ブラウワーの不動点定理のソースを表示


[[Image:poincare.jpg|220px|thumb|right|1886年、[[アンリ・ポアンカレ]]（写真）はブラウワーの不動点定理と同値な結果を証明した。その正確な証明は、三次元の場合は1904年に{{仮リンク|ピアース・ボウル|en|Piers Bohl}}によって行われ、一般の場合は1910年に[[ジャック・アダマール]]と[[ライツェン・エヒベルトゥス・ヤン・ブラウワー|ライツェン・ブラウワー]]によって行われた。]]

'''ブラウワーの不動点定理'''（ブラウワーのふどうてんていり、{{Lang-en-short|Brouwer's fixed-point theorem}}）は、[[位相幾何学]]における[[不動点定理]]で、[[ライツェン・エヒベルトゥス・ヤン・ブラウワー|ライツェン・ブラウワー]]の名にちなむ。この定理では、[[コンパクト空間|コンパクト]][[凸集合]]からそれ自身への任意の[[連続 (数学)|連続函数]] ''f'' に対して、''f''(''x''<sub>0</sub>)&nbsp;=&nbsp;''x''<sub>0</sub> を満たす点 ''x''<sub>0</sub>、すなわち不動点が存在することが述べられている。ブラウワーの定理の最も簡単な形式のものは、実数直線内の閉区間 ''I'' あるいは閉[[円板]] ''D'' からそれ自身への連続函数 ''f'' に対するものである。後者に対するより一般のものは、[[ユークリッド空間]]の凸コンパクト部分集合 ''K'' からそれ自身への連続函数に対するものである。

不動点定理は数多く存在する<ref>E.g. F & V Bayart ''[http://www.bibmath.net/dico/index.php3?action=affiche&quoi=./p/pointfixe.html Théorèmes du point fixe] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081226200755/http://www.bibmath.net/dico/index.php3?action=affiche&quoi=.%2Fp%2Fpointfixe.html |date=2008年12月26日 }}'' on Bibm@th.net</ref>が、中でもブラウワーの不動点定理は数学の多くの分野をまたいで利用されるため、非常に有名である。元々の分野において、この結果は[[ジョルダン曲線定理]]、{{仮リンク|毛球の定理|en|hairy ball theorem}}および{{仮リンク|ボルサック＝ウラムの定理|en|Borsuk–Ulam theorem}}とともにユークリッド空間のトポロジーを特徴付ける重要な定理となっている<ref>See page 15 of: D. Leborgne ''Calcul différentiel et géométrie'' Puf (1982) ISBN 2-13-037495-6</ref>。このため、この定理は位相幾何学における基礎的な定理に位置付けられている<ref>More exactly, according to Encyclopédie Universalis: ''Il en a démontré l'un des plus beaux théorèmes, le théorème du point fixe, dont les applications et généralisations, de la théorie des jeux aux équations différentielles, se sont révélées fondamentales.'' [http://www.universalis.fr/encyclopedie/T705705/BROUWER_L.htm Luizen Brouwer] by G. Sabbagh</ref>。この定理はまた、[[微分方程式]]の重要な結果を証明するために用いられ、[[微分幾何学]]の入門的なほとんどの課程において扱われている。この定理はまた、[[ゲーム理論]]のような分野でも用いられている。経済学において、ブラウワーの不動点定理とその拡張である[[角谷の不動点定理]]は、1950年代にノーベル経済学賞受賞者の[[ケネス・アロー]]と[[ジェラール・ドブルー]]によって示されたように、マーケット経済の[[一般均衡]]の存在の証明で中心的な役割を果たしている。
さらに数値解析の分野においては、非線型方程式の数値解に対する[[数値解析#精度保証付き数値計算|精度保証付き数値計算]]の基礎として利用される<ref>大石進一：「精度保証付き数値計算」、コロナ社、（2000年）</ref>。

