スピネルのソースを表示

{{Otheruses|鉱物|[[ルルティア]]の[[シングル]]|スピネル (ルルティアの曲)|カードキャプターさくらのスピネル・サン|カードキャプターさくらの登場人物}}
{{Infobox 鉱物
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|alt = ベトナム産
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|references = <ref>{{Cite book|和書
 |editor = [[国立天文台]]
 |title = [[理科年表]] 平成20年
 |year = 2007
 |publisher = [[丸善]]
 |isbn = 978-4-621-07902-7
 |page = 639
 |chapter = おもな鉱物
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 |name = Spinel
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 |accessdate = 2012-04-11
 }}</ref><ref name="webmineral">{{WebMineral
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 |accessdate = 2012-04-11
 }}</ref>
}}
'''スピネル'''（{{Lang-en-short|spinel}}<ref name="terms">{{Cite book
 |1         = 和書
 |author    = [[文部省]]編
 |title     = [[学術用語集]] 地学編
 |year      = 1984
 |publisher = [[日本学術振興会]]
 |isbn      = 4-8181-8401-2
 |page      = 143
}}</ref>）は、[[鉱物]]（[[酸化鉱物]]）の一種。{{読み仮名|'''尖晶石'''|せんしょうせき}}ともいう。[[化学組成]]は [[マグネシウム|Mg]][[アルミニウム|Al]]{{sub|2}}O{{sub|4}}、[[結晶系]]は[[等軸晶系]]。[[スピネルグループ]]の鉱物。語源は[[ラテン語]]で「[[棘]]」を意味する spina である。

== 産出地 ==<!-- 主産地（国、または地方） -->
産地としては、[[ミャンマー]]、[[スリランカ]]、[[ナイジェリア]]が原産地である。

[[石灰岩]]、[[片麻岩]]、[[蛇紋岩]]、[[かんらん岩]]中に存在する。

== 性質・特徴 ==
無色または半透明で、赤色系（赤〜ピンク、蛍光ピンク）、青色系（紺〜水色）、紫色系（濃紫〜ラベンダー）緑色、オレンジ色、褐色、黒色などがある。八面体の結晶として産出する。

黄色は天然での産出がない。

赤およびピンクは、少量のクロムが原因で発色する。 クロム含有量が高ければ高いほど、赤の色相が強くなる。オレンジおよびパープルは、鉄とクロムの混合物が原因となる。紫から青のスピネルは、微量の鉄を含むことで発色し、'''コバルトスピネル'''と呼ばれる鮮やかな青は、少量のコバルトを含む。

ミャンマー産の'''レッドスピネル'''のよい色のものは秀逸であるが、価格が非常に高い。それ以外にも、青色、ラベンダー色、ピンク、そしてそれらの中間色のものがよく産出される。青色のものはしばしば[[鉄]]分を含み、ややくすんだ青になる。

スリランカ産では、レッドスピネルは少ないが、その代わりピンクのきれいなものが良くとれる。

それ以外の産地として有名なのは[[中央アジア]]の'''ピンクスピネル'''であり、これは大変希少である。[[マダガスカル]]からも少量産出することが知られている。

ナイジェリア産としては「'''ブルーガーナイト'''（産地：ナイジェリア/カドゥーナ/カゴロ）」と呼ばれる青色のものが採れる（亜鉛を含むものをガーノスピネルその中でも主成分が亜鉛の場合はガーナイトと呼ばれる）。亜鉛とコバルトを含むスピネルをコバルトガーナイトという。

== 特殊効果 ==
{{出典の明記|section=1|date=2021年10月}}
[[キャッツアイ効果]]、[[変色効果|カラーチェンジ]]、[[スター効果]]がある。すべてスリランカのものが有名である。ただし、キャッツアイにせよ、スター（4-rays、6-raysの両方がある）にせよ、ほとんどの石は、地色がチョコレート色なので、コレクターアイテム以上の使い道は期待できない。カラーチェンジについては、[[コバルト]]を含有したもののなかで、美しいブルーからピンクに鮮やかに変色するものがまれにある。ただ、これもコバルトスピネルが希少なものであり、その上、カラーチェンジがあるからといって、価格があがるということはないと思われる。

== 用途・加工法 ==
[[ファイル:Spinel2.jpg|サムネイル|スピネル]]
[[宝石]]として加工される。

== 歴史 ==
長い間、[[ルビー]]とレッドスピネルは混同されていた。

[[イギリス王室]]の[[戴冠式]]用の[[西洋の冠|王冠]]に飾られている「[[黒太子のルビー]]」は、ルビーではなくレッドスピネルである。かつては古い産地である[[アフガニスタン]]の地名をとって「バラス・ルビー」と呼ばれていた。<ref>{{Cite book|title=ずかん　宝石|date=2012年11月1日|year=2012|publisher=技術評論社}}</ref>産地が極めて限定されており、しかも、産出量はそう多くないので、実際は稀少な石なのであるが、このような歴史的経緯から、「ルビーと紛らわしい石」と云ったレッテルを貼られ、人気や知名度も常にルビーの後ろに位置するので、それほど高価にはならない。

