マグネシウムのソースを表示

{{Elementbox
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|oxidation states='''2''', 1<ref>{{cite journal| url = http://bernath.uwaterloo.ca/media/24.pdf| title = The spectrum of magnesium hydride| author = Bernath, P. F., Black, J. H., & Brault, J. W.| journal = Astrophysical Journal| volume = 298| year = 1985| page = 375| archiveurl = https://web.archive.org/web/20120111053354/http://bernath.uwaterloo.ca/media/24.pdf| archivedate = 2012年1月11日| deadurldate = 2017年9月}}</ref>
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[[ファイル:Kristalstructuur magnesium.gif|thumb|マグネシウムの結晶構造図]]
[[ファイル:Lewis dot Mg.svg|thumb|マグネシウムのルイス構造式]]
'''マグネシウム'''（{{lang-la|magnesium}}<ref>[http://www.encyclo.co.uk/webster/M/6 WEBSTER'S DICTIONARY, 1913]</ref> {{IPA-en|mæɡˈniːziəm}}）は、[[原子番号]]12の[[元素]]である。[[元素記号]]'''Mg'''。[[原子量]]24.305。[[第2族元素|アルカリ土類金属]]のひとつ。

== 名称 ==
マグネシウムという名称は、マグネシア（magnesia）またはその語源である産地の[[ギリシャ]]・[[マグニシア県]]にちなんで命名された。[[酸化マグネシウム]]および[[オキソ酸]]塩の成分としてのマグネシウムは、[[苦味|苦い味]]に由来して'''苦土'''（くど、bitter salts）とも呼ばれている。日本に初めて紹介されたときは漢字で「麻倔涅叟母」と表記された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.chemistry.or.jp/know/doc/isan001_article.pdf |title=芝哲夫「認定化学遺産 第001号 杏雨書屋蔵 宇田川榕菴 化学関係資料」 |format=PDF |publisher=公益社団法人日本化学会 |accessdate=2022-04-05}}</ref>。

== 性質 ==
[[ヒト]]を含む[[動物]]や[[植物]]の生命活動を支える[[ミネラル]]（[[必須元素]]）のひとつであり、とりわけ植物の[[光合成]]に必要な[[葉緑素|クロロフィル]]で[[配位結合]]の中心として不可欠である。また、有機化学においては[[グリニャール試薬]]の構成元素として重要である。

[[File:Magnesium ribbon burning.jpg|thumb|left|マグネシウムリボンの燃焼]]
[[酸化数]]はほぼ常に2価。[[比重]]1.74の柔らかい金属で、[[融点]]{{val|650|ul=degC}}、[[沸点]]{{val|1090|-|1110|u=degC}}（異なる実験値あり）。マグネシウムには2つの同素体があり、常温、常圧で安定な結晶構造は[[六方最密充填構造]]（HCP）だが、温度を上げると、体心立方格子が安定となる。

[[酸素]]と結合しやすく、強い[[還元]]作用を持つ。空気中で長期間放置すると、表面が次第に[[酸化]]され灰色を帯びる。また、[[二酸化炭素]]、[[水]]、[[亜硫酸]]とも反応するが、いずれも[[不動態]]皮膜となるため[[アルカリ金属]]や[[カルシウム]]と異なり[[腐食]]は進行せず、[[鉱油]]中で保存する必要はない。

空気中で加熱すると[[炎]]と強い[[光]]を発して[[燃焼]]する（[[燃焼熱]]は601.7 kJ/mol）。さらに[[窒素]]や[[二酸化炭素]]中でも燃焼し、それぞれ[[窒化マグネシウム]]（{{math|Mg{{sub|3}}N{{sub|2}}}}、生成熱は461.08<ref name=":1">{{Cite web |title=magnesium nitride |url=https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=C12057715&Units=SI&Mask=2#Thermo-Condensed |website=webbook.nist.gov |access-date=2022-07-05 |language=en}}</ref>kJ/mol）、[[酸化マグネシウム]]（MgO、[[生成熱]]は601.60 <ref>{{Cite web |title=magnesium oxide |url=https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=C1309484&Mask=2 |website=webbook.nist.gov |access-date=2022-07-05 |language=en}}</ref>kJ/mol）となる。
: <chem>{CO2} + {2Mg} -> {2MgO} + C</chem>

熱水や[[塩水]]、薄い[[酸]]には容易に溶解して[[水素]]を発生させる。このため、マグネシウム[[火災]]の[[消防|消火]]には水は使えず<ref>[https://www.j-cast.com/tv/2014/05/15204775.html?p=all 東京・町田「マグネシウム火災」工場 無許可操業で過去にも同様の火災!市は放置] - [[ジェイ・キャスト|J-CASTニュース]]（2014/5/15 14:52版 / 2015年11月6日閲覧）</ref><ref>[https://www.sankei.com/article/20140514-KXOCREHZBBM4NAILQ6IO4SQG7I/ 金属工場火災、鎮火のめど立たず 1人重体、7人重軽傷] - [[産経新聞|産経ニュース]]（2014.5.14 00:59版 / 2015年11月6日閲覧）</ref>、[[スクラップ#ダライ粉|ダライ粉]]などを用いる<ref>[http://magnesium.or.jp/property/safeuse/ マグネシウムの基礎知識:安全な取扱い] - 日本マグネシウム協会（更新日不明 / 2015年10月6日閲覧）</ref>。
: <chem>2H2O\ + Mg -> Mg(OH)2\ + H2</chem>

