ホモクリニック軌道のソースを表示

[[Image:homoclinic.svg|200px|thumb|right|A homoclinic orbit]]

[[数学]]において、'''ホモクリニック軌道'''(''homoclinic orbit'')とは、[[力学系]]における[[w:en:Flow (mathematics)|流れ]]の[[軌跡 (数学)|軌跡]]で、[[鞍点]]（''saddle point''）から出て、同じ鞍点に戻ってくる[[軌道 (力学)|軌道]]である。

より厳密に、鞍点での[[安定多様体]]と[[w:en:unstable manifold|不安定多様体]]の[[共通部分|積集合]]とも定義できる。
[[w:en:Iterated function|反復写像系]]（[[離散力学系]]）でも、ホモクリニック軌道や、ホモクリニックポイントは同様に、安定多様体と不安定多様体の[[不動点]]と[[w:en:periodic point|周期点]]を用いて定義することができる。

== 微分方程式系での定義 ==
次のような[[常微分方程式]]で定義された[[連続力学系]]を考える。
:<math>\dot x=f(x)</math>

<math>x=x_0</math>が不動点であり、解<math>\phi(t)</math>が次を満たすならばホモクリニック軌道である。

:<math>\phi(t)\rightarrow x_0\quad \mathrm{as}\quad 
t\rightarrow\pm\infty</math>

もし、[[相空間]]が3次元以上ならば、鞍点上の不安定多様体をより詳しく調べる必要がある。
大別して2つの場合について述べる。
一つ目は、不安定多様体が[[位相幾何学|幾何学]]的には円筒型と[[同相]]である場合で、
二つ目は、不安定多様体が幾何学的には、[[メビウスの輪]]と同相である場合である。
二つ目のホモクリニック軌道を特に、'''ねじれて'''いると呼ぶ。

離散力学系についても、ホモクリニック軌道は定義可能である。
写像<math>f:M\rightarrow M</math>が、多様体<math>M</math>の[[w:en:diffeomorphism|微分同相]]であるとき、
<math>x</math>が同じ未来と過去を持っている、つまりは、不動点または周期点<math>p</math>が存在する
<br />

:<math>\lim_{n\rightarrow \pm\infty}f^n(x)=p.</math>
であるとき、<math>x</math>をホモクリニックポイントと呼ぶ。

[[Image:oriented.png|200px|thumb|right|An oriented homoclinic orbit]]
[[Image:mobius.png|200px|thumb|right|A twisted homoclinic orbit]]

== 参考文献 ==

* [[w:en:John Guckenheimer|John Guckenheimer]] and [[w:en:Philip Holmes|Philip Holmes]], Nonlinear Oscillations, Dynamical Systems, and Bifurcations of Vector Fields (Applied Mathematical Sciences Vol. 42), Springer

== 外部リンク ==

* [http://www.ibiblio.org/e-notes/Chaos/homoclinic.htm Homoclinic orbits in Henon map] with Java applets and comments

== 関連項目 ==
*[[ヘテロクリニック軌道]]
*[[w:en:Homoclinic bifurcation|ホモクリニック分岐]]

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