ジョゼフ・フーリエのソースを表示

{{参照方法|date=2017年10月}}
{{Infobox scientist
|name = ジョゼフ・フーリエ男爵
|image = Fourier2.jpg 
|image_width = 
|alt = 
|caption = 
|birth_name = 
|birth_date = [[1768年]][[3月21日]]
|birth_place = {{FRA987}} [[オセール]]
|death_date = {{死亡年月日と没年齢|1768|3|21|1830|5|16}}
|death_place = {{FRA1814}} [[パリ]]
|death_cause = 
|residence = <!-- 居住 -->
|citizenship = <!-- 市民権 -->
|nationality = <!-- 国籍 -->
|field = [[数学]]、[[物理学]]
|workplaces = 高等師範学校<br />[[エコール・ポリテクニーク]]
|alma_mater = [[高等師範学校 (フランス)|高等師範学校]]
|doctoral_advisor = <!-- 博士課程指導教員 -->
|academic_advisors = [[ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュ]]
|doctoral_students = [[ペーター・グスタフ・ディリクレ]]<br />[[ジョヴァンニ・プラーナ]]<br />[[アンリ・ナビエ]]
|notable_students = 
|known_for = [[フーリエ級数]]<br />[[フーリエ変換]]
|influences = 
|influenced = 
|awards = <!-- 主な受賞歴 -->
|author_abbreviation_bot = <!-- 命名者名略表記（植物学） -->
|author_abbreviation_zoo = <!-- 命名者名略表記（動物学） -->
|signature = <!-- 署名（ファイル名のみ） -->
|signature_alt = 
|footnotes = 
}}
'''ジャン・バティスト・ジョゼフ・フーリエ'''男爵（'''Jean Baptiste Joseph Fourier''', Baron de、[[1768年]][[3月21日]] - [[1830年]][[5月16日]]）は、[[フランス]]の[[数学者の一覧#18世紀生まれの有名な数学者|数学者]]・[[物理学者]]。

[[固体]]内での[[熱伝導]]に関する研究から[[熱伝導方程式]]（フーリエの方程式）を導き、これを解くために[[フーリエ解析]]と呼ばれる理論を展開した。フーリエ解析は複雑な周期関数をより簡単に記述することができるため、音や光といった[[波動]]の研究に広く用いられ、現在[[調和解析]]という数学の一分野を形成している。

このほか、方程式論や方程式の数値解法の研究があるほか、単位の重要性に気づき研究したことから[[次元解析]]の創始者と見なされることもある。また統計局に勤務した経験から、[[確率論]]や[[誤差]]論の研究も行った。

== 生涯 ==
=== 生い立ち ===
フーリエは1768年3月21日に、[[フランス]]中部、[[ヨンヌ県]]の[[オセール]]で仕立職人の9番目の息子として生まれた{{Sfn|ベル|1997|p=181}}。8歳のときに父親の死去によって孤児となり、地元の[[ベネディクト会|ベネディクト派]]司教のもとへあずけられた{{Sfn|ベル|1997|p=181}}。1780年に司教はフーリエを同じくベネディクト派の僧侶が経営する王立陸軍士官学校 ({{interlang|fr|École royale militaire (ordonnance de 1776)|École royale militaire}}) へ入学させた{{Sfn|ベル|1997|p=181}}{{Sfn|スチュアート|2019|p=118}}。そこで彼は早くも数学に興味を示し、夜中になってから蝋燭の燃えさしを集めて一人で勉強に没頭{{Sfn|ベル|1997|p=181}}、[[エティエンヌ・ベズー]]の『数学教程』を1年で読破したという{{Sfn|スチュアート|2019|p=118}}。

フーリエの身分では軍人になれなかったため{{Sfn|小堀憲|1968|p=48}}{{Sfn|ベル|1997|p=181}}、卒業後彼は僧侶たちの勧めに従って{{仮リンク|サン＝ブノワ＝シュル＝ロワール修道院|fr|Abbaye de Saint-Benoît-sur-Loire}}で修道士として修行を始めた{{Sfn|スチュアート|2019|p=118}}。修道院でも、並行して数学を学んだ。

1789年、フーリエは『数値方程式の解法に関する論文』を発表するため[[パリ]]へ向かい、そこで[[フランス革命]]に遭遇した{{Sfn|小堀憲|1968|p=48}}。身分から解放されたフーリエは、故郷の友人たちのはからいで数学の教師になった{{Sfn|ベル|1997|p=181}}。革命を支持していた彼は1793年にオセールの革命委員会にも加わったが、抗争に巻き込まれて逮捕されるなど政治的弾圧を受けることになる{{Sfn|スチュアート|2019|pp=118-119}}。