==== カルシウム以降との違い ====
[[アルカリ土類金属]]の中でも、マグネシウムはCa以下のアルカリ土類金属とは違う性質を持つ。
* 化合物が[[炎色反応]]を示さない。
* 単体（粉末状を除く）が常温の水と反応しない。
* 常温空気中で表面に酸化[[不動態]]を形成する。
* [[硫酸塩]]が水に易溶である。
* [[水酸化物]]が水に難溶かつ弱[[塩基|塩基性]]。
* [[水酸化カルシウム]]は比較的水に溶けにくいが、それでも[[水酸化マグネシウム]]よりは溶けやすい。

===== ベリリウムとの違い =====
マグネシウムは[[ベリリウム]]と共通した化学的性質を持つが、違いもある。
* 陽性が強い。ベリリウム化合物は[[共有結合]]性のものが多いのに対し、マグネシウム化合物は幾分共有結合性を帯びるものの依然[[イオン結合]]性のものが多い。
* 塩基性が強い。ベリリウムは両性元素であるため酸にもアルカリにも溶けるが、マグネシウムは塩基性が強いため、酸には溶けるもののアルカリには溶けない。

=== リチウムとの類似性 ===
マグネシウムは[[リチウム]]と類似性があることでも知られている。その関係は[[斜めの関係]]と呼ばれている関係の一例である。斜めの関係とは、[[周期表]]で左上と右下の位置関係にある元素に見ることができる類似関係であり、周期表の左上隅の元素に見ることが出来る。ここで類似性の例を示す。

* マグネシウムにおける[[グリニャール試薬]]やリチウムにおける[[アルキルリチウム]]など、有機金属化合物を形成する。
* [[硫酸塩]]が水に易溶である（[[硫酸リチウム|硫酸リチウム一水和物]]は0.436 kg/kg (at 0 &deg;C)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kokusan-chem.co.jp/sds/D003161-1.pdf#search=%27硫酸リチウム+溶解度%27|title=安全データシート-国産化学-硫酸リチウム|accessdate=2020-06-12|publisher=}}</ref>、[[硫酸マグネシウム]]は0.30 kg/L (at 20 &deg;C)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kokusan-chem.co.jp/sds/D003310-1.pdf#search=%27硫酸マグネシウム+溶解度+国産かがく%27|title=安全データシート-国産化学-硫酸マグネシウム|accessdate=2020-06-12|publisher=}}</ref>）
* マグネシウムとリチウムはふつうの酸化物を形成する。（他の[[アルカリ金属]]や[[バリウム]]は[[過酸化物]]や[[超酸化物]]を形成する）

しかし、以下のような点では性質が異なっている。

* リチウムは常温で水と激しく反応して水素を発生するが、マグネシウムは常温で水と反応しない
* [[水酸化リチウム]]は水に易溶であるが、[[水酸化マグネシウム]]は水に難溶である。

このような性質はリチウムとマグネシウムが似た[[電荷密度]]を持っていることで説明できる。（リチウムイオンは98 C/mm<sup>3</sup>、マグネシウムイオンは120 C/mm<sup>3</sup>、ナトリウムイオンは24 C/mm<sup>3</sup><ref>{{Cite book|title=レイナーキャナム無機化学（原著第4版）|date=2016年10月20日|year=|publisher=東京化学同人|pages=134p}}</ref>）

=== 異方性 ===
[[File:Magnesium's Anisotropy.PNG|thumb|'''マグネシウムの異方性'''<br />0001：滑り面  0012：双晶面]]
マグネシウムの[[結晶]]構造は[[室温]]では2つの面でしか滑りを起こさないため、純マグネシウムや合金を加熱せずに圧延などの加工をすると割れが発生しやすい。加工には加熱が必須となるが、燃焼しないよう注意を払う必要がある。

== 歴史 ==
マグネシウムは安定な[[酸化物]]を作るため、[[アントワーヌ・ラヴォアジエ|ラボアジエ]]はマグネシア（[[酸化マグネシウム]]）を[[元素]]としてあげている。[[1755年]]、[[スコットランド]]の[[ジョゼフ・ブラック]]は[[炭酸マグネシウム]]を熱分解し、[[酸化マグネシウム]]と二酸化炭素に分離しているが、これをマグネシウムの発見とする事もある。

[[単離]]され[[金属]]元素であることが証明されたのは、[[1808年]]、[[ハンフリー・デービー]]によるマグネシアと[[酸化水銀]]の[[溶融]][[電気分解]]による。

