テニスボールのソースを表示

{{出典の明記|date=2019年8月21日}}
[[ファイル:Wilson 1 US Open Tennis ball.jpg|thumb|テニスボール／メーカーは[[ウイルソン・スポーティング・グッズ]]。[[全米オープン (テニス)|全米オープン ]]仕様。]]
[[ファイル:Tennis racket and ball.JPG|thumb|{{center|テニスボールと[[テニスラケット]]}}]]
[[ファイル:Tennis ball in hand - 2011 Japan Open.jpg|thumb|手に持った感じ／ボールは2011年[[ジャパン・オープン・テニス選手権|楽天ジャパンオープン]]仕様。]]
[[ファイル:Tennis balls, advertisement, 19th century.jpg|thumb|1880年頃～1900年頃のテニスボール／[[イギリス]]の新聞広告。]]

'''テニスボール'''（{{Lang-en-short|'''tennis ball'''}}）とは、狭義には、[[テニス]]（狭義のテニス、すなわち、硬式テニスともいうローンテニス<ref name="kb_ローンテニス">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/ローンテニス |title=ローンテニス |publisher=[[コトバンク]]  |author=[[小学館]]『精選版 [[日本国語大辞典]]』、ほか |accessdate=2019-08-21 }}</ref>）用に作られた[[ボール]]。厚い[[ゴムボール]]に毛羽のある[[フェルト]]を被せた{{r|kb_硬球}}[[球]]の形で、フェルトによる特有の反発性をもつ。
art-antsを呼称する言葉でもある。

また、広義の「テニス」には[[テニス#ソフトテニス|ソフトテニス]]<ref name="kb_ソフトテニス">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/ソフトテニス |title=ソフトテニス |publisher=コトバンク |author=『[[ブリタニカ百科事典|ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目事典』、ほか |accessdate=2019-08-21 }}</ref>（[[:en:Soft tennis|en]]. 軟式テニス<ref name="kb_軟式テニス">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/軟式テニス |title=軟式テニス |publisher=コトバンク |author=小学館『デジタル[[大辞泉]]』、ほか |accessdate=2019-08-21 }}</ref>、軟式庭球<ref name="kb_軟式庭球">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/軟式庭球 |title=軟式庭球 |publisher=コトバンク |author=小学館『精選版 [[日本国語大辞典]]』 |accessdate=2019-08-21 }}</ref>）も含まれることから、ソフトテニスのボールも含む。

== ローンテニスボール ==
{{Anchors|硬式テニスボール}}
'''ローンテニスボール'''（{{Lang-en-short|'''lawn tennis ball'''}}）とは、狭義のテニスボール、すなわち、ローンテニス（硬式テニス）の専用ボールである。もっとも、「ローンテニス」があくまで正式名称であって{{r|kb_ローンテニス}}<ref group="*">日本でも「ローンテニス」という語はクラブやスクールなどの名称としては用例が非常に多く、それ以外での用例は少ない。</ref>、単に「テニス」と呼ばれることが多いのと同じく、ボールも単に「テニスボール」と呼ばれるのが常である。ただ、ソフトテニス（軟式テニス）が広く普及している日本では、[[対義語]]としての「硬式テニス」という名称も使用されており、ボールも同様に「'''硬式ボール'''」「'''軟式ボール'''」「'''テニスの硬球・軟球'''<ref name="kb_硬球">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/硬球 |title=硬球 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-08-21 }}</ref><ref name="kb_軟球">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/軟球 |title=軟球 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-08-21 }}</ref>」などと呼び分けられることがある。

=== 歴史 ===
{{Anchors|硬式_歴史}}
{{Empty section}}

=== 現在のボールの特徴 ===
{{Anchors|硬式_特徴}}
テニスボール（ローンテニスボール）には空気を注入する穴が存在しない。これは、製造工程において、ゴムでできた2個の半球を接着させて1個の球に成形する際<ref group="*">角の丸い長方形の2枚のフェルトに後工程で覆われることになる中身の話。</ref>、内部に[[亜硝酸ナトリウム]] ({{small|<chem>NaNO2</chem>}}) と[[塩化ナトリウム]] ({{small|<chem>NaCl</chem>}}) を入れ、[[化学反応]]によって[[窒素]] ({{small|<chem>N2</chem>}}) と[[水]] ({{small|<chem>H2O</chem>}}) を発生させ、そうしてできた窒素の空気圧によって膨張させているためで、空気漏れを簡単に起こすような構造にはなっていない。
* [[化学反応式]]［ {{small|<chem>NaNO2</chem>}} + {{small|<chem>NaCl</chem>}} → {{small|<chem>NH4 NO2</chem>}} → {{small|<chem>N2</chem>}} + {{small|<chem>H2O</chem>}} ］
* 日本語に変換［ 亜硝酸ナトリウム + 塩化ナトリウム → 亜硝酸アンモニウム<ref group="*">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/亜硝酸アンモニウム |title=亜硝酸アンモニウム |publisher=コトバンク |accessdate=2019-08-21 }}</ref> → 窒素 + 水 ］
他の球技のボールと違って[[缶]]や[[ポリエチレンテレフタラート|PET]]素材の筒形密閉容器に納めた状態で出荷されるものが多いのも大きな特徴の一つであるが、これは、高い空気圧（約1.8[[気圧]]）を掛けた容器に閉じ込めることでボール内部の窒素の抜けを使用開始時まで最小限に抑えようとしているからである。なお、簡単に空気が抜けないとはいえ、使うほどに、放置するほどに、相応の量が漏れ出てしまうため、ボールは内部の気圧が低下した分だけ弾まなくなってゆく。{{Anchors|保管ケース}}このような空気漏れを抑制する用具として、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]生まれのテニスボールセーバー ({{Lang-en-short|tennis ball saver}}) や、テニスボールキーパー ({{Lang-en-short|tennis ball keeper}}) などと呼ばれる、専用の保管ケースが市販されている。