=== 革命後 ===
フランス革命後の恐怖政治によって、多くの科学者が処刑されたり亡命したりしていた。しかし科学の復興が必要と考えた革命政府は学校の設立を奨励し、パリに[[高等師範学校 (パリ)|高等師範学校]]（エコール・ノルマル・シュペリウール）や[[理工科学校]]（[[エコール・ポリテクニーク]]）といった新しい高等教育機関（[[グランゼコール]]）が創設された。

1794年、フーリエはエコール・ノルマル・シュペリウールに第一期生として入学した。エコール・ノルマル・シュペリウールは翌年一時閉鎖されてしまうが、才能を認められたフーリエは[[ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュ]]や[[ガスパール・モンジュ]]のもとでエコール・ポリテクニークの築城学の助講師に、のち解析数学の教授になった。そこでの講義の中で、彼は代数方程式の実数解の個数に関するフーリエの定理を証明した{{Sfn|小堀憲|1968|p=49}}。

1798年、[[ナポレオン・ボナパルト]]は[[イギリス]]と[[インド]]の連絡を絶つため、「不幸な人民を救い、文明の恩恵を与える」ことを口実に[[エジプト・シリア戦役|エジプトへ遠征]]した{{Sfn|小堀憲|1968|p=49}}{{Sfn|ベル|1997|p=183}}。フーリエはこのとき編成された文化使節団の一員に選ばれ、モンジュや[[クロード＝ルイ・ベルトレー]]らとともにナポレオンに随行した{{Sfn|ベル|1997|p=183}}。

フーリエは新設された{{仮リンク|エジプト学士院|en|Institut d'Égypte}}の書記としてさまざまな数学的・[[考古学]]的研究を行い{{Sfn|ベル|1997|p=184}}、のちに発表された『[[エジプト誌]] (''{{interlang|fr|Description de l'Égypte}}'')』（1808年-1825年）も監修した{{Sfn|スチュアート|2019|p=120}}。{{要出典範囲|なお、このエジプト滞在で[[ロゼッタ・ストーン]]を発見してフランスへ持ち帰り、しばらく自室で保管することとなった（[[ジャン＝フランソワ・シャンポリオン|シャンポリオン]]が訪問した際、見せている）。|date=2023年2月26日 (日) 09:20 (UTC)}}

しかし翌年、ヨーロッパ情勢が不安定になったため、ナポレオンはモンジュ他わずかな部下を伴ってフランスへ逃げ帰った。このときフーリエは大多数の将兵とともにエジプトに取り残され{{Sfn|ベル|1997|pp=184-185}}、帰国したのは1801年、イギリスや[[オスマン帝国]]との間に[[停戦協定]]が成立してからのことであった。

このエジプト滞在中に、フーリエには妙な癖がついた。フランスの寒さと湿気を嫌い、健康と思索のためには砂漠のような熱気と乾燥が必要だと考えるようになったのである{{Sfn|ベル|1997|p=193}}。彼は四六時中部屋を締め切って蒸し暑い状態にし、全身に真綿と包帯をミイラのようにぐるぐるに巻いて暮らすようになった。この習慣が心臓に負担をかけ、皮肉なことに逆に彼の死期を早めることになったという{{Sfn|ベル|1997|p=193}}。

=== グルノーブル ===
フランスに帰国したフーリエは、エジプト遠征中に発揮した行政手腕をナポレオンに認められ、1802年1月2日に[[イゼール県]]の知事 ({{interlang|fr|Préfet (France)|préfet}}) に任命された{{Sfn|小堀憲|1968|p=49}}{{Sfn|ベル|1997|p=186}}{{Sfn|スチュアート|2019|p=120}}。知事としては、革命後悪化していた治安の回復、[[トリノ]]への道路の建設、ブルゴワン (Bourgoin) の沼沢地の干拓、[[マラリア]]の一掃などといった事業を行なった{{Sfn|小堀憲|1968|p=49}}{{Sfn|ベル|1997|p=186}}{{Sfn|スチュアート|2019|p=120}}。これらの功績を称えられ、1808年に彼は皇帝に即位していたナポレオンによって男爵に叙された{{Sfn|小堀憲|1968|pp=49-50}}。

