよく ''J''(''R'') あるいは rad(''R'') と表すが、他の[[環の根基]]との混乱を避けるため、この記事では前者の表記を使う。ジャコブソン根基は{{仮リンク|ジャコブソン|en|Nathan Jacobson}}にちなんで名づけられた。彼は初めてそれを任意の環について{{harv|Jacobson|1945}}で研究した人である。 環のジャコブソン根基には内在的な特徴づけが数多くあり、そのいくつかは単位元をもたない環に対する定義としても採用することができる。[[加群の根基]]はジャコブソン根基の定義を加群を含むように拡張する。ジャコブソン根基は多くの環や加群の理論の結果、例えば[[中山の補題]]において、際立った役割を果たす。 <!-- For instance, if ''R'' is a ring, ''J''(''R'') equals the intersection of all ''maximal right ideals'' in ''R''.<ref>Isaacs, Corollary 13.3, p. 180</ref> Somewhat remarkable is that this also equals the intersection of all ''maximal left ideals'' of ''R''.{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 182}} Although the Jacobson radical is indeed an ideal, this is not entirely obvious from the previous two characterizations and hence other characterizations are preferred.<ref>Isaacs, p. 180</ref> Despite the nature of these characterizations, the intersection of all ''maximal (double-sided) ideals'' in ''R'' need not equal ''J''(''R'') – for instance, when ''R'' is a the [[endomorphism ring]] of a [[vector space]] with [[countable]] [[dimension of a vector space|dimension]] over a field ''F'', it is known that ''R'' has precisely three ideals, {0},''I'' and ''R'', however since ''R'' is [[von Neumann regular]] J(''R'')=0. {{harv|Lam|2001|loc=Ex. 3.15|p=46}}--> <!-- A computationally convenient notion when working with the Jacobson radical of a ring, is the notion of [[Quasiregular element|quasiregularity]].<ref>Isaacs, p. 180</ref> In particular, every element of a ring's Jacobson radical is quasiregular, and the Jacobson radical can be characterized as the unique right ideal of a ring, maximal with respect to the property that each element is [[Quasiregular element|right quasiregular]].<ref>Isaacs, Theorem 13.4, p. 180</ref>{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 181}} It is not necessarily true, however, that every quasiregular element belongs to a ring's Jacobson radical.{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 181}} The notion of quasiregularity proves to be very useful in various situations discussed later{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 181}}<ref>Isaacs, Theorem 13.11, p. 183</ref> --> <!--The Jacobson radical of a ring is also useful in studying [[Module (mathematics)|modules]] over the ring.{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 182}}<ref>Isaacs, Theorem 13.11, p. 183</ref> For instance, if ''U'' is a right ''R''-module, and ''V'' is a maximal submodule of ''U'', then ''U''·''J''(''R'') is contained in ''V'', where ''U''·''J''(''R'') denotes all products of elements of ''J''(''R'') (the "scalars") with elements in ''U'', on the right.