プロプリズムのソースを表示

{{出典の明記|date=2018年7月}}
[[数学]]の高次元（特に四次元以上）の[[幾何学]]における'''プロプリズム'''（{{Lang-en-short|''proprism''}}; 積角柱）は、ふたつ以上の（その各々が二次元以上の）[[超多面体|（超）多面体]]の[[デカルト積]]として得られる超多面体を言う。{{en|"pro-prism"}}（積角柱）は {{en|''product prism''}}（角柱の直積）の[[かばん語]]で、[[ジョン・ホートン・コンウェイ]]による造語である。プロプリズムの占める空間の次元は、その各直積因子の次元の総和と等しい。また、プロプリズムは{{ill2|一様超多面体|en|Uniform polytope}} の[[多胞体の面|（高次元）面]]としてしばしば生じる。{{sfn|Conway|2008|p=391|loc=Ch. 26 proprism}}

== 性質 ==
* 各プロプリズムの[[頂点 (幾何学)|頂点]]の総数は、その直積因子となる各超多面体の頂点数の総積に等しい。
* 各プロプリズムの最小{{ill2|対称度|en|symmetry order}}（対称性の数）は、その直積因子となる各超多面体の対称度の総積に等しい。高次の対称度を持ち得るのは、直積因子となる超多面体に同じものがあるときに限る。
* プロプリズムが{{ill2|凸超多面体|en|Convex polytope|label=凸}}となるのは、その直積因子がすべて凸となるときである。

== 二項の積 ==
{{See|{{ill2|双角柱|en|Duoprism}}}}

とくに、二つの（超）多面体（それぞれの次元が {{math|2}} 以上{{efn2|二次元の超多面体とは[[多角形]]のことである。}}）の直積として得られる[[超多面体]]を'''双角柱'''{{訳語疑問点||date=2024年3月}} ({{en|''duoprism''}}) と呼ぶ。ふたつの直積因子がそれぞれ {{mvar|k}}-次元および {{mvar|l}}-次元多面体であるとき、それらの直積は ({{mvar|k + l}})-次元の多面体である。

大抵の場合には「双角柱」と言えば二つの[[多角形]]の直積として得られる四次元の図形を指している。この意味の双角柱は、四次元について述べた {{harvs||first=Henry P. |last= Manning|year=1910}} では {{en|''double prism''}}（二重角柱）と呼ばれている{{sfn|Manning|1910|pp=37|ps= , {{google books quote|id=Y7cEAAAAMAAJ|text=double prism|pg=PA37|39}} &mdash;双角柱や双円柱についての記述がある.}}。

考える二つの多角形をそれぞれ点集合とみて {{math|''P''{{sub|1}}, ''P''{{sub|2}}}} とすれば、それら二つの[[デカルト積]]は点集合として <math display="block">P_1 \times P_2 = \{ (x,y,u,v) \mid (x,y)\in P_1, (u,v)\in P_2 \}</math> と書ける。

もっとも小さい双角柱は、ふたつの三角形の積として得られる{{ill2|3,3角柱|en|3-3 duoprism}}である{{efn2|一般に、{{mvar|m}}-角形と {{mvar|n}}-角形の積となる双角柱を {{mvar|m,n}}-（双）角柱とか {{math|(''m'', ''n'')}}-角柱とか呼ぶ。}}。考える三角形が正三角形ならば、その双角柱は[[シュレーフリ記号]]を用いた積 {{math|{{mset|3}} × {{mset|3}}}} として書ける。この双角柱は頂点を{{math|9}}個持つ。

[[正八胞体|四次元立方体]]を、たがいに直交する大きさの等しい[[正方形]]の積として得られる双角柱 {{math|{{mset|4}} × {{mset|4}}}} として構成することもできる（頂点数 {{math|16}}）。<!--同様に、{{ill2|六次元立方体|en|6-cube}}は正方形と立方体の積となる双角柱 {{math|{{mset|4}} × {{mset|4,3}}}} として、{{ill2|八次元立方体|en|8-cube}}は二つの立方体の積 {{math|{{mset|4,3}} × {{mset|4,3}}}} として、それぞれ構成できる。-->

== 三項の積 ==
<!--{{main|{{ill2|triaprism|en|triaprism}}}}-->
六次元より高次では、二次元以上の多面体みっつのデカルト積となる超多面体として、三重角柱 ({{en|triaprism, tri-prism}}) が考えられる。直積因子がそれぞれ {{math2|''j'', ''k'', ''l''}}-次元多面体である三重角柱は {{math|({{mvar|j + k + l}})}}-次元多面体となる。

もっとも次元の低い場合が、みっつの[[多角形]]の積として書ける{{ill2|六次元多面体|en|6-polytope}}である。最小の例として、三つの正三角形の積、シュレーフリ記号で {{math|{{mset|3}} × {{mset|3}} × {{mset|3}}}} と書ける、{{math|27}} 頂点を持つ多面体が挙げられる。これは{{ill2|一様超多面体|en|uniform polytope}}である。

{{ill2|六次元立方体|en|6-cube}}は、三重角柱 {{math|{{mset|4}} × {{mset|4}} × {{mset|4}}}} として構成できる。

== 注 ==
=== 注釈 ===
{{notelist2}}
=== 出典 ===
{{reflist}}

== 参考文献 ==
* {{citation|author-link=ジョン・ホートン・コンウェイ|first=John H. |last= Conway|others= Heidi Burgiel, Chaim Goodman-Strass| title= The Symmetries of Things |year= 2008 |isbn=978-1-56881-220-5|ref=harv}}
* {{citation|title= The Fourth Dimension Simply Explained |first= Henry P. |last= Manning |publisher= Munn & Company |year= 1910 |location= New York |url= https://web.archive.org/web/20030121092141/http://etext.lib.virginia.edu/etcbin/toccer-new2?id=ManFour.sgm&images=images%2Fmodeng&data=%2Ftexts%2Fenglish%2Fmodeng%2Fparsed&tag=public&part=all The Fourth Dimension Simply Explained}}; (Available from the University of Virginia library).

{{DEFAULTSORT:ふろふりすむ}}
[[Category:多胞体]]
[[Category:高次元幾何学]]
[[Category:数学に関する記事]]

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