セグリゲーション (社会現象)のソースを表示

{{加筆|社会学の立場からの解説・研究動向|date=2020年8月}}
'''セグリゲーション'''（{{lang-en|segregation|links=no}}）とは、異なる[[人種]]・[[民族]]・[[言語]]・[[宗教]]などの属性をもつ人々が共存する社会において発生する、居住地域分化現象のことである{{Sfn|浮田ほか|2004|p=157}}。このとき、少数派集団の居住地は一様に分布しなくなる{{Sfn|ノックスほか|2013|p=171}}。

== 原因 ==
セグリゲーションの原因として、少数派集団が主流集団から締め出しや[[差別]]を受けることが挙げられる{{Sfn|本岡|2013|p=344}}。締め出しとして、主流集団は少数派集団の転入を阻止しようとする{{Sfn|ノックスほか|2013|p=172}}。転入の阻止に失敗した場合は、主流集団が当該地域から転出することもあり、その結果、当該地域は少数派集団に支配されていく{{Sfn|ノックスほか|2013|p=172}}。

なお、少数派集団は特定地域に集住する（コングリゲーション<!-- 既存記事と意味が異なる-->）が、これには、主流集団による差別からの防衛、少数派集団どうしでの相互支援、少数派集団での文化維持、少数派集団による主流集団への攻撃といった意味がある{{Sfn|ノックスほか|2013|p=174}}。

== 指標 ==
セグリゲーションの進行度合いを示す指標として'''{{仮リンク|非類似係数|en|index of dissimilarity}}'''が挙げられる{{Sfn|福本|2010|p=290}}。非類似係数は、2集団の分布の差異を数値化する{{Sfn|福本|2010|p=290}}。非類似係数<math>D</math>は以下の式で表される（ただし<math>x_i</math>・<math>y_i</math>は単位地域<math>i</math>における集団X・Yの人口）{{Sfn|福本|2010|p=291}}。
:<math>D = \frac{1}{2} \sum_i^n \left | \frac{x_i}{\sum_i^n x_i} - \frac{y_i}{\sum_i^n y_i} \right |</math>

ただし、非類似係数には欠点もあるため、{{en|general spatial segregation index}}などの別の係数も提唱されている{{Sfn|福本|2010|p=291}}。

== 用語 ==
セグリゲーションを[[日本語]]に翻訳する際の定訳はない{{sfn|山下|1984|p=313}}。[[社会学]]では「[[隔離]]」・「凝離」、[[地理学]]では「居住差別」・「住み分け現象」・「隔離」などの語が充てられてきた{{sfn|山下|1984|p=313}}。[[山下清海]]は、[[今西錦司]]の提唱した[[ニッチ#棲み分け|すみわけ]]（棲み分け・住み分け）の概念を[[人間社会]]にも当てはめることができると考え、「すみわけ」を採用した{{sfn|山下|1984|pp=313-314}}。

== 人文地理学における研究 == 
[[人文地理学]]{{要出典|範囲=もしくは[[社会地理学]]|date=2021年6月}}における少数派集団のセグリゲーション研究では、セグリゲーションの空間的パターンをもとに実態や変化を解明する研究のほか、セグリゲーションの発生プロセスや要因を解明する研究がある{{Sfn|本岡|2013|p=344}}。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|editor=浮田典良|editor-link=浮田典良|year=2004|title=最新地理学用語辞典|edition=改訂版|publisher=原書房|isbn=4-562-09054-5|ref={{SfnRef|浮田|2004}}}}
* {{Cite journal|和書|author=福本拓|year=2010|title=東京および大阪における在日外国人の空間的セグリゲーションの変化|journal=[[地理学評論]]|publisher=[[日本地理学会]]|volume=83|issue=3|pages=288-313|url=https://doi.org/10.4157/grj.83.288|ref={{SfnRef|福本|2010}}}}
* {{Cite book|和書|author=本岡拓哉|authorlink=本岡拓哉|year=2013|chapter=居住地域分化|pages=344-355|editor=人文地理学会|editor-link=人文地理学会|title=人文地理学事典|publisher=丸善出版|isbn=978-4-621-08687-2|ref={{SfnRef|本岡|2013}}}}
* {{cite journal|和書|author=山下清海|title=民族集団のすみわけに関する都市社会地理学的研究の展望|journal=人文地理|publisher=人文地理学会|volume=36|issue=4|page=312-326|date=1984|naid=130000995769|ref={{sfnref|山下|1984}}}}
* {{Cite book|和書|author=ポール・ノックス|author2=スティーヴン・ピンチ|translator=川口太郎・神谷浩夫・[[中澤高志]]|year=2013|title=改訂新版 都市社会地理学|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-5266-9|ref={{SfnRef|ノックスほか|2013}}}}

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[[Category:社会地理学]]
[[Category:社会学]]
[[Category:居住]]