この定理ははじめ、[[アンリ・ポアンカレ]]と[[エミール・ピカール]]を中心とするフランスの数学者によって[[微分方程式]]の観点から研究されていた。[[ポアンカレ・ベンディクソンの定理|ポアンカレ＝ベンディクソンの定理]]のような結果を証明する上で、位相幾何学的な手法を利用することが求められていた。19世紀末においてこの研究は、いくつかの定理を証明するに至った。一般的な場合は1910年に[[ジャック・アダマール]]<ref name="hadamard-1910">[[ジャック・アダマール|Jacques Hadamard]]: ''[https://archive.org/details/introductionla02tannuoft/page/436/mode/2up?view=theater Note sur quelques applications de l’indice de Kronecker]'' in [[:en:Jules Tannery|Jules Tannery]]: ''Introduction à la théorie des fonctions d’une variable'' (Volume 2), 2nd edition, A. Hermann & Fils, Paris 1910, pp. 437–477 (French)</ref>と[[ライツェン・エヒベルトゥス・ヤン・ブラウワー|ライツェン・ブラウワー]]<ref name="brouwer-1910">[[ライツェン・エヒベルトゥス・ヤン・ブラウワー|L. E. J. Brouwer]] ''[http://resolver.sub.uni-goettingen.de/purl?GDZPPN002264021 Über Abbildungen von Mannigfaltigkeiten]'' Mathematische Annalen 71, pp. 97–115, {{doi|10.1007/BF01456931}} (German; published 25 July 1911, written July 1910)</ref>によって証明された。

== 内容 ==

この定理には、使用される文脈と一般化の程度に応じて、いくつかの異なるヴァージョンがある。最も簡単なものは次である：

:;平面における定理: [[閉集合|閉]][[円板]]からそれ自身へのすべての[[連続 (数学)|連続函数]]は少なくとも一つの不動点を持つ<ref>D. Violette ''[http://newton.mat.ulaval.ca/amq/bulletins/dec06/sperner.pdf Applications du lemme de Sperner pour les triangles] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20110608214059/http://newton.mat.ulaval.ca/amq/bulletins/dec06/sperner.pdf |date=2011年6月8日 }}'' Bulletin AMQ, V. XLVI N° 4, (2006) p 17.</ref>。

これは任意の有限次元空間に対して次のように一般化される：

:;ユークリッド空間における定理: [[ユークリッド空間]]の[[球体|閉球]]からそれ自身へのすべての連続函数は不動点を持つ<ref>Page 15 of: D. Leborgne ''Calcul différentiel et géométrie'' Puf (1982) ISBN 2-13-037495-6.</ref>。

より一般的な場合は次である<ref>ユークリッド空間のすべてのコンパクトな凸部分集合は、同じ次元の閉球と位相同型であるため、この場合の定理は一つ前の場合のものから直ちに従う；{{cite book|title=General Equilibrium Analysis: Existence and Optimality Properties of Equilibria|first=Monique|last=Florenzano|publisher=Springer|year=2003|isbn=9781402075124|page=7|url=https://books.google.co.jp/books?id=cNBMfxPQlvEC&pg=PA7&redir_esc=y&hl=ja}}を参照。</ref>：

:;コンパクト凸集合における定理: ユークリッド空間の[[コンパクト空間|コンパクト]][[凸集合|凸]]部分集合 ''K'' からそれ自身へのすべての連続函数は不動点を持つ<ref>V. & F. Bayart ''[http://www.bibmath.net/dico/index.php3?action=affiche&quoi=./p/pointfixe.html Point fixe, et théorèmes du point fixe ] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20081226200755/http://www.bibmath.net/dico/index.php3?action=affiche&quoi=.%2Fp%2Fpointfixe.html |date=2008年12月26日 }}'' on Bibmath.net.</ref>。

