プランク長のソースを表示

{{出典の明記|date=2012年1月}}
{{物理定数
| 名称 = 
| 英語 = Planck length
| 画像 = 
| 記号 = <math>\ell_P</math>
| 値 = 1{{Math|''m''{{sub|P}}}}={{val|1.616229|(38)|e=-35|u=[[メートル|m]]}}
| 不確かさ = 2.3{{e-|5}}
| 語源 = [[マックス・プランク]]
}}
'''プランク長'''（プランクちょう、{{lang-en-short|Planck length}}）は、[[長さ]]の[[プランク単位系|プランク単位]]である。記号 <math>\ell_P</math> で表し、単位は{{Math|''m''{{sub|P}}}}である。[[コンプトン波長]]を <math>\pi</math> で割ったものと[[シュワルツシルト半径]]とが等しい長さとなる質量で定義される。このときの質量を[[プランク質量]]という。

== 導出 ==
[[質量]] <math>m</math>、[[光速度]]を <math>c</math>、[[万有引力定数]]を <math>G</math> とすると、そのシュワルツシルト半径 <math>r_s</math> は、
:<math>r_s = {2Gm \over c^2}, </math>
と表される。一方、質量 <math>m</math> のコンプトン波長 <math>\lambda_c</math> は[[プランク定数]] <math>h</math> を使って
:<math>\lambda_c={h \over mc}, </math>
と表される。定義 <math>r_S ={\lambda_C \over \pi}</math> より、
:<math>r_S= {2Gm \over c^2} = {h \over {\pi m}c}={2 \hbar \over {m}c}, </math>
ここで、<math>\hbar={h \over{2 \pi}}</math> （＝[[ディラック定数]]）である。すると、質量 <math>m</math>、シュワルツシルト半径 <math>r_S</math> はそれぞれ、
:<math>m={\sqrt{\hbar c \over G}}, r_S=2{\sqrt{\hbar G \over c^3}}, </math>
となる。このとき、
:<math>\ell= {\lambda_C \over 2{\pi}},</math>
をプランク単位系では'''プランク長'''といい、記号 <math>\ell_P</math> （単位 : {{Math|''m''{{sub|P}}}}）で表す。国際単位系に換算すると、
:<math>\ell_P\,\mbox{m}_p={\ell_P\sqrt{\hbar G \over c^3}} \thickapprox \ell_P\times1.616\ 229(38)\times 10^{-35}\,\mbox{m}.</math>
となる<ref>（括弧内は[[標準不確かさ]]）。[http://physics.nist.gov/cgi-bin/cuu/Value?plkl Planck length 2014年CODATA推奨値]</ref>。

== 背景 ==
この[[物理単位|単位]]は[[自然単位系|自然単位]]による計測系を作ろうとしていた[[マックス・プランク]]によって作られた<ref>{{Cite Kotobank |word=プランク長 |encyclopedia=デジタル大辞泉 |accessdate=2022-02-03}}</ref>。プランク長は[[プランク質量]]に基づくものである。この単位が提唱されたときには[[量子力学]]や[[一般相対性理論]]は知られていなかったが、後に、プランク長のスケールでは[[重力]]が[[量子力学]]の影響を示すことが明らかとなった。そしてこの事から、重力が[[重力子]]によって媒介されていると言う[[基本相互作用|重力相互作用]]の理論が予測された。

[[観測可能な宇宙]]の[[推定]]の大きさ（[[共動距離]]：[[直径]] 930億[[光年]] = {{val|8.798|e=26|u=[[メートル|m]]}}）は、{{val|5.444|e=61|u=プランクメートル}}である。[[量子カオス系]]においてはプランク長よりも小さいスケールが現れることがある。大きさがないといわれている素粒子の[[シュワルツシルト半径]]は1{{Math|''m''{{sub|P}}}}以下であるが、1{{Math|''m''{{sub|P}}}}以下の長さが存在するか否かは判明していないことなどから実際に素粒子が[[シュワルツシルト半径]]を形成しているかどうかは定かではない。

== 脚注 ==
{{reflist}}

{{physics-stub}}

{{DEFAULTSORT:ふらんくちよう}}
[[Category:長さの単位]]
[[Category:自然単位系|ちよう]]
[[Category:物理定数]]
[[Category:マックス・プランク]]
[[Category:物理学のエポニム]]