知事として[[グルノーブル]]に赴任していた時代は、フーリエが生涯の中でもっとも精力的に活動していた時期だった。知事として多忙な職務をこなし、エコール・ポリテクニークから続けていた方程式論の研究をする一方、固体内における熱伝導を数学的に研究した。

熱伝導に関する最初の論文は1807年に[[科学アカデミー (フランス)|アカデミー・デ・シアンス]]に提出された。[[ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュ ]]、[[ピエール・シモン・ラプラス]]、モンジュ、[[アンドレ＝マリ・アンペール]]が論文の審査委員となった。ラプラスとラグランジュはフーリエ級数の正当性を疑問視し、ラプラス、[[ジャン＝バティスト・ビオ]]、[[シメオン・ドニ・ポアソン]]は熱伝導方程式の説明が不十分であると指摘し、アカデミーは内容が不十分だとして掲載は見送った。しかし有望さから1812年の懸賞論文の題目を「熱の解析的理論」とした{{Sfn|ベル|1997|p=186}}。これに応じ、フーリエは大幅に加筆訂正した第二論文を提出した。審査員のひとりであったラグランジュは、その数学的厳密性に難があると厳しく指摘した（実際、ラグランジュも似たことを考えていたが導出にまでは至らなかった）。しかしながら重要性が認められ、この論文はアカデミー大賞を受賞した。

電流を論文中における熱の流れと同じように扱って[[ゲオルク・オーム]]が[[オームの法則]]を導き、方程式を解くために導入された[[フーリエ級数]]は[[解析学]]に一分野を築くことになるなど、この論文は学界に大きな影響を与えた。

また、エジプトから持ち帰った史料の中にあった[[ロゼッタ・ストーン]]を、自身のサロンに出入りしていた当時12歳の[[ジャン＝フランソワ・シャンポリオン]]に初めて見せたのもフーリエだった。刻まれている三種の文字のうちの一つ（[[ヒエログリフ]]）が未解読であることを告げられたシャンポリオンは、「自分がいつか読んでみせる」と宣言し、約20年の歳月をかけて[[古代エジプト文字の解読|解読に成功]]することになる。

=== ナポレオン戦争 ===
[[ライプツィヒの戦い]]で敗れたナポレオンは、1814年に退位して[[エルバ島]]へ流された。しかしフーリエは[[ピエール＝シモン・ラプラス|ラプラス]]らとともに寝返って[[ルイ18世 (フランス王)|ルイ18世]]に忠誠を誓ったため、知事を続けることを認められた{{Sfn|小堀憲|1968|p=50}}。

ところが翌1815年2月26日にナポレオンはエルバ島を脱出、フランスに帰還するとパリへ向かって進軍を始めた{{Sfn|小堀憲|1968|p=50}}。エジプトで置き去りにされたことを覚えていたフーリエは自ら[[リヨン]]へ赴き王党派に通報したが信じてもらえず、グルノーブルへ戻ってみるとそこはすでにナポレオンに占領され、部下の兵士たちはその下についてしまっていた{{Sfn|ベル|1997|p=191}}。捕らえられたフーリエは再びナポレオンに従って[[ローヌ県]]知事に任命されるが、後に強権的姿勢に反対して辞職した。

[[ワーテルローの戦い]]ののちナポレオンは[[セントヘレナ島]]へ流され、フランスはみたび王政に戻った。復位したルイ18世は裏切りを許さず、フーリエは罷免された{{Sfn|小堀憲|1968|p=50}}。フーリエはパリで財産を売りながら糊口をしのいでいたが、それをみかねた友人の[[セーヌ県]]知事{{仮リンク|ガスパール・ド・シャブロル|en|Gaspard de Chabrol}}伯爵によってセーヌ県統計局長の職を用意してもらうことができた。このころ、職務の関係から生命保険に関する研究を行なった。

=== 晩年 ===
1816年、アカデミー・デ・シアンスはフーリエを会員に推薦したが、ルイ18世はそれを認めなかった{{Sfn|小堀憲|1968|p=50}}{{Sfn|ベル|1997|p=192}}。しかしアカデミーは抵抗し、翌年彼は会員に選出された{{Sfn|小堀憲|1968|p=50}}。さらにその後もルイ18世や[[シメオン・ドニ・ポアソン|ポアソン]]の反対にもかかわらず勢力を伸ばして1822年には終身幹事に、1826年には[[アカデミー・フランセーズ]]会員となった。他にもラプラスの後をついでエコール・ポリテクニークの理事長になるなど、フーリエの晩年はナポレオンに最後まで従ったため悲惨な末路を辿ったモンジュなどと比べれば、名誉に満ちたものであったといえる。権力欲も旺盛だったようで{{Sfn|ベル|1997|p=192}}、当時パリに来ていた[[ニールス・アーベル]]は手紙で君臨ぶりを伝えている{{Sfn|小堀憲|1968|p=94}}。