{{sfn|Isaacs|year=1993|loc=p. 182}} Another instance of the usefulness of ''J''(''R'') when studying right ''R''-modules, is [[Nakayama's lemma]].<ref>Isaacs, Corollary 13.12, p. 183</ref>--> <!-- In this case, the ring may not even contain a (proper) ''maximal'' right or left ideal (although, it may well contain non-trivial proper (one-sided) ideals). Thus, all of the above characterizations fail (including the characterization involving [[Quasiregular element|quasiregularity]] for this requires that the ring have unity). This problem, as well as the solution, is discussed later in the article, where the Jacobon radical is defined for rings without unity. --> <!--上記4つは原文のコメント--> == 直感的な議論 == 他の[[環の根基]]のように、'''ジャコブソン根基''' は「悪い」元の集まりとして考えることができる。この場合「悪い」性質はこれらの元は環のすべての単純左・右加群を零化するということである。比較の目的のため、[[可換環]]の[[ベキ零根基]] <math>\sqrt 0</math> を考えよう。これはすべての[[ベキ零元]]からなる。実は任意の環について、環の中心に入っているベキ零元はジャコブソン根基にも入っている{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=181|181}}}}。なので、可換環については、ベキ零根基はジャコブソン根基に含まれている。 ジャコブソン根基は直感的にはベキ零根基によく似ている。環論において「悪い」という意味はいくつか考えられるが、その一つは[[零因子]]であることである。それよりより広い意味での「悪い」という概念は、[[可逆元|単元]]でない(乗法について可逆でない)ことである。環のジャコブソン根基は単に単元でないというよりも強い性質を満たす元からなる。これは正式な言い方ではないがジャコブソン根基は(というよりも多くの根基と呼ばれるものはというべきだが)「悪さ」の度合いについて単元でない元のうちでも「悪い」ものの集合だということができる――ある意味で、ジャコブソン根基の元は「環に内在的な」''どんな''[[環上の加群|加群]]においても「単元として振る舞っ」てはならない。正確に言えば、ジャコブソン根基の元は{{仮リンク|自然な準同型|en|Quotient map}}のもとで、問題の環に内在的なすべての「右可除環」(すべての非零元が{{仮リンク|右逆元|en|right inverse}}をもっているような環)の零元に射影しなければならない。簡潔に言えば、それは環のすべての極大右イデアルに属していなければならない。これらの考えはもちろん不正確だが、少なくともなぜ可換環のベキ零根基がジャコブソン根基に含まれているかを説明している。 さらに単純な方法で、環のジャコブソン根基を環の「悪い元を消す」手段として考えることができる――つまり、ジャコブソン根基の元は[[商環]] ''R''/''J''(''R'') において 0 として振る舞う。''N'' が可換環 ''R'' のベキ零根基であれば、商環 ''R''/''N'' はベキ零元をもたない。同様に任意の環 ''R'' に対して、商環は ''J''(''R''/''J''(''R'')) = {0} という性質をもっており、したがってジャコブソン根基におけるすべての「悪い」元は ''J''(''R'') で割ることによって取り除かれている。ジャコブソン根基やベキ零根基の元はそれゆえ 0 の一般化と見ることができる。 == 同値な特徴づけ == 環のジャコブソン根基はさまざまな内在的、外在的特徴づけをもつ{{sfn|Anderson|Fuller|1992|loc=§15}}{{sfn|Isaacs|2009|loc={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=179|§13B}}}}{{sfn|Lam|2001|loc=Ch 2}}。 === 単位元をもつ場合 === 以下は単位元をもつ環 ''R'' におけるジャコブソン根基の同値な特徴づけである。 * ''J''(''R'') は環のすべての[[極大イデアル|極大右イデアル]]の共通部分に等しい。''J''(''R'') は環のすべての極大左イデアルの共通部分に等しいということもまた正しい{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=182|182}}}}。これらの特徴づけは環に内在的である、なぜなら環の極大右イデアルを見つける必要しかないからである。例えば、環が[[局所環]]で唯一の極大 ''右イデアル''をもっていれば、この唯一の極大右イデアルはちょうど ''J''(''R'') であるので(両側)イデアルである。 極大イデアルはある意味加群の零化イデアルよりも探しやすい。しかしながらこの特徴づけは不十分である、なぜなら ''J''(''R'') で機械的にやるときには役に立つことを証明しないからである。これらの2つの定義の左右の対称性は注目すべきで、様々な面白い結果がある{{sfn|Isaacs|2009|loc=Problem 12.5|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=173|173}}}}{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=182|182}}}}。