バウムクーヘン積分のソースを表示

{{Calculus}}
[[File:Shell integral undergraph - around y-axis.png|thumb|right|300px|体積が穴の開いた円柱の集合で近似されている。円柱の壁が薄くなるにつれ近似はより改善される。この近似の極限がバウムクーヘン積分となる。]]
'''バウムクーヘン積分'''（-せきぶん）あるいは'''円殻積分・円殻法'''（えんかくせきぶん・-ほう、{{lang-en|shell integration, shell method}}）とは、[[回転体]]の[[体積]]を回転軸と「垂直」方向に[[計算]]する方法。対して{{仮リンク|円板積分|en|Disc integration}}は回転軸と「平行」に積分する。

== 定義 ==
公式は次の通りである。{{mvar|xy}}-平面上での断面を {{mvar|y}}-軸上で回転させることで得られる三次元での体積について考える。断面が区間 {{closed-closed|''a'', ''b''}} 上の正函数 {{math|''f'' (''x'')}} で定義されているとする。このとき、体積の公式は

:<math>2 \pi \int_a^b x f(x)\, dx</math>

となる。

もし函数が {{mvar|y}} 座標にあり、回転軸が {{mvar|x}}-軸とすると公式は次のようになる。

:<math>2 \pi \int_a^b y f(y)\, dy</math>

もし函数が線 {{math|''x'' {{=}} ''h''}} にそって回転させるとすると、公式は
:<math>\begin{cases}
\displaystyle 2 \pi \int_a^b (x-h) f(x)\,dx, & \text{if}\ h \le a < b\\
\displaystyle 2 \pi \int_a^b (h-x) f(x)\,dx, & \text{if}\ a < b \le h
\end{cases}</math> 
となり<ref>{{Cite web|url=https://math.la.asu.edu/~dheckman/11%20-%20Volume%20-%20Shell%20Method.pdf|title=Volume – Shell Method|last=Heckman|first=Dave|date=2014|access-date=2016-09-28}}</ref>、回転軸が {{math|''y'' {{=}} ''k''}} の時には
:<math>\begin{cases}
\displaystyle 2 \pi \int_a^b (y-k) f(y)\,dy, & \text{if}\ k \le a < b\\
\displaystyle 2 \pi \int_a^b (k-y) f(y)\,dy, & \text{if}\ a < b \le k
\end{cases}</math>
となる。

公式は[[極座標系]]で[[二重積分]]を計算することで得られる。

== 例 ==
式
:{{math|''y'' {{=}} (''x'' − 1)<sup>2</sup> (''x'' − 2)<sup>2</sup>}}
で定義された、区間 {{closed-closed|1, 2}} での断面（下に示す）の体積について考える。
{{Multiple image
 | align = none
 | total_width = 600
 | image1 = Shell_2d_example.png
 | width1 = 481 | height1 = 307
 | caption1 = 断面
 | image2 = Shell_3D_example.png
 | width2 = 632 | height2 = 463
 | caption2 = 3次元での体積
 | caption_align = center
}}
{{仮リンク|円板積分|en|Disc integration}}の場合、与えられた {{mvar|y}} に対して {{mvar|x}} を求める必要があり、また中央部に空洞があることからその内外に対応した2つの函数を得なければならない。これらの2函数を円板法で積分した後、それらを引くことで求める体積を得る。

バウムクーヘン積分では次の公式に従えばよい。

:<math>2 \pi \int_1^2 x ((x-1)^2(x-2)^2) \,dx </math>

多項式を展開することで、積分は極めて単純になる。最終的に体積 {{sfrac|{{pi}}|10}} を得る。

== 関連項目 ==
*[[回転体]]
*{{仮リンク|円板積分|en|Disc integration}}

== 参考文献 ==
{{Reflist}}
*{{MathWorld|title=Method of Shells|urlname=MethodofShells}}
*[[:en:Frank J. Ayres|Frank Ayres]], [[:en:Elliott Mendelson|Elliott Mendelson]]. ''[[:en:Schaum's Outlines|Schaum's Outlines]]: Calculus''. McGraw-Hill Professional 2008, {{ISBN2|978-0-07-150861-2}}. pp.&nbsp;244–248 ({{Google books|Ag26M8TII6oC|online copy|page=244}})

{{Calculus topics}}
{{DEFAULTSORT:はうむくうへんせきふん}}
[[Category:積分法]]
[[Category:回転体]]
[[Category:数学に関する記事]]