商業生産は[[1886年]]（明治19年）、[[アルミニウム]]と同時期に開始されたものの、[[精錬]]（カルシウムとの分離）が困難で普及が遅れた。[[第一次世界大戦]]を契機に軍事利用が伸び、[[1936年]]には軍事目的を陰に[[オリンピック聖火|五輪の聖火リレー]]に利用され、[[1939年]]には3万2850[[トン]]、[[1943年]]のアメリカで18万4000トンが生産されている。[[日本]]では[[第二次世界大戦]]前から[[1994年]]（平成6年）まで[[UBE (企業)|宇部興産]]により生産されていた。マグネサイトなどの鉱石資源は、[[中国]]、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]、[[ロシア]]の3国で6割以上を占めている<ref>{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20130121074833/http://www.tohoku.meti.go.jp/2008/kankyo/recycle/date/7.pdf 2.7 マグネシウム（Mg）]}}東北経済産業局（2013年1月21日時点のアーカイブ）</ref>。

== 用途 ==
非常に軽い軽[[合金]]材料として重要であり、金属マグネシウムとしてさまざまな合金の第一金属（合金の基本となる金属）や、[[添加剤]]に利用される。また、反応性の高さから[[脱酸素剤]]や[[脱硫剤]]、さらに[[有機合成用試薬]]として欠かせない。必須元素であり、[[食品]]や[[医薬品]]のほか、[[飼料]]、[[肥料]]として広く用いられる。

=== 金属として ===
{{main|マグネシウム合金}}
* 合金 - 軽量で優れた性質を持ち、特に軽量化が重視される分野で需要が伸びている。安価になれば[[プラスチック]]を代替する可能性もある。
*: 工業的に使用されているもっとも軽い[[金属]]で用途は広く、[[航空機]]、[[自動車]]、[[農業機械]]、[[工具]]、[[メカトロニクス|精密機械]]、[[スポーツ用具]]、[[スピーカー]]の振動板、携帯用機器の筐体、[[医療機器]]、[[宇宙船]]、[[兵器]]など多種にわたる。かねてより問題であった腐食しやすい性質が改善されるにつれ、利用されるようになっていった。
* 合金添加剤 - 1998年ごろには世界需要の半数近くを占めた<ref>[http://www.magnesium.or.jp/ 日本マグネシウム協会]</ref>。[[アルミニウム合金]]などに添加元素として少量付加するだけであっても、その合金としての性質を大きく左右する働きを持つ。この性質から、これまでの合金の[[硬度]]、[[強度]]、[[耐食性]]、[[耐熱性]]、その他機械的性質を向上させるための研究が活発に行われている。
* [[鋳鉄]] - [[ダクタイル鋳鉄]]（FCD）の[[黒鉛]]ノジュラー（球状）化剤。
* [[鉄鋼]][[脱硫剤]] - 合金用途以外ではもっとも消費量が多く、[[精錬]]用[[フェロアロイ]]（フェロマグネシウム）。
* 金属[[還元剤]] - [[ジルコニウム]]、[[チタン]]の製錬。
* 防食 - 防食マグネとして、金属の犠牲電極効果や、酸化物が使用される。
* [[カメラ]]の[[閃光電球|フラッシュ]] - [[酸化剤]]を混合した[[閃光粉]]が利用され、「マグネシウムを焚く」と表現した。光量調節が難しく、換算表に規定の使用量を[[天秤秤]]で毎回計量することを必要とし、発光時に大量の煙を発生させ、[[シャッター (カメラ)|シャッター]]との同調も手作業であるため、[[閃光電球]]や[[エレクトロニックフラッシュ]]によって置き換えられた。
* 発火用具（[[エマージェンシーファイヤースターター|ファイアスタータ]]）- 水に濡れていても発火できるため、軍事用、キャンプ用、非常用など。通常発火点としての[[フェロセリウム]]と組み合わされており、あらかじめナイフなどで削ったマグネシウム粉を[[火口 (点火具)]]とし、[[フェロセリウム]]部で火花を起こして点火する。マグネシウム部のない[[フェロセリウム]]の発火機能のみのファイヤースターター類であっても「マグネシウム・ファイヤースターター」などの呼称が用いられる例が少なくないが、これは誤用である。
* [[スピーカー]]の振動板 - 単体は合金より内部損失が大きく、酸化防止の樹脂コーティングを施して使用される。

=== 工業 ===
* 耐火材 - 炉内耐火材（塩基性[[耐火煉瓦]]）として、おもに電気炉で用いる。
* 吸着材 - 水酸化マグネシウムが多く、酸化、炭酸マグネシウムなども。
* [[ゴム]]、[[プラスチック]]配合剤 - 添加剤、充填剤。
* [[セラミックス]] - 原料、焼結助剤。
* [[ガラス]] - 酸化ガラス添加剤。
* [[電池]] - [[空気マグネシウム電池]]。
* 排煙脱硫剤 - 安価で脱硫効率が高い、水酸化マグネシウム放流法。
* 排水処理 - 石灰と同様、酸性排水の中和（カルシウムが混在したものが使われる）。
* 水質改善 - [[アオコ]]対策、[[赤潮]]対策、底質改善。
* 重金属処理 - アルカリ剤として不溶化処理、ヘドロなど泥土の固化。

