デノミネーションのソースを表示

{{Otheruses|経済用語のデノミネーション|キリスト教の教派|教派#キリスト教}}
{{Expand English|Redenomination|date=2024年5月}}
[[ファイル:Billets de 5000.jpg|200px|right|thumb|額面表示が5000の各国紙幣。上から[[アメリカ合衆国ドル]]，[[中央アフリカ]][[CFAフラン]]BEAC，[[日本円]]，中央アフリカCFAフランBEAC（[[チャド]]），[[イタリア・リラ]]，[[フランス・フラン]]]]
'''デノミネーション'''（{{lang-en-short|denomination}}）とは、[[通貨単位]]を表す言葉である。[[日本語]]においては、それを切り下げる、もしくは切り上げることとして使われることもある。国内の全ての[[資産]]と[[負債]]に対して行われる。[[インフレーション]]などにより、通貨金額の桁数表示が大きくなると経済活動に支障をきたすので、その解決のために行われる。'''デノミ'''と省略されることが多い。

== 言葉の用法 ==
[[英語]]のデノミネーションとは「[[通貨単位]]」のことであり、「切り下げ」や「切り上げ」といった意味は持たない。[[両替]]時に「What denomination?」と聞かれた場合は、「金種はどうしますか？」の意味で<ref>[https://kotobank.jp/ejword/denomination denomination]コトバンク（プログレッシブ英和中辞典(第４版)）</ref>、例えば100ドル紙幣の両替を依頼するとき、20ドル紙幣5枚で良いのか、5ドル紙幣や25セント硬貨が欲しいのか、といった回答を求められている。ただし文脈によっては「どんな[[宗派]]？」と聞いている場合もある。

日本語の「デノミネーション」に相当する英語としては、リデノミネーション（{{lang-en-short|redenomination}}）、あるいはチェンジ・オブ・デノミネーション（{{lang-en-short|change of denomination}}、日本語：通貨単位の変更）などが挙げられる。なお、デノミという略称は、英語のデノミネーション<ref>{{lang-en-short|denomination}}</ref>、あるいは[[ロシア語]]のデノミナーツィヤ<ref>{{lang-ru-short|деноминация (denominatsiya)}}</ref>に基づくとされる。

== 方法 ==
例えば、10,000円の単位を<math>\tfrac{1}{100}</math>に切り下げ新100円にするなど。具体的には、新しい貨幣を発行したり、現行貨幣の数字を書き換えたりする。<math>\tfrac{1}{10}</math>、<math>\tfrac{1}{100}</math>の単位で切り下げることが多い。ただし、[[ニュージーランド]]と[[ザンビア]]では通貨単位を2倍にしたことがある。  {{要出典|date=2021年8月}}

== 近年のデノミネーション例 ==
* [[1993年]][[3月1日]]、[[ウルグアイ]]は[[ウルグアイ・ペソ]]を発行し、1000分の1のデノミを実施した。
* [[1994年]][[1月1日]]の[[ユーゴスラビア・ディナール]]は10億分の1のデノミを実施した。デノミ直前には5000億ディナール紙幣という大きな数字の紙幣が発行されていた。
* [[2005年]][[1月1日]]、[[トルコ]]は[[新トルコリラ]]を発行し、事実上の100万分の1のデノミを行った。2000万[[トルコリラ]]紙幣（当時は約1,500円に相当）は20新トルコ・リラになった。
* [[2005年]][[7月1日]]、[[ルーマニア]]は1万分の1のデノミを実施した。旧10000[[ルーマニア・レウ|レイ]] (ROL) は新1レウ (RON) になった。
* [[2008年]][[8月1日]]、[[ジンバブエ]]は100億分の1のデノミを実施した。100億[[ジンバブエ・ドル]]（当時は約2円に相当）は1新ジンバブエ・ドルになった。戦争状態にない国家でこれほどのデノミが行われるのは世界でも類を見ない<ref>ただし戦争終了後でみると、[[ハンガリー]]で[[1946年]][[8月1日]]に通貨を[[ペンゲー]]から[[フォリント]]に切り替える際に40穣(4×10<sup>29</sup>)分の1のデノミを実施している</ref>。
* [[2009年]][[2月2日]]、ジンバブエはさらに1兆分の1のデノミを行った<ref>{{cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2567143|title=1兆ドルが1ドルに、超インフレのジンバブエで12桁のデノミ|publisher=AFP BBnews|date=2009-02-05|accessdate=2021-07-07}}</ref>。ほぼ半年で再度実施するのは他の国では例がない。
* [[2009年]][[11月30日]]、[[朝鮮民主主義人民共和国]]は[[朝鮮民主主義人民共和国ウォン|同国通貨ウォン]]の100分の1のデノミを実施した。北朝鮮では[[1992年]]にも「貨幣改革」と称して新旧通貨の交換が行われた事があるが、当時の比率は1対1だった。今回のデノミには一世帯あたり10万ウォン（非公式レートで約3000円）の上限額が設けられ、それを超える現金は事実上北朝鮮政府に没収される。市民の間では不満と混乱が生じており、政府は対策として銀行預金者に10分の1の「優遇」レートを、また、1世帯あたりの交換額が旧10万ウォンに満たない世帯には「配慮金」として一人当たり新500ウォンを支給する<ref>{{cite news|url=http://www.jiji.com/jc/zc?k=200912/2009120600060|title=デノミで続く混乱＝7日に新通貨流通－北朝鮮||publisher=[[時事通信社]]|date=2009-12-06|accessdate=2010-03-19}}</ref>。しかし、混乱が続出し、[[2010年]][[3月18日]]には[[朝鮮労働党]]計画財政部長の[[朴南基]]が、デノミに伴う経済混乱の責任を問われ[[処刑]]された<ref>{{cite news|author=山口真典|url=http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100318ATGM1801V18032010.html|title=デノミ引責?北朝鮮幹部を処刑|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2009-03-19|accessdate=2010-03-19}}</ref>。ただし、朴南基をそそのかしたのは、2013年に[[金正恩]]によって処刑された[[張成沢]]であるという説がある<ref>{{cite news |title=北朝鮮についにオオカミが来てしまうのか？ 通貨の信認失墜の大きすぎる代償 |newspaper=[[日本ビジネスプレス]] |date=2014-2-14|url=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39903 |accessdate=2014-2-22|author=藤和彦}}</ref>。
{{See also|{{仮リンク|2009年朝鮮民主主義人民共和国ウォンのデノミネーション|zh|2009年朝鲜货币改革}}}}
* [[2018年]][[8月20日]]、[[ベネズエラ]]は10万分の1のデノミを実施。さらに[[2021年]]には100万分の1のデノミの実施を発表した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3360607 |title=ベネズエラ、またデノミ 通貨価値100万分の1に |publisher=AFP |date=2021-08-06|accessdate=2021-08-07}}</ref>。
*[[2022年]][[7月1日]]、[[シエラレオネ]]は1000分の1のデノミを実施。このデノミの実施は11か月前に公表されており、大きな混乱は生じなかった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3412678 |title=シエラレオネ、新紙幣発表 1000分の1に |publisher=AFP |date=2022-07-02 |accessdate=2022-07-03}}</ref>。

== 脚注 ==
<references/>

== 関連項目 ==
*[[インフレーション]] - [[ハイパーインフレーション]]
* [[ロシア・ルーブル#デノミ実施以降]]
*[[デフレーション]]
*[[リフレーション]]
*[[経済学]]
*[[平価切下げ]] - 平価とは[[固定相場制]]における[[為替レート]]のことである。

[[Category:通貨制度|てのみねえしよん]]
[[Category:インフレーション]]