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{{chembox | Watchedfields = changed | verifiedrevid = 458434693 | Name = スクロース | ImageFile1 = Saccharose2.svg | ImageName1 = Haworth projection of sucrose | ImageFile2 = Sucrose-from-xtal-3D-bs-17.png | ImageName2 = Ball-and-stick model of sucrose | IUPACName = β-<small>D</small>-フルクトフラノシル α-<small>D</small>-グルコピラノシド | SystematicName = (2''R'',3''R'',4''S'',5''S'',6''R''<nowiki>)-2-{[(2</nowiki>''S'',3''S'',4''S'',5''R'')-3,4-ジヒドロキシ-2,5-ビス(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]オキシ}-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール | OtherNames = {{Unbulleted indent list | Sugar; | Saccharose; | α-<small>D</small>-glucopyranosyl-(1→2)-β-<small>D</small>-fructofuranoside; | β-<small>D</small>-fructofuranosyl-(2→1)-α-<small>D</small>-glucopyranoside; | β-(2''S'',3''S'',4''S'',5''R'')-fructofuranosyl-α-(1''R'',2''R'',3''S'',4''S'',5''R'')-glucopyranoside; | α-(1''R'',2''R'',3''S'',4''S'',5''R'')-glucopyranosyl-β-(2''S'',3''S'',4''S'',5''R'')-fructofuranoside; | Dodecacarbon monodecahydrate; | ((2R,3R,4S,5S,6R)-2-[(2S,3S,4S,5R)-3,4-dihydroxy-2,5-bis(hydroxymethyl)oxapent-2-yl]oxy-6-(hydroxymethyl)oxahexane-3,4,5-triol) }} | Section1 = {{Chembox Identifiers | IUPHAR_ligand = 5411 | InChI = 1/C12H22O11/c13-1-4-6(16)8(18)9(264115619)11(21-4)23-12(3-15)10(20)7(17)5(2-14)22-12/h4-11,13-20H,1-3H2/t4-,5-,6-,7-,8+,9-,10+,11-,12+/m1/s1 | CASNo = 57-50-1 | ChEMBL_Ref = {{ebicite|correct|EBI}} | ChEMBL = 253582 | CASNo_Ref = {{cascite|correct|CAS}} | EC_number = 200-334-9 | ChemSpiderID_Ref = {{chemspidercite|correct|chemspider}} | ChemSpiderID = 5768 | PubChem = 5988 | RTECS = WN6500000 | DrugBank_Ref = {{drugbankcite|correct|drugbank}} | DrugBank = DB02772 | KEGG = C00089 | UNII_Ref = {{fdacite|correct|FDA}} | UNII = C151H8M554 | ChEBI_Ref = {{ebicite|correct|EBI}} | ChEBI = 17992 | StdInChI_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChI = 1S/C12H22O11/c13-1-4-6(16)8(18)9(19)11(21-4)23-12(3-15)10(20)7(17)5(2-14)22-12/h4-11,13-20H,1-3H2/t4-,5-,6-,7-,8+,9-,10+,11-,12+/m1/s1 | StdInChIKey_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChIKey = CZMRCDWAGMRECN-UGDNZRGBSA-N | SMILES = O1[C@H](CO)[C@@H](O)[C@H](O)[C@@H](O)[C@H]1O[C@@]2(O[C@@H]([C@@H](O)[C@@H]2O)CO)CO }} | Section2 = {{Chembox Properties | Properties_ref = <ref name="ICSC">{{ICSC-ref|1507|name=Sucrose|date=November 2003}}</ref> | Formula = {{chem|C|12|H|22|O|11}} | MolarMass = 342.30 g/mol | Appearance = 白色固体 | Density = {{cvt|1.587|g/cm3}}, solid | Solubility = ~200 g/dL ({{cvt|25|°C}}) | MeltingPt = 無し;分解点 {{convert|186|°C|°F K|abbr=on}} | LogP = −3.76 }} | Section4 = {{Chembox Thermochemistry | Thermochemistry_ref = | HeatCapacity = | Entropy = | DeltaHf = {{cvt|-2226.1|kJ/mol}}<ref>{{cite book |editor1-last=Haynes |editor1-first=W. M. |editor2-last=Lide |editor2-first=David R. |editor3-last=Bruno |editor3-first=Thomas J. |title=CRC Handbook of Chemistry and Physics |date=2014–2015 |publisher=CRC Press |isbn=978-1482208672 |edition=95th |pages=5–40}}</ref> | DeltaGf = | DeltaHc ={{cvt|1349.6|kcal/mol|kJ/mol}}<ref name=CRC>''[[CRC Handbook of Chemistry and Physics]]'', 49th edition, 1968–1969, p. D-188.