1783年、鉱物学者 Jean-Baptiste Louis de ROMÉ de L’ISLE（ジャン バティスト·ルイ·ド ロメ·ド リル）はスピネルをルビーとは別の鉱物として鑑別した。

かつては、無色の石がマグラックスと云った[[商標]]で[[ダイヤモンド類似石]]に用いられていた。

現在では、[[ベルヌーイ法]]、[[フラックス法]]による合成品が製造されている。黄色は、この合成石でのみ存在する。

== スピネル型結晶構造 ==
{{See also|en:Spinel group}}
[[ファイル:Spinel structure.png|サムネイル|スピネル型結晶構造]]
スピネル型結晶構造をとる[[化合物]]には、電子材料として重要なものが多い。
* [[フェライト (磁性材料)#スピネルフェライト|フェライト]] - {{chem|AFe|2|O|4}}、AはMn、Ni、Cu、Zn等
* [[サーミスタ#NTCサーミスタ|NTCサーミスタ]] - Ni、Mn、Co、Feなどからなる複合酸化物
* [[マンガン酸リチウム]] - {{chem|LiMn|2|O|4}}、[[リチウムイオン二次電池]]の正極材料

== スピネルグループ ==
現在では[[スピネルスーパーグループ]]のオキシスピネルグループ・スピネルサブグループに位置付けられる。

* スピネル (spinel) - <chem>MgAl2O4</chem>
* [[キュプロスピネル]]（Cuprospinel）<chem>CuFe2O4</chem>
* [[鉄スピネル]] (hercynite) - <chem>FeAl2O4</chem>
* [[亜鉛スピネル]] (gahnite) - <chem>ZnAl2O4</chem>
* [[ガラクス石]] (galaxite) - <chem>MnAl2O4</chem>
* [[磁鉄鉱]] (magnetite) - <chem>FeFe^{3+}{}_2O4</chem>
* 磁苦土鉄鉱 ([[:w:Magnesioferrite|magnesioferrite]]) - <chem>MgFe^{3+}{}_2O4</chem>
* [[ヤコブス鉱]] (jacobsite) - <chem>MnFe^{3+}{}_2O4</chem>
* [[クロム鉄鉱]] (chromite) - <chem>FeCr2O4</chem>
* [[クロム苦土鉱]] (magnesiochromite) - <chem>MgCr2O4</chem>

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 == <!-- {{Cite book}}、{{Cite journal}} -->
{{参照方法|date=2023年2月|section=1}}
* {{Cite book|和書
|author = [[黒田吉益]]
|coauthors = [[諏訪兼位]]
|title = 偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版
|year = 1983
|publisher = [[共立出版]]
|isbn = 4-320-04578-5
|pages = 165-167
|chapter = 5.1 D. 尖晶石類・スピネル類
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[松原聰]]
|title = 日本の鉱物
|year = 2003
|publisher = [[学習研究社]]
|series = フィールドベスト図鑑
|isbn = 4-05-402013-5
|page = 71
|chapter = 亜鉛スピネル
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[松原聰]]
|coauthors = [[宮脇律郎]]
|title = 日本産鉱物型録
|year = 2006
|publisher = [[学校法人東海大学出版会|東海大学出版会]]
|series = [[国立科学博物館]]叢書
|id = ISBN 4-486-03157-1、ISBN-13:978-4-486-03157-4
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[青木正博]]
|title = 鉱物分類図鑑：見分けるポイントがわかる
|year = 2011
|publisher = [[誠文堂新光社]]
|isbn = 978-4-416-21104-5
|page = 74
}}

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Spinel}}
* [[鉱物]] - [[酸化鉱物]]
* [[鉱物の一覧]]
* [[宝石]]、[[宝石の一覧]]

== 外部リンク == <!-- {{Cite web}} -->
* {{Mindat
|name = Spinel Group
|id = 29156
|accessdate = 2012-04-11
}}
* [http://home.hiroshima-u.ac.jp/yhiraya/er/Mn/Mn_KLG_spi.html Spinel〔スピネル〕グループ] - [[広島大学]] 大学院総合科学研究科 地球資源論研究室 福岡正人

{{DEFAULTSORT:すひねる}}
[[Category:酸化鉱物]]
[[Category:宝石]]
[[Category:酸化物]]
[[Category:マグネシウム鉱物]]
[[Category:アルミニウム鉱物]]
[[Category:立方晶系鉱物]]
[[Category:発光鉱物]]