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[[Image:Jodoformprobe.jpg|thumb|ヨードホルム反応。右の試験管にはアセチル基を持つ化合物が含まれている]] '''ハロホルム反応'''(ハロホルムはんのう、haloform reaction)は、[[アセチル基]]を持つ[[有機化合物]]に[[ハロゲン]]化剤と[[塩基]]を作用させると、[[トリハロメタン]](ハロホルム)が得られる[[化学反応]]である<ref>総説: Fuson, R. C.; Bull, B. A. "The Haloform Reaction." ''Chem. Rev.'' '''1934''', ''15'', 275–309. DOI: [https://doi.org/10.1021/cr60052a001 10.1021/cr60052a001]</ref>。 [[Image:Haloform Reaction Scheme.png|center|395px|ハロホルム反応]] [[アセトアルデヒド]]や[[アセトン]]を[[ヨウ素]]と[[水酸化ナトリウム]]水溶液により処理することで[[ヨードホルム]]の黄色の沈殿が生成する'''ヨードホルム反応'''は、高校化学でも[[定性分析]]の方法として有名である(後述)。1870年に A.Lieben により報告された<ref>Lieben, A. ''Ann. Chem. Pharm.'' '''1870''', ''S7'', 218.</ref>。 ハロゲン化剤としては[[フッ素]]を除くハロゲン[[単体]]、[[次亜塩素酸]]塩、[[次亜臭素酸]]塩、[[塩化シアヌル]]なども有効である。またハロゲン化剤は[[アルコール]]の[[酸化剤]]にもなるため、[[エタノール]]や[[イソプロピルアルコール]]のように酸化されることでアセチル基を持つようになる物質も酸化された後にハロホルム反応を起こす。 == 反応機構 == [[反応機構]]は以下のようなものである。 #[[塩基]]により[[カルボニル基]]に隣接する[[メチル基]]からプロトンが引き抜かれ[[エノラート]]が生成する。 #生成したエノラートがハロゲン化剤に対して求核攻撃してカルボニル基のα位がハロゲン原子に置換される。 #ハロゲン原子への置換が起こるとその炭素上の水素の酸性度が上がるため、よりエノラートができやすくなりこの過程が繰り返される。結果としてメチル基のすべての水素がハロゲンに置換される。 #水酸化物イオンがカルボニル基に求核攻撃することで[[付加脱離]]反応が進行し、トリハロメチルアニオンと、[[カルボン酸]]が生じる。 #溶媒が水の場合は、水からトリハロメチルアニオンがプロトンを引き抜いてトリハロメタンになる。ここで生じた水酸化物イオンにより、塩基性条件が保たれるのである。 アセチル基を1炭素減炭してカルボン酸へ変換する合成方法として利用できる可能性もあるが、メチル基と反対側のα位もハロゲン化されうること、強い塩基性条件のため副反応も起きやすいことなどから適用範囲は[[アセトフェノン]]誘導体などに限られる。 == ヨードホルム反応 == メチルケトンあるいは酸化によりメチルケトンを生じるアルコールは、塩基性条件下でヨウ素を作用させると、ヨードホルム(''CHI<sub>3</sub>'')の黄色結晶を生じる。この反応をヨードホルム反応という。 *メチルケトン (代表的な例は[[アセトアルデヒド]]、[[アセトン]]など) : <chem>R-{COCH3}+{3I2}+4NaOH -> {CHI3}+{RCOONa}+{3NaI}+3H2O</chem> *酸化によりメチルケトンを生じるアルコール (代表的な例は[[エタノール]]、[[2-プロパノール]]など) : <chem>{R-CH(OH)CH3}+{4I2}+{6NaOH}-> {CHI3}+{RCOONa}+{5NaI}+5H2O</chem> ただし、''R'' はH ([[水素]])または[[炭化水素]]基である。 [[ホルムアルデヒド]]はH<sub>3</sub>CO-をもたないのでヨードホルム反応を示さない。また、[[酢酸]]は''R'' が[[ヒドロキシ基]]なので条件にあわずヨードホルム反応を示さない<ref>基礎化学1 物質の構成と変化 ISBN 978-4-407-30853-2</ref><ref>ニューステージ 新化学図録 ISBN 978-4-8343-4008-2</ref>。 == 脚注 == <references /> {{DEFAULTSORT:はろほるむはんのう}} [[Category:炭素-ヘテロ原子結合形成反応]] [[Category:有機酸化還元反応]]
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