ナイキスト周波数のソースを表示

{{出典の明記|date=2022年12月}}
'''ナイキスト周波数'''（ナイキストしゅうはすう、{{lang-en-short|Nyquist frequency}}）は信号を[[標本化]]するときの、[[サンプリング周波数]]の1/2の周波数である。

<math>f_n := f_s / 2</math>

[[サンプリング周波数]] <math>f_s</math> が十分でなく、ナイキスト周波数 ''<math>f_n</math>'' よりも大きい周波数の信号を標本化した場合、標本化した際に[[折り返し雑音|折り返し]]（エイリアシング）を生じ、再生時に元の信号として忠実には再現されない。[[ハリー・ナイキスト]]により[[1928年]]に予想されたこの再現限界の定理は、[[標本化定理]]と呼ばれる。

'''ナイキスト・レート'''<ref group="注">{{lang-en-short|Nyquist rate}}</ref>と混同しないこと。ナイキスト・レートは、特定の信号または信号群を標本化して再生した際に、正しく元の信号を再現するための'''ナイキスト基準'''<ref group="注">{{lang-en-short|Nyquist criterion}}</ref>を満たす最小[[サンプリング周波数]]、つまり信号周波数の2倍の値である。

==例==
[[サンプリング周波数]] ''f<sub>s</sub>'' = 100 [[ヘルツ|Hz]] の測定器を使用して、ある信号を測定する。元の信号に (a) 25 Hz, (b) 40 Hz, (c) 70 Hz のピークがあったとする。

このとき、ナイキスト周波数 ''f<sub>n</sub>'' = ''f<sub>s</sub>''/2 = 100/2 = 50 [Hz] だから、測定信号の[[スペクトル]]において (a), (b) のピークは正しく求まる。

しかし、(c) の周波数成分は ''f<sub>n</sub>'' を超えているため、測定信号において、これに対応するピークは ''f<sub>n</sub>'' から折り返した 30 Hz に出現することになる（[[折り返し雑音|エイリアシング]]）。[[スペクトル]]上では、このピークが本当に 30 Hz の成分を表しているのか、それともエイリアシングにより折り返された高周波成分であるのかは区別できない。

実際の信号測定では、測定器の[[サンプリング周波数]] ''f<sub>s</sub>'' には限界があり、それはカタログ記載の既知のものである。

一方、測定する元の信号がどのような周波数成分を含んでいるのかは未知であることが多い。よって、このエイリアシングを防ぐためには、測定器に入力する信号を[[フィルタ回路|フィルタ]]で <math>f_n = f_s  / 2</math> まで帯域制限する必要がある。ただし、実際は、フィルタの性能の限界により、サンプリング周波数の{{要出典範囲|45%程度|date=2022年4月}}まで制限する必要がある。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}

== 関連項目 ==
*[[サンプリング周波数]]

{{デジタル信号処理}}

{{デフォルトソート:ないきすとしゆうはすう}}
[[Category:標本化]]
[[Category:ハリー・ナイキスト]]