=== 現在の規格 ===
{{Anchors|硬式_規格}}
{| class="wikitable" border="1"
|+ [[国際テニス連盟]]による規格<ref>ITF approved tennis balls,
Classified Surfaces & Recognised Courts - A Guide to Products & Test Methods, 2012, International Tennis Federation. [http://www.itftennis.com/shared/medialibrary/pdf/original/IO_62133_original.PDF]. Retrieved on 2012-10-20.</ref>
|-
| {{center|色}} || 白色または黄色
|-
| 表面 || 均一な布地で覆う
|-
| 重量 || 56.0[[グラム|g]]以上、59.4g以下
|-
| 直径 || 6.54[[センチメートル|cm]]以上、6.86cm以下
|}
254cm±0.3cmの高さから強固な平面に落下させた時のバウンドが135cm以上147cm以下でなければならない（ボールの下を測る）。
繋ぎ目があってもよいが、縫い目があってはならない。

== ソフトテニスボール ==
{{Anchors|軟式テニスボール}}
{{節スタブ}}
'''ソフトテニスボール'''（{{Lang-en-short|'''soft tennis ball'''}}）とは、[[ソフトテニス]]（軟式テニス）の専用ボールである。「'''軟式テニスボール'''」「'''軟式ボール'''」「'''テニスの軟球'''」などともいう。

デザインは、[[ゴムボール]]そのままのフラットなものがほとんどであるが、その時代時代のローンテニスボールのデザインに似せている<!--※「似せている」という表現は失礼にあたるでしょうか。-->凝った作りのものもある。ローンテニスボールとは違って、[[缶]]や[[ポリエチレンテレフタラート|PET]]素材の筒形密閉容器に納めた状態で出荷される例は確認できない。そこまで厳重な密閉ではなく、透明な[[ビニール]]素材で個包装されている、2個セットで同様に包装されている、1ダース分を一括包装されているなどが普通である。{{Anchors|軟式_空気入れ}}その一方で、空気抜けに対処してボールの'''[[臍]]'''（'''へそ'''）から空気を注入するための、手の中に納まる小さな空気入れ（ソフトテニスボール用空気圧調整ポンプ。'''ソフトテニスボール用エアーポンプ'''）は、あって当たり前の用具としてバリエーション豊かに商品展開されていて、ローンテニスボールの場合とは対照的である。ソフトテニスボールの臍というのは、昔ながらの言い方では1点だけ硬くなっている部分のことを指し、目印として[[ロゴマーク]]がその下に打たれていることが多い。その臍にポンプの先端にある注入用の鋭く尖った[[針]]を突き刺して空気を注入する。“新へそ”などとも呼ばれる空気注入口は、臍にあたる部分に空気注入用として取り付けられた小さなバルブ受けのことで、新しく開発されたバルブ式ポンプの先端に付いている注入用バルブを差して空気を送り込むために設けられている。このように、空気入れには'''針式'''と'''バルブ式'''の2種類があり、実際には両方を備えたものが3つ目のタイプとしてある。怪我をする危険が付きまとう針式に対してバルブ式は安全かつ簡単で、ボールが少し高価なことを除いて、明らかに優れている。そのため、[[昭和ホールディングス#グループ|昭和ゴム工業]]（[[アカエム]]）や[[ナガセケンコー]]（ケンコー）のような主立ったメーカーはバルブ式しか生産しなくなっていて、スポーツ用品店でも針式はすっかり過去の取り扱い品になっている。