=== 有機合成用試薬 ===
マグネシウムは[[ハロゲン化アルキル]]と反応し、R-MgX（Rは有機置換基、Xは[[ハロゲン]]）の一般式で表される[[有機金属化合物]]を作る。これは[[グリニャール試薬]]と呼ばれ、[[カルボニル]]化合物などと反応して炭素-炭素結合を生成する。このため[[有機合成]]分野において重要な試薬として用いられる。

そのほかにも多くの[[錯体]]・[[塩基性塩]]などの化合物を合成する。これらはおもに化学実験において、合成[[試料]]や[[試薬]]として使われる。

=== 農業、食品、医薬 ===
* [[肥料]] - 肥料分野においては、'''苦土'''の名称が用いられる事が多い。代表的な苦土肥料として、炭酸苦土肥料（もっとも代表的なものとして、[[炭酸カルシウム]]（CaCO<sub>3</sub>）との混合物である[[苦土石灰]]）、水酸苦土肥料、硫酸苦土肥料など。肥料としてのマグネシウムの効果については[[栄養素_(植物)#マグネシウム]]参照のこと。
* [[食品添加物]] - [[にがり]]（主成分は[[塩化マグネシウム]]（MgCl<sub>2</sub>））が[[豆腐]]製造の[[凝固剤]]（[[塩析]]剤）として用いられる（豆腐用の凝固剤に用いられるマグネシウム化合物には、ほかに[[硫酸マグネシウム]]（MgSO<sub>4</sub>）がある<ref>[http://www.tofu-as.com/tofu/qa.html#q02 日本豆腐協会│豆腐のあれこれQ&A Q2. 凝固剤にはどんなものがあるのでしょうか？]</ref>。）。ほかに、[[膨張剤]]（[[炭酸マグネシウム]]（MgCO<sub>3</sub>））、栄養強化剤、加工助剤、呈味料など。なお、マグネシウムには呈味効果を有する[[有機酸]]との化合物が多数あるが（[[酢酸マグネシウム]]など）、現在（2019年）の日本においては、それらの多くは食品添加物として認められていない。
* [[医薬品]] - クエン酸マグネシウムが大腸検査用[[下剤]]などとして。また[[一般用医薬品]]の分類で酸化マグネシウム製剤や水酸化マグネシウム製剤が市販されている。

=== 次世代エネルギー ===
燃焼にて[[二酸化炭素]]を発生しないことから、[[化石燃料]]に替わる次世代エネルギーとしての利用研究が進められている。

水素に比べて常温・常圧下で固体なので輸送・貯蔵がしやすいというメリットがある。水と反応させて燃えるときの熱を利用するほか、同反応により発生する水素を燃料として利用する方法が挙げられる。燃焼後の酸化物を[[リサイクル]]するための還元処理に大きなエネルギーが必要となることが最大の課題であり、[[レーザー]]による高温を利用する方法などが提案されている<ref>{{Wayback|url=http://www.titech.ac.jp/about/introduction/html_chronicle/402/402-1.html|title=東工大クロニクルNo.402「太陽光レーザー、水、マグネシウムによる革新的エネルギーサイクル」|date=20130320025515}}</ref>。

ただし、マグネシウムを燃料として使用する場合、燃焼させて熱エネルギーに変換したうえで熱機関を利用する以上、[[カルノー効率]]を超えることはできない。また、水と反応させて水素を取り出しその水素を燃焼させる場合や生成した水素を燃料電池で電気エネルギーに変換するという用途も同様に効率が低い。

マグネシウムの持つ化学エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換する方法としては、電池の陰極としてマグネシウムを使用する方法が効率がよい。ただし、マグネシウムは反応性が高く水と反応してしまうため、電解質に水溶液を用いることができない。このため、有機系電解質または溶融塩を使用することになる。
{{main|空気マグネシウム電池}}

== マグネシウムの化合物 ==
=== 無機塩 ===
* [[酸化マグネシウム]]（MgO） - 苦土
* [[過酸化マグネシウム]]（MgO<sub>2</sub>）
* [[水酸化マグネシウム]]（Mg(OH)<sub>2</sub>）
* [[フッ化マグネシウム]]（MgF<sub>2</sub>）
* [[塩化マグネシウム]]（MgCl<sub>2</sub>）
* [[臭化マグネシウム]]（MgBr<sub>2</sub>）
* [[ヨウ化マグネシウム]]（MgI<sub>2</sub>）
* [[水素化マグネシウム]]（MgH<sub>2</sub>）
* [[二ホウ化マグネシウム]]（MgB<sub>2</sub>）
* [[窒化マグネシウム]]（Mg<sub>3</sub>N<sub>2</sub>）
* [[硫化マグネシウム]]（MgS）
* {{仮リンク|三ケイ酸マグネシウム|en|Magnesium trisilicate}}（2MgO、3SiO<sub>2</sub>、nH<sub>2</sub>O） - [[制酸剤]]、医薬品添加物、[[食品添加物]]

