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{{出典の明記|date=2018年5月}} [[File:Three planimeters.JPG|thumb|各種のプラニメータ ]] '''プラニメータ''' (''Planimeter'') は、[[地図]]など平面上の[[図形]]の[[輪郭]]をなぞることにより、その[[面積]]を計測する装置。'''面積計'''ともいう。 多角形の面積を計算するには図形の隣り合う2つの頂点とある特定の点を結んでできる[[三角形]]の面積を加算([[積分]])することで得ることができる。プラニメータはこの原理を利用している。 以前は写真のような機械式のものが多かったが、現在は二つの車輪の回転量から面積を測定する[[デジタル]]型のものが主流になっている。 [[土木]][[測量]]などの分野でよく使用される。 ==動作原理== {{Gallery |title= |align=center |Image:NYW-planimeterLinear.png|リニアプラニメータ |Image:NYW-planimeterPolar.png|ポーラープラニメータ }} 上図を用いてリニアおよびポーラープラニメータの動作を示す。測定する表面 S の輪郭 C にプラニメータの一端にあるポインタ M を沿わせる。リニアプラニメータの場合、エルボ E の動きはy軸上に制限されている。極プラニメータの場合、原点 O とつながっているアームのもう一方の端点にエルボ E は接続されている。アーム ME には、回転軸が ME に平行な測定ホイールが接続されている。アーム ME の動きは、ホイールが回転することで起こる ME に垂直な動きの成分と、ホイールが滑ることで起こる ME に平行な動きの成分とに分解される。平行な動きの成分は読み取りには影響しない。 [[Image:MAD-PlanimeterLinBasis01.png|thumb|400px|right|{{center|リニアプラニメータの動作原理}}]] 動作原理の概略説明のため、例としてリニアプラニメータを用いて右図の長方形 ABCD の面積を測定することを考える。測定は以下のステップからなる。 # ポインタ M を A から B に移動すると、アーム EM は黄色の平行四辺形 <math>A'ABB'</math> を移動する。この平行四辺形の面積は PQ×EM に等しく、さら平行四辺形 <math>A''ABB''</math> の面積とも等しい。測定ホイールで距離 PQ(EM に垂直)を測定する。 # ポインタ M が C から D に移動すると、アーム EM は緑色の平行四辺形を反対方向に移動する。この平行四辺形の面積は長方形 <math>D'' DCC''</math> の面積に等しい。測定ホイールは前者からこの読み取り値を差し引く。 # BC と DA に沿った動きは同じだが向きが反対であるため、ホイールの読み取りに正味の影響を与えることなく、互いに打ち消し合う。 # 最終的な結果として、ABCD の領域である黄色と緑色の領域の差の面積が測定される。 ==数学的説明== より数学的に厳密には、リニアプラニメータの動作は次式の成分を持つ {{math|(''x,y'')}} 平面上の[[ベクトル場]] :<math>\vec{N}(x,y)=(b-y,x)</math> に[[グリーンの定理]]を適用することで説明できる。ここで {{math|''b''}}はエルボ E の {{math|''y''}} 座標である。 このベクトル場 <math>\vec{N}</math> は測定アーム EM に垂直である。つまり :<math>\overrightarrow{EM}\cdot \vec{N} = xN_x+(y-b)N_y=0.</math> また <math>\vec{N}</math> の大きさ(ノルム)は一定でありアームの長さ {{math|''m''}} に等しい。つまり :<math>\|N\| =\sqrt{(b-y)^2+x^2}=m.</math> したがってグリーンの定理を用いて :<math>\begin{align} \oint_C(N_x \mathrm{d}x + N_y \mathrm{d}y) &= \iint_S\left(\frac{\partial N_y}{\partial x}-\frac{\partial N_x}{\partial y}\right) \mathrm{d}x\mathrm{d}y \\ &= \iint_S\left(\frac{\partial x}{\partial x}-\frac{\partial (b-y)}{\partial y}\right) \mathrm{d}x\mathrm{d}y \\ &= \iint_S \mathrm{d}x\mathrm{d}y \\ &= A \end{align}</math> となる。ここで :<math>\frac{\partial}{\partial y}(y-b) = \frac{\partial}{\partial y}\sqrt{m^2-x^2} = 0</math> を用いた。 したがって上式の左辺は輪郭で囲まれた面積 {{math|''A''}} に等しい訳だが、これはホイールで測定された距離に比例する。比例係数は測定アームの長さ <math>m=\|N\|</math> である。 リニアプラニメータはその測定アームに垂直な動きのみを、あるいは <math>N_x\mathrm{d}x+N_y\mathrm{d}y\neq 0</math> のときのみ記録を行っていることに注意する。上記の導出にはこのことが用いられている。この量を閉曲線 C で積分しグリーンの定理を用いることで面積が導出される。 ==関連項目== *[[キルビメータ]] ==外部リンク== *[https://www.koi-s.jp 小泉測機製作所] *[https://www.tamaya-technics.com タマヤ計測システム] {{DEFAULTSORT:ふらにめえた}} [[Category:計測機器]] [[Category:地図]] [[Category:面積]] [[カテゴリ:積算]] {{tech-stub}}
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