ネパールの国旗のソースを表示

{{国旗
|画像={{Flagicon|NEP|size=185px}}
|用途及び属性={{FIAV|111000}}
|縦横比=[[#アスペクト比|以下]]を参照
|制定日=[[1962年]][[12月16日]]
|使用色=
*[[青]]
*[[紅色|真紅]]
*[[白]]
|}}

'''[[ネパール]]の[[国旗]]'''（ネパールのこっき）は、[[ネパール王国]]の王家と宰相家が使用していた2つの[[三角旗]]を組み合わせて簡略化したことに由来している。世界で唯一、[[四角形]]でない国旗である。

国旗の真紅は、ネパールの[[国花]]である[[シャクナゲ]]の色であり、ネパールの[[ナショナルカラー]]でもある。また、赤は[[国民]]の勇敢さを、縁取りの青は[[平和]]を、それぞれ意味している。2つの[[三角形]]は[[ヒマラヤ山脈]]の山並みを象るとともに二大宗教である[[ヒンドゥー教]]と[[仏教]]を意味しており、[[月]]と[[太陽]]はこの国が月や太陽と同じように持続し発展するようにという願いが込められている。

== 歴史 ==
[[File:Krishna_Arjuna_Gita.jpg|リンク=https://en.wikipedia.org/wiki/File:Krishna_Arjuna_Gita.jpg|右|サムネイル|馬車に乗った[[アルジュナ]]に御者を務める[[クリシュナ]]が教えを説いている[[バガヴァッド・ギーター|バガバッド・ギーター]]のワンシーン。
左側の旗には神猿[[ハヌマーン]]、右側の旗には「太陽」と「月」が描かれている。]]
三角旗という形状や、三日月や太陽のデザインは、[[ヒンドゥー教]]の旗としてはよく見られるものである。19世紀にインドで描かれた宗教画にもよく似た旗が描かれている。<ref>{{Cite web |title=ネパール憲法AI探訪(19): 国旗の図像学(6) |url=https://nepalreview.wordpress.com/2024/04/05/240405/ |website=ネパール評論 |date=2024-04-05 |access-date=2025-03-14 |language=ja}}</ref>かつては、月と太陽の中には人の顔が描かれていた。

[[ネパール王国]]（[[ゴルカ朝]]）は、1768年に全国を統一した[[シャハ家]]が王位を継承したが、19世紀半ば以降20世紀半ばまで[[ラナ家]]が宰相職を世襲し、実質的にネパールを支配した。もともと三日月はシャハ家（王家）を、太陽はラナ家（宰相家）を意味しており、単独の三角旗としてはそれぞれ約200年にわたって使用されていた。ラナ家が実権を握った19世紀以来、ネパール王国の旗として両家の旗を重ねた二重三角旗が使われるようになった。

1951年の[[トリブバン・ビール・ビクラム・シャハ|トリブバン国王]]によるシャハ家の王政復古、1960年の[[マヘンドラ・ビール・ビクラム・シャハ|マヘンドラ国王]]による「国王のクーデター」を経て、[[1962年]][[12月16日]]に現行の国旗が制定された。月と太陽の[[顔]]（目、鼻、口など）は、この時に取り除かれている（なお、顔のある太陽と月は国王旗には残っていた）。

携帯電話や[[Facebook]]などのウェブサイトで利用可能な[[絵文字]]においては、右側に余白を設けて長方形にしてあるものがあり、[[2016年リオデジャネイロオリンピック|リオデジャネイロオリンピック]]では、この様式にした旗が[[2016年リオデジャネイロオリンピックの閉会式|閉会式]]で用いられた<ref>[https://emojipedia.org/flag-for-nepal/ Emojipedia], 閲覧日: 2017年11月3日</ref>。[[国際オリンピック委員会]](IOC)の規定では国旗を縦2：横3の比率で表示するという規則があるためだが、この措置については国旗学者がIOCに苦言を呈したこともある<ref>{{Cite web|url=https://antonpihl.wordpress.com/2016/08/20/flag-fail-an-open-letter-to-the-ioc/|title=FLAG FAIL: An Open Letter to the IOC|author=Anton Pihl|date=2016-08-20|accessdate=2025-01-13}}</ref>。その後、ネパールの国旗に関してIOCは例外扱いとしている<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/fringe/35227632-2.html|title=世界で最も奇妙な形の国旗、謎に満ちた正確な起源とは|work=CNN.co.jp|agency=[[CNN]]|date=2025-01-13|accessdate=2025-01-13}}</ref>。
{{gallery
|ファイル:Pre-1962 Flag of Nepal.svg|{{FIAV|historical|}}ネパール王国の国旗（[[19世紀]] - [[1962年]]）
|ファイル:Flag of Mustang.svg|{{FIAV|historical|}} [[ムスタン王国]]の旗
|ファイル:Flag of Nepal (white background, aspect ratio 3-2).svg|時折用いられる、右側に余白を設けて長方形にした国旗
|whitebg=no}}

== 国旗のレイアウト ==
[[ファイル:Nepal Flag Construction.png|thumb|right|500px|レイアウトの全体像]]

ネパールの国旗に関する正確な幾何学的記述は、1990年11月9日に採択された従来の[[ネパール王国]]憲法の別表1や、2015年9月20日に採択されたネパール憲法の別表1に明示されている<ref>{{Cite web |author=Axel Tschentscher |authorlink= :de:Axel Tschentscher |url=https://www.servat.unibe.ch/icl/np01000_.html |title=Nepal > Constitution - Schedules |website=International Constitutional Law |publisher=[[ベルン大学]] |language=en |accessdate=2024-03-14}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://ag.gov.np/files/Constitution-of-Nepal_2072_Eng_www.moljpa.gov_.npDate-72_11_16.pdf#page=221 |title=THE CONSTITUTION OF NEPAL |format=PDF |publisher={{仮リンク|検事総長府|en|Office of the Attorney General, Nepal}} |pages=221-223 |language=en |accessdate=2024-03-14}}</ref>。

=== アスペクト比 ===
法に基づいて国旗を作成したとき、横の最長の長さと縦の長さとの[[アスペクト比]]は、

<math>1:\frac{6136891429688 - 306253616715\sqrt{2} - \sqrt{118-48 \sqrt{2}} \left( 934861968 + 20332617192 \sqrt{2} \right) }{4506606337686}</math> ≈ 1:1.21901033…（{{OEIS|id=A230582}}）

となり、[[無理数]]を含む。

後項は、四次多項式

<math>243356742235044 r^4 - 1325568548812608 r^3 + 2700899847521244 r^2 - 2439951444086880 r + 824634725389225</math>

の最小の[[多項式の根|根]]である<ref>{{Cite OEIS|A230582|Decimal expansion of the ratio of height to width of the bounding rectangle of the national flag of Nepal, as defined in Schedule 1 of Article 5 of its Constitution.|access-date=2024-03-14}}</ref>。

これは、真紅の部分を作図した後、それを青の縁で囲むことに起因するものである。真紅の部分に長方形を外接させると、そのアスペクト比は、3:4（= 1:1.333…）と有理数の比になる。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />

== 関連項目 ==
{{Commonscat|Flags of Nepal}}
* [[国旗の一覧]]
* [[ネパールの国章]]
{{アジアの国旗}}

{{デフォルトソート:ねはあるのこつき}}
[[Category:国旗]]
[[Category:ネパールの国の象徴|こつき]]
[[Category:太陽旗]]