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'''ディーコン法'''（ディーコンほう、{{Lang-en-short|Deacon process}}）は[[塩化水素]]から[[塩素]]を得る方法の一つ。[[1874年]]にヘンリー・ディーコン{{Enlink|Henry Deacon (industrialist)}}が発明し、それまでの[[二酸化マンガン]]を使う方法から取って代わられた。当時の[[炭酸ナトリウム]]の製造法である[[ルブラン法]]と組み合わせて、同法の廃棄物として生じる塩化水素から[[漂白剤|漂白]]用の塩素が作られたが、[[電解法]]が発達した現在では、商業的に行われることは少なくなった。

== 反応 ==
[[塩化銅(II)]]を[[触媒]]として、400〜450℃で塩化水素と[[酸素]]とを反応させる。
:<chem>4HCl + O2-> 2Cl2 + 2H2O + 28kJ/mol</chem>
ディーコン法に基づき、アメリカのM.W.ケロッグ社が開発したKel-Chlor法、オランダの[[ロイヤル・ダッチ・シェル|シェル石油]]が開発したShell-Chlor法、日本の[[三井化学|三井東圧]]が開発したMT-Chlor法が商業的に実施された。2000年代に入り、[[住友化学]]により[[酸化ルテニウム(IV)]]を触媒とする方法が開発された<ref>[https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-4250969/A7674372499611CBF9204F765BE570378564FDA64113B2FD0F36781C64ADEDD7/15/ja 担持酸化ルテニウム触媒の製造方法および塩素の製造方法]（j-platpat）</ref>。

== ルブラン-ディーコン法 ==
19世紀当時の[[炭酸ナトリウム]]の製造法である[[ルブラン法]]は廃棄物として塩化水素が発生し、これが環境破壊の原因となっていたが、ディーコン法は塩化水素を紙や繊維の漂白に有用な塩素に変えることができ、その結果主たる生産物は炭酸ナトリウムから塩素へと変化していった。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

{{Chem-stub}}
{{DEFAULTSORT:ていいこんほう}}
[[Category:化学工業]]
[[Category:塩素]]
[[Category:化学のエポニム]]