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{{混同|'''ペ'''ル数|link1=ペル数}}[[画像:Genjikonozu.PNG|250px|thumb|[[香の図]]。5本の縦線を横線でつないでグループ化する方法の総数は5番目のベル数 {{math2|1=''B''{{sub|5}} = 52}}通りである。]] '''ベル数'''(ベルすう、{{lang-en-short|Bell number}})とは、{{mvar|n}}個のものを[[集合の分割|分割]](もしくはグループ化)する場合の数のことである。{{mvar|n}}番目のベル数を {{mvar|B{{sub|n}}}} とし、{{math2|1=''B''{{sub|0}} = ''B''{{sub|1}} = 1}} と定義する。名前は数学者[[エリック・テンプル・ベル]]に因む。 例えば 3個のものをグループ化する場合の総数は5通り(後述)であるので 3番目のベル数 {{math|''B''{{sub|3}}}} は5である。 ベル数の列の小さい方は次の通りである: :[[1]], 1, [[2]], [[5]], [[15]], [[52]], [[203]], 877, 4140, 21147, 115975, 678570, 4213597, 27644437, 190899322, 1382958545, 10480142147, 82864869804, 682076806159, 5832742205057, 51724158235372, 474869816156751, 4506715738447323, 44152005855084346, …({{OEIS|A110}}) == 計算例と性質 == a, b, c の3つの要素を各要素の順番を問わずグループ化する方法は *{a}, {b}, {c} *{a}, {b, c} *{b}, {a, c} *{c}, {a, b} *{a ,b, c} の5通りである。よって {{math2|1=''B''{{sub|3}} = 5}} となる。a, b の2つの要素なら *{a}, {b} *{a, b} の2通りであり、{{math2|1=''B''{{sub|2}} = 2}}。同様に {{math2|1=''B''{{sub|1}} = 1}} であり、{{math|''B''{{sub|0}}}} は[[空集合]](0個の要素)をグループ化すると考えて {{math2|1=''B''{{sub|0}} = 1}} とする。 要素の分割の方法とベル数の関係を考える。例えば3個のボール a, b, c を箱に入れる方法は次の通りである。 * a, b, c の3つとも別々の箱に入れる。 * a を一つの箱に、b と c を別の一つの箱に入れる。 * b を一つの箱に、a と c を別の一つの箱に入れる。 * c を一つの箱に、a と b を別の一つの箱に入れる。 * a, b, c の3つとも一つの箱に入れる。 要素が3つのときは5通りの分割の方法があり、これは {{math2|1=''B''{{sub|3}} = 5}} に対応している。 {{mvar|n}} 番目のベル数 {{mvar|B{{sub|n}}}} は以下の[[漸化式]]で与えられる。 :<math>B_{n+1} = \textstyle\sum\limits_{k=0}^n \displaystyle{n \choose k} B_k</math> :<math>{n \choose k}</math> は[[二項係数]]で、[[組合せ (数学)|組み合わせ]]の記号を使えば <math>{}_n \text{C}_k</math> に等しい。ここから以下の式が導かれる。 :<math>B_n=\frac{1}{e} \textstyle\sum\limits_{k=0}^\infty \dfrac{k^n}{k!}</math> また[[素数]] {{mvar|p}} に対して次式が成り立つ。 :<math>B_{p+n} \equiv B_n + B_{n+1}\ \pmod p</math> 上の漸化式より、ベル数の[[母関数#指数型母関数|指数型母関数]] ''B''(''x'') > 0 は[[微分方程式]] ''B'' ′(''x'') = ''e{{sup|x}}B''(''x''), ''B''(0) = 1 を満たすので、[[変数分離法]]より :<math>B(x) = \textstyle\sum\limits_{n=0}^\infty B_n \dfrac{x^n}{n!} = e^{e^x - 1}</math> となることも導ける。 == ベル数の三角形 == [[画像:BellNumberAnimated.gif|250px|thumb|ベル三角形の計算過程。三角形の斜辺にベル数が小さい順に並ぶ]] ベル数は[[パスカルの三角形]]と類似の方法で計算ができる。 まず最初のベル数1を縦に並べて書く。 <pre> 1 1 (x) </pre> ここで ''x'' の値は ''x'' の一つ左の数と、その上にある数との和とする。 <pre> 1 1 2 (y) </pre> ここでは ''y'' の値は 一つ上の段の右端の数と同じ数を書くものとする。 <pre> 1 1 2 2 (z) </pre> ''z'' は ''x'' の場合と同様に左隣の数と斜め左上の数との和である。一番左端の数以外は以下同様に計算する。左端の数は ''y'' と同様に三角形の斜辺上の数を写してくる。 <pre> 1 1 2 2 3 5 5 7 10 15 15 20 27 37 52 </pre> 上からn段目にn個の数が並ぶように順次計算をして数を書き込んでいくと上記のようになる。n段目の右端の数がn番目のベル数である。 == 関連項目 == * [[集合の分割]] * [[スターリング数]] * [[香の図#源氏香の図]] == 外部リンク == * {{高校数学の美しい物語|892|全射の個数の証明とベル数}} * [http://mathforum.org/advanced/robertd/bell.html Diagrams of Bell numbers] * {{MathWorld|urlname=BellNumber|title=Bell Number}} {{DEFAULTSORT:へるすう}} [[Category:整数の類]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:数学のエポニム]]
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