==== オキソ酸塩 ====
* [[炭酸マグネシウム]]（MgCO<sub>3</sub>） - [[菱苦土石]]
* 炭酸カルシウムマグネシウム（CaMg(CO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>） - [[苦灰石]]、ドロマイト
* [[硝酸マグネシウム]]（Mg(NO<sub>3</sub>)<sub>2</sub>）
* [[硫酸マグネシウム]]（MgSO<sub>4</sub>）
* [[亜硫酸マグネシウム]]（MgSO<sub>3</sub>）
* [[過塩素酸マグネシウム]]（MgClO<sub>4</sub>）
* [[リン酸三マグネシウム]]（Mg<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>、8H<sub>2</sub>O）([[w:Trimagnesium phosphate|Trimagnesium phosphate]])
* [[過マンガン酸マグネシウム]]（Mg(MnO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>）
* {{仮リンク|リン酸マグネシウム|en|Magnesium phosphate}}

==== 鉱物 ====
* [[尖晶石]]、スピネル（MgO、Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>）
* [[滑石]]（Mg<sub>3</sub>Si<sub>4</sub>O<sub>10</sub>(OH)<sub>2</sub>）
* [[蛇紋石]]（Mg<sub>3</sub>Si<sub>2</sub>O<sub>5</sub>(OH)<sub>4</sub>）

=== 有機塩 ===
[[有機酸]]との塩である。
* [[酢酸マグネシウム]]（Mg(CH<sub>3</sub>COO)<sub>2</sub>）
* [[クエン酸マグネシウム]] ([[w:Magnesium citrate|Magnesium citrate]])
* [[クエン酸トライマグネシウム]]（[[クエン酸トリマグネシウム]]、[[2クエン酸3マグネシウム]]）([[w:Trimagnesium citrate|Trimagnesium citrate]], [[w:trimagnesium bicitrate|trimagnesium bicitrate]])
* [[リンゴ酸マグネシウム]]
* [[グルタミン酸マグネシウム]]
* [[安息香酸マグネシウム]]（C<sub>14</sub>H<sub>10</sub>MgO<sub>4</sub>）
* [[ステアリン酸マグネシウム]]（Mg(CH<sub>3</sub>(CH<sub>2</sub>)<sub>16</sub>COO)<sub>2</sub>）
* {{仮リンク|オロト酸マグネシウム|en|Magnesium orotate}}
* {{仮リンク|グルコン酸マグネシウム|en|Magnesium gluconate}}
* {{仮リンク|グリシン酸マグネシウム|en|Magnesium glycinate}}
* {{仮リンク|タウリン酸マグネシウム|en|Magnesium taurate}}
* スレオニン酸マグネシウム

== 同位体 ==
{{main|マグネシウムの同位体}}
マグネシウムは3つの安定同位体<sup>24</sup>Mg、<sup>25</sup>Mg、<sup>26</sup>Mg を持つ。

== 栄養学 ==
精製・加工していない食品に広く含まれ、[[ゴマ]]や[[アーモンド]]などの[[種実]]類、[[ひじき]]などの[[海藻]]類に多く、加工食品に少ない。
=== 摂取基準 ===
[[厚生労働省]]が定めた2015年版の『日本人の食事摂取基準』<ref>{{cite report|和書|title= 日本人の食事摂取基準（2015年版）の概要|format=pdf|url=https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf|chapter=「日本人の食事摂取基準（2015年版）策定検討会」の報告書を取りまとめました(厚生労働省)|date=2014-03-28|edition=平成26年8月21日|publisher=厚生労働省|accessdate=2018-02-03}}</ref>より抜粋改変。
{|class="wikitable"
|+摂取基準（2015年版）
|-
!性別!!年齢!![[推奨量]]<br/>（RDA, mg/日）!![[耐容上限量]]<br/>（UL, mg/日）
|-
|男||18歳以上||320&ndash;370|| 設定なし<br/>（参考値 650&ndash;700）<ref group="注" name="6次改定">第6次改定版（2000年版）では650&ndash;700&nbsp;mg/日とされていた。（[https://www.mhlw.go.jp/www1/shingi/s9906/s0628-1_11.html 第6次改定日本人の栄養所要量について]参照）</ref>
|-
|女||18歳以上||270&ndash;290|| 設定なし<br/>（参考値 650&ndash;700）<ref group="注" name="6次改定"/>
|}
[[サプリメント]]などの通常の食品以外からの摂取分については耐容上限量を350 mgとする。<ref>{{PDFlink|[https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf 「日本人の食事摂取基準（2015 年版）の概要」 p.32]}}</ref>

=== 摂取状況 ===
平成22年国民健康・栄養調査によれば、日本人成人（30&ndash;49歳男性）の推定摂取量は240&ndash;244 mg/日とされ、[[WHO]]推奨量である420&nbsp;mg/日より不足している<ref>[http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail656.html マグネシウム] 国立健康・栄養研究所</ref>。