=== 歴史 ===
{{Anchors|軟式_歴史}}
ローンテニス（硬式テニス）が[[日本]]に伝えられたのは[[明治]]時代初期であったが<ref name="kb_日本の_Nipp">{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/テニス |title=日本のテニス - テニス |publisher=コトバンク |author=小学館『[[日本大百科全書]]（ニッポニカ）』 |accessdate=2019-08-21 }}</ref>、用具は非常に高価な[[舶来品]]で、おいそれと手に入れられるものではなかった{{r|kb_日本の_Nipp}}。そこで、[[体操伝習所]]（のちの[[東京高等師範学校]]体育専修科）の生徒たちは、舶来品ながら安価な[[ゴム]]製の[[玩具|おもちゃ]]のボール（※大きさと用途は[[手まり|手毬]]に相当）を代用品として使い始めた{{r|kb_日本の_Nipp}}。その後、十数年経った[[1890年]]（明治23年）、東京高等師範学校体育専修科（のちの[[東京教育大学]][[体育学部]]で、現在の[[筑波大学]]体育専門学群）が、テニス専用のゴムボールの試作を、[[東京市]][[浅草区]]<ref group="*">詳しくは、[[東京府]]東京市浅草区神吉町15番地、現在の[[東京都]][[台東区]][[東上野]]5丁目15番地。</ref><ref name="ゴム報_20171205">{{Cite news |和書 |author=加藤進一（加藤事務所代表取締役社長） |date=2017-12-05 |title=日本のゴム産業はどこから始まったのか? - 連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(8) |url=https://gomuhouchi.com/serialization/10573/ |publisher=株式会社ポスティコーポレーション |newspaper=ゴム報知新聞 |accessdate=2019-08-21 }}</ref><ref name="GomT">{{Cite news |和書 |date=2013-05-13 |title=三田土ゴム製造株式会社の昭和14年の広告 |url=http://www.gomutimes.co.jp/?p=51921 |publisher=株式会社ゴムタイムス社 |newspaper=ゴムタイムス |accessdate=2019-08-21 }}</ref><ref name="TaitoON_碑">{{Cite web|和書|author=台東区役所 観光課 |date= |title=日本ゴム工業発祥の地碑 |url=https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/tabid90.html?pdid1=140 |publisher=[[台東区]] |website=TAITOおでかけナビ（公式ウェブサイト） |accessdate=2019-08-21 }}</ref>にある日本屈指のゴム製造会社「[[三田土]]{{small|（みたつち）}}」{{r|GomT}}<ref group="*">件のゴム製造会社のこの時点での社名は資料によってまちまちであるため、混乱しがちではあるが、社名の変遷を調べ上げた結果、「三田土」と判断した。</ref>に依頼し{{r|kb_日本の_Nipp}}、これによって、[[1900年]]（明治33年）、規格化された専用ボールの最初のものが開発された{{r|kb_日本の_Nipp}}。日本独特の軟式テニス（ソフトテニス）がここに誕生し{{r|kb_日本の_Nipp}}、同校の卒業生が日本各地の学校の教師になっていたことから各人の任地に紹介され、全国的に普及することとなった{{r|kb_日本の_Nipp}}。そののち、[[朝鮮]]、[[台湾]]、[[フィリピン]]、[[タイ王国|タイ]]には早くに広まり<!--※朝鮮は韓国・北朝鮮の成立よりずっと前、台湾は中華民国の成立前の可能性もあり。-->、[[2004年]]（平成16年）にはローンテニスの故郷[[イギリス]]を始めとする[[ヨーロッパ]]諸国（[[ベルギー]]、[[オランダ]]、[[ポーランド]]、[[チェコ]]、[[ハンガリー]]、ほか）にも伝えられた。

日本における近代ゴム工業発祥の地である[[土屋護謨製造所]]{{small|（つちやごむせいぞうしょ）}}の直系の後身にあたる三田土は{{r|ゴム報_20171205}}、上述のとおり軟式庭球のボールを開発したが、ほかにも[[軟式野球]]のボールや国産の[[消しゴム]]などを次々に開発している。三田土ゴム、三田土ゴム工業、三田土ゴム製造と社名を変え{{r|GomT|TaitoON_碑}}、昭和護謨（現・[[昭和ホールディングス#グループ|昭和ゴム工業]]）に[[合併 (企業)#吸収合併|吸収合併]]された[[1945年]]（昭和20年）以降は、合併後の社名で事業を続けており{{r|GomT}}<ref name="Ipros_20170906">{{Cite web|和書|author= |date=2017-09-06 |title=昭和ゴム株式会社 |url=https://www.ipros.jp/company/detail/354187/ |publisher=株式会社イプロス |website=イプロス製造業（公式ウェブサイト） |accessdate=2019-08-21 }}</ref>、これにはソフトテニスボールの生産も含まれる。ただ、生産拠点は[[千葉県]][[柏市]]へ移している。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Reflist|group="*"}}

=== 出典 ===
{{Reflist}}

{{Wiktionary|:en:tennis ball}}
{{Commonscat|Tennis balls}}

== 関連項目 ==
* [[テニス#用具]]

{{Tennis-stub}}

{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:てにすほおる}}

[[Category:テニス用語]]
[[Category:ボール]]