この対称性は ''R'' の socle の対称性の欠如とは対照的である。というのも soc(''R''<sub>''R''</sub>) が soc(<sub>''R''</sub>''R'') に等しくないということは起こり得る。環 ''R'' が非可換であれば、''J''(''R'') は ''R'' のすべての極大''両側''イデアルの共通部分には必ずしも等しくない。例えば、''V'' が体 ''k'' のコピーの可算個の直和で ''R'' = End(''V'') (''V'' の ''k''-加群としての[[自己準同型環]])であれば、''J''(''R'') = 0 である、なぜなら ''R'' は[[フォン・ノイマン正則環|フォン・ノイマン正則]]であることが知られているからだ、しかし ''R'' には有限次元の像をもつ自己準同型からなるちょうど1つの極大両側イデアルが存在する{{sfn|Lam|2001|loc=Ex. 3.15|p=46}}。 * ''J''(''R'') は ''R'' のすべての[[余剰部分加群|余剰右イデアル]]の和(または対称性によりすべての余剰左イデアルの和)に等しい。これを直前の定義と比較すると、余剰右イデアルの和は極大右イデアルの共通部分に等しい。この現象は ''R'' の右 socle に双対的に反映される。soc(''R''<sub>''R''</sub>) は[[極小イデアル|極小右イデアル]]の和でもあり[[本質拡大|本質右イデアル]]の共通部分でもある。実は、これらの2つの関係は一般に加群の根基と socle に対して成り立つ。 * 導入部で定義されたように、''J''(''R'') は[[単純加群|単純]]右 ''R''-加群のすべての[[零化イデアル]]の共通部分に等しい<ref>「すべての単純右 ''R''-加群」なるものは集合ではなく(真)クラスであるが、その零化イデアルは ''R'' の部分集合であるため、その共通部分は定義される。</ref>。しかし単純左加群の零化イデアルの共通部分に等しいということも正しい。単純加群の零化イデアルであるイデアルは[[原始イデアル]]として知られているので、これはジャコブソン根基はすべての原始イデアルの共通部分であると言いかえることができる。この特徴づけは環上の加群を研究するときに役に立つ。例えば、''U'' が右 ''R''-加群で ''V'' が ''U'' の[[極大部分加群]]であれば、''U''·''J''(''R'') は ''V'' に含まれる、ただし ''U''·''J''(''R'') は ''J''(''R'') の元(「スカラー」)を ''U'' の元に右からかけたすべての積を表す。このことは[[商加群]] ''U''/''V'' が単純でありしたがって ''J''(''R'') によって零化されるという事実から従う。 * ''J''(''R'') はすべての元が[[準正則元|右準正則]] (right quasiregular) という性質をもつ ''R'' の右イデアルで極大な唯一のものである{{sfn|Isaacs|2009|loc=Corollary 13.4|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=180|180}}}}{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=181|181}}}}。 あるいは、直前の文において「右」を「左」で置き換えることができる{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=182|182}}}}。ジャコブソン根基のこの特徴づけは計算にも直感の助けにも役立つ。さらに、この特徴づけは環上の加群を研究するときにも役立つ。[[中山の補題]]はたぶんこれの最もよく知られた例だろう。''J''(''R'') のすべての元は [[:en:Quasiregular element|quasiregular]] であるが、すべての quasiregular な元が ''J''(''R'') の元であるわけではない{{sfn|Isaacs|2009|p={{google books quote|id=5tKq0kbHuc4C|page=181|181}}}}。 * すべての quasiregular element が ''J''(''R'') に入っているわけではないが、''y'' が ''J''(''R'') に入っていることと、''R'' のすべての元 ''x'' に対して ''xy'' が left quasiregular であることが同値であることを示すことができる{{sfn|Lam|2001|p=50}}。 * <math>J(R)</math> は <math>1 + RxR</math> のすべての元が単元であるようなすべての元 <math>x\in R</math> からなる集合である。<math>J(R)=\{\,x\in R \mid 1 + RxR\subset R^\times\,\}</math> === 単位元をもたない場合 === 単位元をもたない環 ''R'' に対しては ''R'' = ''J''(''R'') であることも可能だが、''J''(''R''/''J''(''R'')) = {0} という式はなお成り立つ。以下は単位元をもたない環に対しての ''J''(''R'') の同値な特徴づけである{{sfn|Lam|2001|p=63}}。 * left quasiregularity の概念は次のように一般化できる。''R'' のある元 ''c'' が存在して ''c'' + ''a'' − ''ca'' = 0 となるときに ''R'' の元 ''a'' を left ''generalized quasiregular'' と呼ぶ。すると ''J''(''R'') は ''R'' のすべての元 ''r'' に対して ''ra'' が left generalized quasiregular であるようなすべての元 ''a'' からなる。