</ref> (高位発熱量)}} | Section3 = {{Chembox Structure | CrystalStruct = [[単斜晶系]] | SpaceGroup = P2<sub>1</sub> | Dipole = }} | Section7 = {{Chembox Hazards | ExternalSDS = [https://www.inchem.org/documents/icsc/icsc/eics1507.htm ICSC 1507] | NFPA-H = 0 | NFPA-F = 1 | NFPA-R = 0 | LD50 = 29700 mg/kg (oral, rat)<ref>{{cite web |url=https://chem.nlm.nih.gov/chemidplus/rn/57-50-1 |website=ChemIDplus |title=57-50-1 - CZMRCDWAGMRECN-UGDNZRGBSA-N - Sucrose [JAN:NF] |access-date=2014-08-10 |url-status=live |archive-url=https://web.archive.org/web/20140812222747/https://chem.nlm.nih.gov/chemidplus/rn/57-50-1 |archive-date=2014-08-12 }}</ref> | PEL = TWA 15 mg/m<sup>3</sup> (total) TWA 5 mg/m<sup>3</sup> (resp)<ref name=PGCH>{{PGCH|0574}}</ref> | IDLH = N.D.<ref name=PGCH/> | REL = TWA 10 mg/m<sup>3</sup> (total) TWA 5 mg/m<sup>3</sup> (resp)<ref name=PGCH/> }} | Section8 = {{Chembox Related | OtherCompounds = [[ラクトース]]<br />[[マルトース]] }} }} [[Image:Sugar 2xmacro.jpg|thumb|right|200px|スクロースの結晶]] '''スクロース'''({{lang-en|sucrose}})または'''ショ糖'''('''蔗糖'''、しょとう)とは、[[グルコース]](ブドウ糖)と[[フルクトース]](果糖)とが[[グリコシド結合|α-1,2-グリコシド結合]]で結合した[[二糖]]である。[[砂糖]]の主成分として知られており、[[テンサイ]]や[[サトウキビ]]などから得ることができる。なお「蔗糖」の「蔗」は、[[訓読み]]で「さとうきび」と読む<ref>{{Cite web|和書|title=蔗 {{!}} 漢字一字 {{!}} 漢字ペディア|url=https://www.kanjipedia.jp/kanji/0002986400|website=www.kanjipedia.jp|accessdate=2021-08-02}}</ref>。 == 性質 == スクロースは、他の[[二糖類]]と同様に、無色結晶、[[甘味]]を有する、[[水]]に溶けるなどの性質を有している。[[加水分解]]すると[[グルコース]]と[[フルクトース]]を生じる。 水溶性が高く、25 ℃において、1 gの水に2.1 g溶ける<ref>[https://web.archive.org/web/20070930155651/http://www.science.edu.sg/ssc/detailed.jsp?artid=2382&type=6&root=5&parent=5&cat=53 Question No. 1835 Singapore Science Centre: ScienceNet|Physical Sciences|General Chemistry] (ウェブアーカイブ)</ref>。 [[先進国]]における主要な[[甘味料]]であり、[[砂糖]]の主成分である。一般には[[サトウキビ]]や、[[テンサイ|サトウダイコン]](テンサイ)から抽出し、純度を高め結晶化したものである。原料としては他に[[モロコシ|ソルガム]](モロコシ)と[[サトウカエデ]]がある。ちなみにショ糖の結晶を大きく成長させると[[氷砂糖]]になる。 約170 ℃に加熱すると、[[キャラメル|カラメル]](キャラメル)と呼ばれる[[褐色]]の物質に変化する。カラメルは食用となり、独特の香りを持つ。カラメルは[[カスタードプディング]]や[[カラメルミルク]]などに使用される。 == 人体における消化 == スクロースは、[[小腸]]壁に存在する[[消化酵素]]「[[サッカラーゼ|サッカラーゼ(インベルターゼ)]]」によりグルコースとフルクトースに加水分解され(詳細は「[[転化糖]]」を参照)、[[小腸]]で吸収されて[[血液|血流]]に入る。この反応は短時間で起こるため、[[血糖値]]を急激に上昇させる。 == 健康への影響 == スクロースは、健康に悪影響を及ぼすことがある。その代表的なものは[[う蝕]](むし歯)である。口腔内の[[口腔細菌学#主な口腔内細菌|細菌]]がスクロースを材料として[[エナメル質]]や[[象牙質]]といった[[歯質]]を破壊する[[酸]]を産生するためである。特に[[甘味]]を求め、スクロースの摂取量が増加し、なおかつ口腔内の清掃が比較的行き届いていない[[子供]]において問題となる。 