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[[数学]]の、特に[[公理的集合論]]における'''ハルトークス数'''(ハルトークスすう、{{Lang-en-short|Hartogs number}})とは、ある種の[[基数]]のことを言う。1915年に[[フリードリヒ・ハルトークス]]によって、ある[[整列順序]]付けられた基数が与えられたとき、それよりも大きい最小の整列順序付けられた基数が存在することが示されたが、これには [[ツェルメロ=フレンケル集合論|ZF-公理系]]のみが用いられ、したがって[[選択公理]]は用いられなかった。 ある集合のハルトークス数を定義する上で、その集合が整列可能である必要はない。すなわち、任意の集合 ''X'' のハルトークス数は、α から ''X'' への[[単射]]が存在しないような最小の[[順序数]] α で定義される。''X'' が整列可能でないなら、その α が ''X'' の基数よりも「大きい」最小の整列順序付けられた基数であると言う必要はなく、「小さくも等しくもない」と言えばよい。''X'' から α への[[写像]]はしばしば'''ハルトークスの函数'''(Hartogs' function)と呼ばれる。 == 証明 == 集合論のいくつかの基本定理の下で、証明は簡単に出来る。今 <math>\alpha = \{\beta \in \textrm{Ord}| \exists i: \beta \hookrightarrow X\}</math> を定める(ただし今 <math>\textrm{Ord}</math>は順序数全体のクラスを表す)。はじめに、この α は集合であることを確かめる。 # ''X'' × ''X'' は ''X'' の二回冪集合の定義可能な部分クラスで表せるので[[冪集合公理]]と[[分出公理]]から集合であることが分かる。 # ''X'' × ''X'' の[[冪集合]]が集合であることも、冪集合公理より分かる。 # ''X'' の部分集合のすべての[[反射関係|反射的]]整列順序のクラス ''W'' は、上記の集合の定義可能な部分クラスであるため、[[分出公理]]により集合である。 # ''W'' の整列順序のすべての[[順序型]]のクラスは、置換公理により集合である。実際、 #::([[定義域|Domain]](''w''), ''w'') <math>\cong</math> (β, ≤) #:を簡単な式で表すことが出来るためである。 この最後に現れた集合は、α である。 順序数の[[推移的集合]]はまた順序数であるため、α は順序数である。さらに α から ''X'' への単射が存在するなら、α ∈ α という矛盾を得ることが出来る。したがって α は ''X'' への単射が存在しないような最小の順序数であると言える。実際、β < α に対して β ∈ α であるため β から ''X'' への単射が存在する。 == 参考文献 == *{{Cite journal | last = Hartogs | first = Fritz | author-link = | title = Über das Problem der Wohlordnung | journal = [[Mathematische Annalen]] | language = [[ドイツ語|German]] | volume = 76 | pages =438–443 | year = 1915 | url = http://www.digizeitschriften.de/dms/img/?PPN=GDZPPN002266105 | doi = 10.1007/BF01458215 | id = | jfm = 45.0125.01 | issue = 4 | postscript = <!-- Bot inserted parameter. Either remove it; or change its value to "." for the cite to end in a ".", as necessary. -->{{inconsistent citations}} }}. Available at the [http://www.digizeitschriften.de/ DigiZeitschriften]. * {{cite book|authorlink=トマーシュ・イェフ|author=Jech, Thomas|title=Set theory, third millennium edition (revised and expanded)|publisher=Springer|year=2002|isbn=3-540-44085-2}} * {{cite web | title=Axiomatic set theory | work=Course Notes | author=Charles Morgan | publisher=University of Bristol | url=http://www.ucl.ac.uk/~ucahcjm/ast/ast_notes_4.pdf | accessdate =2014-09-14 }} {{Settheory-stub}} {{DEFAULTSORT:はるとおくすすう}} [[Category:集合論]] [[Category:基数]] [[Category:数学に関する記事]]
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