ボラジンのソースを表示

{{Chembox
| ImageFileL1 = Borazine-dimensions-2D.svg
| ImageSizeL1 = 150 px
| ImageFileR1 = Borazine-3D-vdW.png
| ImageSizeR1 = 100 px
| IUPACName = ボラジン
| OtherNames = ボラゾール, 無機ベンゼン
| Section1 = {{Chembox Identifiers
|   CASNo = 6569-51-3
|   PubChem = 
|   SMILES = B1NBNBN1
  }}
| Section2 = {{Chembox Properties
|   Formula = B<sub>3</sub>N<sub>3</sub>H<sub>6</sub>
|   RationalFormula =(BH-NH)<sub>3</sub>
|   MolarMass = 80.50 g/mol
|   Appearance = 無色の液体
|   Density = 0.81 g/cm<sup>3</sup>
|   MeltingPt = −58 °C
|   BoilingPt = 55 °C
|   Solubility = 
  }}
| Section3 = {{Chembox Hazards
|   MainHazards = 
|   FlashPt = 
|   NFPA-H = 2  
|   NFPA-F = 2  
|   NFPA-R = 1
|   Autoignition = 
  }}
}}
'''ボラジン''' (borazine) は、[[ホウ素]]と[[窒素]]、[[水素]]よりなる[[複素環式化合物]]である。[[IUPAC命名法]]ではシクロトリボラザン (cyclotriborazane) となる。

== 性質 ==
[[融点]] &minus;58 ℃、[[沸点]] 55 ℃ の無色透明の芳香を持つ[[液体]]で、乾燥した大気下では安定。[[水]]と反応して[[水素]]、[[アンモニア]]、[[ホウ酸]]を生じる。また光により、水素を放出しながら緩やかに重合する。また熱、[[アルコール]]および[[酸]]によっても分解される。引火点が &minus;1.7 ℃ のため、引火しやすく危険。

ボラジンは、[[ベンゼン]]同様に窒素とホウ素が3つずつ平面上に亀の甲（六角形）状に交互に配置した構造をとっており、[[炭素]]を含まないため、｢'''無機ベンゼン'''｣とも言われる。ホウ素の[[電子不足]]性と窒素の電子過剰性が補いあうのでベンゼンと等電子構造体であり、構造上安定とされていたが、実際には窒素とホウ素の[[電気陰性度]]が違うため正六角形にはならず（上の表を参照）、上記のように不安定である。環上に異なる原子が存在していることから部分的なイオン性を示し、低[[誘電率]]を示す。

ボラジンには、下式のような共鳴構造が描かれる。
[[画像:Borazin Mesomers.svg|400px|center|ボラジンの共鳴]]

== 合成 ==
[[1926年]]、[[ドイツ]]の[[アルフレート・シュトック]]らにより[[ジボラン]]と[[アンモニア]]との反応により初めて合成された。
: <chem>3B2H6\ + 6NH3 -> 2B3H6N3\ + 12H2</chem>

[[水素化ホウ素リチウム]]と[[塩化アンモニウム]]から、より高い[[収率]]で合成される。
: <chem>3LiBH4\ + 3NH4Cl -> B3H6N3\ + 3LiCl + 9H2</chem>

二段階による方法では、三塩化ホウ素をまずトリクロロボラジンに変える。続いて、[[水素化ホウ素ナトリウム]]により還元し、塩素を水素へ置き換える。
: <chem>3BCl3\ + 3NH4Cl -> Cl3B3H3N3\ + 9HCl</chem>
: <chem>Cl3B3H3N3\ + 3NaBH4 -> B3H6N3\ + \frac{3}{2} B2H6\ + 3NaCl</chem>

== 利用 ==
[[窒化ホウ素]]や低誘電率膜[http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/10/13/003.html]の原料として重要。

==関連項目==
*{{仮リンク|1,2-ジヒドロ-1,2-アザボリン|en|1,2-Dihydro-1,2-azaborine}} - ベンゼンの二つの炭素がホウ素と窒素に置換した化合物で、[[2008年]]に初めて合成された。

== 外部リンク ==
*[https://www.chem-station.com/blog/2015/03/CBN.html 炭素をBNに置き換えると…] - Chem-station
*[https://www.tcichemicals.com/JP/ja/support-download/chemistry-clip/2017-04-11 化学よもやま話(2017年春)] - [[東京化成工業]]

{{ホウ素の化合物}}
{{窒素の化合物}}
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:ほらしん}}
[[Category:無機窒素化合物]]
[[Category:含ホウ素複素環式化合物]]