より一般的な場合は、次のような異なる名前で知られている：

:;[[シャウダーの不動点定理]]: [[バナッハ空間]]のコンパクト凸部分集合 ''K'' からそれ自身へのすべての連続函数は不動点を持つ<ref>C. Minazzo K. Rider ''[http://math1.unice.fr/~eaubry/Enseignement/M1/memoire.pdf Théorèmes du Point Fixe et Applications aux Equations Différentielles]'' Université de Nice-Sophia Antipolis.</ref>。

== 各条件の重要性 ==

この定理は、コンパクト、すなわち「有界」かつ「閉」で、さらに「凸」である集合に対してのみ成立する。次の例は、これら三つの条件がなぜ重要なのかという点を示すものである。

=== 有界性 ===

''R'' からそれ自身への連続函数
:<math>f(x) = x+1</math>
を考える。この函数はすべての点を右側に写すため、不動点を持つことはない。''R'' は凸かつ閉であるが、有界でないことに注意されたい。

=== 閉性 ===

開区間 (−1,1) からそれ自身への連続函数
:<math>f(x) = \frac{x+1}2</math>
を考える。この区間において、この函数はすべての点を右側に写すため、不動点を持つことはない。(−1,1) は凸かつ有界であるが、閉でないことに注意されたい。しかし閉区間 [−1,1] 上では、この函数 ''f'' は不動点を持つ。''f''(''x'') = ''x'' = 1。

=== 凸性 ===

凸性は、ブラウワーの不動点定理において、厳密な意味で要求されるものではないことに注意されたい。（不動点であるための連続性といった）求められる性質は[[位相同型|同相写像]]の下で不変であるため、ブラウワーの不動点定理は、定義域が閉単位球 ''D''<sup> ''n''</sup> であるように要求される場合と同値な形式を持つ。同じ理由で、閉球（したがって[[閉集合|閉]]、有界、[[連結空間|連結]]で[[単連結|穴のない]]ものなど）と位相同型であるようなすべての集合に対して定理は成り立つ。

穴を持つ定義域においてブラウワーの不動点定理が成立しない例を次に示す。極座標において定義される次の函数を考える：
:<math>f(r,\theta)=(r,\theta+\pi/4)</math>
この函数は単位円周からそれ自身への連続函数である。この函数は、単位円周上のすべての点を反時計回りに45度回転させるものであるため、不動点を持つことはない。単位円周は閉かつ有界であるが、穴を持つ（したがって凸でない）ことに注意されたい。もしこの函数を（凸である）単位円板上で定義すれば、その原点が不動点となる。

穴を持たない定義域に対するブラウワーの不動点定理の正式な一般化は、[[レフシェッツ不動点定理|レフシェッツの不動点定理]]に見られる<ref>{{cite web | url=http://math.stackexchange.com/questions/323841/why-is-convexity-a-requirement-for-brouwer-fixed-points-shouldnt-no-holes-be | title=Why is convexity a requirement for Brouwer fixed points? | publisher=Math StackExchange | accessdate=22 May 2015 | author=Belk, Jim}}</ref>。

=== 注釈 ===
この定理における連続函数は、[[全単射]]でなくてもよく、[[全射]]である必要すらない。

== 証明の概要 ==

=== 写像度を用いた証明 ===

ブラウワーによる1911年の証明は、[[写像度|連続写像の写像度]]の概念を利用したものだった。その証明に関する近年の記述は参考文献 <ref>{{citation | last = Teschl| first = Gerald| authorlink = :en:Gerald Teschl| title = Topics in Real and Functional Analysis| url = http://www.mat.univie.ac.at/~gerald/ftp/book-fa/index.html|chapter=14.4: The Brouwer fixed point theorem|year=2005}}</ref> に見られる。