== 生化学 ==
=== 生物との関係 ===
マグネシウムは植物の[[光合成]]色素であるクロロフィルに含まれ、光を受け止める役割を担っている。このため[[マグネシウム欠乏症 (植物)|マグネシウムが欠乏]]すると、植物の生育は減退し、[[収穫]]量の減量につながる。これは[[砂地]]で生育する植物に特に現れる。[[カリウム]]が豊富に含まれる土壌でも、植物へのマグネシウムの供給が行われにくくなることもわかっている。このため[[肥料]]として、マグネシウム化合物を含んだものが使用されることがある。

植物はマグネシウム不足になると小葉の葉脈間が黄変する症状がみられる<ref name="gifu">[https://www.gifu.crcr.or.jp/media/chousakenkyu/kenkyu/environment_01.pdf 岐阜県街路樹等整備･管理の手引き] 岐阜県建設研究センター、岐阜県造園緑化協会、2022年4月23日閲覧。</ref>。

人間の生体内には約25 gのマグネシウムが存在し<ref name=":0">{{PDFlink|[https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114400.pdf 「日本人の食事摂取基準（2015年版）策定検討会」報告書 p.262]}}</ref>、その50&ndash;60&nbsp;%がリン酸塩として骨組織に<ref name=":0" />、残りは[[血漿]]、[[赤血球]]、筋肉中の各組織に存在する。[[血清]]中のマグネシウムは、約75&ndash;85&nbsp;%がイオンや塩類の形態の透析型で、残りの15&ndash;25&nbsp;%は[[アルブミン]]などと結合した蛋白結合型（非透析型）で存在し、その濃度はおおむね1.8&ndash;2.3程度に維持されている<ref name=":0" />。

マグネシウムは人体にとっても、骨や歯の形成<ref name=":0" />、ならびに[[リボソーム]]の構造維持や[[タンパク質]]の合成、そのほかエネルギー代謝に関する生体機能に[[必須元素|必須な元素]]であるため、マグネシウムの欠乏は[[骨粗鬆症]]、[[虚血性心疾患]]、[[糖尿病]]などの原因のひとつと考えられている<ref name=":0" />。生体内でマグネシウムはおもに[[骨]]の表面近くにマグネシウムイオンとして保存され、[[代謝]]が不足した場合には[[カルシウム]]イオンと置き換わり、マグネシウムが体内に補充される。マグネシウムの生体内での[[栄養素]]や薬理的な働きについては広範にわたって研究が行われているが、いまだその重要な面に関しては不明な点が多い。最近では、ミネラル成分のひとつとして[[サプリメント]]や[[清涼飲料水]]などに添加されることが多くなってきている{{要出典|date=2016年10月}}。

マグネシウム過多による植物への影響は不明とされている<ref name="gifu" />。

マグネシウムは動植物に対して[[毒|毒性]]の強い元素でないため、植物肥料として過剰使用を特に警戒する必要はないが、動物が直接食物から摂取する場合には、ほかの[[無機物]]（リンやカルシウム）とのバランスを適切にしなければ、[[尿路結石]]などの原因になりうることがわかっている。これを受けて、[[ネコ|猫]]用の[[飼料]]は、組成中のマグネシウムを減らすように改良されるようになった。

=== 薬理作用 ===
[[マグネシウム欠乏症]]の治療と予防に用いられるほか、[[乳酸]]が溜まった状況下で、足のつり（[[こむら返り|腓(こむら)返り]]）などの緩和に有効性が示唆されている。

マグネシウムは生体に必要不可欠な成分である反面、[[豆腐]]の製造にマグネシウムを含む[[にがり]]が使われることからも分かるように、高濃度のマグネシウムイオンは[[タンパク質]]を固化する性質を有する。マグネシウムの吸収機構は解明されていないが<ref>[http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/rinsho/J-thema/J-thema-8.htm 8.マグネシウムの再吸収異常と生活習慣病との関連性について]</ref>{{信頼性要検証|date=2012年11月}}、[[腸]]管からのマグネシウムの吸収率は、マグネシウム摂取量が多ければ吸収率が低下し、摂取量が少なければ吸収率は高くなる<ref>{{Cite book|和書|editor=Barbara A. Bowman, Robert M. Russell |title=専門領域の最新情報 最新栄養学 |edition=第8版 |publisher=建帛社 |isbn=4767960983 |ncid=BA59068042 }}</ref>。[[腸管]]から吸収されなければ、マグネシウムイオン濃度の高まりにより腸管内での浸透圧が高まることになる。このためサプリメントなどによるマグネシウムの過剰摂取で[[下痢]]を起こす<ref name=":0" />。この作用を利用し、[[クエン酸マグネシウム]]などは[[大腸]][[内視鏡検査]]に際して[[下剤]]として使われる。また、[[便秘]]の不快症状を緩和する目的の下剤として[[酸化マグネシウム]]（通称カマ）として用いられる。弱い[[塩基]]である酸化マグネシウムや[[水酸化マグネシウム]]は、[[胃酸]]中和のために[[胃腸薬]]に配合される。食品では、豆腐や天然塩などに含まれる[[にがり]]からマグネシウムが微量に摂取される。

