ジャルジンスキー等式のソースを表示

'''ジャルジンスキー等式'''（ジャルジンスキーとうしき、{{lang-en-short|Jarzynski equality}}）とは、[[非平衡]][[仕事]]{{要曖昧さ回避|date=2023年6月}}と[[ヘルムホルツの自由エネルギー]]の間に成立する[[恒等式]]である。1997年に[[クリス・ジャルジンスキー]]によって発見され、[[熱力学第二法則]]を理解する上でも重要な鍵になるかもしれないと思われている。

==ジャルジンスキー等式==
任意の操作に対して系にされる仕事<math>W</math>と操作の間のヘルムホルツの自由エネルギー変化<math>\Delta F</math>の間に以下で表される恒等式が存在する。
:<math>\langle e^{-\beta W}\rangle= e^{-\beta\Delta F}</math>
ただし<math>\langle \quad \rangle</math>はアンサンブル平均、<math>\beta = 1/kT</math>は初期の[[逆温度]]である。

==特徴==
*この等式は操作速度に依存しない等式である。
*この等式と[[イェンゼンの不等式]]から[[熱力学第二法則]]<math>\langle W \rangle \ge \Delta F</math>が導かれる。

==参考文献==
* C. Jarzynski, ''Nonequilibrium equality for free energy differences'', Phys. Rev. Lett. '''78''', 2690 (1997)
* {{Cite book|和書|author=早川尚男|authorlink=早川尚男|year=2007|title=臨時別冊数理科学 SGCライブラリ 54 「非平衡統計力学」 2007年 03月号|publisher=[[サイエンス社]]}}

== 関連項目 ==
* [[クルックスの揺動定理]]

{{DEFAULTSORT:しやるしんすきいとうしき}}

[[Category:統計力学]]
[[Category:非平衡熱力学]]
[[Category:恒等式]]
[[Category:人名を冠した数式]]