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'''ハッピー数'''(ハッピーすう、happy number)とは、自然数の各桁を1桁に分解して二乗和を取り、新しくできた数についても同じ処理を繰り返し行って、最終的に1となる数を指す。 例えば19に上の規則を適用すると、 :1<sup>2</sup> + 9<sup>2</sup> = 82 :8<sup>2</sup> + 2<sup>2</sup> = 68 :6<sup>2</sup> + 8<sup>2</sup> = 100 :1<sup>2</sup> + 0<sup>2</sup> + 0<sup>2</sup> = 1 :1<sup>2</sup> = 1 ... となる。数列が1(の繰り返し)で終るため、19はハッピー数である。 ハッピー数の考え方が初めて示されたのは、[[ロシア]]と考えられている{{harvcol|Guy|2004|p=§E34}}。 ==概要== 負でない[[整数]]の各桁の数字を分解し、2乗和を取る。この変換を'''ハッピー関数'''という。できた新しい数で同じ変換を行う。こうしてできた数列を'''ハッピー列'''と呼ぶ。ハッピー列が1となった場合、以後はずっと1が続く。ハッピー列が1で終る数がハッピー数である。ハッピー数は無数にあり、そのうち最小は1である。 500以下のハッピー数は次の通り: :1, 7, 10, 13, 19, 23, 28, 31, 32, 44, 49, 68, 70, 79, 82, 86, 91, 94, 97, 100, 103, 109, 129, 130, 133, 139, 167, 176, 188, 190, 192, 193, 203, 208, 219, 226, 230, 236, 239, 262, 263, 280, 291, 293, 301, 302, 310, 313, 319, 320, 326, 329, 331, 338, 356, 362, 365, 367, 368, 376, 379, 383, 386, 391, 392, 397, 404, 409, 440, 446, 464, 469, 478, 487, 490, 496 <ref>{{OEIS|id=A007770}}</ref>. ある数字がハッピー数なら、桁の順番を入れ替えた数もハッピー数となる。例えば19はハッピー数なので、91はハッピー数である。また、途中に0を挿入した数もハッピー数となる。例えば109や1090はハッピー数である。0を含む数を除き、桁の順番を入れ替えてできる最小の数のハッピー数だけを並べると、1000までは次のようになる。 :1, 7, 13, 19, 23, 28, 44, 49, 68, 79, 129, 133, 139, 167, 188, 226, 236, 239, 338, 356, 367, 368, 379, 446, 469, 478, 556, 566, 888, 899<ref>{{OEIS|id=A124095}}</ref>. 驚くべきことに、ハッピー数の{{仮リンク|自然密度|en|Natural_density}}は存在しない。ハッピー数の上限密度は0.18577より大きく、下限密度は0.1138より小さい<ref>{{Cite journal|last1=Gilmer|first1=Justin|year=2013|title=On the Density of Happy Numbers|journal=Integers|volume=13|issue=2|page=2|arxiv=1110.3836|bibcode=2011arXiv1110.3836G}}</ref>。 ==ハッピー列== ハッピー関数、ハッピー列のどちらも、ハッピー数以外に当てはめることもできる。 ハッピー列は、最終的に循環列となる。例えば4のハッピー列は、 :4, 16, 37, 58, 89, 145, 42, 20, 4, ... となり、周期8の循環列を作る。5のハッピー列は、 :5, 25, 29, 85, 89, 145, 42, 20, 4, 16, 37, 58, 89, ... となり、途中から周期8の循環列となる。ハッピー列は1か4に到達するため、ハッピー列に表れる循環列の周期は常に有限(1または8)である<ref name=oka>岡本茂 [https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564288795241088 ハピー数について]、千葉敬愛短期大学紀要 22, 17-20, 2000-02</ref>。 ==特殊なハッピー数== * 連続するハッピー数で最小の数は [[1]], [[31]], 1880, 7839,…である。({{OEIS|A055629}}) **44488から44492までは、5連続でハッピー数である<ref name=robert>Robert Styer [http://www41.homepage.villanova.edu/robert.styer/HappyNumbers/HappyNumbersShort3May2010.pdf Smallest examples of strings of consecutive happy numbers], 2000 Mathematics Subject Classification</ref>。 **任意の数だけ連続するハッピー数・アンハッピー数が存在する<ref>E. El-Sedy and S. Siksek, On happy numbers, Rocky Mountain J. Math., 30(2000), 565-570.</ref>。 *ハッピー数の内、500以下で[[素数]]でもあるものは次の通り。ハッピー素数(happy prime)とも呼ばれる。 :7, 13, 19, 23, 31, 79, 97, 103, 109, 139, 167, 193, 239, 263, 293, 313, 331, 367, 379, 383, 397, 409, 487({{OEIS|A035497}}) *10<sup>{{val|150006}} </sup> + 7426247{{E|75000}} + 1 はハッピー素数であり、[[回文素数]] でもある。 *ハッピー素数が無数にあるかは分かっていない。2010年時点で知られている最も大きなハッピー素数は、<math>2^{42643801}-1</math>である。 ==多次元のハッピー数== ここまでは2乗和について説明したが、''n''次元についても論じることができる。引数''x''を処理するハッピー関数を :<math>h(n, x)</math> で表すと、最初の19の例では :<math>h(2, 19) = 1^2 + 9^2 = 82</math> と表すことができる。 ハッピー数は、本来は最終的に1となる数のみを指すが、「最終的に周期1のハッピー列となるもの」と定義すれば、ハッピー列の終わりは、2次元では0と1の2種、3次元では0, 1, 153, 370, 371, 407の3種、4次元では0, 1, 8208の4種である。周期1のハッピー列に現れる終わりの数字の種類は、各次元で有限個である<ref name=oka/>。 ==コンピュータプログラムの例== ある数がハッピー数であるかどうかを調べるには、コンピュータを使うのが便利である。[[Python]]を使ったプログラムの例は次の通り<ref>[http://rosettacode.org/wiki/Happy_Number Happy Number] Rosetta Code</ref>。 <syntaxhighlight lang=python> SQUARE = dict([(c, int(c) ** 2) for c in "0123456789"]) def is_happy(n): s = set() while (n > 1) and (n not in s): s.add(n) n = sum(SQUARE[d] for d in str(n)) return n == 1 </syntaxhighlight> == 数学以外での登場 == イギリスのSFテレビドラマ『[[ドクター・フー]]』新シリーズのシーズン3第7話『42』で、太陽に衝突しようとする宇宙船のドアを開けるキーワードとして (313, 331, 367, 379) の4つのハッピー素数が登場する。 ==参考文献== {{Reflist}} ===関連文献・外部リンク=== *Walter Schneider, [https://web.archive.org/web/20060204094653/http://www.wschnei.de/digit-related-numbers/happy-numbers.html Mathews: Happy Numbers]. *{{MathWorld|urlname=HappyNumber|title=Happy Number}} *[http://mathforum.org/library/drmath/view/55856.html Happy Numbers] at The Math Forum. *{{Citation | last = Guy | first = Richard | author = Richard Guy | year = 2004 | title = Unsolved Problems in Number Theory |edition=3 | publisher = [[シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディア|Springer-Verlag]] | isbn= 0-387-20860-7 | ref = harv }} * [http://www.maths.leeds.ac.uk/pure/staff/allenby/allenby.html Reg Allenby page] ==関連項目== *[[幸運数]] {{DEFAULTSORT:はひすう}} [[Category:数学パズル]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:整数の類]]
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