この定義は単位元をもつ環に対してのもとの quasiregular の定義と一致することが確かめられる。 * 単位元をもたない環に対して、左[[単純加群]] ''M'' の定義は ''R•M'' ≠ 0 という条件を加えることで修正される。この修正をしたうえで、''J''(''R'') は単純左 ''R''-加群のすべての零化イデアルの共通部分、あるいは単純左 ''R''-加群が存在しないときは単に ''R'' として定義できる。単位元をもたない環で単純加群をもたないものは確かに存在する。このとき ''R'' = ''J''(''R'') であり、環は '''radical ring''' と呼ばれる。generalized quasiregular を使った根基の特徴づけによって、次のことが明らかである。''J''(''R'') が零でない環があれば、''J''(''R'') は単位元をもたない環と考えて radical ring である。 == 例 == * ''J''(''R'') が {0} であるような環は[[半原始環]]、ときには「ジャコブソン半原始環」、と呼ばれる。任意の[[可換体|体]]、任意の[[フォン・ノイマン正則環]]、そして任意の左または右[[原始環]]のジャコブソン根基は {0} である。[[有理整数環]]のジャコブソン根基は {0} である。 * 環 '''Z'''/12'''Z''' のジャコブソン根基([[合同式]]を見よ)は 6'''Z'''/12'''Z''' であり、これは極大イデアル 2'''Z'''/12'''Z''' と 3'''Z'''/12'''Z''' の共通部分である。 * ''K'' が体で ''R'' が ''K'' の元を成分とする ''n'' 次上[[三角行列]]の環であれば、''J''(''R'') は主対角成分が零であるようなすべての上三角行列からなる。 * ''K'' が体で ''R'' = ''K''<nowiki>[[</nowiki>''X''<sub>1</sub>, ..., ''X''<sub>''n''</sub><nowiki>]]</nowiki> が[[形式的冪級数]]環であれば、''J''(''R'') は定数項が 0 であるような冪級数からなる。より一般的に、任意の[[局所環]]のジャコブソン根基は環の唯一の極大イデアルである。 * 有限非輪状の[[箙 (数学)|箙]] Γ と体 ''K'' から[[箙 (数学)#道代数|道代数]] ''K''Γ をつくる。この環のジャコブソン根基は Γ における長さ ≥ 1 のすべての道によって生成される。 * [[C*-環]]のジャコブソン根基は {0} である。これは[[ゲルファント=ナイマルクの定理]]と次の事実から従う。C*-環に対して、[[ヒルベルト空間]]上の位相的に既約な *-表現は代数的に既約であるので、その核は純代数学的な意味で原始イデアルである({{仮リンク|C*-環のスペクトル|en|spectrum of a C*-algebra}}を見よ)。 == 性質 == * ''R'' が単位的で自明環 {0} でなければ、ジャコブソン根基はつねに ''R'' とは異なる。なぜならば、単位元をもつ環はつねに[[極大イデアル|極大右イデアル]]をもつからである。しかしながら、環論におけるいくつかの重要な定理や予想は ''J''(''R'') = ''R'' のケースを考える。――「''R'' が nil ring (つまり、その各元が冪零)であれば、[[多項式環]] ''R''[''x''] はそのジャコブソン根基に等しいだろうか?」これは未解決の [[ケーテ予想|Köthe 予想]]と同値である{{sfn|Smoktunowicz|2006|loc=§5|p=260}}。 * 環 ''R''/''J''(''R'') のジャコブソン根基は零である。ジャコブソン根基が零の環は[[半原始環]]と呼ばれる。 * 環が[[半単純環|半単純]]であることと[[アルティン環]]かつそのジャコブソン根基が零であることは同値である。 * ''f'' : ''R'' → ''S'' が[[全射]][[環準同型]]であれば、''f''(''J''(''R'')) ⊆ ''J''(''S'') である{{sfn|Anderson|Fuller|1992|p={{google books quote|id=MALaBwAAQBAJ|page=168|168}}|loc=Corollary 15.8}}。 * ''M'' が[[有限生成加群|有限生成]]左 ''R''-[[環上の加群|加群]]であって、''J''(''R'')''M'' = ''M'' であれば、''M'' = 0 である([[中山の補題]])。 * ''J''(''R'') はすべての中心的冪零元を含むが、0 以外の[[冪等元]]は含まない。 * ''J''(''R'') は ''R'' のすべての {{仮リンク|nil イデアル|en|nil ideal}}を含む。''R'' が左または右[[アルティン環]]であれば、''J''(''R'') は[[冪零イデアル]]である。実際はより強いことが言える。<math>\left\{0\right\}= T_0\subseteq T_1\subseteq \dotsb\subseteq T_k=R</math> が右 ''R''-加群 ''R'' の[[組成列#加群に対して|組成列]](そのような組成列は ''R'' が右アルティン的であれば確かに存在し、''R'' が左アルティン的であれば同様の左組成列が存在する)であれば、<math>\left(J\left(R\right)\right) ^k=0</math> である。(証明:組成因子 <math>T_u/T_{u-1}</math> は単純右 ''R''-加群なので、''J''(''R'') の任意の元を右から掛けるとこれらの因子は消える。言い換えると、<math>\left(T_u/T_{u-1}\right)\cdot J\left(R\right)=0</math> であり、これから <math>T_u\cdot J\left(R\right)\subseteq T_{u-1}</math> である。