ベーテ格子のソースを表示

[[Image:Bethe lattice.PNG|thumb|225px|right|A Bethe lattice with coordination number ''z&nbsp;=&nbsp;3]]
'''ベーテ格子'''あるいは'''ケイリー樹''' ([[ケイリーグラフ]](Cayley graph)の一種)は、1935年に[[ハンス・ベーテ]]によって導入された無限サイズの[[木_(数学)|木グラフ]]で、 各ノードは''z''個のノードに隣接している。ここで''z''は[[配位数]]と呼ばれる。ベーテ格子は[[木_(数学) #根つき木|根つき木]]で、根ノードのまわりに殻があって、その殻に他のノードが配置されている。根ノードは格子の原点とも呼ばれる。''k''番目の殻にあるノード数は

:<math>\, N_k=z(z-1)^{k-1}\text{ for }k > 0. </math>

で与えられる。根ノードの隣接ノード数を''z''&nbsp;&minus;&nbsp;1とするベーテ格子の定義もある。

特有のトポロジカルな構造により、この格子上における[[格子モデル_(物理学)|格子モデル]]の[[統計力学]]は厳密に解けることがよくある。厳密解は[[ベーテ近似]]と関係している。

== ケイリーグラフとの関係 ==
各ノードが他の2''n''個のノードに結合しているベーテ格子は、本質的に''n''個の生成子上の[[自由群]]のケイリーグラフである。

''n''個の生成子による群''G''の[[群の表現|表現]]は、''n''個の生成子上の自由群から群''G''への[[全射]]に対応し、ケイリーグラフの言葉で言えばケイリー樹からケイリーグラフへの全射に対応する。このことは（[[代数的位相幾何学]]では）ケイリーグラフの[[被覆空間 #普遍被覆|普遍被覆]]と解釈することもできる。その被覆は一般に[[単連結]]ではない。

ベーテ格子とケイリー樹は、前者は無限で後者は有限と区別される。したがって、ベーテ格子は表面がないが、一方でケイリー樹では表面の寄与は無視できないほど大きい<ref>{{cite journal | first=M. | last=Ostilli | title=Cayley Trees and Bethe Lattices, a concise analysis for mathematicians and physicists | arxiv=1109.6725v2 | doi= 10.1016/j.physa.2012.01.038 | journal=Physica A | volume=391 | page=3417 | year=2012 }}</ref>。

== リー群におけるベーテ格子 ==
ベーテ格子は[[フックス群]](Fuchsian group)といった双曲的な[[リー群]]の[[離散群|離散部分群]]として現れる。それ故、ベーテ格子は[[格子_(数学) #リー群における格子|リー群における格子]]の意味でも格子である。
== 関連記事 ==
* [[結晶]]

== 参考文献 ==
{{reflist}}
* {{cite journal | zbl=0012.04501 | doi=10.1098/rspa.1935.0122  | first=H. A. | last=Bethe | authorlink=Hans Bethe | title=Statistical theory of superlattices | journal=Proc. Roy. Soc. London Ser A | volume=150 | year=1935 | pages=552–575 }}
* {{cite book | first=Rodney J. | last=Baxter | authorlink=Rodney J. Baxter | title=Exactly solved models in statistical mechanics | publisher=Academic Press | year=1982 | isbn=0-12-083182-1 | zbl=538.60093 }}

{{DEFAULTSORT:へえてこうし}}
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