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[[File:Three_decades.svg|thumb|3ディケードの差の視覚表現: 1, 10, 100, 1000 (10<sup>0</sup>, 10<sup>1</sup>, 10<sup>2</sup>, 10<sup>3</sup>)]] [[File:Three_decades_x10.png|thumb|3ディケードの差の視覚表現: 1000個の 0.001s, 100個の 0.01s, 10個の 0.1s, 1個の 1]] '''ディケード'''(decade、記号: dec<ref>ISO 80000-3:2006 Quantities and Units – Space and time</ref>)は、[[対数スケール]]で{{仮リンク|周波数比|en|Interval ratio}}を測定するための[[物理単位|単位]]である。1ディケードは、2つの[[周波数]]の比率が10である(2つの周波数の桁が1桁違う)ことを示す<ref name="Levine">Levine, William S. (2010). ''The Control Handbook: Control System Fundamentals'', p. 9-29. {{ISBN2|9781420073621}}.</ref><ref name="Perdikaris">Perdikaris, G. (1991). ''Computer Controlled Systems: Theory and Applications'', p.117. {{ISBN2|9780792314226}}.</ref>。[[アンプ (音響機器)|アンプ]]や[[フィルタ回路|フィルター]]などの[[周波数特性]]を記述するときに使われる。 類似した単位に[[オクターヴ]]がある。1オクターヴは、2つの周波数の比率が2であることを示す。 ==計算== ディケードによる周波数の比較は、上と下のどちらの方向でも良い。すなわち、100[[ヘルツ]](Hz)の1ディケード上は1000ヘルツであり、1ディケード下は10ヘルツである。使用される単位は何でも良く、31.4[[ラジアン毎秒]](rad/s)の1ディケード下は3.14ラジアン毎秒である。 2つの周波数 <math>f_1</math>, <math>f_2</math> の間のディケードの値は、次式のように2つの周波数の比の[[常用対数]](10を底とする[[対数]])で求められる。 *<math>\log_{10} (f_2/f_1)</math> ディケード<ref name="Levine"/><ref name="Perdikaris"/> [[自然対数]]を使用すると次式のように求められる。 *<math>\ln f_2 - \ln f_1\over\ln 10</math> ディケード<ref>Davis, Don and Patronis, Eugene (2012). ''Sound System Engineering'', p.13. {{ISBN2|9780240808307}}.</ref> :15 rad/s から 150,000 rad/s へのディケードの値 ::<math>\log_{10} (150000/15) = 4</math> dec :3.2 GHz から 4.7 MHz へのディケードの値 ::<math>\log_{10} (4.7\times10^6 / 3.2\times10^9 ) = -2.83</math> dec 1オクターヴは周波数比が2であるので、1オクターヴは <math>\log_{10} (2) = 0.301</math> ディケードとなる。 ある周波数に対し特定のディケード数となる周波数を調べるには、周波数の値に10のディケード数[[冪乗|乗]]を掛ける。 :220 Hzの3ディケード下 ::<math>220 \times 10^{-3} = 0.22</math> Hz :10の1.5ディケード上 ::<math>10 \times 10^{1.5} = 316.23</math> 1ディケードを特定のステップ数に等分割したときの周波数間隔を調べるには、10をステップ数の逆数の冪乗にする。 :1ディケードを30ステップに分割した時の周波数間隔 ::<math> 10^{1/30} = 1.079775</math> – これは、それぞれのステップの周波数が、その前のステップの7.9775%増であることを意味する。 ==グラフ表現と分析== [[Image:Butterworth filter bode plot.svg|350px|thumb|right|[[ボード線図]]。横軸は対数スケールの周波数であり、ディケード単位にすると-3から+3の値になる。]] 電子回路の周波数特性を[[ボード線図]]などのグラフ形式で表す場合、大きな周波数範囲を表すために、[[線型性|線形]]スケールではなく対数スケールが一般的に使用される。多くの場合、線形スケールでは実用的ではない。例えば、アンプの周波数帯域は通常20 Hzから20 kHzであり、ディケードを単位とする対数スケールを使用すると、帯域全体を表すに便利である。一般的に、このような表現のグラフは、対数スケールで1 Hz(10<sup>0</sup>)から100 kHz(10<sup>5</sup>)までとすると、標準サイズのグラフ用紙に音声帯域を収めることができる。線形スケールでは、同じグラフ用紙で0から50までしか収められない。 一般に、周波数特性は「毎ディケード」の観点で説明される。右のボード線図の例では、阻止帯域(stopband)で-20 dB/decの勾配を示している。すなわち、周波数が10倍になるたびに(図では10 rad/sから100 rad/sに向かって)、ゲインが20 dBずつ減少する。 ==関連項目== * [[オクターヴ]] * {{仮リンク|サヴァール (単位)|en|Savart}} * [[オーダー (物理学)]] ==脚注== {{reflist}} {{DEFAULTSORT:ていけえと}} [[Category:対数スケールの単位]] [[Category:音の単位]]
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