したがって、''i'' についての帰納法で、(次が意味をもつような)すべての非負整数 ''i'' と ''u'' は <math>T_u\cdot \left(J\left(R\right)\right)^i\subseteq T_{u-i}</math> を満たすことが示される。これを ''u'' = ''i'' = ''k'' として適用すれば、結果が得られる。)しかしながら、一般にはジャコブソン根基は環の[[冪零元]]のみからなるとは限らないことに注意せよ。 * ''R'' が可換で、体か '''Z''' 上の代数として有限生成であれば、''J''(''R'') は ''R'' の[[冪零根基]]と等しい。 * (単位的)環のジャコブソン根基はその最大の余剰右(同値であるが、左)イデアルである。 == 関連項目 == * [[冪零根基]] * [[加群の根基]] * [[イデアルの根基]] * [[フラッティーニ部分群]] == 脚注 == {{reflist|2}} == 参考文献 == *{{citation |author1=Anderson, Frank W. |author2=Fuller, Kent R. |title=Rings and categories of modules |series=Graduate Texts in Mathematics |volume=13 |edition=2nd |publisher=Springer-Verlag |place=New York |year=1992 |pages=x+376 |isbn=0-387-97845-3 |mr=1245487 (94i:16001) |ref={{sfnref|Anderson|Fuller|1992}}}} *{{citation |author1=Atiyah, M. F. |author2=Macdonald, I. G. |title=Introduction to commutative algebra |publisher=Addison-Wesley Publishing Co., Reading, Mass.-London-Don Mills, Ont. |year=1969 |pages=ix+128 |mr=0242802 (39 #4129)}} *N. Bourbaki. ''Éléments de Mathématique''. *{{citation |author=Herstein, I. N. |title=Noncommutative rings |series=Carus Mathematical Monographs |volume=15 |publisher=Mathematical Association of America |place=Washington, DC |year=1994 |origyear=1968 |pages=xii+202 |isbn=0-88385-015-X |mr=1449137 (97m:16001)}} Reprint of the 1968 original; With an afterword by Lance W. Small * {{cite book | author = Isaacs, I. M. | year = 2009 | origyear = 1994 | title = Algebra: a graduate course | url = {{google books|5tKq0kbHuc4C|plainurl=yes}} | publisher = American Mathematical Society | series = Gradiate Studies in Mathematics | volume = 100 | isbn = 978-0-8218-4799-2 | mr = 2472787 | zbl = 1157.00004 | ref = {{sfnref|Isaacs|2009}}}} * {{Citation | last1=Jacobson | first1=Nathan | title=The radical and semi-simplicity for arbitrary rings | doi=10.2307/2371731 | mr=12271 | year=1945 | journal=American Journal of Mathematics | issn=0002-9327 | volume=67 | pages=300–320}} *{{citation |author=Lam, T. Y. |title=A first course in noncommutative rings |series=Graduate Texts in Mathematics |volume=131 |edition=2 |publisher=Springer-Verlag |place=New York |year=2001 |pages=xx+385 |isbn=0-387-95183-0 |mr=1838439 (2002c:16001) |ref={{sfnref|Lam|2001}}}} *{{citation |author=Pierce, Richard S. |title=Associative algebras |series=Graduate Texts in Mathematics |volume=88 |publisher=Springer-Verlag |place=New York |year=1982 |pages=xii+436 |isbn=0-387-90693-2 |mr=674652 (84c:16001)}} Studies in the History of Modern Science, 9 {{DEFAULTSORT:しやこふそんこんき}} [[Category:イデアル]] [[Category:環論]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]]
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