ブロモメタンのソースを表示

{{Chembox
| ImageFileL1 = Methyl bromide.svg
| ImageSizeL1 = 
| ImageFileR1 = Bromomethane-3D-vdW.png
| ImageSizeR1 = 120px
| IUPACName = ブロモメタン 
| OtherNames = 臭化メチル, モノブロモメタン, Methyl fume, ハロン1001, Curafume, Embafume, R-40 B1, UN 1062, Embafume, Terabol
| Section1 = {{Chembox Identifiers
|   CASNo = 74-83-9
|    CASNo_Ref = {{cascite}}
|   EINECS = 200-813-2
|   PubChem = 6323
|   SMILES = CBr
|   InChI = 1/CH3Br/c1-2/h1H3|   RTECS = PA4900000
| KEGG = C18447
  }}
| Section2 = {{Chembox Properties
|C=1|H=3|Br=1
|   Appearance = 無色透明の気体。高濃度でクロロホルムに似た臭気。
|   Density = 1.730 g/cm³ (0°C, 液体) <ref>''Merck Index'', 11th Edition, '''5951'''.</ref>
3.974 g/l (20 °C, 気体)
|   MeltingPt = −93.66 °C
|   BoilingPt = 3.56 °C
|   Solubility = 15.22 g/L
|   LogP = 1.19
|   VaporPressure = 1900 hPa (20 °C)
  }}
| Section3 = {{Chembox Hazards
|   MainHazards = 毒性('''T'''), 環境への危険性('''N'''), [[発癌性]]
|   FlashPt = < -30 °C (液体)
|   Autoignition = 535 °C
|   NFPA-H = 3
|   NFPA-F = 1
|   NFPA-R = 0
|   NFPA-O = 
|   RPhrases = {{R23/24/25}}, {{R34}}, {{R36/37/38}}, {{R45}}, {{R48/20}}, {{R50}}, {{R59}}, {{R68}}
|   SPhrases = {{S1/2}}, {{S15}}, {{S27}}, {{S36/39}}, {{S38}}, {{S45}}, {{S59}}, {{S61}}
|   ExploLimits = 8.6 - 20 %
  }}
}}

'''ブロモメタン'''は、[[分子式]] CH<sub>3</sub>Brで表される[[ハロゲン化アルキル]]の一種である。'''ブロムメチル'''、'''臭化メチル'''（しゅうかメチル）、'''メチルブロマイド'''、'''メチブロ'''とも呼ばれる。不燃性であり、無色でわずかに甘い[[クロロホルム]]様の臭いがある。性質は[[クロロメタン]]と非常に似ている。

==発生・製造==
自然界では[[アブラナ科]]の植物の一部や海中の[[藻類]]、[[コンブ|昆布]]類などにも含まれている。人工的には[[メタノール]]と[[臭化水素]]とを反応させることで製造されている。
:<chem>CH3OH\ + HBr -> CH3Br\ + H2O</chem>

工業生産されたものは圧縮冷却して液化し、耐圧容器（シリンダー）に入れて貯蔵される。直射日光を避けて冷暗所に貯蔵する。

==用途==
[[モントリオール議定書]]により製造と使用が制限されるまでは、[[イチゴ]]などの農作物に対する[[土壌滅菌]]や、[[採種]]時の滅菌などに広く利用されていた。作物生産と異なり、採種では発芽しない種の除去が重要であるため、選択性[[除草剤]]の使用は困難であった。取り扱いが困難な物質であるが、他の土壌滅菌剤と比較するとより安全に使用可能であった。また[[ネズミ]]や[[コクゾウムシ]]などの[[害虫]]駆除のための[[燻蒸|燻蒸剤]]としても広く用いられた<ref>{{Cite journal|和書|author=松山善之助 |year=2006 |url=https://doi.org/10.11274/bimi2002.2006.26 |title=臭化メチル燻蒸に代るクリ (実) 温湯消毒機の開発 |journal=美味技術研究会誌 |ISSN=1348-1282 |publisher=美味技術学会 |volume=2006 |issue=7-8 |pages=26-31 |doi=10.11274/bimi2002.2006.26 |CRID=1390282680323511808}}</ref>が、現在は[[リン化アルミニウム]]などに代替され、代替不可能な防疫燻蒸に限って使用されている。他に[[メチル化]]剤として、あるいは種や羽毛などの洗浄[[溶媒]]としても用いられた。

モントリオール議定書により使用と製造が国際的に規制されたが、アメリカ合衆国では2007年現在も大量に製造されている。2004年には、カリフォルニア地区で700万ポンド（3175トン）以上が[[殺虫剤]]として利用されていたという[[カリフォルニア農薬規制局]]の統計が存在する。

==オゾン層破壊==
[[臭素]]原子は[[塩素]]原子の60倍の[[オゾン層#オゾン層の破壊|オゾン層破壊]]力を持つため、モントリオール議定書ではオゾン層破壊物質として指定されている。しかし代替剤の使用が困難な場合があるとして、一定の規制下で例外的な使用が認められている<ref name=envjp4833>[https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=4833 日本国 環境省 報道発表資料 モントリオール議定書特別締約国会合の結果について（平成16年3月29日付）]</ref><ref name=envjp7661>[https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=7661 日本国 環境省 報道発表資料 モントリオール議定書第１８回締約国会合の結果について（平成18年11月6日付）]</ref>。ゴルフコースなどの[[芝|芝生]]、特に[[ギョウギシバ]]に対して用いられる場合もあるが、モントリオール議定書では使用停止が求められている。

==健康への影響==
高濃度の蒸気を短時間吸入すると、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、衰弱などの症状が現れ、場合によっては興奮や痙攣、急性躁病なども発症する。低濃度の蒸気を長期にわたって吸入した場合は、気管支炎や肺炎の原因になる<ref name="HitCL">Muir, GD (ed.) 1971, ''Hazards in the Chemical Laboratory'', The Royal Institute of Chemistry, London.</ref>。液体が皮膚に付着すると赤くかぶれて痒みが現れ、数時間後に水ぶくれができる。液体、気体ともに目粘膜に深刻な障害を残す<ref name="HitCL" />。漏洩した液は速やかに蒸発するので周辺に近付かないようにする。致死に至る暴露濃度は、その暴露時間により変化する。

また呼吸器や腎臓、神経に与える影響も懸念されている。低濃度で長期に暴露した人間が神経に深刻な障害を負った例は報告されていないが、ウサギやサルを用いた実験では有害性が確認されている。

日本では[[毒物及び劇物取締法]]により原体および製剤が[[劇物]]に指定されている。また、[[労働安全衛生法]]の[[特定化学物質#第2類物質|第2類特定化学物質]]に指定されている。

==脚注==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>

==関連項目==
* [[クロロメタン]]
* [[ヨードメタン]]
* [[ブロモホルム]]

==外部リンク==
*[http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp27.pdf Toxicological profile (U.S. Public Health Service)(pdf)]
*[https://inchem.org/documents/ehc/ehc/ehc166.htm Environmental Health Criteria 166 (IPCS INCHEM)]
*[http://www.env.go.jp/chemi/communication/factsheet/data/1-288.html 日本国 環境省 リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート ブロモメタン]

{{オゾン層破壊}}
{{ハロメタン}}
{{Chem-stub}}

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ふろもめたん}}
[[Category:ハロメタン]]
[[Category:有機臭素化合物]]
[[Category:劇物]]
[[Category:農薬]]