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[[File:Helmholtz resonator.jpg|200px|thumb|right|ヘルムホルツ共鳴器の一例]] '''ヘルムホルツ共鳴器'''(ヘルムホルツきょうめいき)は、開口部を持った[[容器]]の内部にある[[空気]]が[[ばね]]としての役割を果たし、[[音響共鳴|共鳴]]([[共振]])することで[[音]]を発生する装置である<ref name="hirao">{{cite|和書 |author=平尾雅彦 |title=音と波の力学 |publisher=岩波書店 |year=2013 |isbn=978-4-00-005129-3 |pages=83-85}}</ref>で、[[ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ|ヘルムホルツ]]共振器ともいう<ref name="Ongakukougaku">H.F.オルソン(著)、平岡正徳(訳) 『音楽工学』 誠文堂新光社、1969年。</ref>。この装置で発生する共鳴を'''ヘルムホルツ共鳴'''(Helmholtz resonance)と呼ぶ。 == 概説 == ヘルムホルツ共鳴器の共振[[周波数]]([[固有振動|固有振動数]])は、容器の内[[体積|容積]]と開口部の[[面積]]などによって決まる。日常的な例では、[[びん]]の開口部に横から息を吹きかけることで、一定の高さの音が発生し、びんの中に水を入れて内容積を減少させると、発生する音が高くなることが確認できる。[[口腔]]の内容積や[[唇]]の開き方などを加減して[[音高]]を変える[[口笛]]も、この一種とみなすことができる<ref name="hirao" />。 [[楽器]]に用いられる最も簡単な共振系であり、[[オカリナ]]、[[ギター]]、[[ヴァイオリン]]、[[ホイッスル]]などの共振系は、ヘルムホルツ共鳴器とみなせる。オカリナの場合は[[指孔]]を開閉して、開口部の面積(開いている指孔の面積の[[総和]])を変えることによって音高を変化させる<ref name="Ongakukougaku" />。ギターやヴァイオリンなどの共鳴胴は、これを構成している板材自体も共振系なので、特定の周波数だけでなく、楽器の発生する広範囲の音に対して共鳴するのであるが、ヘルムホルツ共鳴器としての共振(「ヘルムホルツモード」と呼ばれる)も発生しており、それぞれの楽器に固有の[[音色]]や[[音量]]を決める要素のひとつとなっている<ref name="Onkyougaku">安藤由典 『新版 楽器の音響学』 音楽之友社、1996年、ISBN 4-276-12311-9。</ref>。 ヘルムホルツ共鳴器は、特定の周波数の音に共鳴する性質を利用して、[[楽音]]の中に含まれる[[倍音]]の検出や、さまざまな混合音の周波数[[成分]]の[[分析]]に用いられていた。今日そのような目的には[[スペクトログラム|ソノグラフ]]や[[スペクトラムアナライザ]]([[高速フーリエ変換|FFT]]アナライザ)などが使われるようになっている<ref name="Onkyougaku"/>が、現在も楽器はもちろんのこと、[[スピーカー]]や[[建築物]]の吸音装置などの技術として利用されている<ref name="hirao"/>。 == 固有振動数 == [[File:Helmholtz resonator sketch.JPG|240px|right]] [[体積]]''V'' の容器(空洞)から、開口部の[[断面積]]''S'' 、首の長さ''L'' の細い[[管]]が伸びているとき、容器の内部にある空気はバネとしての役割を果たすので、管の内部に存在する空気塊は、[[運動方程式]]; :<math>\rho SL\frac{\partial^2 x}{\partial t^2}+\frac{\gamma p S^2}{V}x = 0</math> にしたがって、あたかも[[質量]] ρ''SL'' を持った[[ピストン]]のように管の中で[[剛体]]的に振動するとみなすことができる<ref name="hirao"/>。ここで ρ は空気の[[密度]]、''x'' は空気塊の[[変位]]、γ は[[比熱比]]、''p'' は[[圧力]]である。この系の固有[[角周波数|角振動数]]は :<math>\omega_0 = c\sqrt{\frac{S}{VL}}</math> となるので、管の開口部などにこの振動数に一致する圧力振動が加えられると、空洞内部で共鳴が発生する。ここで''c'' は[[音速]]であり、次式で表される。 :<math>c = \sqrt{\frac{\gamma p}{\rho}}</math> ただし、以下の[[仮定]]を置いている: * ''LS'' ≪ ''V'' である(管の部分の体積は、容器の体積よりはるかに小さい)。 * 容器内の空気は[[理想気体]]であり、かつその[[圧縮]]・[[膨張]]は[[断熱過程]]である。 一例として、''V'' = 1000 cm<sup>3</sup>、''S'' = 1 cm<sup>2</sup>、''L'' = 10 cmの容器を常温常圧の空気中で共鳴させると、音速をおよそ 3.5×10<sup>4</sup> cm/s として、固有角振動数 ω<sub>0</sub> = 350 [[ラジアン|rad]]/s 、固有振動数 ''f''<sub>0</sub> = ω<sub>0</sub> / 2<math>\pi</math> = 55 [[ヘルツ|Hz]]となる。 === 開口端補正 === 固有振動数を計算する際、実際には管の内部だけでなく、開口部周辺の空気も付加的に振動するため、管の長さは実測値 ''L'' ではなく実効長 ''L' '' として、次のように補正する必要がある<ref name="Ongakukougaku" /><ref name="Physics">N.H.Fletcher、T.D.Rossing(著)、岸 憲史 他(訳) 『楽器の物理学』 シュプリンガー・ジャパン、2002年、ISBN 978-4-431-70939-8。 2012年に丸善出版より再刊 ISBN 978-4621063149。</ref>。 * びんや[[フラスコ]]のように、開口部に[[フランジ]]がない形状の場合、開口部の[[半径]]を ''a'' とすると、 *: <math>L' = L + 1.5a</math> * オカリナやギターの胴のように、開口部にフランジがある形状の場合、開口部の半径を ''a'' とすると、 *: <math>L' = L + 1.7a</math> * ヴァイオリンの「[[f字孔]]」のように、開口部が円形でない場合、開口部の面積を ''S'' とすると、 *: <math>L' = L + \sqrt{{S}}</math> これは "end correction" と呼ばれ、縁端補正<ref name="Ongakukougaku" />あるいは開口端補正<ref name="Physics" />などと訳されている。オカリナやギターなどの楽器の共鳴胴は、フラスコのような形態とはかなり異なるように見えるが、開口部にフランジがあり、''L'' の値が小さい(首の長さがたいへん短い)だけであり、共鳴の発生に関して本質的な違いはない。 上の ω<sub>0</sub> の式から、共鳴周波数は''S'' の[[平方根]]に[[比例|正比例]]し、''V'' と''L'' の平方根に[[反比例]]することがわかる。オカリナの場合は''V'' と''L'' がほぼ一定であり、指孔を開けていくと''S'' が大きくなるので、音高が上がるのである。''S'' が4倍になると周波数は2倍になり、1[[オクターヴ]]上の音が出るはずであるが、実際には''S'' が大きくなると開口端補正の式に従って''L''' も大きくなるので、正確に1オクターヴ上の音を出すためには''S'' を4倍よりさらに大きくする必要がある。 == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == {{commons|Category:Helmholtz resonators}} * [[水琴窟]] * [[バスレフ型]] * [[音響共鳴]] * [[インテークマニホールド]] {{Normdaten}} {{デフォルトソート:へるむほるつきようめいき}} [[Category:音]] [[Category:楽器]] [[Category:ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ]] [[Category:エポニム]]
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