また、一般にスクロースは[[生理的熱量|エネルギー]](いわゆる[[カロリー]])が高く、[[肥満]]の原因になり、[[糖尿病]]患者はスクロースの場合も摂取の制限をしなければならない。また、スクロースで180 g程度以上を一気に摂取すると健常人であっても一過性の糖尿<ref group="注釈">糖分の多い食品(特にスポーツドリンクや清涼飲料水)によりスクロースを一度に大量に摂取することに起因する一過性の糖尿は、「[[ペットボトル症候群]]」や「清涼飲料水ケトーシス」として言及されることがある。</ref>を生ずる可能性がある。この量は、[[食品成分表]]の[[コーラ (飲料)|コーラ]]・[[缶コーヒー]]などに示される量を基にすると2.5 [[リットル]]前後の量(約1100 [[kcal]])に相当する。 === 代用甘味料 === 上記のような健康への影響からスクロースを避けたいというニーズに応えるため、代用[[甘味料]]がいくつも開発されてきた。しかし、例えば[[アスパルテーム]]は加熱することで甘みが低下するなど、調理用に砂糖の代替として利用するのが難しいものがある。また、他の健康上の問題をも引き起こすものもあり、その安全性が疑問視されている。 スクロースを塩素化した甘味料に[[スクラロース]]がある。これは[[有機塩素化合物]]であり、スクロースの約600倍の甘さ([[甘味度]])がある[[食品添加物]]である。 == 化学的性質 == [[化学式]]は C<sub>12</sub>H<sub>22</sub>O<sub>11</sub> であり、グルコースとフルクトースが[[グリコシド結合|α-1,2-グリコシド結合]]した二糖類である。[[組織名 (化学)|組織名]]は '''β-D-フルクトフラノシル-(2↔1)-α-D-グルコピラノシド''' (β-D-fructofuranosyl-(2↔1)-α-D-glucopyranoside) である。語尾が「- オシド ( -oside)」になっているのは[[還元糖]]ではないためである。グルコースの[[アルデヒド基]]とフルクトースの[[ケトン基]]が共にグリコシド結合のため酸化されず、二糖類としては[[トレハロース]]と同じように例外的に還元性を持たない。なお[[多糖類]]には共通の性質として還元性がない。 濃硫酸によって[[脱水反応]]が[[触媒]]され、[[単体]]の[[炭素]]が得られる。 :<math>\mbox{C}_{12} \mbox{H}_{22} \mbox{O}_{11} \ \xrightarrow{\mbox{H}_2\mbox{SO}_4} \ 12\mbox{C} + 11\mbox{H}_2\mbox{O}</math> また、[[角砂糖]]に火を近づけても溶けたり焦げたりするだけで燃焼は起きないが、灰をかけて火を近づけると[[触媒反応]]によって[[燃焼]]が起こる。 == 砂糖水試験 == [[発作性夜間ヘモグロビン尿症]]を発症しているかどうかを調べる検査手法の1つとして、砂糖水試験あるいはショ糖溶血試験<ref>飛田美穂, 渡辺順, 高宮登美 ほか、「[https://doi.org/10.14842/jpnjnephrol1959.31.891 発作性夜間血色素尿症に合併した急性腎不全]」『日本腎臓学会誌』1989年 31巻 8号 p.891-895, {{doi|10.14842/jpnjnephrol1959.31.891}}</ref>({{lang-en|sugar water test}})という手法が存在する<ref name="K_O_I_Y_im6_p129">河合忠, 屋形稔, 伊藤喜久, 山田俊幸 編集 『異常値の出るメカニズム(第6版)』 p.129 医学書院 2013年2月1日発行 ISBN 978-4-260-01656-8</ref>。 具体的には、血液と等張なスクロース水溶液を作成し<ref group="注釈">約0.154([[モル|mol]]/リットル)のスクロース水溶液を作れば、[[生理食塩水]]と等張になる。したがって、約52.7 gのスクロースを、1 リットルの水に溶かせば良い。</ref>、そこに被験者の赤血球を加えてから室温で1 時間放置した時に、どれだけ[[溶血]]したかを調べる<ref name="K_O_I_Y_im6_p129"/>。スクロース水溶液のような事実上イオンを含まない溶液中に赤血球を放り込むと、血中に含まれている[[補体]]が赤血球の表面に結合しやすくなる<ref name="K_O_I_Y_im6_p129"/>。このため[[膜侵襲複合体]]も形成しやすくなり、赤血球の細胞膜に穴が作られて、溶血が起こりやすくなる。 もしも、溶血した赤血球が10 %以上だった場合は、砂糖水試験陽性とされ<ref name="K_O_I_Y_im6_p129"/>、発作性夜間ヘモグロビン尿症の疑いと判断される。逆に、溶血した赤血球が5 %以下ならば、砂糖水試験陰性とされる<ref name="K_O_I_Y_im6_p129"/>。 このように、比較的簡便で費用も安い試験法ながら、必ずしも発作性夜間ヘモグロビン尿症だけを原因として、砂糖水試験が陽性になるとは限らない。例えば、様々な理由で溶血しやすくなっている者の赤血球でも、砂糖水試験が陽性となる場合もあるという問題が知られている<ref name="K_O_I_Y_im6_p129"/>。 == 注釈 == <references group="注釈"/> == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist|30em}} == 参考文献== * [[伊藤汎]] 監修 『砂糖の文化誌 ―日本人と砂糖』 八坂書房、2008年。ISBN 4896949226 == 関連項目 == * [[砂糖]] * [[炭水化物]] * [[異性化糖]] * [[メイラード反応]] * [[糖度]] == 外部リンク == * [https://alic.go.jp/sugar/ 砂糖]([[農畜産業振興機構]]) * {{ICSC|1507}} {{炭水化物}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:すくろおす}} [[Category:二糖]]
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