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[[Image:Sulfinic-acid-2D.png|170px|thumb|スルフィン酸の一般構造式]] '''スルフィン酸'''(スルフィンさん、sulfinic acid)とは、[[有機硫黄化合物]]の一種で、構造式が R-S(=O)OH と表される一連の[[オキソ酸]]のこと。 == 性質 == スルフィン酸は一般に、[[スルホン酸]]と同程度の強酸性を示す。しかし、化学的にはやや不安定で、[[不均化]]を起こしてスルホン酸と[[スルフェン酸]]に変わる。スルフェン酸はさらに不安定であり、不均化や付加などを起こす。 金属塩の形では比較的安定となり、芳香族スルフィン酸のナトリウム塩は市販品として入手可能である。 == 命名法 == [[IUPAC命名法]]においてスルフィン酸は、例えばベンゼンスルフィン酸 (benzenesulfinic acid, C<sub>6</sub>H<sub>5</sub>-S(=O)OH) のように、母骨格名に接尾辞「スルフィン酸」を添えて表す。-S(=O)OH 部位は、'''スルフィノ基''' (sulfino group) と呼ばれ、対応する接頭辞は「スルフィノ」である。 == 合成 == 通常、塩化スルホニルを金属[[亜鉛]]などで還元し<ref>例: Whitmore, F. C.; Hamilton, F. H. ''Org. Synth.'', Coll. Vol. 1, p.492 (1941); Vol. 2, p.89 (1922). [http://www.orgsynth.org/orgsyn/prep.asp?prep=cv1p0492 オンライン版]</ref>、得られる亜鉛の塩を酸で分解してスルフィン酸とする。 : <chem>2R-S(=O)2-Cl\ + 2Zn -> (R-S(=O)O)2Zn\ + ZnCl2</chem> : <chem>(R-S(=O)O)2Zn\ + 2HCl -> 2R-S(=O)OH\ + ZnCl2</chem> [[亜硫酸ナトリウム]]など、他の還元剤を用いる手法も知られる。 == 反応 == スルフィン酸に塩基を作用させると、[[共役塩基]]であるスルフィナートアニオンが発生する。 : <chem>R-S(=O)OH\ + \mathit{Base} -> R-S(=O)O^-\ + \mathit{Base}-H^+</chem> このスルフィナートアニオンは[[求核剤]]として振る舞う。例えば[[ハロゲン化アルキル]]と反応すると、炭素-硫黄結合が生成して[[スルホン]]が得られる。 : <chem>R-S(=O)O^-\ + R'-X -> R-S(=O)2-R'\ + X^-</chem> この反応では、[[HSAB則]] で堅いとされる[[求電子剤]]を用いた場合は特に、炭素が酸素と結合したスルフィン酸エステル (R-S(=O)OR') が副生物となる。 == 参考文献 == * Smith, M. B.; March, J. in March's Advanced Organic Chemistry, 5th ed., 2001, Wiley. <references /> == 関連項目 == * [[スルホン酸]] * [[スルフェン酸]] {{DEFAULTSORT:するふいんさん}} {{Chem-stub}} [[Category:有機硫黄化合物]] [[Category:オキソ酸]] [[Category:有機酸]] [[Category:官能基]]
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