フーリエの最後の数年は、過去の研究をまとめ、それまでに発表した論文を出版するために費やされた。また、後進の指導にも力を注いだ。たとえば、フーリエ級数が収束するために必要な「ディリクレの条件」を導いた[[ペーター・グスタフ・ディリクレ]]は彼の教え子の一人である。

1830年5月16日、[[代議院 (フランス)|代議院]]の選挙で[[シャルル10世 (フランス王)|シャルル10世]]に対する反対派が圧勝し、世情が再び革命（[[7月革命]]）へと動いていく中でフーリエは息を引き取った。63歳だった。心臓病だったとも、動脈瘤だったともいう{{Sfn|ベル|1997|p=193}}。

20代の頃から続けていた方程式論の研究をまとめるべく全7巻の予定で執筆途中だった『定方程式の解析』は、[[アンリ・ナビエ]]が遺稿をまとめて1831年に2冊だけが出版された。

== 業績 ==
=== フーリエの法則と熱伝導方程式 ===
{{Main|熱伝導方程式}}
ある固体内の[[温度]]分布は、どのような方程式で表されるか。その答えがフーリエが導いた熱伝導方程式（熱方程式やフーリエの方程式などとも呼ばれる）である。

フーリエは、「各点での熱の移動する速さは、その点における温度勾配に比例する」（[[フーリエの法則]]）ことを示した。これにより、ある時刻のある領域における熱量は流入した熱と流出した熱の差で表すことができる。また、熱量と[[比熱]]・温度の関係式からも熱量を表すことができる。フーリエはこれらの関係式を用いて熱伝導方程式を導き、さらにいくつもの境界条件のもとでこれを解いた。

=== フーリエ解析 ===
{{Main|フーリエ解析}}
ある有限[[区間 (数学)|区間]]上の[[関数 (数学)|関数]]を[[三角関数]]の級数で表すことを[[フーリエ展開]]といい、無限区間に拡張されたそれを[[フーリエ変換]]という。

フーリエ解析とは、これらフーリエ展開やフーリエ変換を用いて関数を解析すること、特に関数を[[周波数]]成分に分解して調べることである。これは線形[[微分方程式]]を解くための極めて強力な武器であるばかりでなく、物理学や工学において光や音、振動、[[コンピュータグラフィックス]]など幅広い分野で用いられている。

フーリエは著書『熱の解析的理論』において、「任意の関数は、三角関数の級数で表すことができる」（フーリエの定理）と主張した。この証明は不十分なものであったが、のちに多くの数学者たちによって厳密化が行なわれた。

フーリエ解析は「ほとんどあらゆる」関数が周期関数の和として「表せる」という逆説性から多くの数学者たちの注目を浴び、「ほとんどあらゆる」の範囲や「表せる」という根拠をめぐる議論は、まだ関数という言葉の意味すら曖昧だった19世紀の[[解析学]]の厳密化に貢献した。後の[[ベルンハルト・リーマン]]の積分論や[[ゲオルク・カントール]]の[[集合論]]もこれに関する研究から生まれることになる。

=== その他の業績 ===
* フーリエの最初の論文は方程式の数値解法についてのもので、方程式論や方程式の解法に彼は終生興味を持ち続けた。
* 熱伝導方程式を解くとき、フーリエは単位に注目して解のあたりをつけるということを行なった。これは[[次元解析]]のはしりであった。
* 総和の記号 [[Σ#記号としての用法|Σ]] を1820年に考案した<ref>{{Cite journal
|author=J. Fourier
|title={{lang|fr|Refroidissement séculaire du globe terrestre}}
|journal={{lang|fr|Bulletin des Sciences par la Société philomathique de Paris}}
|number=series 3
|volume=7
|year=1820
|pages=58&ndash;70
}}</ref>。

