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{{混同|x1=母体となる文字の上に重ねて発音を区別する|ストローク符号}} {{redirect|斜線|[[表計算ソフト]]のセルに引かれるもの|罫線}} {{記号文字|/}} '''[[スラッシュ]]''' (slash)、'''スラント''' (slant)、'''[[ソリドゥス]]'''<ref name="IBMLocaleSymbolMapping">{{Cite web|和書|url=https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/ssw_i5_54/nls/rbagslocalesymbolmapnames.htm|title=ロケール記号名のマッピグ|publisher=IBM|accessdate=2017-07-22}}</ref> (solidus)、または'''斜線'''(しゃせん)は、[[約物]]の一つで、「'''/'''」と書き表される。 ただし、斜線と言う場合には、いわゆる[[バックスラッシュ]]({{backslash}})や、約物以外のさまざまな斜めの線が含まれるので、一般にはスラッシュと呼ばれることが多い。 == 国際的な用法 == === 日付 === [[算用数字]]で表した[[年月日]]または月日の区切りとして用いる。[[日付#年月日の順序の混乱|日付の順序]]は国・言語によって異なり、これを「[[エンディアン#日付表現のエンディアン|エンディアン]]」という。 例えば、[[2010年]][[11月8日]]は次のとおりである。()内の表記は年を省略した11月8日を表す。 * 2010/11/8 (11/8) - [[日本]]、[[中華人民共和国|中国]]、[[大韓民国|韓国]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|ビッグエンディアン]]) * 11/8/2010 (11/8) - [[アメリカ合衆国]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|ミドルエンディアン]]) * 8/11/2010 (8/11) - [[イギリス]]、[[フランス]]、[[イタリア]]、[[イスラエル]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|リトルエンディアン]]) * 8.11.2010 (8.11) - [[ドイツ]] [[日付]]と時間の国際規格である[[ISO 8601]]では、[[エンディアン#日付表現のエンディアン|ビッグエンディアン]]のみが認められており、かつ区切りにはスラッシュは用いず、「-」([[ハイフン]])を用いる。なお、年を省略した「11-08」のような記法は存在しない。 * 2010-11-08 - [[ISO 8601]] 西暦を下二桁で表記する慣用もあり、また2桁になるように0(ゼロ)を先行させる場合もある(ISO 8601では4桁が必須)。その場合は、 * 10/11/8 (11/8) または 10/11/08 (11/08)- [[日本]]、[[中華人民共和国|中国]]、[[大韓民国|韓国]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|ビッグエンディアン]]) * 11/8/10 (11/8) または 11/08/10 (11/08)- [[アメリカ合衆国]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|ミドルエンディアン]]) * 8/11/10 (8/11) または 08/11/10 (08/11)- [[イギリス]]、[[フランス]]、[[イタリア]]、[[イスラエル]]など([[エンディアン#日付表現のエンディアン|リトルエンディアン]]) * 8.11.10 (8.11) または 08.11.10 (08.11)- [[ドイツ]] * ISO 8601には西暦を下二桁で表記する記法は存在しない。 [[ISO 8601]]では、スラッシュは期間を表す。例えば、「2004-01-31/2005-01-30」は「2004年1月31日から2005年1月30日」を表す([[ISO 8601#期間、時間間隔]])。 [[ヨーロッパ]]諸国では、[[ユリウス暦]]から[[グレゴリオ暦]]への移行時期に、混乱を防ぐため、ユリウス暦とグレゴリオ暦の日付をスラッシュを挟んで併記していた。 === 科学・数学・比率 === *[[分数]]で、縦のスペースを節約したいときや、分数形式だと式が読みづらくなるときなど、<math>\textstyle \frac{1}{3}</math> = {{分数|1|3}} = 1/3 (3分の1)のように書く。 **日本語圏や英語圏などでは[[除法|割り算]]の[[演算 (数学)|演算子]]を「[[÷]]」で表すが<ref>「[[コロン (記号)|:]]」を使う文化圏もある</ref>、コンピュータなどでは「÷」が基本的な[[文字セット]]([[ASCII]]など)に含まれていないため、分数として捉えて代わりに「/」を使う。多くの[[プログラミング言語]]でこの記法が採用されている(下記[[#コンピュータにおけるスラッシュ]]参照)。 **[[SI組立単位]]の[[単位記号]]で、割り算を表す。例えば、m/s([[メートル毎秒]])。 *数学において、それ以外にも各種の割り算([[商 (数学)|商]])を表す。場合によっては、2つ以上のスラッシュを並べる(例えば {{仮リンク|GIT 商|en|GIT quotient}})。 *他の記号に重ねて書いて、「[[否定|〜でない]]」を表す。たとえば、「[[≠]]」(イコールでない)。 *[[グラフ (関数)|グラフ]]や[[統計図表]]においてスケールが大きく異なる値を同じ図面上に掲載したい時、軸を割る形で記号を2つ繋げて「―//―」と書き、実際には大きく間が空いているにもかかわらず軸の途中が省略されていることを示す。 *[[為替レート]]で例えば「USD/JPY」と書いたときは、「1USD([[アメリカドル|USドル]])が何JPY([[円 (通貨)|日本円]])か」、すなわち1USDの価値を1JPYの価値で割った値を示す。(2012年時点では、USD/JPY ≒ 80。<ref>[http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ 外国為替市況(日次)]、日本銀行</ref>)[[組立単位]](1 USD毎JPY)だと考えてはいけない<ref>[http://system-trading.jp/toyoshima/index.php?ID=70 FXレートの単位]、基礎から学ぶシステムトレード</ref>。 === 接続詞的用法(結びつき) === *文脈によって「または」か「および」を表す。以下の例は英語の場合であるが、多くの言語で使われる。 **green and/or small car = 緑色でかつ(and)小さい車、または、緑色であるかもしくは(or)小さい車。要するに、緑色の車と小さい車の両方(緑色かつ小さい車を含む)を指す。 **the Ernest Hemingway/William Faulkner generation = [[アーネスト・ヘミングウェイ]]や[[ウィリアム・フォークナー]]の世代 **[[F/A-18 (航空機)|F/A-18]] = [[戦闘機]](F)兼[[攻撃機]](A) *[[両A面シングル]]の曲タイトルを連記するのに使われる。たとえば、「[[ガラスの林檎/SWEET MEMORIES]]」。 *航空券における出発地・到着地の表記や[[コードシェア]]便の表記。同一都市に複数の[[空港]]が含まれる場合は「都市名'''/'''空港名」と表記される場合があり、「東京/[[東京国際空港|羽田]]」「東京/[[成田国際空港|成田]]」「大阪/[[大阪国際空港|伊丹]]」「大阪/[[関西国際空港|関空]]」などと表記される (他には都市名、空港名いずれかが括弧書される場合がある<ref name="A">[http://flyteam.jp/airline_route/nrt_ord/flight_schedule#nrt_ord 成田(東京) - シカゴ 時刻表(2016年11月)] </ref>ほか、「東京 - 成田」のようにハイフンで結ばれる場合もある<ref name="C">[http://www.delta.com/content/www/en_US/traveling-with-us/airports-and-aircraft/airports/tokyo.html]([[デルタ航空]]、英語)</ref>)。コードシェア便についても同様に、「[[アメリカン航空|AA]]154/[[日本航空|JL]]7010<ref name="A" /><ref name="B">[http://www.fukuekuko.jp/user_data/timetable/ 福江空港ターミナルビル株式会社 / フライト時刻表]など。(他にも空港・飛行場の掲示板など)</ref>」などの表記が見られる。 === 記号的用法 === * 何かに重ねて書いて、取り消しを表す。 * [[チェックマーク]]がスラッシュのような字形で書かれることがある。 * [[ボウリング]]でスペアを表す。ただし、手書き以外では、右下を塗りつぶし黒い直角三角形にすることが多い。 * [[アマチュア無線]]では、常置場所とは異なる場所で運用する無線局(移動運用局)であることを示すために、[[呼出符号]]に「/」を付け、運用地を示す英数字を加える<ref>[http://qtc-japan.net/2001/03_news&topics/image_5/ja0sc.pdf 『移動運用における呼出符号(コールサイン)』]</ref>。この際の発音は、世界的には「ストローク」(stroke)が一般的であるが、日本国内では「ポータブル」(portable)と読まれることが多い。なお、この用法以外にも、呼出符号に情報を付加するために「/」を用いるケースもある。 === 文章 === * 詩行や歌詞の行を区切るのに、改行のかわりに用いる。[[チェス]]の[[Forsyth-Edwards Notation|FEN記法]]でも使われている。 === 文字 === *[[ダイアクリティカルマーク]]としてスラッシュを重ねた文字がさまざまな言語で使われる。代表的なのは、[[デンマーク語]]などの「[[ø]]」。[[Unicode]] では STROKE と呼んでいる。[[ストローク符号]]を参照。 *0(ゼロ)とO(オー)の区別のために、ゼロにスラッシュを付けた[[斜線付きゼロ]]で表す場合がある。 === 名称 === *[[スラッシュドット]] (/.) は[[電子掲示板]]。 *[[グレッグ・ベア]]の小説のタイトル『/』(日本語題『斜線都市』)。 == 特定の言語圏での用法 == === 日本語 === * 音楽CDのタイトルとアーティストを連記するのに使う。たとえば、「[[勝手にシンドバッド]]/[[サザンオールスターズ]]」。この記法は両A面シングルの曲名表記と紛らわしいことがある。 *[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]の[[駅名標]]は、隣の駅が2方向以上ある駅については、スラッシュで分けている。 * [[インターネットスラング]]で、[[顔文字]]の一種。文末に使用して恥ずかしさや照れを表す。「例:だめっ///」 * [[競技クイズ]]で、[[早押しクイズ]]の記録集において、問題文中で[[早押しボタン]]が押されたところを表す{{Sfn|伊沢|2021|p=473}}。「例:日本で一番高い山/は何?」 === 英語 === * [[頭字語]]を表す。たとえば、B/S=Balance Sheet([[貸借対照表]])。 * [[シリング]]と[[ペニー]]の区切りに使う。たとえば、「1/6」は1シリング6ペンス。 * 例えば「7/8 May」は5月7日から5月8日にかけての[[夜]]。 * 金額で、「/-」で[[通貨の補助単位|補助通貨]]の桁が0であることを示す。たとえば「$10/-」は「10ドル0セント」。 * 同人創作活動において、[[カップリング (同人)]]を表す際に、日本語の「[[×#カップリング|×]]」の代わりに用いられる。 == コンピュータにおけるスラッシュ == 現代の[[コンピュータ]][[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]には標準的に装備されている。 *106キーボードや109キーボードにおいて、「[[・]]」(「[[?]]」「[[め]]」がともに印字されているキーボード)を入力した状態で変換すると半角および全角の「/」が候補に現れる。 *[[除算]]の[[演算 (数学)|演算子]]として用いる。例えば6を2で割る場合は <code>6/2</code> のように記す。 *いくつかの[[プログラミング言語]]で、次の形で[[コメント (コンピュータ)|コメント]]を表す。 **「/* 〜 */」で、その間がコメントであることを表す。[[C言語]]など。 **「// 〜」で、そこから行末までがコメントであることを表す。[[C++]]など。 *[[Python]]や[[Perl]](バージョン5.10以降)のように、ダブルスラッシュ<code>//</code>をひとつの演算子として扱う言語もある。 *[[UNIX]][[オペレーティングシステム]]において、[[パス (コンピュータ)|パス]]区切り記号として、[[ディレクトリ]](パーソナルコンピュータの[[ディレクトリ|フォルダ]]と類似の概念)を表し、ディレクトリ名の後(あるいは、ネットワーク内のコンピュータ名の後)に置かれる。また、「//」で、ネットワーク全体を表す。UNIXではないが[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]上でUNIXのように振る舞っているコンピュータもこれに準じ、したがって、インターネットの[[Uniform Resource Locator|URL]]でも同様である。 *[[スーパーユーザー]]を表す。 *[[Internet Relay Chat]]など、環境によっては[[コマンド (コンピュータ)|コマンド]]の識別子として用いられる。また、[[MS-DOS]]のように、コマンドに与えるオプションの[[区切り文字]](開始記号)としてスラッシュを用いる場合もある。 *[[IPアドレス]]において、アドレスの後にスラッシュと数値をつなげることで、あるアドレス範囲を示す。[[Classless Inter-Domain Routing|CIDR]]も参照のこと。 == 符号位置 == {| class="wikitable" style="text-align:center;" !記号!![[Unicode]]!![[JIS X 0213]]!![[文字参照]]!!名称 {{CharCode|47|002F|0x2F ([[JIS X 0201]])<br/>1-1-31|solidus}} {{CharCode|823|0337|-|combining short solidus overlay}} {{CharCode|824|0338|-|combining long solidus overlay}} {{CharCode|8260|2044|-|fraction slash|frasl}} {{CharCode|8725|2215|-|division slash}} {{CharCode|9585|2571|-|box drawing light diagonal upper right to lower left}} {{CharCode|65295|FF0F|1-1-31 ([[全角と半角|代替名称]])|fullwidth solidus}} |} == 脚注 == {{Reflist}} == 参考文献 == * {{Cite book |和書 |author = 伊沢拓司 |authorlink= 伊沢拓司 |date = 2021年10月30日 |title = クイズ思考の解体 |isbn = 978-4-023-31983-7 |ref={{SfnRef|伊沢|2021}} |publisher=朝日新聞社 }} == 関連項目 == * [[バックスラッシュ]](\) * [[円記号]](¥記号) * [[シリング#シリング記号]] * [[ソリドゥス金貨]] * [[斜線制限]] - [[建築基準法]]などによる建物の形状の制限の規定。 {{Punctuation marks|/}} {{デフォルトソート:すらつしゆ}} [[category:約物]]
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