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{{出典の明記|date=2018年4月}} {{読み仮名|'''マルコフ性'''|まるこふせい|{{lang-en-short|Markov property}}}}は[[確率過程]]が持ちうる「現在状態が明らかなら、未来状態は過去履歴から独立して予測される」という性質である<ref name=":0">"現在の状態がわかったという条件のもとでは,未来の状態は過去の履歴とは独立に予測される,この性質はマルコフ性といわれている." 以下より引用。{{Cite journal2 |last=岡部 |first=靖憲 |year=1973 |title=正規過程のマルコフ性と局所性について |url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku1947/25/3/25_3_266/_article/-char/ja/ |journal=数学 |volume=25 |issue=3 |pages=266-272 |doi=10.11429/sugaku1947.25.266}}</ref>。 == 概要 == マルコフ性は[[確率過程]]が持ちうる特性の一種で「過程の将来状態の条件付き[[確率分布]]が、現在状態のみに依存し、過去のいかなる状態にも依存しない」ことをいう(⇒ [[#定義]])。すなわち、過去の状態が与えられたとき、現在の状態(過程の経路)は[[条件付き独立]]である。 この性質は[[ロシア人]][[数学者]]の[[アンドレイ・マルコフ]]にちなんで名付けられた。 マルコフ性のもつ確率過程は[[マルコフ過程]]と呼ばれる。マルコフ過程で最も知られているのは[[マルコフ連鎖]]だが、他にも様々な過程があり、[[ブラウン運動]]もマルコフ性を有する<ref>{{Cite book |title=Brownian Motion, Martingales, and Stochastic Calculus |year=2016 |publisher=Springer Cham |pages=153-154 |url=https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-31089-3 |first=Jean-François |last=Le Gall |author-link=ジャン=フランソワ・ル・ギャル}}</ref>。 == 定義 == === 口語的定義 === 次の性質はマルコフ性と定義される<ref name=":0" />: :「現在状態が明らかなら、未来状態は過去履歴から独立して予測される」 === 確率論的定義 === {{出典の明記| date = 2025年2月| section = 1}} [[確率過程]] <math>X(t)</math> が次の条件を満たすとき、この確率過程はマルコフ性を持つ: :<math>\mathrm{Pr}\big[X(t+h) = y \,|\, X(s) = x(s), \forall s \leq t\big] = \mathrm{Pr}\big[X(t+h) = y \,|\, X(t) = x(t)\big], \quad \forall h > 0.</math> == 派生概念 == === 斉時的 === {{出典の明記| date = 2025年2月| section = 1}} 以下が成り立つマルコフ過程を「斉時的; time-homogeneous」であるという。 :<math display="block">\mathrm{Pr}\big[X(t+h) = y \,|\, X(t) = x\big] = \mathrm{Pr}\big[X(h) = y \,|\, X(0) = x\big], \quad \forall t, h > 0,</math> そうでない場合は「非斉時的; time-inhomogeneous」であるという。斉時的マルコフ過程は一般に非斉時的過程よりも単純であり、マルコフ過程の中でも最も重要なクラスである。 === 高階マルコフ過程 === {{出典の明記| date = 2025年2月| section = 1}} 実際にはマルコフ過程でないものを「現在」状態や「将来」状態の概念を拡張することでマルコフ過程的に表現することもある。例えば、''X'' が非マルコフ過程であるとする。ここで、''X'' における状態間の時間間隔を過程 ''Y'' の各状態とする。これを数式で表すと次のようになる。 :<math display="block">Y(t) = \big\{ X(s): s \in [a(t), b(t)] \, \big\}.</math> ''Y'' がマルコフ性を持つ場合、それは ''X'' のマルコフ的表現となる。この場合 ''X'' を'''二階マルコフ過程'''({{en|second-order Markov process}})と呼ぶ。'''高階マルコフ過程'''も同様に定義される。 非マルコフ過程のマルコフ的表現の例として、[[移動平均]]を[[時系列]]に並べた[[移動平均線]]がある。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 出典 === {{reflist}} == 関連項目 == * [[確率論]] * [[確率過程]] ** [[マルコフ過程]] *** [[マルコフ連鎖]] * [[マルコフ再生過程]] * [[マルコフ決定過程]] * [[アンドレイ・マルコフ]] * [[マルコフ連鎖モンテカルロ法]] {{確率論}} {{デフォルトソート:まるこふせい}} [[Category:確率論]] [[Category:アンドレイ・マルコフ]] [[Category:数学に関する記事]]
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