== 年表 ==
* [[1768年]] - [[オセール]]に生まれる。
* [[1787年]] - [[ベネディクト会|サン・ブノワ修道院]]に入る（-[[1789年]]）。
* [[1794年]] - [[高等師範学校 (フランス)|エコール・ノルマル・シュペリュール]]（高等師範学校）の聴講生となる。
* [[1795年]] - [[理工科学校|エコール・ポリテクニーク]]（高等理工科学校）の助講師となる（-1798年）。
* [[1796年]] - 代数方程式の実数解の数に関する定理（フーリエの定理）を証明。
* [[1798年]] - [[ナポレオン・ボナパルト|ナポレオン]]の[[エジプト・シリア戦役|エジプト遠征]]に従い、カイロ大学幹事、エジプト学士院書記となる。
* [[1802年]] - [[イゼール県]]知事に任命され、[[グルノーブル]]に赴任する（-1815年）。
* [[1807年]] - 熱伝導に関する最初の論文を[[科学アカデミー (フランス)|アカデミー・デ・シアンス]]（科学アカデミー）に提出。
* [[1808年]] - 男爵に叙される。
* [[1815年]] - エルバ島を脱出したナポレオンに従うが、のち辞職する。
* [[1817年]] - [[パリ]]に移住し、すぐにアカデミー・デ・シアンス会員となる。
* [[1822年]] - アカデミー・デ・シアンス終身幹事、[[王立協会|ロンドン王立協会]]外国人会員となる<ref>{{FRS |code = NA7975  |title = Fourier; Jean Baptiste Joseph (1768 - 1830)  |accessdate = 2011-12-11 }}</ref>。著書『熱の解析的理論 (''Théorie Analytique de la Chaleur'') 』が出版される。
* [[1826年]] - [[アカデミー・フランセーズ]]会員となる。
* [[1827年]] - [[ピエール＝シモン・ラプラス|ラプラス]]の後任としてエコール・ポリテクニーク理事長となる。
* [[1829年]] - ペテルブルク科学アカデミー名誉会員となる。
* [[1830年]] - パリで病没。63歳。
* [[1831年]] - 著書『定方程式の解析』が出版される。

=== 関連人物 ===
* [[ダニエル・ベルヌーイ]]、[[ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュ]] - フーリエに先駆けて微分方程式を三角関数で解くことを考えた。
* [[ガスパール・モンジュ]]、[[クロード＝ルイ・ベルトレ]] - 数学者のモンジュと化学者のベルトレはともにフーリエの友人であり、また3人はナポレオンの部下でもあった。
* [[ゲオルク・オーム|ゲオルク・ジーモン・オーム]] - 『熱の解析的理論』に触発され、[[オームの法則]]を導いた。
* [[ジャン＝バティスト・ビオ]]、[[シメオン・ドニ・ポアソン]] - ビオやポアソンとの間に熱伝導方程式やその解法の先取権をめぐって論争が起きた。
* [[ペーター・グスタフ・ディリクレ|ペーター・ディリクレ]] - フーリエの弟子であったディリクレは、フーリエ級数がもとの関数に収束する条件（ディリクレの条件）を厳密に導いた。

== 著作 ==
*{{Cite book|和書
|first=ジョゼフ
|last=フーリエ
|editor=[[ジャン・ガストン・ダルブー|ダルブー、ガストン]] 編
|translator=竹下貞雄
|date=2005-08
|title=熱の解析的理論
|publisher=大学教育出版
|isbn=978-4-88730-633-2
|ref={{Harvid|フーリエ|2005}}
}}
*{{Cite book|和書
|first=ジョゼフ
|last=フーリエ
|translator=西村重人
|others=[[高瀬正仁]] 監訳・解説
|date=2020-01
|title=フーリエ熱の解析的理論
|publisher=朝倉書店
|isbn=978-4-254-11156-9
|ref={{Harvid|フーリエ|2020}}
}}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書
|editor=[[竹内均]] 編
|date=2002-06
|title=数学の天才列伝　ユークリッド非ユークリッドそしてノイマン
|series=竹内均・知と感銘の世界
|publisher=ニュートンプレス
|isbn=978-4-315-51637-1
|ref={{Harvid|竹内 編|2002}}
}}
*{{Cite book |和書 |first= E・T |last= ベル |authorlink= :en:Eric Temple Bell |translator= [[田中勇 (数学者)|田中勇]]・[[銀林浩]] |date= 1997-10-20 |title= 数学をつくった人びと |volume= 上 |publisher= [[東京書籍]] |isbn= 4-48900528-8 |ref= harv |chapter= 皇帝の友――モンジュとフーリエ }}
* {{Cite book|和書
|author=[[森毅]]
|date=2001-08
|title=異説 数学者列伝
|series=ちくま学芸文庫
|publisher=[[筑摩書房]]
|isbn=978-4-480-08658-7
|ref={{Harvid|森|2001}}
}}
* {{Cite book |和書 |first= イアン |last= スチュアート |authorlink= イアン・スチュアート (数学者) |translator= [[水谷淳 (翻訳家)|水谷淳]] |title= 数学の真理をつかんだ25人の天才たち |date= 2019-1-16 |publisher= [[ダイヤモンド社]] |isbn= 978-4-478-10407-1 |ref= harv |chapter= 熱を操る者 ジョゼフ・フーリエ }}
* {{Cite book |和書 |author= 小堀憲 |authorlink= 小堀憲 |title= 大数学者 |edition= |date= 1968 |publisher= [[新潮社]] |series= [[新潮選書]] |isbn= |ref= harv }}