過剰摂取により[[高マグネシウム血症]]を引き起こす。[[重篤]]な[[腎不全]]患者における大量摂取は非常に危険であり、心ブロック患者には静脈注射が禁忌となっている<ref>{{Hfnet|33|マグネシウム}}</ref>。なお、近年のダイエットブームにおいて[[にがり]]の過剰摂取で死亡した事例もあるため、安易な過剰摂取は厳に慎むべきである。マグネシウムの[[急性毒性]]は、[[塩化マグネシウム]]として、[[ハツカネズミ|マウス]]経口[[半数致死量|LD50]]は4700&nbsp;mg/kg、[[ラット]]経口LD50は2800&nbsp;mg/kgである<ref>{{PDFlink|[http://www.kishida.co.jp/product/catalog/msds/id/7448/code/900-02005j.pdf 製品安全データシート 0.01mol/1(M/100)-塩化マグネシウム溶液]}} キシダ化学株式会社</ref>{{信頼性要検証|date=2012年11月}}。このラットのデータを70&nbsp;kgのヒトに当てはめた場合、約200&nbsp;gの塩化マグネシウムを一時に摂取すると50 %の確率で死に至ることに相当する。

また、マグネシウム摂取量が多いグループの男性の[[大腸癌]]リスクが低い<ref>[https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/385.html マグネシウム摂取と大腸がんとの関連について JPHC Study 多目的コホート研究] 独立行政法人国立がん研究センター</ref>との報告がある。

; 糖尿病との関連性
: 慢性的な摂取不足は、[[脂肪細胞]]から分泌される分泌蛋白[[アディポネクチン]]の低下を招き、高感度CRPやIL-6の上昇に関連しており、[[2型糖尿病]]発症リスクを上昇させている<ref>[https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2012/201205/525038.html マグネシウム摂取不足の解消こそが糖尿病の増加を抑える] 日経メディカルオンライン 2012年5月22日</ref>。
; うつ病との関連性
: マグネシウム欠乏下では、興奮性グルタミン酸神経の[[NMDA受容体]]の抑えが効かなくなり<ref group="注">マグネシウムはNMDA受容体の活性をブロックするモジュレータ([[:en:NMDA receptor#Modulators|英]])として働く。</ref>、その神経毒性により[[うつ病]]が引き起こされているのではないかという仮説がある。
: [[核磁気共鳴分光法|NMR]]を用いた計測では、[[うつ病#治療反応性による分類|治療抵抗性うつ病]]で自殺企図あるいは自殺未遂経験のある患者では、[[脳脊髄液]]中のマグネシウム量が低いこと、[[抗うつ薬]]は脳内マグネシウム量を増やす作用があること、2008年の[[糖尿性うつ病]]患者へのマグネシウム投与で成果をあげていることから<ref>{{cite journal|last1=Barragán-Rodríguez|first1=L|last2=Rodríguez-Morán|first2=M|last3=Guerrero-Romero|first3=F|title=Efficacy and safety of oral magnesium supplementation in the treatment of depression in the elderly with type 2 diabetes: a randomized, equivalent trial|journal=Magnesium research : official organ of the International Society for the Development of Research on Magnesium|volume=21|issue=4|pages=218–23|year=2008|pmid=19271419}}</ref>、治療抵抗性うつ病患者に限らず、マグネシウムの処方は有益であるとする報告がある<ref>{{cite journal|pmid=19944540|last1=Eby Ga|first1=3rd|year=2010|pages=649–660|issue=4|volume=74|last2=Eby|journal=Medical hypotheses|first2=KL|title=Magnesium for treatment-resistant depression: a review and hypothesis|url=http://www.medical-hypotheses.com/article/S0306-9877(09)00730-0/fulltext|doi=10.1016/j.mehy.2009.10.051}}</ref>。
: また、magnesium glycinateまたはmagnesium taurinateの投与により、およそ1週間程度の短期での症状改善の報告がある<ref>{{cite journal
|author1=George A. Eby
|author2=Karen L. Eby
|pages=362–370|issue=2|volume=67|year=2006
|journal=Medical hypotheses
|title=Rapid recovery from major depression using magnesium treatment
|url=http://www.medical-hypotheses.com/article/S0306-9877(06)00103-4/fulltext
|doi=10.1016/j.mehy.2006.01.047}}</ref>。
; 免疫系との関連性
: 閉経後の女性に関する[[コホート研究]]において、さまざまな変数を調整後のマグネシウムの摂取量と、[[炎症]]に関係する[[バイオマーカー (薬学)|バイオマーカー]]の数値とが[[反比例]]するとの報告がある<ref>{{cite journal
|author=Sara A. Chacko, MPH, Yiqing Song, MD, SCD, Lauren Nathan, MD, Lesley Tinker, PHD, Ian H. de Boer, MD, Fran Tylavsky, DRPH, Robert Wallace, MD and Simin Liu, MD, SCD1
|pages=304–310|issue=2|volume=33|year=2009
|journal=Diabetes Care
|title=Relations of Dietary Magnesium Intake to Biomarkers of Inflammation and Endothelial Dysfunction in an Ethnically Diverse Cohort of Postmenopausal Women
|url=http://www.medical-hypotheses.com/article/S0306-9877(06)00103-4/fulltext
|doi=10.1016/j.mehy.2006.01.047}}</ref>。すなわち、マグネシウムの摂取量が多いほど体内の炎症反応が少ないことを示している。
; 高血圧との関連性
: 2022年1月、[[アメリカ食品医薬品局]](FDA)は、マグネシウムの摂取が高血圧のリスクを低減する可能性があることを示す健康強調表示を企業が使用することに反対するつもりはないと発表した<ref>{{Cite journal|last=Nutrition|first=Center for Food Safety and Applied|date=2022-01-10|title=FDA Announces Qualified Health Claim for Magnesium and Reduced Risk of High Blood Pressure|url=https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-announces-qualified-health-claim-magnesium-and-reduced-risk-high-blood-pressure|journal=FDA|language=en}}</ref>。（つまり、企業がマグネシウムを含む食品や薬品において、高血圧リスクを低減できる効果があるかもしれない、と謳うことには問題がないと示した）
: 当然ながら消費者に誤解を与えないことや、健康強調表示自体を行うための他の基準を満たしていることが前提である。また、FDA自身はマグネシウム自体が高血圧に対して効果がある可能性は認めつつも、それらのエビデンスについては「一貫性がなく結論も出ていない」（inconsistent and inconclusive）ものであるとしている。
<!-- 高血圧の場合、錠剤を飲んだり、マグネシウムを添加した食品を食べたりするよりも、この重要なミネラルを自然に豊富に含む食品から摂取する方がよい。マグネシウムのよい摂取源は、無塩アーモンド、ピーナッツ、ほうれん草、黒豆などである。これらの食品には、血圧を下げる作用のある他の栄養素（特に食物繊維）が含まれており、また、もともとナトリウムが少ないという利点もある。ナトリウムの摂りすぎは、マグネシウムの不足よりも血圧に大きな影響を与える可能性がある。