<math>K=\overline{B(0)}</math> を、原点を中心とする <math>\mathbb R^n</math> 内の閉単位球とする。簡単のため、<math>f:K\to K</math> は連続的微分可能とする。ある点 <math>p\in B(0)</math> が <math>f</math> の[[沈め込み|正則値]]であるとは、<math>p</math> の原像のすべての点において <math>f</math> の[[ヤコビ行列|ヤコビアン]]が非特異であることをいう。特に、[[逆函数定理]]より、<math>f</math> の原像のすべての点は（<math>K</math> の内部である）<math>B(0)</math> に属する。正則値 <math>p\in B(0)</math> における <math>f</math> の写像度は、<math>f</math> の下での <math>p</math> の原像についての <math>f</math> のヤコビ行列式の符号の和で定義される。すなわち

:<math>\operatorname{deg}_p(f) = \sum_{x\in f^{-1}(p)} \operatorname{sign}\left(\det(Df(x))\right)</math>

である。写像度とは、大雑把にいうと、''p'' のまわりの小さな集合についての原像 ''f'' の「シート」の数である。但し、そのシートが逆向きであればマイナスをかけて数えることとする。したがってこれは、[[回転数 (数学)|回転数]]の概念の高次元への一般化である。

写像度は次の「ホモトピー不変性」という性質を持つ：<math>f</math> と <math>g</math> を二階連続的微分可能な函数とし、<math>0\le t\le 1</math> に対して <math>H_t(x)=tf+(1-t)g</math> とする。また点 <math>p</math> はすべての ''t'' に対して <math>H_t</math> の正則値であるとする。このとき、<math>\deg_p f = \deg_p g</math> が成り立つ。

<math>K</math> の境界に不動点が存在しないなら、函数
:<math>H(t,x) = x-tf(x)</math>
は <math>g(x)=x-f(x)</math> から恒等函数へのホモトピーである。恒等函数はすべての点において写像度 1 となる。特に、原点でも写像度 1 であるため、<math>g</math> もまた原点で写像度 1 となる。結果として、原像 <math>g^{-1}(0)</math> は空とはならない。<math>g^{-1}(0)</math> の元が、すなわち元の関数 ''f'' の不動点である。

さらなる一般化のためにはより多くの概念が要求される。写像度の定義は、''f'' の特異値にまで拡張されねばならず、したがって連続函数までの拡張となる。近年の[[ホモロジー (数学)|ホモロジー論]]の進展は、写像度の構成を簡略化し、標準的な証明となっている。

=== ホモロジーを用いた証明 ===

この証明は、''D''<sup> ''n''</sup> の[[境界 (位相空間論)|境界]]が (''n'' − 1)-[[球面]] ''S''<sup> ''n'' − 1</sup> であるという事実に基づいている。

[[Image:Brouwer fixed point theorem retraction.svg|thumb|right|レトラクション ''F'' の図]]

背理法より、連続函数 ''f''&nbsp;:&nbsp;''D''<sup> ''n''</sup>&nbsp;→&nbsp;''D''<sup> ''n''</sup> は不動点を持たないと仮定し、矛盾を示す。''D''<sup> ''n''</sup> 内の各 ''x'' に対して、仮定より ''f''(''x'') と ''x'' は異なる値なので（''f'' が不動点を持たないとは ''f''(''x'') ≠ ''x'' を意味することに注意）、''f''(''x'') を端点として ''x'' を通る唯一つの半直線を引くことが出来る。この半直線に沿って、''S''<sup> ''n'' − 1</sup> 上のある点が得られるので、これを ''F''(''x'') とする（図を参照）。これは、[[変位レトラクト|レトラクション]]として知られる特別なタイプの連続函数 ''F''&nbsp;:&nbsp;''D''<sup> ''n''</sup>&nbsp;→&nbsp;''S''<sup> ''n'' − 1</sup> を定義する。すなわち、[[終域]]（この場合は ''S''<sup> ''n'' − 1</sup>）のすべての点がその函数の不動点となる。