== 関連項目 ==
* [[フーリエ (クレーター)|フーリエ]]
*:月の表にある[[クレーター]]。直径51 km。
* [[フーリエ解析]]
* フーリエ解析器
* フーリエ核
* [[フーリエ級数]]、[[フーリエ展開]]
** フーリエ‐スティチェス級数、フーリエ‐スティチェス変換
** フーリエ‐ベッセル級数、フーリエ‐ベッセル積分、フーリエ‐ベッセル変換
** フーリエ‐ルジャンドル級数
* フーリエ合成法
* [[フーリエ数]]
* フーリエスペクトル
* フーリエの積分定理
* フーリエの定理
*# 代数方程式の解の数に関する定理。
*# 条件を満たしたフーリエ級数はもとの関数<math>f(x)</math>に収束するという定理。
* [[フーリエの法則]]
* フーリエの方程式（フーリエの熱方程式）
*:[[熱伝導方程式]]の別名。
* フーリエ分解
* [[フーリエ変換]](フーリエ積分、逆フーリエ変換（フーリエ逆変換）)
** [[離散フーリエ変換]]
** [[高速フーリエ変換]]
**:離散フーリエ変換を高速で行なう[[アルゴリズム]]。
** [[短時間フーリエ変換]]
** [[離散時間フーリエ変換]]
* フーリエ変換分光器
* [[フーリエ変換分光法]]
*:干渉分光器を用いた[[分光法]]の一つ。化学分野では[[赤外分光法|フーリエ変換型赤外分光]] (FTIR) と[[フーリエ変換核磁気共鳴]] (Fourier Transform NMR) が活用されている。
* [[Fourier–Motzkin消去法]]
* [[エッフェル塔に名前を刻まれた72人のフランスの科学者の一覧]]

== 外部リンク ==
* [http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/182201.html 熱の解析的理論] - [[金沢工業大学]]が所蔵する、『熱の解析的理論』の初版の写真。
* [http://www-gap.dcs.st-and.ac.uk/~history/Mathematicians/Fourier.html Jean Baptiste Joseph Fourier] - [[スコットランド]]の[[セント・アンドルーズ大学 (スコットランド)|セント・アンドルーズ大学]]のサイトにあるフーリエの伝記。{{en icon}}
* [http://www.ujf-grenoble.fr/ujf/fr/welcome.phtml ジョゼフ・フーリエ大学] - グルノーブルにある大学。グルノーブル第一大学とも。{{fr icon}}

{{アカデミー・フランセーズ|5|8|1826|1830|ピエール＝エドゥアール・レモンテー|ヴィクトール・クザン}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ふうりえ しよせふ}}
[[Category:ジョゼフ・フーリエ|*]]
[[Category:18世紀の数学者|680321]]
[[Category:19世紀の数学者|-680321]]
[[Category:フランスの数学者]]
[[Category:フランスの物理学者]]
[[Category:数値解析研究者]]
[[Category:流体力学者]]
[[Category:アカデミー・フランセーズ会員]]
[[Category:フランス医学アカデミー会員]]
[[Category:プロイセン科学アカデミー会員]]
[[Category:王立協会外国人会員]]
[[Category:ベルギー王立アカデミー会員]]
[[Category:デンマーク王立科学アカデミー会員]]
[[Category:エコール・ポリテクニークの教員]]
[[Category:オセール出身の人物]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:1768年生]]
[[Category:1830年没]]