// 「よい」とする検証可能な根拠が出典元でも特に示されていないのでコメントアウト -->
; 睡眠改善との関連性
: マグネシウムの摂取は、睡眠時のリラックス効果やレストレスレッグ症候群に効果があるとされている<ref>{{Cite web|和書|title=Your "Prescription" - Sleep and the Brain |url=https://www.coursera.org/lecture/biohacking-your-brains-health/your-prescription-XUNkz |website=Coursera |accessdate=2022-03-19 |language=ja}}</ref>。

== マグネシウムが関連した主な事故 ==
* [[1957年]]（昭和27年）[[12月26日]] - [[愛知県]][[名古屋市]]中区新栄町の写真機材店でマグネシウムが爆発。死者10人、重軽傷者27人<ref>{{Cite book |和書 |editor=日外アソシエーツ編集部 |title=日本災害史事典 1868-2009 |publisher=日外アソシエーツ |year=2010-09-27 |page=89 |isbn=9784816922749}}</ref>。
* [[2014年]]（平成26年）[[5月13日]] - [[東京都]][[町田市]]の金属加工会社でマグネシウムが発火。工場側はマグネシウムの取り扱いを届け出ていなかったこともあり、駆けつけた消防隊が放水を続けて被害が拡大した。死者1人、重軽傷者7人<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20140527-KPQKQ4AWGNMIXE4FFPZX6HUWSE/ |title=指導無視、マグネシウム届け出ず　町田工場火災、初動で消防隊が放水、爆発・炎上 |publisher=産経新聞 |date=2014-05-27 |accessdate=2023-10-01}}</ref>。
* [[2018年]]（平成30年）9月 - [[兵庫県]][[神戸市]][[東灘区]]の[[六甲アイランド]]で保管されていた[[コンテナ]]から出火。マグネシウムが保管されていたコンテナが、[[平成30年台風第21号|台風第21号]]の暴風雨や高潮などの影響で冠水したことが原因。消火活動は困難を極め、1ヶ月以上にわたり燃え続けた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASLB303GWLB2PIHB028.html |title=コンテナ火災、台風後1カ月鎮火せず 放水で爆発の恐れ |publisher=朝日新聞DIGITAL |date=2018-10-05|accessdate=2023-10-01}}</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
{{Commons|Magnesium}}
* [[高マグネシウム血症]]

== 外部リンク ==
* {{PaulingInstitute|mic/minerals/magnesium Magnesium}}
* {{Hfnet|656|マグネシウム解説}}
* [http://www.ons.ne.jp/~taka1997/education/2003/chemistry/05/index.html 実験５　マグネシウムの酸化]
* {{ICSC|0289|name=マグネシウム(粉末)}}
* {{ICSC|0701|name=マグネシウム(ペレット)}}
* {{kotobank|2=}}

{{Normdaten}}
{{元素周期表}}
{{マグネシウムの化合物}}

{{DEFAULTSORT:まくねしうむ}}
[[Category:マグネシウム|*]]
[[Category:元素]]
[[Category:アルカリ土類金属]]
[[Category:第3周期元素]]
[[Category:必須ミネラル]]
[[Category:第2類危険物]]
[[Category:燃料]]