直感的に、''S''<sup> ''n'' − 1</sup> の上への ''D''<sup> ''n''</sup> のレトラクションはあり得ないように思われる。実際、''n'' = 1 の場合は ''S''<sup> 0</sup>（すなわち、閉区間 ''D''<sup> 1</sup> の終点）が連結ですらないため、これはあり得ない。また ''n'' = 2 の場合はこれほど明らかではないが、各々の空間の[[基本群]]を利用した基本的な議論で証明することが出来る：レトラクションは、''S''<sup> 1</sup> の基本群から ''D''<sup> 2</sup> の基本群への単射[[群準同型]]を導くが、はじめの群は '''Z''' と同型である一方で二つ目の群は自明群であり、これはあり得ない。''n'' = 2 の場合はまた、非消失[[ベクトル場]]に関する定理に基づき矛盾を示すことも出来る。

''n'' > 2 の場合にレトラクションがあり得ないことを証明するのはさらに難しい。一つの方法として、[[ホモロジー (数学)|ホモロジー群]]を利用する方法がある：ホモロジー ''H''<sub>''n'' − 1</sub>(''D''<sup> ''n''</sup>) は自明であるが、''H''<sub>''n'' − 1</sub>(''S''<sup>&nbsp;''n'' − 1</sup>) は無限[[巡回群]]である。このことにより、再びレトラクションが前者から後者への単射群準同型を導くため、矛盾となる。

== 一般化 ==

ブラウワーの不動点定理は、多くのより一般的な[[不動点定理]]への出発点となるものである。

無限次元への直接的な一般化、すなわち、ユークリッド空間の代わりに任意の[[ヒルベルト空間]]の単位球を用いるような一般化は上手くいかない。この場合の大きな問題は、無限次元ヒルベルト空間の単位球は[[コンパクト空間|コンパクト]]でないということである。例えば、実あるいは複素の二乗加可算列のヒルベルト空間 [[Lp空間|ℓ<sup>2</sup>]] において、列 (''x''<sub>''n''</sub>) を ℓ<sup>2</sup> の閉単位球から、次で定義される列 (''y''<sub>''n''</sub>) に写す写像 ''f'' : ℓ<sup>2</sup> → ℓ<sup>2</sup> を考える：

:<math>y_0=\sqrt{1-\|x\|_2^2}\qquad\text{ and }\qquad y_n=x_{n-1}\quad\text{ for }\quad n\geq 1.</math>

この写像が連続であり、値域は ℓ<sup> 2</sup> の単位球に含まれることが、不動点を持たないことは容易に確かめられる。

したがって、ブラウワーの不動点定理の無限次元空間への一般化は、すべてある種のコンパクト性の仮定を含むものであり、さらにしばしば[[凸集合|凸性]]の仮定も含まれる。それらの定理に関する議論は[[無限次元空間における不動点定理]]を参照されたい。

より広いクラスの空間に対する有限次元の一般化も存在する：<math>X</math> を有限個の鎖状連続体の積とすると、すべての連続函数 <math>f:X\rightarrow X</math> は不動点を持つ<ref>{{cite journal|author=Eldon Dyer |year=1956|title=A fixed point theorem | journal=Proceedings of the American Mathematical Society| volume=7 | pages=662–672|doi=10.1090/S0002-9939-1956-0078693-4|url=http://www.ams.org/journals/proc/1956-007-04/S0002-9939-1956-0078693-4/home.html|issue=4}}</ref>。ここで鎖状連続体とは（この場合は必ずしも[[距離空間]]である必要はないが、通常は距離空間である）、すべての開被覆が、<math>U_i \cap U_j \neq \emptyset</math> と <math>|i-j| \leq 1</math> が同値であるような有限開細分 <math>\{U_1,\ldots,U_m\}</math> を持つような[[コンパクト空間|コンパクト]][[ハウスドルフ空間]]のことをいう。鎖状連続体の例には、コンパクト連結線型順序空間や、実数の閉区間などが含まれる。

[[角谷の不動点定理]]は、異なる方向からブラウワーの不動点定理を一般化するものである：空間は '''R'''<sup>''n''</sup> のままであるが、上{{仮リンク|半連続 (多価函数)|lable=半連続|en|hemicontinuity}}[[対応 (数学)|対応]]（集合の各点に対して、その集合の部分集合を与える函数）を考える。その集合のコンパクト性と凸性は必要となる。

