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スピン軌道相互作用
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{{出典の明記| date = 2023-01}} '''スピン軌道相互作用'''({{Lang-en-short|Spin orbit coupling}}、稀に{{Lang-en-short|Spin orbit interaction}})とは[[電子]]の[[スピン角運動量|スピン]]と、電子の[[軌道角運動量]]との相互作用のこと。 相対論的に取り扱われる[[ディラック方程式]]([[相対論的量子力学]])では自然に導入される概念である。スピン軌道相互作用により、[[縮退]]していた電子の[[エネルギー固有値]]が分裂する。 [[マリア・ゲッパート=メイヤー|ゲッパート=マイヤー]]と[[ヨハネス・ハンス・イェンゼン|イェンセン]]は、原子核の問題について、スピン軌道相互作用を導入した[[殻模型]]を用いれば、その準位の分裂から、実験的に知られていた安定な核子数、[[魔法数]]を説明できることを発見し、[[ノーベル賞]]を受賞した。 原子の[[最外殻電子]]ではスピン軌道相互作用によりスピン・軌道角運動量の向きがそろうことがある。常温の範囲では分裂した準位(LS多重項という)の中で最低エネルギーをもつ準位に状態がある確率が高い。最低エネルギーの多重項を知るために[[フントの規則]]とよばれる実験則が有効である。 == 古典的な説明 == {{出典の明記| section = 1| date = 2023-01}} 水素原子内の電子は陽子のまわりを回転しているが、これを電子の上に乗っている人から見ると、電子のまわりを陽子が回転しているように見える。回転している陽子は円形電流とみなすことができ、[[ビオ・サバールの法則]]により、それは電子上に磁場<math>\mathbf{B}</math>を作る。その磁場が電子のスピンによる磁気双極子モーメント<math>\mathbf{\mu}</math>に作用する。この相互作用は<math>\mathbf{B}\cdot\mathbf{\mu}</math>に比例する。<math>\mathbf{\mu}</math>はスピン角運動量<math>\mathbf{s}</math>に比例している。一方で陽子のつくる磁場<math>\mathbf{B}</math>は陽子の磁気双極子モーメント<math>\mathbf{\mu^{(P)}}</math>に比例し、その<math>\mathbf{\mu^{(P)}}</math>は陽子の軌道角運動量<math>\mathbf{L}</math>に比例している。したがってこの場合の電子-陽子間の相互作用エネルギーは<math>\mathbf{s \cdot L}</math>に比例する<ref>{{Cite book|和書|author=砂川重信|year=1991|title=量子力学|publisher=[[岩波書店]]|id=ISBN 4000061399}}</ref>。 ==具体的な表式== {{出典の明記| section = 1| date = 2023-01}} 球対称な[[ポテンシャル]]中での一電子に関する、スピン軌道相互作用 ''H''<SUB>SO</SUB> は、 :<math> H_{\rm SO} = V(r)(\mathbf{l} \cdot \mathbf{s}) </math> :<math> V(r) = - (g - 1) \left( {e \hbar^2 \over {2 m^2 c^2} } \right) \left( {1 \over r} {d \phi (r) \over {dr} } \right) </math> '''l''' は[[軌道角運動量]]、'''s''' は[[スピン角運動量]](共に、<math>\hbar</math> を単位とする)、<math> \hbar = h / 2 \pi </math> で、''h'' は[[プランク定数]]、''e'' は[[素電荷]]、''m'' は電子の質量、''r'' は電子の位置座標、''c'' は[[光速]]、''g'' は [[g因子|''g''因子]](真空中の[[自由電子]]の場合、''g'' = 2)である。φ は球対称場での[[電場]]('''E'''(''r'') とする)に対する[[スカラーポテンシャル]]で、 :<math> \mathbf{E}(r) = - \mathrm{grad}\,\phi (r) = - \mathbf{r} \left( {1 \over r} {d \phi (r) \over {dr} } \right) </math> である。 ポテンシャルが非球対称の場合は、 :<math> H_{\rm SO} = (g - 1) \left( {e \hbar \over {2 m c^2} } \right) [ E(\mathbf{r}) \times \mathbf{v} ] \cdot \mathbf{s} </math> となる。'''v''' は電子の速度、''E''('''r''') は球対称でない[[電場]]。 非相対論的な[[シュレーディンガー方程式]]に対し、最も影響の大きい[[相対論効果]]はスピン軌道相互作用の項なので、これを[[摂動]]項としてシュレーディンガー方程式に取り入れて解かれることがある。 (補足)<br/>上に挙げた電子以外に、[[原子核]]の核子([[陽子]]や[[中性子]])もスピンを持つので(核スピン)、これらに関してのスピン軌道相互作用が存在する。 == スピン軌道分裂 == {{出典の明記| section = 1| date = 2023-01}} スピン軌道相互作用''H<sub>SO</sub>'' が一粒子ポテンシャルに付け加わる場合を摂動論で考える。 一体ハミルトニアン''H<sub>0</sub>'' = ''T'' + ''U(r)'' の固有値問題を解くことによって一粒子準位''E<sub>nl</sub>'' と一粒子波動関数''R<sub>nl</sub>''(''r'')''Y<sub>lm</sub>''(''θ,φ'')が求められているとする。粒子のスピンは1/2とする。 このような相互作用があると、スピン角運動量<math>\mathbf{s}</math>と軌道角運動量<math>\mathbf{l}</math>は別々に[[良い量子数]]になることができなくなり、全角運動量のみが良い量子数になる。<math>j</math>の値としては[[角運動量の合成]]則から<math>l+(1/2)</math>と<math>l-(1/2)</math>が可能である。 :<math>\mathbf{s\cdot l}=(1/2)(\mathbf{j}^2-\mathbf{s}^2-\mathbf{l}^2)</math> であるから、<math>\mathbf{s\cdot l}</math>の期待値は<math>j=l+1/2</math>に対して<math>l/2</math>、<math>j=l-1/2</math>に対して<math>-(l+1)/2</math>と得られる。 動径積分を<math>\xi_{nl}</math>とおくと、<math>j=l-1/2</math>の軌道と<math>j=l+1/2</math>の軌道のエネルギー差は<math>-\{l+(1/2)\}\xi_{nl}</math>となる。また<math>\xi_{nl}</math>が''n'' および''l'' によって余り変化しないものとすれば、スピン軌道分裂は''l''の値が大きいほど大きくなる。 == 関連項目 == *[[量子力学]] *[[物性物理学]] *[[微細構造 (原子物理学)|微細構造]] ==参考文献== <references/> [[Category:量子力学|すひんきとうそうこさよう]] [[Category:固体物理学|すひんきとうそうこさよう]] [[Category:電子|すひんきとうそうこさよう]]
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