フォック演算子のソースを表示

{{出典の明記|date=2017年5月}}
[[量子力学]]の[[ハートリー-フォック法]]において、'''フォック演算子'''（{{lang-en-short|Fock operator}}）は、量子系の1電子[[ハミルトニアン]]を近似する演算子である。

[[計算化学]]において、原子系や分子系の[[ルーターン方程式]]を解く場合に使われる。フォック演算子は、実際は量子系の真の[[ハミルトニアン]]を近似したものである。フォック演算子は電子間反発の影響を含んでいる。しかしフォック演算子は1電子演算子なので、[[電子相関]]エネルギーを含んでいない。

'''フォック行列'''はフォック演算子を[[行列表示]]したものである。

閉殻軌道と1次元波動関数を仮定している場合、''i''番目の電子についてのフォック演算子<math>\hat F(i)</math>は、
:<math>\hat F(i) = \hat h(i)+\sum_{j=1}^{n}[2\hat J_j(i)-\hat K_j(i)]</math>
ここで
:<math>{\hat h}(i)</math>は''i''番目の電子の[[1電子ハミルトニアン]]
:<math>n</math> は系の占有軌道の総数（全電子数<math>N</math>として[[階段関数|<math>\lfloor N/2 \rfloor</math>]]に等しい）
:<math>\hat J_j(i)</math>は[[クーロン演算子]]で、系の''j''番目と''i''番目の電子間の反発力を決める。
:<math>\hat K_j(i)</math>は[[交換演算子]]で、2つの電子を交換することの効果を決める。

[[不対電子]]を持つ系では、フォック演算子の形式は一通りではなく、多くの形式がありうる。

== 参考文献 ==
* {{cite book|和書|author1=Attila Szabo|author2=Neil S. Ostlund|translator=大野公男、阪井健男、望月裕志|title=新しい量子化学―電子構造の理論入門|year=1987|publisher=東京大学出版会|isbn=978-4130621113}}

==関連項目==
* [[ハートリー-フォック法]]
* [[非制限ハートリー-フォック法]]
* [[制限開殻ハートリー-フォック法]]
* [[ウラジミール・フォック]]

{{DEFAULTSORT:ふおつくえんさんし}}

[[Category:量子化学]]