[[レフシェッツ不動点定理|レフシェッツの不動点定理]]は、（ほとんど）任意のコンパクト位相空間に対して適用され、不動点の存在を保証する[[特異ホモロジー]]に関する条件を与える。この条件は、''D''<sup> ''n''</sup> の場合は任意の写像に対して自明に成り立つものである。

== 関連項目 ==
* [[不動点定理]]
* [[バナッハの不動点定理]]
* [[シャウダーの不動点定理]]
* [[レフシェッツ不動点定理|レフシェッツの不動点定理]]
* {{仮リンク|タッカーの補題|en|Tucker's lemma}}
* [[角谷の不動点定理]]
* {{仮リンク|位相的組合せ論|en|Topological combinatorics}}
* [[ナッシュ均衡]]
* {{仮リンク|ポアンカレ＝ミランダの定理|en|Poincaré–Miranda theorem}} – ブラウワーの不動点定理と等しい

== 脚注 ==
{{reflist|35em}}

== 参考文献 ==
*{{cite journal |first=S. N. |last=Chow |first2=J. |last2=Mallet-Paret |first3=J. A. |last3=Yorke |title=Finding zeroes of maps: Homotopy methods that are constructive with probability one |journal=Math. of Comp. |volume=32 |year=1978 |issue= |pages=887–899 |doi=10.1090/S0025-5718-1978-0492046-9 }}
*{{cite journal|author=Gale, D. |year=1979|title=The Game of Hex and Brouwer Fixed-Point Theorem | journal=The American Mathematical Monthly | volume=86 | pages=818–827|doi=10.2307/2320146|jstor=2320146|issue=10}}
*{{cite book |first=Morris W. |last=Hirsch |title=Differential Topology |location=New York |publisher=Springer |year=1988 |isbn=0-387-90148-5 }} (see p.&nbsp;72–73 for Hirsch's proof utilizing non-existence of a differentiable retraction)
*{{cite book |first=V. I. |last=Istrăţescu |title=Fixed Point Theory |location= |publisher=Reidel |year=1981 |isbn=90-277-1224-7 }}
*{{cite book |editor-first=S. |editor-last=Karamardian |title=Fixed Points: Algorithms and Applications |location= |publisher=Academic Press |year=1977 |isbn=0-12-398050-X }}
*{{cite journal |first=R. B. |last=Kellogg |first2=T. Y. |last2=Li |first3=J. A. |last3=Yorke |title=A constructive proof of the Brouwer fixed point theorem and computational results |journal=SIAM J. Numer. Anal. |volume=13 |year=1976 |issue=4 |pages=473–483 |doi=10.1137/0713041 }}
*{{SpringerEOM|title=Brouwer theorem|last=Sobolev |first=V.&nbsp;I. |author-link=<!--Vladimir Ivanovich Sobolev-->|urlname=Brouwer_theorem}}

== 外部リンク ==
* [http://www.cut-the-knot.org/do_you_know/poincare.shtml#brouwertheorem Brouwer's Fixed Point Theorem for Triangles] at {{ill2|cut-the-knot|en|Cut-the-Knot}}
* [https://web.archive.org/web/20070319191655/http://planetmath.org/encyclopedia/BrouwerFixedPointTheorem.html Brouwer theorem], from [[PlanetMath]] with attached proof.
* [http://www.mathpages.com/home/kmath262/kmath262.htm Reconstructing Brouwer] at MathPages
* [http://mathforum.org/mathimages/index.php/Brouwer_Fixed_Point_Theorem Brouwer Fixed Point Theorem] at Math Images.

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ふらうわあのふとうてんていり}}
[[Category:不動点定理]]
[[Category:連続写像]]
[[Category:位相幾何学の定理]]
[[Category:凸幾何学の定理]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:数学のエポニム]]